「スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド」レビュー

スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド

新モードの「フューリーワールド」は、完全3D!

 「スーパーマリオ 3Dワールド」を紹介したが、「スーパーマリオ64」や「スーパーマリオギャラクシー」などといった箱庭系の3D作品が好きだった人のために、本作には嬉しい新要素が! それが、追加のモードとなる「フューリーワールド」だ。「フューリーワールド」は「スーパーマリオ 3Dワールド」とは完全に別のモードで、独立したひとつの新たなタイトルだと言える。そして本作の最大の特徴は、完全3D作品であること。雰囲気としては、カメラワークがユーザーで自在に動かせるタイトルである「スーパーマリオサンシャイン」や「スーパーマリオ オデッセイ」に近い。

「フューリーワールド」は起動後のタイトル画面から選択できる。なおセーブデータは完全に独立しており、好きなときに好きなモードを遊べる

 大きなひとつのエリアが舞台となるが、ストーリー序盤は行ける場所が限られている。ストーリーが進むにつれて段々行けるエリアが広がっていくので、いきなり広大なエリアに放り出されてどうすればいいのかわからない、といった不安がなくゲームを進められるのが嬉しい。

 本作は、ある日マリオの元にクッパJr.が現れて、父であるクッパを助けてほしいとお願いしてくるところから始まる。クッパJr.が頼ってくるほどの出来事とは、一体……?

マリオの前に現われたのは、巨大化して、色も真っ黒になったクッパ

 嵐と共に現れる巨大クッパは、半ば我を失ったかのように世界を破壊しているようだ。そんな巨大クッパを止めるために必要なのが、「ネコシャイン」というメダル。ネコシャインはいわゆる「グリーンスター」のようなもので、一定数集めることで物語は進んでいく。そして「フューリーワールド」最大の特徴は、巨大ネコマリオ(ギガネコマリオ)と巨大クッパ(フューリークッパ)の対決だ。

 巨大ネコマリオになるためには、ネコシャインを一定数集めてギガベルと呼ばれる変身アイテムを使用する必要がある。ギガベルは特定の箇所にいくつか設置されているものの、普段は真っ黒な絵の具に覆われているので、ネコシャインの力でギガベルの力を解放して、巨大クッパと戦う力を手に入れよう。

ギガベルの力を得たマリオは、巨大ネコマリオに変身!

 巨大クッパはとても強く、一度で倒し切れるような存在ではない。巨大クッパとの対決は、ゲーム中で何度も発生する。(※恐らくはゲーム内の時間経過で巨大クッパとの戦いが始まるが、検証はしきれていないため詳細は不明)巨大クッパの大量のHPを、何回も戦うことで0にすることを目指すことになる。

 3Dならではの仕掛けや戦い方が色々あり、空から降ってくる巨大なクッパのトゲを避けつつ、その巨大なトゲが時にはマリオをクッパの炎から救うことも。ギガベルの力の解放が間に合わずに巨大クッパとの戦いに挑むことになってしまう場合もあるが、そんな時でもマリオは決して諦めない。やれる限りのことは、色々試してみてほしい。

どうしても勝てない、という状況に陥った時は、巨大クッパからの攻撃を回避することに専念しよう。時間が経てば巨大クッパはどこかに消え去ってゆく。そして恐らく一定数のネコシャインを集めるか時間経過で、巨大クッパが再び出現する

 一部の3D系「マリオ」と同様に、ある程度ミッションのようなものが設定されており、ミッション次第でマップに出てくるギミックが変わったりもする。お馴染みの一定時間内に青コインを全て取らなければならないものなど、少々条件が厳しいものも存在するが、大半はちょっとしたマリオのアクションで取りにいけたり、頭を使って取りにいくものが多い。

左上の「ネコカメックを倒せ!」のミッション通り、このミッションではネコカメックがたくさん出てくる。全てのネコカメックを倒そう
ミッションの表示は変わっておらずとも、マップを歩いているとふと何かを見つけることも。何をすればいいのかは、大抵見てすぐにわかるものばかりなので、気になるところはどんどん色々試してみよう

 ちなみに3D系は苦手という人も安心して遊べるのが、今回マリオのお供となるクッパJr.の存在だ。クッパJr.は常にマリオに寄り添い、マリオの周囲の敵を倒してくれる。

3Dアクションが苦手な人は、「クッパJr.のおたすけ」を「すごくたすける」にしてみよう
「すごくたすける」の場合、敵は放っておけばクッパJr.がほぼ全て倒してくれるため、プレーヤーはマリオの動きだけに集中できる。得意な人にはここまでのアシストはいらないが、3Dが苦手な人には手厚いサポートだ

 実質、この「クッパJr.のおたすけ」度が、本作の難易度設定とも言える部分なので、アクションが得意な人は、おたすけの設定を”なし”にするなどしよう。

 余談だが、「フューリーワールド」でも、メインとなるのはネコマリオ。そしてネコマリオの時は、フィールドにいる猫ちゃんたちがマリオに寄ってきてくれるという、猫好きには夢のようなサービス(?)がある。逆にネコマリオの時以外は猫ちゃんたちはマリオから逃げていくので、猫ちゃんと戯れたい時はネコマリオの姿になろう。

ここはハーレムですか?
猫ちゃんを抱っこすることも可能。
「フューリーワールド」では全ての変身アイテムを複数個ストック可能。必要な場所で、なりたいマリオに変身できる。

 「フューリーワールド」は「スーパーマリオ 3Dワールド」の”オマケ”とはとても呼べないほどにステージは各所作り込まれており、一方難易度も3D系「マリオ」の中では比較的低いので、「スーパーマリオ 3Dワールド」を遊んでみたくて買った人にはちょうどいい遊び勝手のはずだ。ところどころミッションによっては難易度が高めのものもあるが、まずは取りにいけそうなネコシャインを狙って、徐々にステップアップしていってほしい。

2Dと3D、どっちのファンも楽しめる作品に!

 どちらかというと2D要素の濃い「スーパーマリオ 3Dワールド」と、完全3Dの「フューリーワールド」。どちらもかなり遊んだが、甲乙つけがたい出来だ。

 「スーパーマリオ 3Dワールド」は、2D系「マリオ」のようでいて3D空間ならではの面白さがあり、難易度はかなり初心者にも優しく、ステージは多岐に渡り、どれだけ遊んでも飽きの来ない良作。だが、元々「スーパーマリオギャラクシー」が一番好きな筆者としては、「フューリーワールド」の出来には感動すら覚えた。(単純な好みで言えば、「これぞ私のやりたかったマリオだ」とすら感じた)「やはり箱庭系マリオは面白い!」ということをしみじみ感じられる作品で、「スーパーマリオ 3Dワールド」のオマケとはとても思えないクオリティ。

 2D系のファンから3D系のファンまで、どちらも最高に気に入る作品になるだろう。「マリオ」ファンはもちろんのこと、これまで遊んだことがない人にも入りやすい難易度なので、ぜひ手に取ってみてほしい。