3DSゲームレビュー

レイトン教授VS逆転裁判

「アドベンチャーパート」
ナゾトキたっぷり!
4人の会話も魅力がたっぷり

「アドベンチャーパート」 ~ナゾトキたっぷり!4人の会話も魅力がたっぷり

町の気になるところを調べたり、人に話を聞いたり。両作品の同パートと共通なものになっている。そこから“ナゾトキ”のパズルに挑んでいく

 ストーリーに続いて、ゲームのシーンの1つである「アドベンチャーパート」について触れていこう。

 本作のポイントは、「レイトン教授」シリーズと、「逆転裁判」シリーズの両方の魅力が、1つに融合しているところだ。ゲームとしては、まず物語の始まりとして事件が起きて、その事件を探る「アドベンチャーパート」から始まっていく。町の地図から場所を選択して移動し、その場所の気になるところをタッチして調べていくのだが、その所々には「ナゾトキ」が待ち構えている。

 ナゾトキとは「レイトン教授」シリーズでおなじみの要素だが、平たく言うと「知能パズル」のこと。例えば、一定の共通点が隠されている2種類をグループ分けしたり、指示されたゴールにたどり着くよう頭の中で想像して、時にはタッチペンを使いながらルートを組み替える。種類も非常に豊富だ。

 ナゾの難易度は、難しすぎることもなければ、簡単すぎることもなく、ほどよいという印象。とはいえ、ナゾによっては結構苦戦するものもあれば、簡単に思えたものもあって、ほどよい中にもバラつきは多少感じたが、不満に感じたものはなかった。どれもよく考えられていて、解法を閃いた時には「なるほどなぁ」と思えるようなクオリティの高い問題が多かった。

 アドベンチャーパートでの会話も魅力だ。なにもアドベンチャーパートの主人公がレイトン教授と決まっているわけではなくて、シーンごとに主人公は変わっていく。成歩堂がナゾに挑む場面もあれば、ルーク君と真宵ちゃんの2人で挑む場面もある。気になる箇所を調べた時の会話もたっぷりとあり、両作品のキャラクターがしっかりと協力しあう様子が描かれている。

 そこにミスマッチ感はなく、例えば成歩堂とルーク君が2人で行動する時には、まるで男の兄弟のような「逆転裁判」にはあまり見られなかった良さを見せる。またレイトン教授と真宵ちゃんの組み合わせだと、英国紳士のレイトン教授を真宵ちゃんが遠慮なくいじっていき、それを紳士らしくやりすごすという、これもルーク君との組み合わせでは見られなかったやり取りがある。

 互いの作品のキャラが、お互いの新しい魅力や一面を引き出しているという印象だ。この作品ならではの良さと言っていいだろう。

ナゾトキは種類も収録数も豊富で、クオリティの高いものばかり。それに挑むキャラクターの魅力も光るものがある
Amazonで購入

(山村智美)