ゲーミングデバイスレビュー「GV-N970G1 GAMING-4GD」

GV-N970G1 GAMING-4GD

軽いゲームではDSRが効果的。ゲーマー的に投資効果は非常に高い

軽いゲームではDSRが特に効果的。ゲーマー的に投資効果は非常に高い

GTX 970が刺さっていると1080pモニタでも、何もしなくても各ゲームで4K解像度が選べる
このシーンで比較してみよう

 上記の各ベンチマークではヘビー級のゲームに絞ってお届けしたが、GTX 670からGTX 970にGPUだけ取り替えるというシナリオの効果は非常に大きなものがあった。その他の環境はそのままで、おおむね1.5倍のフレームレートが見込めるというのは投資効果として非常に高いものがある。

 ただその一方で、もっと軽めのゲームでは前世代のGTX 670で充分、という事情もある。そこで活用を考えたいのが前述のDSRだ。既存ゲームを内部4KでレンダリングできるDSRは、はなから重いヘビー級のゲームよりも、動作が軽量な既存ゲームで非常に使い出がある。

 例として「ダークソウル2」を挙げてみよう。本作品はもともと60fps固定のゲームなので、よりパワフルなGPUをフレームレート向上に使うことはできない。そのかわり、GTX 970にて内部4K解像度とした場合、フレームレートは60fps張り付きのまま、明らかに画質が向上する。

 違いがよくわかるのは草とか金網等の細かい部分や、プレーヤーキャラの装備の端々の装飾、そのエッジ部分の鮮明さなどだ。フレームレートはいっさい変わらず快適なまま、映像のグレードがちょっぴり上がって新鮮な気分でプレイできる。

通常の1080p描画。草のエッジがジャギジャギになっている
DSRによる内部4K描画→1080p表示。草のエッジや鎖帷子の模様など細かい部分が精細に見える

「BF4」での比較もしてみよう

 「ダークソウル2」はNVIDIAのオススメ適用例でもあるため効果がわかりやすかったが、趣向を少し変えて「BF4」についてもDSRの効果を見てみよう。本作では「最高」品質での4Kレンダリングは少々きついが、「高」、「中」あたりの品質設定では60fps動作を確保できる。

 パンチスルー系のテクスチャをあまり使わない「BF4」では普通にアンチエイリアスをかけるだけで充分とも思われたが、敢えてDSRによる内部4K描画を用いると、遠景の情報量の向上が際立った。下の例はやや遠目の風景を切り取ったものだが、椰子の木の葉、鉄塔の横棒のつながり等ががはっきり描写されるようになっている。また、戦車のエッジ部やキャタピラ部に見られるハイライトと細部の影がくっきり見られ、背景とのメリハリが増した。遠景の視認性が増すことで、特に大型マップでのプレイで違いをつくりだしそうだ。

通常の1080p描画。もともとアンチエイリアスが効いているのでジャギー感はないが、植物の葉っぱなど微妙に画素が欠けている感はある
DSRによる内部4K描画→1080p表示。椰子の木の葉が綺麗につながり、鉄塔の細かい部分もきっちり見える。戦車のキャタピラ部など3Dモデルもハイライトがしっかり出て、情報量が増えている

 結論として、高いパワーに加えてDSRのようなメリットもあるGTX 900シリーズは、ピンポイントでPCをアップグレードするなら真っ先に考えるべき換装オプションだ。

 特に本製品「GV-N970G1 GAMING-4GD」は、リファレンスから1~2割増しという高比率のオーバークロック効果と静音性が同居し、長いことカッティングエッジなパフォーマンスを見せてくることは、間違いない。やがて時期をずらしてCPUを換装する時が来たとしても、その最新CPUのパフォーマンスに必要以上のグラフィックスパワーを提供してくれることだろう。

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(佐藤カフジ)