「EVOLVE Ultimate Edition」レビュー

EVOLVE Ultimate Edition

突然侵入してきた無粋な人間どもに、誰が支配者なのかを教えよう!

突然侵入してきた無粋な人間どもに、誰が支配者なのかを教えよう!

モンスターでのプレイはTPS視点

 さて、冒頭でもご紹介したが、本作最大の特徴は対人戦でボスモンスターになりきれることだ。惑星シーアには、小さな野生動物、やや大きめの捕食動物、さらに大きなエリート野生動物がおり、プレーヤーが操作するモンスターはそんな食物連鎖の頂点に立つ存在だ。

 見上げるほど巨大な体は強靭で、狭い場所を移動するときには、木々をなぎ倒し、岩を崩しながら進む。さらに、そんな巨躯にも関わらず、敏捷さも兼ね備えており、岩から岩へとジャンプしたり、中には空を滑空できるものもいる。

 最初に使えるモンスターは、火炎放射や岩投げで相手を攻撃する「GOLIATH(ゴライアス)」と、墜落したメテオでパワーアップし、青い炎をまとった「METEOR GOLIATH(メテオ ゴライアス)」、空から雷撃で攻撃を行なう「KRAKEN(クラーケン)」の3体。この中で扱いにクセのある「クラーケン」は上級者向けで、その他の2体は初心者向けだ。ほかにも「クラーケン」の全アビリティをランクアップすると使えるようになる「WRAITH(レイス)」や、DLCで追加された強力な岩の怪物「ベヒモス」、蜘蛛のような姿をした「ゴーゴン]の6体のモンスターが存在する。

 戦いを通じて取得できる経験値は、アカウント単位のものと、キャラクター(モンスター6体、ハンター20人)ごとのマスタリーに分かれている。アカウント単位の経験値ではレベルが上がっていき、キャラクターを決める時に選択可能なパークの種類が増えていく。パークはモンスター側とハンター側に分かれており、例えばモンスターなら吸収の速度を早くしたり、攻撃力にボーナスが付いたりする。ハンター側ならジャンプの高さUPや、武器切り替え速度UPなどがある。

 キャラクター別のマスタリーは、有効だった攻撃の分だけそのアビリティにマスタリーポイントが入る。ほかにも武器事にいろいろな条件をクリアすることで、能力の強化がアンロックされる。キャラクターは勝ち試合でも負け試合でも成長していくので、とにかく出撃回数を重ねることで強くなっていく。経験値に比べるとマスタリポイントは貯めにくいので、ある程度やりたいことを決めて集中して育てていくのがよさそうだ。

 今回は初心者用の「ゴライアス」でモンスター気分を満喫してみた。残忍そうな面構えは、どうみてもハンターなど爪の一振りで沈められそうな凶悪極まりない雰囲気。さっそくその力のほどを見せつけようと、ウキウキしながらハンターたちに襲い掛かってみた。だが、ハンターはシールドを貼りつつ、回復と攻撃が連携してまったくHPを削らせてくれない。幾重にも罠にからめとられてまともに動くことすらままならないまま、あっさり討伐されてしまった。

 なるほど、“百獣の王”とはいえ、やはり自分を狩りに来ているフル装備のハンターと正面切って戦うのは分が悪いということだろう。まずは強化が必要だ。モンスターは、野生動物を倒して吸収することで外皮というシールドに当たる部分を回復するとともに、2段階の進化を遂げることができる。最初は見た目とは裏腹の貧弱さに驚くが、進化を繰り返すことでどんどん固く、強くなっていく。進化によって、新たに使えるアビリティも増えていく。このため、可能な限り、どんどん進化すべきなのだが、唯一の弱点は進化の最中には身動きできない時間が数秒間あり、その間は完全に無防備になることだ。進化はなるべく隠れた場所でこっそりやりたい。

 進化に限らず、モンスターの序盤はとにかくハンターに見つからないようこそこそと立ち回る必要がある。スニークを使って隠れたり、嗅覚を使ってハンターの位置を把握したりしつつ、進化してチャンスを狙う。食べるのに夢中になりすぎて、気づいた時には囲まれていたり、せっかく大物を仕留めても吸収するヒマもなく罠でからめとられて倒されたりと、野生の力を発揮するのは簡単ではない。だが、火炎を吐いたり、空から雷撃を浴びせかける大迫力のモンスタープレイは、動きを見ているだけでも爽快で胸躍る。

【モンスター視点】
「狩猟」では、マッチが始まるとハンターがくるまでに野生動物を吸収して進化を目指す
倒した野生動物を吸収すると、水色のゲージが貯まっていく
ハンターに見つかって、がんじがらめにされてしまった
かっこよく空を浮遊できるモンスター「クラーケン」
第3段階に進化したゴライアス
今回はアンロックできなくて使えなかったゴーゴン

最新の装備とチームの力があれば、デカブツなど恐れるに足らず!

ハンターは必ずアサルト、トラッパー、メディック、サポートの4クラスがワンセットになる

 モンスターを操作していると、ハンターの存在は、逃げても逃げても追いすがってきては、攻撃を仕掛けてきたり、罠を張り巡らせてくる非常にイヤらしい存在だが、それではと自分で操作してみると、実は単体ではそれほど強くないことに気付く。モンスターはTPSだが、ハンターはFPS視点での操作になるので、モンスターとの接近戦では敵を見失いやすい。そのため、モンスターとの位置取りが非常に重要な意味を持つ。

 ハンターには「ASSAULT(アサルト)」、「TRAPPER(トラッパー)」、「MEDIC(メディック)」、「SURPORT(サポート)」の4つのクラスがあり、それぞれに得意技の違う複数のキャラクターがいる。

 「アサルト」は前線で戦う重装備のクラス。パーソナル・シールドを使って一時的にモンスターの攻撃を無効化することもできる。「トラッパー」は敵の探査能力に優れたクラスで、フックでモンスターの動きを拘束したり、モバイルアリーナというドームを展開してモンスターを閉じ込めたりと、戦いの展開を左右する重要な役割を担っている。

 「メディック」は味方を回復したり、敵に毒を注入したり、弱点をついたりできる。「サポート」は味方の防御力を上げたり、攻撃力を高めたりといったサポートを得意とするクラス。同じクラスでもキャラクターごとに使う武器もアビリティも違うので、能力に合わせた戦い方が求められる。

 モンスターとの大きな違いは、ハンターが4人1組のチームで動くことだ。自分以外の3人がサポートしてくれるので、初心者でもそこそこさまになる戦いができるので、マルチプレイはまずはハンターから試してみることをオススメする。

 ハンターは2回までは戦闘不能になっても周りのキャラが回復してくれる。現在の仕様では、1回目の戦闘不能ではHPが80%に、2回目には60%になるデスペナルティがあり、3回目には即死して、宇宙空間にある母船からのリスポーンとなる。この再出撃には2分ほどの待機時間が必要だ。ソロプレイならその間にほかのキャラを操作することができるが、マルチプレイだとこの時間が果てしなく長く感じられる。パニックSFの映画のように、戦っているキャラの緊迫した声だけがインカムから聞こえてくるせいで、余計に焦ってしまう。

 というわけで、ハンターはなるべく死なないように戦わなくてはならない。それには、ジェットパックを使ったジャンプでなるべく高い足場を確保したり、常に仲間と一緒に行動したり、自分が操作するキャラの役割をしっかりこなすことが大切だ。AIのハンターは不慣れなプレーヤーより数段上手なので、マルチプレイをする前にソロプレイでAIと一緒に様々なキャラやクラスを試しておくのがいいだろう。というのは、マルチプレイではマッチングが優先されるため、100%自分が遊びたいクラスになるとは限らないからだ。

 ちなみに、ハンターは戦闘中ずっと英語ボイスでしゃべり続ける。このセリフをよく聞いていれば、キャラクターがその時使っているスキルや、キャラの状態がある程度分かるようになっている。自分のキャラが戦闘不能に陥った時には、「助けてくれ! 動けないんだ!」と周りに助けを求めてくれる。4人全員が死んでしまうとハンター側の負けになるので、必死で蘇生してくるはずだ。

【ハンター視点】
トラッパーのMaggieは犬のように敵を探す小型のモンスターを連れている
初めてそのクラスを使うときには、簡単な解説が入る
トラッパーはモンスターの動きを阻害できる
メディックのVal、Rougeバージョン
Valは回復ビームを出すMedgunを使う
かなり個性的なメンツがそろっている
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(石井聡)