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NVIDIA、究極のゲーミングタブレット「SHIELDタブレット」を日本でも発売
Tegra K1搭載で据え置き機水準のゲーム性能。10月10日発売開始!
(2014/10/2 21:07)
NVIDIAは10月2日、同社の最新モバイルチップであるTegra K1を搭載したゲーミングタブレット「SHIELDタブレット」の国内発売を正式発表した。これに対応するゲームコントローラー「SHIELDワイヤレスコントローラー」、専用カバー「SHIELDタブレットカバー」とともに10月2日より予約受け付けを開始、10月10日より販売を開始する。価格はオープンプライスで、実売価格は40,000~45,000円前後を予定。
本製品に搭載されたTegra K1はGeForce 600~700世代に搭載されたKeplerアーキテクチャのGPUを元にしたモバイルチップで、デスクトップGPUと同等のグラフィックス機能(OpenGL 4.4/Direct X11相当)を有する。これを搭載する本製品は、2013年にリリースされたポータブルゲーム機「SHIELDポータブル」、タブレット端末「Tegra Note 7」の双方の特徴を継承し、据え置きゲーム機としての使い方も可能なパワフルなゲーミングタブレットとなった。
ゲーム用途で並ぶ者のない新次元のゲーミングタブレット
都内にて行なわれた製品発表会ではNVIDIA Japan 日本代表兼米国本社副社長の大崎真孝氏が登壇。ゲーミングPCやハイパフォーマンス・コンピューティング分野でNVIDIAが大きなシェアをとってきた実績をアピールした上で、タブレット端末市場の技術的な成熟を指摘。「市場が成熟し画一化が進んだ結果、自動車やPC市場と同様に、特化型の製品が求められるようになった」として日本市場への投入意図を説明。タブレットをベースとした究極のゲーミングマシンとして「SHIELDタブレット」を位置づけた。
続いてNVIDIA Japan Tegraソリューション部 SHILEDビジネスマネージャーの山田泰永氏、同社マーケティング本部テクニカルマーケティングエンジニアの矢戸知得氏が、「SHIELDタブレット」の特徴を説明した。以下、詳しく見ていこう。
既存ハイエンドタブレットを大幅に上回る性能
まず注目したいのがその性能だ。紹介されたスライドでは、iPad Air及び既存のAndroidハイエンドタブレットと比較して、グラフィックスベンチマークで2~4倍の性能差があることが示された。
それだけではない。「SHIELDタブレット」に搭載されたTegra K1は、KeplerアーキテクチャのデスクトップGPUと機能的には同等となる192コアのSM(Streaming Multiprocessor:GPUの処理単位となるストリーミングプロセッサの集合ユニット)を搭載している。これによりデスクトップ向けと同等のシェーダー命令が実行可能となっており、例えば大手ゲームエンジンであるUnreal Engine 4にも対応する。
ゲスト登壇したエピック・ゲームズ・ジャパン代表の河崎高之氏は、本製品上で動くUnreal Engine 4デモ「Rivalry Demo」を披露した上で、「ゲームファンのコア層はライフルスタイルの変化とハイクオリティゲームへの渇望のギャップに苦しんでいるのではないでしょうか。ハイエンドゲームを実行できるSHIELDタブレットは、ゲーマーにとっての救世主になるのではなかと思っています」と語っている。
ゲームのためのコントローラー機能
「SHIELDタブレット」は単体でも1080pパネルによる高詳細な映像出力が可能で、小さいながらサブウーファー付きのステレオスピーカー出力もあるため、普通にハイエンドタブレットとしても使える。だが、その真価は別売の「SHIELD ワイヤレスコントローラー」を接続することでその真価が発揮される。
「SHIELDワイヤレスコントローラー」は独自設計されたWi-Fi通信により本製品と接続し、遅延は一般的なBluetoothコントローラーのおよそ半分に低減されているという。コントローラー側に音声出力端子を備えヘッドセットの接続が可能で、またマイク入力やタッチセンサーによるポインティング入力機能も搭載しており、ゲーム操作だけでなくタブレットしての操作も全てカバーできるという、非常に高機能なコントローラーになっている。
テレビに接続する据え置きモード
「SHIELDワイヤレスコントローラー」の存在と、本体側にHDMI出力端子を備えていることで実現するのが、本製品の据え置きモードだ。「SHIELDタブレット」はテレビ等の外部モニターに接続することで1080pの映像を大画面に出力できる。これとワイヤレスコントローラーがあれば、据え置きゲーム機と全くおなじ感覚でゲームを遊べるというわけだ。
コントローラー側でタッチ操作や音声入力も可能であるため、タブレットの操作全般でパネルに直接触れる必要がないなど、使い勝手も工夫されている。さらに「SHIELDタブレット」には4つまでのコントローラーが接続可能で、対応タイトルでは協力プレイなどのローカルマルチプレイヤーも可能だ。プレイスタイルとしても、据え置きゲーム機と全く同じ事ができるのである。
ShadowPlay機能による録画/ストリーミング
Keplerアーキテクチャ以降のNVIDIA製GPUには、バックグラウンド録画/配信機能であるShadowPlayが搭載され、昨年末からデスクトップPCやノートPCで利用できるようになっているが、それと同じものが「SHIELDタブレット」にも搭載される。
ゲームプレイの模様は1080p品質で録画でき、Androidのシェア機能を通じてYouTubeやその他の共有サービスへのアップロードが可能だ。また配信機能はTwitchに対応。本体前面に500万画素のカメラが搭載されているため、プレーヤー自身の姿をゲーム画面にオーバーレイさせた状態での配信も可能だ。さらにTwitchで投稿されたコメントを画面にオーバーレイ表示する機能もある。
PCゲームのストリーミングプレイ
過程にNVIDIA GPUを搭載するゲーミングPCがあるなら、家庭内WiFiの届く限り、「SHIELDタブレット」でPCゲームをいつでもどこでもプレイできる。これはPC側で実行されるゲームを無線を通じてタブレット側に出力する機能で、前モデル「SHIELDポータブル」にも搭載されていたものだ。
ゲームの起動も「SHIELDタブレット」から操作できるため、PCが起動してさえいればPC用のハイエンドゲームをするためにPCに触れる必要すらない。遅延の問題は心配されるが、会場ではPC用レースゲーム「GRID 2」をスムーズにストリーミングプレイする様子が披露された。
高性能スタイラスと3Dペインティング
NVIDIAでは全てのタブレットにスタイラスが付属するべきと考えているとのことで、「SHIELDタブレット」もスタイラスによるタッチ操作にはかなりのこだわりが与えられている。基本的には前モデル「Tegra Note 7」に搭載されたものと同じ、工夫されたペン先の形状により筆圧感知をエミュレートするものだ。
この機能を活かすため、「SHIELDタブレット」には専用の3Dペインティングアプリがプリインストールされている。これは水彩画、油絵のキャンバスをTegra K1のCudaコアを駆使した物理シミュレーションでタブレット上に実現するもので、水彩絵の具のにじみや垂れ、油絵の具の盛りまで詳細に再現。この機能を使ってお絵かきを楽しんだという女優の八木のぞみ氏は、「絵の具をパレットで混ぜて好きな色を何色も自由に作ることができて驚いた」と、ペインティングアプリの自由度の高さを評価していた。
日本では10月10日販売開始。実売価格は40,000~45,000円
本発表会で披露されたとおり、「SHIELDタブレット」はゲーム用途に特化しつつ、ハイエンドタブレットとしても高機能なものにまとまっており、既存の標準的なAndroidゲームからコントローラー対応ゲーム、Tegra K1最適化タイトルまで幅広く楽しめる端末になることは間違いない。
本体および周辺機器の価格はオープン。実売予想価格としては「SHIELDタブレット」本体の16GB/Wi-Fiモデルが40,000~45,000円、「SHIELDコントローラー」が8,000円から9,000円、専用カバーが4,500円から5,000円程度となる見込み。
ゲームコンソールとしてはそれなりに値の張る製品となるため、課題としては対応タイトルの充実が挙げられる。コントローラー対応のAndroidゲームはすでに数百タイトル存在するということだが、Tegra K1の性能をフルに活かす最適化タイトルについては、今後NVIDIAからさらなる情報を提供したいとしている。
全く新しいゲームプラットフォームになりそうな本製品「SHIELDタブレット」については、今後弊誌でさらなる情報をお届けしていきたい。