ゲーミングPCレビュー

NEXTGEAR-NOTE i420PA1

ベンチマークで最強のノートPCの実力をチェック

ベンチマークで最強のノートPCの実力をチェック

 ここまでスペックを見ながらi420シリーズの性能を見てきたが、どんな言葉を使っても実際のゲーミングPCとしての実力がどうなのかが気になる方が多いはずだ。結局のところはノートPCに毛が生えたという程度では、ハードな3Dゲーマーには意味のないものだからだ。最新のゲームタイトルをグリグリと動かしてこそ、初めてゲーミングPCと言える。

 ここではいくつかのベンチマークソフトや実際の3Dゲームタイトルを使って、その性能をチェックしてみよう。各ベンチマークの解説と結果について記載しているので、順番に読み進めていってほしい。

・PCMark 8

 PCの総合的な実力を計測できるFuturemarkのベンチマークソフト。ノートPCとしてはかなり優秀な値で、搭載されているCPUやGPUの性能をうかがわせる結果だ。PCMark 8を含め、3DMark、CINEBENCHなどのベンチマークソフトはある程度PCのベンチマーク事情に詳しくないと数値を見てもピンと来ないかもしれないのでそのような人は実際のゲーム環境を想定した「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ベンチマーク キャラクター編の部分から読んでもらうとよいだろう。逆に、ある程度詳しい人ならPCMark 8や3DMarkの詳細な結果を見たいと思われる人もいるかもしれない。その場合には、ベンチマーク結果にあるリンクをクリックしていただければ、詳細情報を確認できる。

テスト項目数値
PCMark 83,514

詳細はクリック

・3DMark

 3DMarkもFuturemarkのベンチマークソフトでPCMark 8と同様に業界標準と言ってもよいだろう。こちらはPC全体ではなく3D描画性能を主に見るためのソフトウェア。結果としてはやはりノートPCとしては驚異的な値が出ている。重要なのは実際のPCゲームを想定したFire Strikeの値で、DirectX 11による高度な描画処理や、PhysXによる物理演算などを使ったテストが実施される。CPU内蔵のグラフィックス機能の場合、グラフィックス機能に定評のあるAMDのAPUであっても1,000ポイント前後の結果になる処理が重いテストだ。本機では3,500ポイントオーバーを記録しており、繰り返して言うが、ノートPCとしてはかなり優秀な数値。この結果はほとんどの3Dタイトルを楽しむことができる性能を持っていることを示している。

テスト項目数値
Fire Strike3,688
Cloud Gate16,174
Ice Storm109,495

詳細はクリック

・CINEBENCH R15

 純粋にCPUの能力を見るためのテスト。CPUのマルチスレッド処理をテストする「CPU」と、シングルコア時の動作の性能をチェックする「CPU(Single Core)」のテストを行なった。現在デスクトップPCのLGA1150で最上位のCore i7-4770KでCPUが800前後、CPU(Single Core)が155前後の値となる。CPUの結果はそれにおよばないながらも、ノートPCとしてはかなり高い水準であることがわかり、シングルコア性能においてはほぼ同等の結果だ。

テスト項目数値
CPU654
CPU(シングルコア)150

・CrystalDiskMark

 CrystalDiskMarkはストレージの性能を見るためのベンチマークソフト。このテストでは1,000MBのデータの読み書きを、シーケンシャルやランダムで行なう。当然ながら数値が高いほど優秀ということになる。システムの入ったSSDはRAID 0による効果で、シーケンシャルリードの読み出しが800MB/sを記録した。Serial ATA 3.0接続のSSDは、早い製品で500~550MB/sという値が一般的なので、どれほどのものかが想像できるだろう。ランダムの読み書きも550MB/sを記録しており、大きなシーケンシャルデータだけでなくランダムな読み書きも性能が高いことを示している。HDDに関しては2.5インチで5,400rpmのものということもあり、それほど高い数値にはなっていない。ちなみに、BTOオプションにより、1TBのSSDに換装することも可能になっている。

【SSD(RAID 0)のベンチ結果】
【HDDのベンチ結果】
OSの入っているSSDのベンチ結果。シーケンシャルとランダム、読み書きにおいて非常に優秀な結果
主に大容量データを扱うための使用を想定されている1TBのHDDのベンチ結果。5,400rpmの製品ということで結果自体は奮わないものだがうまく使い分ければ十分な性能だ

・「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」ベンチマーク キャラクター編

 国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」をプレイする前に動作確認を含めて快適度をチェックできるベンチマークソフト。数値の結果とともに快適度が表示され、プレイ時の感覚を掴むことができるようになっている。テストはフルスクリーンのフルHDで行ない、用意されたプリセットすべてでベンチマークを行なった。1番描画負荷の高い最高品質でも快適な動作を保証する「とても快適」との結果が出ており、最高品質の描画で実際のゲームをプレイできることがわかる。

テスト項目数値
最高品質5,751(とても快適)
高品質(テスクトップPC)5,896(とても快適)
高品質(ノートPC)7,728(非常に快適)
標準品質(テスクトップPC)11,135(非常に快適)
標準品質(ノートPC)11,138(非常に快適)

・「SimCity」

 「SimCity」は昨年発売されたエレクトロニック・アーツの人気ナンバリングタイトル。今回無印となったが、相変わらず世界的にもプレーヤーは多い。都市経営型のリアルタイムシミュレーションゲームで、いわゆる箱庭ゲームという分類だが、リアルタイムでゲームが進行していくこと、都市が発展すると3Dオブジェクトが増えていくことなどからそれなりの描画能力を必要とする3Dゲームタイトルだ。「SimCity」は負荷の軽くなる設定を施せばCPU内蔵のGPUでもそれなりにプレイできるゲームだが、やはり高品質な描画で楽しむためには高い描画能力を必要とする。

 計測はチュートリアルを開始してから操作をせずに放置し、1分間の平均フレームレート(1秒間に何回描画が行なわれているかの回数でfpsという単位で表わされる)をFrapsというソフトウェアを使用して計測している。描画設定に関しては下に画像を示すが、左が最高負荷を前提に行なった設定で、右が負荷を中くらいに抑えたもの。シミュレーションゲームということで30fpsを超えれば、ある程度快適にプレイできることを示しており、最高負荷設定でも40fps近く、中負荷では60fpsオーバーの結果となっている。「SimCity」をプレイにするには十分過ぎるほどの性能と言えるだろう。

テスト項目数値
最高負荷設定38.417fps
中負荷設定63.983fps

【最高負荷設定】
【中負荷設定】
ライティングやテクスチャーなど設定をすべて1番負荷が高くなるようにした状態。明るさの下にはフィルターという項目があるが、こちらは未使用
最高負荷の設定からアンチエイリアスやモーションブラーを外し、ライティングやテクスチャーなどの設定を中程度にした状態

・「バトルフィールド4」(平均fps)

 世界的に人気のFPSで、最大64人が同時にプレイできる大型3Dタイトル。日本でも一定の人気を獲得しており、3Dゲーマーならプレイしている人も多いはずだ。3Dゲームとしてはかなり重いタイトルでPCに要求するスペックも高い。基本的にCPU内蔵のグラフィックス機能ではプレイするのが難しいだろう。計測はキャンペーンの再プレイでTASHGARを開始。主人公たちが車で移動しているシーンが開始されたら、「SimCity」と同様に平均フレームレートをFrapsで1分間計測している。

 「バトルフィールド 4」にはビデオ設定に最高、高、中、低といったプリセットが用意されているので、各プリセットで計測を行なった。FPSはアクション性が高いため、最低でも30fps、できれば60fps以上の平均フレームレートが欲しいところ。結果を見ると最高設定では30fpsをわるため実質的にはプレイに支障をきたしそうだ。ただ、高設定よりも下の負荷状態では40fps以上を計測しており、低設定では60fpsを超えている。設定の変更は必要となるが、ゲームプレイ自体は問題ないと言えるだろう。

 総評としては、最新3Dタイトルの高負荷な3Dゲームでは多少の設定変更が必要になるという結果が出ている。しかし、条件付きとはいえ、高負荷な3Dゲームでも快適にプレイできるというのは、やはりノートPCとしては驚異的な性能だ。この後、本機の実際の使用感を続けてレビューしていくが、ノートPCだからこそできることという部分もある。そちらも同時に評価していただく必要があるだろう。

テスト項目数値
設定:最高26.050fps
設定:高41.617fps
設定:中56.700fps
設定:低68.000fps

(山本倫弘)