ゲーミングデバイスレビュー「SHIELDタブレット」

SHIELDタブレット

使いやすい「SHIELD ワイヤレスコントローラー」。タッチ専用ゲームにも効く!

使いやすい「SHIELD ワイヤレスコントローラー」。タッチ専用ゲームにも効く!

「SHIELD ワイヤレスコントローラー」
スティック配置はDUALSHOCKタイプだが、使い心地はXbox 360コントローラーに近い
この部分がタッチセンサー。
ヘッドフォン端子つき

 というわけで壮絶な性能を誇る「SHIELDタブレット」。既存のAndroidゲームなら全部軽々と動作できるというのは言うまでもない。既存ゲームを快適に楽しむのもいいが、本製品で本当に遊ぶべきものはTegra K1向けにデザインされたハイエンドゲームだ。そして、そのようなハイエンドゲームはほとんどヘビーな3Dゲームで、操作系はゲームコントローラー向けにデザインされている。

 そこで本製品と併せて使いたいのが専用の「SHIELD ワイヤレスコントローラー」だ。これも別売で実勢価格8,000円~9,000円程度と値が張るが、手持ちにBluetoothコントローラーがあったとしても、ぜひセットで手に入れて欲しいデバイスだ。

 「SHIELD ワイヤレスコントローラー」は、作り的にはXbox 360コントローラーの形状にDualShockシリーズのスティックレイアウトを持つコントローラー、と言える。手に持って触った感じはXbox 360コントローラーをもう少しだけゴツくした感じだが収まりは悪くなく、ボタンやスティックの感触もXbox 360コントローラーにかなり近い。少なくともプリフェラルデバイスには不慣れなハズのGPUメーカーが作ったものとは思えないほどのレベルだ。触ったその瞬間から違和感なく操作ができる。

 独自仕様として面白いのは、NVIDIAロゴのついたホームボタンとその周辺の特殊コントロールボタンのほか、コントローラー下部にタッチセンサーがついていることだ。PS4のDUALSHOCK 4にもタッチセンサーがついているが、それと全く同じ感じである。この部分を使うと、画面上にバーチャルタッチカーソルが登場し、本体パネルをタッチするかわりにコントローラーだけで全てのAndroid操作ができる。

 基本的には、スティックで項目を選択、ABボタンで決定/戻る、という操作スキームでAndroidの一般的な操作がほぼ全てできる。ただ、それらの操作でどうにもならない場合は時々存在するので、そういうときは手元のタッチセンサーでなんとかするわけだ。このように、コントローラーだけでAndroidをフルコントロールできるのは新鮮だし、便利だ。

 また、コントローラー上部にはアナログヘッドフォン用の音声出力端子が付いているので、タブレット本体から少し離れてプレイする際、ヘッドフォンケーブルを手元だけで取り回せる。このようにいろいろな機能がついているがゆえに、「SHIELD ワイヤレスコントローラー」は少々ゴツイフォルムになっているのだろう。

 「SHIELD ワイヤレスコントローラー」の充電が済めば本体とのペアリングは数秒で終わる。通信方式はBluetoothではなく独自プロトコルのWi-Fi接続となっており、仕様上はBluetoothコントローラーよりも遅延が小さいらしい。この点は体感が難しく違いがよくわからなかったが、少なくとも遅延は無いに越したことはない。

全体的なフォルムはXbox 360コントローラー系統。かなりガッチリとしていてよく手に馴染む。左右トリガーはストロークが深くアナログ操作がしやすい

ゲーム機のダッシュボード的な「SHIELDハブ」
タッチ/コントローラーハイブリッドのゲーム「FIFA 15 ULTIMATE TEAM」コントローラでゴールラッシュした
「ゲームパッド マッパー」を「Minecraft」で利用
自分で設定しなくてもクラウドから出来合いの設定を持ってこれるので楽
タッチだとイラつく事が多いがコントローラーならスイスイ操作

 当然、「SHIELD ワイヤレスコントローラー」が一番役に立つのはコントローラー対応ゲームにおいてだ。本製品のダッシュボード的な役割を果たすアプリ「SHIELDハブ」ではマーケットカタログに“コントローラー”カテゴリーがあり、コントローラー対応のゲームを大量に見つけることができる。それらのゲームではゲーム専用機と全く同じ感覚で操作でき、快適だ。その際にはタブレットを手で持つわけにはいかないので、縦置きしたい。ゆえに前に述べたように、縦置きするためのカバーが必須というわけだ。

 コントローラー対応のゲームが快適なのは当然として、「SHIELD ワイヤレスコントローラー」はコントローラー非対応のゲームでも威力を発揮する。端末側に組み込まれた「ゲームパッド マッパー」機能によって、各タッチ操作をスティックやボタンに割り当てできるのだ。

 マッパー機能を呼び出して設定画面を出すと、ゲーム画面にオーバーレイされる形で操作マッピングの編集モードとなる。ここで任意のポイントを選択して、各操作を割り当てていく。例えば移動操作のタッチ領域には左スティックを、ジャンプ操作のタップ領域にはAボタンを、というふうに割り当てれば、次からコントローラーでそのゲームを操作できるというわけだ。

 ただこの編集をゲームごとにやるのはかなり面倒臭いので、本機能にはマッピングデータのクラウド共有機能が用意されている。これは世界の中の誰かが作ったマッピングデータがゲームタイトル毎に整理されたもので、ゲーム内から呼び出すとそのゲーム用のマッピングデータだけがリストアップされるのだ。

 北米で本製品は先行発売されているほか、前モデルの「SHIELD ポータブル」にも同等の機能が実装されているため、既存のゲームにはおおむね、よく調整されたマッピングデータがたいていの場合、すでに存在する。よく遊ばれているゲームにはNVIDIA謹製のデータも用意されているようで、筆者が試した「Minecraft」や「Trials GO」ではクラウド共有から出来合いのデータを選ぶだけで快適なコントローラー操作ができるようになった。これはメチャメチャ便利だ。

 例えば「Trials GO」のような操作が忙しいゲームをタッチで操作する場合、急いだり力んだりしてタッチする場所が不正確になり、思ったのと違う操作になってしまうことも多い。一番やっかいなのは画面下部をスライドしてしまってAndroidホームのコントロールバーを出してしまい、しばらく操作不能に陥るケース。操作をコントローラーに割り当ててしまえば、そんな問題は無縁となる。しかも明らかに操作の素早さや正確さが上がる。何より快適。皆さんもお気に入りのタッチ操作ゲームがあるなら、この機能を使わない手はない。使うべきだ。

「Trials GO」。タッチ専用タイトルだが機敏な操作が必要なのでコントローラー用に設定する

【「Trials GO」を「SHIELD コントローラー」でプレイしてみた】
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(佐藤カフジ)