ゲーミングデバイスレビュー「GV-N970G1 GAMING-4GD」

GV-N970G1 GAMING-4GD

2年前のPCからGPUだけ換装するというシナリオ:効果大

2年前のPCからGPUだけ換装するというシナリオ:効果大

 PCゲーマーにとって、最新のPCゲームを快適に遊べる環境を常に維持することが生活上の重要テーマだ。予算に余裕があれば毎年本体まるごと買い換えるのもアリだが、ゲームを買う予算をできるだけ増やすためピンポイントでアップグレードを施している方も多いと思う。

 特に多くの最新ゲームが基準とするコンソールマシンがPS3/Xbox 360世代からPS4/Xbox One世代になったことで、いまどのようなアップグレードを施せばよいか、思案している人はたくさんいそうだ。

 筆者もそのひとりだ。ちょうど我が家には、2年前に新調したKepler世代のゲーミングPCがある。CPUはIntel Core i-7 2600、GPUはGTX 670。ここからCPUを最新世代に変える場合、ソケット仕様が古いので(最近変えすぎ!)マザーボードごと交換となるので余計にお金がかかるし、面倒くさい。

 今回はこの構成でPS4/Xbox One世代のゲームをいくつかプレイして、ビデオカードだけ最新モデルに交換するのが現実としてアリな選択肢なのか比較ベンチマークを行なってみた。

3DMark

地味に新デモが追加されている3DMark

 定番のベンチマークソフト、3DMarkでは高負荷のテストほど差が出た。もっとも負荷の低い「ICE STORM」テストでは1%も変わらないが(GTX 670でも1,000fps以上出る!)、最も重量級の「FIRE STRIKE」テストでは64%もの差が出た。ついでに“9000 Over!”というSteam実績ももらった。嬉しい。

 GTX 970に搭載された第2世代MaxwellではCUDAコアの最適化やフレームバッファ圧縮によるメモリの実効帯域の増加などにより、シェーダーグラフィックスの描画効率が大きく高められているが、より高負荷のテストでその影響がモロに出た格好と見ていいだろう。

3DMark、各種テストにおけるベンチマーク結果。高負荷なものほどGTX 970の上昇率が高い

各種ゲームテスト(1080p、最高品質)

「デッドライジング 3」ではゾンビまみれの交差点をぐるぐる回って平均FPSを計測した

 GTX 970クラスのハイエンドビデオカードなら全部のゲームを最高品質で遊んであたりまえ、ということで「バイオハザード 6」、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」、「デッドライジング 3」という3つのゲームを1080p解像度、それぞれ設定可能な最高品質の画質で走らせてみた。

 最も大きな差がついたのは「バイオハザード 6」だった。およそ5割増しのフレームレートが達成されている。CPUは同じでGPUだけ変えてこの差というのはかなり大きい。

 「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のほうもわりと大きな差がついた。こちらはベンチマーク中に60fpsを割るシーンがなくなったというのが体感上、大きな点だった。

 一方、「デッドライジング 3」は期待したほどの差が付かなかった。本作にはベンチマーク機能がないので、ゾンビ一杯の交差点を1分間走り回って平均FPSをFRAPSで計測する方法をとったが、どうもCPUの1コアあたりの処理能力がネックになっているような印象。タイトルによってはCPUを強化したほうが良いケースも稀にあるということかもしれない。

「新生FFXIV」と「バイオハザード 6」は換装の効果あり

「Battlefield 4」での4K解像度テスト

「BF4」では解像度スケールを200%にすることで1080pモニタでも4K解像度のレンダリングができる
GTX 970ではGeForce Experience上のオプションで4Kオーバーサンプリングが可能

 GTX 970搭載カードの新たな旨味として注目したいのが、既存ゲームをより高品質でレンダリングできるDSR(=Dynamic Super Resolution)機能だ。これは、早い話がモニターのパネル解像度よりも高い解像度でレンダリングを行ない、それをダウンサンプリングして表示するというもの。1画素に含まれる情報量が増えるので、細部の表現がより美しくなるという効果がある。

 それに加えて最近では4K解像度のゲーミングモニターが増えてきているので、ハイエンドビデオカードの使命のひとつは、仮想4Kあるいは実際の4K解像度をきちんと描画できるかどうか、ということになるだろう。

 これをテストするために、内部解像度を自在に調整できる「Battlefield 4」を使用した。画質設定はいずれも「最高」で、解像度だけを変えてのテストだ。

 まず通常の1080p解像度では、GTX 670は79fpsとまずまずプレイアブルだが、GTX 970はそれのさらに6割増し、常時120fpsの快適プレイが可能なフレームレートを達成した。

 次に「BF4」のグラフィックスオプションで内部解像度を4Kにした場合。GTX 670では21fpsと、まったくプレイに適さないフレームレートへ落ちてしまったが、GTX 970ではその倍、一応プレイアブルとなる40fpsを確保。その差は2倍近い。

 ついでにNVIDIA GeForce Experience側で設定する、DSRによる4K表示を試したところ、「BF4」側で設定した場合よりも若干ながら(3~4%程度)フレームレートの低下があった。これはDSRにおけるダウンサンプリングが、かなり高品質なものであるためだろう(関連記事)。

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(佐藤カフジ)