(2014/10/10 15:00)
年末のゲームラッシュに期待をかけるゲーマー諸氏も多いことだろう。FPS系のビックタイトルとしては「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア」や「アサシン クリード ユニティ」などがあり2015年には「バトルフィールド ハードライン」などなど、筆者にとっても楽しみな作品が目白押しだ。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」や「ファンタシースターオンライン2」にも新パッチがあたり、MMOやMORPGなどの有名タイトルに大規模アップデートの予定を控えるものも多い。そんな中、マウスコンピューターのゲーム用ハイエンドPCのブランドG-Tuneから、GAME Watch編集部とのコラボレーションで生まれたのが、NEXTGEAR-MICROシリーズのNG-im550PA5-GW。通称GAME Watchモデルだ。
4K解像度でも快適にゲームプレイできるハイコストパフォーマンスPC
今回紹介するのは、マウスコンピューターとGAME Watch編集部とのコラボレーションによって生まれた、GAME Watchモデルであることは、上でも書いたとおりだ。実のところこのGAME Watchモデル。筆者は昨年もレビューを行なわせていただいている。そのときのコンセプトは当時発売を控えていたFPSの大型タイトル、バトルフィールド4を快適にプレイできることを目的としたコストパフォーマンスの高いPCであった。
今年も年末にかけてビックタイトルが立て続けに予定されているが、今回のマシンはそれらのビックタイトルを4K解像度という高解像度で楽しんでしまおうというもの。それでいて価格も抑え、15万円前後で購入できることを目的にパーツ選択が行なわれている。現在、4K解像度のモニタの価格が、税込みで約5万円前後となっており、GAME Watchモデルと合わせて、新規で4Kモニタを購入しても20万円前後で収まる価格設定だ。
4Kと言う言葉は最近でこそよく聞くようになった言葉だが、一言で言ってしまえば、縦4,000、横2,000前後の解像度の総称を言う。もう少し詳しく言うと、現行で一般的な4K解像度はDCI 4Kの4,096×2,160ドットと、4K UHDTVの3,840×2,160ドットの2種類だ。DCI 4Kのアスペクト比(縦と横の比率)は1.9:1で4K UHDTVが16:9となっており、前者は映画などで使われるかなり横長のもの、後者がテレビなどで使われているものだ。したがって、現状、テレビやPCでの4Kと言えば、4K UHDTVの3,840×2,160ドットのことを指す。
4K解像度のモニタを欲しいと思っているゲーマーはかなりいるはずだ。大きなモニタでのゲームプレイは没頭感がまったく違う上、4K解像度なら大画面でも高精細な描画が味わえる。価格も安価なものでは5万円程度と手頃で、各社からラインナップされている製品も多くなっており、選択の幅も増えてきた。しかし、4Kモニタへの移行は、かなりハードルが高い。
それはなぜか? 現在普及している一般的なモニタの解像度は、フルHDの1,920×1,080というのがかなり定着してきた。このフルHDから4Kモニタへの移行で、1番問題になるのが、ビデオカードのグラフィックス性能だ。というのも、1,920×1,080と3,840×2,160と言う数字だけ比較すると、倍になっただけという感覚にとらわれがちだが、ドットの総数で見た場合には4倍になっている。これは単純な見方をすると、フルHDでプレイしていたゲームを4画面同時に描画する性能がなければ、今までと同じように楽しむことができないことを意味している。
現時点で市場にある製品を見た場合、CPU内蔵のグラフィックス機能でも、4K解像度を表示することが可能だ。4K解像度の実現だけで考えると、モニタさえ用意すれば問題ないが、ゲームを目的に考えると、そうとうなパフォーマンスを持ったPCでなければ4K解像度でのゲームプレイは難しい。ここが大画面に移行したいゲーマーを悩ますところなのだ。
しかし、4K解像度で得られる恩恵は大きい、一般的なPC操作では画面に表示できる情報量の多さが1つの利点だ。ゲームにおいては先ほど書いたように高解像度で細かく描画されているため没入感がまったく違う。そして情報量の多さもゲームにおいて利点となる。下の画像を見てほしい。
この画像は「タワー オブ アイオン」と言うMMORPGのプレイ画面だ。画像の説明に書いたとおり、解像度が高い4Kモニタでは、表示できる情報量の多さに圧倒的な差が出る。フルHDではほとんどのウィンドウを閉じなければ行動もままならないが、4K解像度ならマップを表示しながら移動しても支障がないくらいだ。
このようにゲーマーにとっても、表示できる情報量の多さは重要な場面が出てくる。
性能と価格のバランスをゲーマー用PCとして特化
そんな4Kモニタ解像度でも快適にゲームプレイを楽しむことをコンセプトに作られたGAME Watchモデル。しかしそれでいて価格はお財布にやさしいコストパフォーマンスの高いマシンだ。ここにはどんな秘密があるのか。製品の仕様を見ながら探っていってみよう。
NEXTGEAR-MICRO NG-im550PA5-GW | |
---|---|
CPU | Core i7-4790(4コア/3,60GHz/TB時最大4GHz/HT対応/8MBキャッシュ) |
マザーボード | Intel H81 Expressチップセット |
メモリ | 8GB(DDR3 SDRAM PC3-12800、8GB×1) |
ビデオカード | Radeon R9 290X(GDDR5 4GB) |
ストレージ(HDD) | 500GB(7,200rpm)、Serial ATA 3.0 |
LAN | 1000BASE-T(オンボード) |
PCケース | G-Tune NEXTGEAR-MICRO専用ハイグレードM-ATXケース |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
電源 | 700W(80PLUS Bronze) |
OS | Windows 8,1 Update 64bit版 |
まずはPCの頭脳とも言えるCPUだ。GAME Watchモデルでは、Core i7-4790が採用されている。このi7-4790は、4コア8スレッドの同時実行が可能。定格では3.60GHzで、ターボブースト時には最大4GHzで動作する。メインストリーム向けとしてはハイエンドの位置付けで、現時点でこの上位の製品はi7-4790Kというオーバークロックの可能な製品のみだ。CPU単体の市場価格は35,000円前後でかなり高性能なCPUを搭載していると言ってよい。
GPUはAMDのハイエンドチップ、Radeon R9 290Xが採用されたビデオカードを搭載している。市場価格は7万円から8万円あたりで販売されている最上位の製品だ。
このCPUとGPUの組み合わせは、メインストリーム向けの製品の組み合わせとしてはほぼ最強と言ってもよいだろう。強力なCPUとGPUはゲーミングPCにとって必須の条件だ。この2つを見ただけでも、このモデルの性能の高さがうかがえる。
次にマザーボードだが、Intel H81 Expressチップセットが採用された製品となっている。H81はバリュー向けのマザーボードに搭載されるチップセットで、メインストリーム向けとは多少性質の違う製品だ。また、PCケースの項目を見るとmicro ATXケースを採用していることから、マザーボードも同プラットフォームのものが採用されていることがわかる。しかし、ゲーミングPCとして重要となるビデオカードは、本製品の場合対応スロットがPCI Express Gen 3.0だが、Intel H81ではPCI Express Gen 2.0までの対応だ。ただし、ビデオカード自体がPCI Expressの帯域を使い切っているとかというとそういうわけでなく、PCI Express Gen 2.0で十分とも言える。
CPUにおいては末尾にKナンバーがふられたOC可能な製品をOCすることはできないものの、本機に採用されているCore i7-4790を利用するにはなんら問題ない。ストレージも数が少ないもののSerial ATA 3.0も利用可能だし、USB 3.0も利用可能だ。ハイエンド製品と比較すると劣る部分はあるものの、大きな拡張を考えなければ、搭載されているパーツの性能を引き出し、ゲーミングPCとして利用する場合には、問題ないことがわかるだろう。
そしてメモリだが、こちらはPC3-12800 DDR3 SDRAMの8GB×1となっている。H81でもデュアルチャンネルに対応しているため、少しPCのことを知っている人なら2枚組になっていないのを不思議に思う方もいるかもしれない。しかし、実際のところ、ゲーム環境においてメモリのデュアルチャンネルが必須かと言われるとそうでもなく、実際にベンチマークをとってみても、それほど差は出ないのだ。
しかしストレージを見ると500GBのHDDが搭載されている。回転数こそ7,200rpmと早めのものを採用しているとはいえ、容量は500GBと少な目。ただ、ゲーミングPCとして考えるとそれほど容量を必要としないので、500GBでも十分だ。それよりも現行のPCではSSDを搭載するものが多く、リード/ライト性能に多少不安が残るところだ。
このIntel H81採用のマザーボード、8GBのシングルチャンネルメモリ、500GBのHDDという3つの要素は、CPUとGPUの豪華さに対して対照的なパーツ選定と言えるだろう。
次に電源を見てみよう。仕様には700Wの80PLUS Bronze認証を取得したモデルであることが書かれている。容量的には700Wあれば本構成で問題が出ることはない。むしろ、ストレージを少し増やすことも可能なレベルだ。LAN機能はオンボードの1000BASE-Tが用意されているので、通信環境においてもとくに問題はなさそうだ。OSはWindows 8.1が最初からプリインストールされている。現状、ゲームメーカーの対応状況もWindows 8.1で問題のあるタイトルはないので、この点においても問題はないだろう。
付属品としては、USBの日本語キーボードとオプティカルマウスが付属する。つまり、あとはHDMIやDisplayPortが利用できるモニタさえ揃えれば、オーディオ機能なども揃い、すぐにPCが使えることになっている。
このパーツ構成を見るとゲーミングPCにとって重要なCPUとGPUを贅沢な構成にし、それ以外の部分ではそつのない構成とし、一部コストカットのために犠牲になっているようにも見える。とくに気になるのはストレージだろう。それ以外は利用方法を絞った形と言えば理にかなっており、ゲーミングPCとして適切なパーツ選択がされている構成だ。この影響に関してはベンチマークに置いて検証するとしよう。
気になるGAME Watchモデルの中身を徹底チェック!
せっかく実機をお借りできたのだから、やはり気になるのがその構成パーツ。G-Tuneはマウスコンピューターが販売しているメーカーPCだ。しかし、マウスコンピューターが基板から設計してPCをデザインしているわけではない。市場に並んでいるパーツを採用している場合も多々あるし、市場に出回らないようなOEM用のパーツが使われている場合もある。
メーカー製PCが自作PCと大きく違うのは、マウスコンピューターがパーツ同士の相性などの動作保証を行なっていることだ。各パーツ単体ではなく、PC全体のユーザーサポートも受け付けているという安心感もある。
ただし、このような場合どこのメーカーのビデオカードを採用したかは、通常書かれていない。これは各パーツのベンダーの製品の生産状況によって、同じパーツが使えなくなることもあるからだ。それでも製品の販売を続けるのなら代替えのパーツを入手して組み込む場合がある。もちろんその場合、同性能の製品を搭載することになるが同じベンダーから提供されるとは限らない。
そんなわけでこれから本製品のパーツ構成について、パーツのベンダーまでわかるが、実際に購入してみたら中身が違っていたということもある。そのことを念頭においてみてもらいたい。
採用されているパーツ全体を見た場合、コストパフォーマンスを実現するためにトレードオフの部分はある。これは仕様の説明をした部分でも書いたとおりだ。しかし、それ以外を見た場合、手を抜いた作りはしていないことがよくわかる。OEMのものも、そうでないものも、大手ベンダーのものが使われており、安価な製品を組み合わせただけではないことがわかるだろう。
実際に4Kモニタを使ってベンチを実行。その性能を確かめよう!
では、ベンチマークソフトや実際のゲームを使って、GAME Watchモデルの実力を検証していってみよう。検証はやはり4Kモニタで利用してこその実力を見たいため、3DMarkなどのテストはデフォルト値で検証を行なっているため、4K解像度で行なっているわけではないが、ゲームなどは4K解像度でのテストを実行している。利用しているモニタは、マウスコンピューターの「iiyama B2888UHSU-B1」で、DisplayPort 1.2による接続、3,840×2,160の60Hz表示を行なった。
また、ゲーム系のベンチマークに関しては、4K解像度との比較のため、三菱のDiamondcrysta RDT232WXに接続して、フルHDでのテストも別途行なっている。では、ベンチマーク結果を見てみよう。
最初にCINEBENCHやPCMark8、3DMark、CrystalDiskMarkといったベンチマークソフトの結果を見ていくとしよう。この4つのテストは、ある程度ベンチマークを知っていないと、数値だけを見てもよくわからないかもしれない。しかし、わかる人にはわかりやすいという特徴も持っているため、この4つについての結果を最初に見てみよう。
CPU性能を見るCINEBENCHだが、CPUは766、CPU(Single Core)が159となっている。この数値はCPUの性能どおりの結果が出ていると言ってよい。Core i7-4790を利用しているだけあり、かなり良好だ。
■ CINEBENCH 4K(3,840×2,160)
テスト項目 | 数値 |
---|---|
CPU | 766 |
CPU(シングルコア) | 159 |
3DMarkでは4KとフルHDでの差がほとんど出ておらず、誤差レベルの内容だ。これは、設定を変更しない限り、固定解像度でのテストが行なわれるため、結果の数値にほとんど差が出ない。これに対して、PCMark8の結果は、解像度による差が出ることがわかる。これは、PCMark8が利用環境に沿ったベンチマークを行なうため。とは言っても4,000近い数値を出しており、PCとしての総合能力は高いという結果が出ている。3DMarkの結果もRadeon R9 290Xを搭載しているだけあり、1番負荷の高いFire Strikeでも10,000近い値を叩き出している。PCMark8や3DMarkについてある程度わかる読者ならベンチ結果の部分のリンクをクリックしてみるとよいだろう。リンク先では詳細な結果が見られるので、ある程度ベンチマークを行なったことがある人なら、よりその性能を理解できるはずだ。
■ 3DMark
【4K(3,840×2,160)】
テスト項目 | 数値 |
---|---|
Fire Strike | 9,719 |
Sky Diver | 24,255 |
Cloud Gate | 23,769 |
Ice Storm | 141,040 |
□詳細はクリック
【フルHD(1,920×1,080)】
テスト項目 | 数値 |
---|---|
Fire Strike | 9,517 |
Sky Diver | 24,719 |
Cloud Gate | 22,610 |
Ice Storm | 141,544 |
□詳細はクリック
■ PCMark8
テスト項目 | 数値 |
---|---|
4K(3,840×2,160) | 3,928 |
フルHD(1,920×1,080) | 4,320 |
□4Kのベンチ詳細はクリック
□フルHDのベンチ詳細はクリック
次にCrystalDiskMarkだが、こちらに関してはあまり芳しくないと言ってよいだろう。右の画像がその結果だ。
リード、ライト、ともに100MB/s強といった数値は、SSDの400~500MB/sに対して非常に劣る数値で、コストを下げるためにHDDを採用している点が大きく結果に響いている。この点はやむなしというところだろうか。
● ゲームタイトルのベンチマーク
さて、ここからはベンチマークをあまり行なわない人でも感覚的にわかるゲームを使ったベンチマークテストだ。
・「SimCity」ベンチマーク
まずは箱庭ゲームでおなじみの「SimCity」の結果を見てみる。「SimCity」はEAの人気ナンバリングタイトルで、最新版は改めてナンバリングが外されている。高精細なグラフィックスを楽しむ設定を行ない負荷が高くなると、フルHDでもCPUの内蔵GPUではちょっと快適とは言い難い、重めのタイトルだ。このテストでは、ゲームのチュートリアルが始まったら、Frapsというソフトを使って1分間の平均fps(Frame Per Rate)値を計測した。fpsとは1秒間に何回の画面描画が行なわれるのかを数値で示したもの。当然数値が大きければ大きいほど性能が高いということになる。このfpsという数字はアクション性の高いゲームでは60fps、アクション性の低いものでも30fpsは欲しいところ。この数値を切るとガクッと快適度が下がり、動作のもたつきを感じるようになる。
「SimCity」にはグラフィックスの負荷を調整する設定があるため、これを使って1番負荷をかけてみた状態と、ある程度負荷を落として中程度の負荷にした状態の2つの状況でテストを行なった。設定内容は以下のとおりだ。
「SimCity」の結果は、4K解像度で最高の設定を行なっても、まったく問題なくプレイできることがわかるだろう。
・「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」ベンチマーク
では、MMORPGの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」ではどうだろうか。こちらは公式Webサイトにベンチマークソフトが用意されているので、それを利用した。実際のゲームプレイを前提にテストを行ない独自の結果を表示。その結果の数値からゲームを快適にプレイできるかどうかを割り出してくれる。テストはフルスクリーンで行ない、プリセットを使って負荷の調整を行なった。
結果としては、4K解像度の最高設定でもなんら問題なくプレイできる「快適」という指標が得られている。もちろん、描画品質を落とした設定の結果を見ればわかるように、その上の「とても快適」や「非常に快適」という結果もあるのだが、最高設定でもプレイに支障はなさそうだ。
解像度 | 最高品質 | 高品質(テスクトップPC) | 高品質(ノートPC) | 標準品質(テスクトップPC) | 標準品質(ノートPC) |
---|---|---|---|---|---|
4K(3,840×2,160) | 4,739(快適) | 4,765(快適) | 6,104(とても快適) | 8,943(非常に快適) | 8,963(非常に快適) |
フルHD(1,920×1,080) | 12,972(非常に快適) | 13,351(非常に快適) | 16,013(非常に快適) | 20,275(非常に快適) | 20,362(非常に快適) |
・「バトルフィールド4」ベンチマーク
次に「バトルフィールド4」の結果を見てみよう。「バトルフィールド4」は昨年末に発売されたFPSのビックタイトルで、世界的な人気の高いゲームだが、快適にゲームをプレイするためにはある程度性能の高いPC環境を必要とする。テスト内容はキャンペーンの再プレイでTASHGARを開始。主人公たちが車で移動しているシーンが開始されたら、「SimCity」と同様にFrapsで1分間計測している。グラフィックスの設定には「最高」、「高」といったプリセットがあるので、このプリセットを利用して負荷のレベルを調整している。
解像度 | 最高 | 高 | 中 | 低 |
---|---|---|---|---|
4K(3,840×2,160) | 24.017 | 36.45 | 52.267 | 61.283 |
フルHD(1,920×1,080) | 66.383 | 91.417 | 120.9 | 131.333 |
結果を見ると4Kでの最高設定ではゲームプレイにかなり支障が出るレベルとなった。実際、メニュー操作もマウスカーソルが遅れてついてくるような感覚でもっさりとした状態になっており、快適とはかけ離れた状態になってしまっていた。ただ、高設定ではかろうじて、中設定ではかなり快適に、低設定ではヌルヌルとグラフィックスが表示されるという具合で、負荷を低くしていけばかなり快適にゲームをプレイできる状態になることがわかる。フルHDでの結果を見ると、設定を最高にした場合、66.383fpsとなっている。フルHDでは非常に快適な状態でプレイできる結果が最高設定でも出ているが、4K解像度では、かなり負荷がかかることが分かる結果となった。
4Kモニタで充実したゲームプレイを楽しめる。よぶんな肉をそぎ落とした特化型のアスリートPC
「バトルフィールド4」のような負荷の高いゲームに関しては、多少の妥協は必要なものの、負荷が低くなるように設定を行なえば、CPUとGPUの強力なパワーによって、4K解像度でもかなり快適にゲームをプレイできることが、ベンチマークの結果からわかった。CrystalDiskMarkの結果から見るとストレージ性能が低く、ゲームのローディング時間に影響することが出てくることは予想される。実際、SSDを利用している筆者にしてみれば、ゲームのローディング時間など、比較しづらい部分で差があることは感じられた。しかし、ゲーム系のベンチマーク結果を見ると、グラフィックス性能への影響は見られない。
総合的に見た場合、GAME Watchモデルは、よぶんな肉をそぎ落とした特化型のアスリートのようなマシンだ。「ゲームプレイ時の快適性」に重きを置いて、パーツの取捨選択でコストパフォーマンスを極限まで高めた結果が、ベンチマークに出たと言えるだろう。
現時点で最高レベルのCPUとビデオカードを採用する一方で、バリュークラスのマザーボードや、ストレージへのHDDの採用など、ゲーム性能に大きな支障を出さないようなパーツ選定は、さすがGAME Watchとのコラボレーションで生まれたマシンだ。ゲームのローディング時間に差は出るものの、ゲームが始まってしまえばまったく問題なく4K環境で遊ぶことができる。価格対効果としては納得のいく作りと言える。むろん多少のコストを犠牲にして、BTOによるストレージのSSDへの変更という選択肢もある。それは購入する読者しだいといったところだ。
G-TuneシリーズはBTOという方式を採用しており、注文時にカスタマイズを行なうことができる。もちろん性能をアップさせるカスタマイズではお金がかかるが、本製品で採用されているHDDをBTOでSSDに変更するということも可能だ。気になる人はこの点を強化するのもアリだろう。