GAME Watch認定ゲーミングPC「【R】 HP Compaq Pro 6300 SFF」レビュー
【R】 リノベーションPC HP Compaq Pro 6300 SFF
リノベーションで復活した激安ゲーミングPCの実力を人気eスポーツタイトルでチェック!
- ジャンル:
- ゲーミングPC
- 発売元:
- サードウェーブ
- 開発元:
- サードウェーブ
- プラットフォーム:
- Windows PC
- 価格:
- 54,900円(税別)
2019年5月24日 00:00
今回GAME Watch認定プログラムで紹介するゲーミングPCは、一風変わったリノベーションPC「【R】 リノベーションPC HP Compaq Pro 6300 SFF」だ。わずか54,900円(税別)、税込でも6万円を切る破格の値段で販売されている本機の【R】は、修繕、刷新を意味するリノベーションを指しており、元々はHPのCompaq Pro 6300 SFFという中古製品に、サードウェーブが最新パーツを組み込むことで、ゲーミングPCとして生まれ変わらせたモデルだ。IBMの委託工場で整備・調整・クリーニングなどを実施したものとなり、高性能・高品質をウリとしたリノベーションPCとなる。
GAME Watch編集部では独自にゲームが快適に動くことを示す指標として「GAME Watch認定プログラム」を行なっている。このプログラムを利用して生まれ変わったPCはどの程度までゲームが動くのか。今回はeスポーツ系タイトルとして高い人気を誇る「League of Legends」、「ロケットリーグ」、「フォートナイト」の3タイトルで本機の実力を検証していこう。
今回検証で使用する「League of Legends」、「ロケットリーグ」、「フォートナイト」はeスポーツ分野においてそれぞれ人気を博しているタイトルで高額な賞金が設定された大規模大会が開催されている。分野はそれぞれマルチプレーヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)、サッカーアクション、バトルロイヤル。それぞれ国内外で様々なプロ大会が開かれているだけでなく、「全国高校eスポーツ選手権」や「STAGE:0 eSPORTS High-School Championship」といった高校生向けのアマチュア大会の種目としても採用されている。
簡単に各タイトルを紹介すると「League of Legends」は100を超えるキャラクターの中から1つを選び最大5vs5で戦うゲーム、キャラクターはチャンピオンと呼ばれ、様々な特性を持つので自身のスタイルにあったチャンピオンやチームメンバーの構成をみながら選んでいく。全世界で1億人が楽しんでいるというビッグタイトルだ。
「ロケットリーグ」はレーシングカーとサッカーが組み合わさったもので相手のゴールにボールを押し込めば勝ちという非常にシンプルなゲームだ。シンプルがゆえに非常にわかりやすく楽しみやすいのが特徴だが、ゲームに実装されている物理演算がボールを大きく動かすのでその読み合いやいかに車をうまく動かすかというのがキーになってくる。単純だけど奥が深いこのゲームは多くのユーザーを虜にしている。
最後の「フォートナイト」は昨今人気のバトルロイヤルゲームの1つ。最大の特徴的はゲームが持つ建築要素だ。通常では登れない場所も階段を作ることで登れ、身を隠せない場所でも壁を作ることで敵の射線を切ることができる。上位のプレーヤーになるとその建築技術は凄まじくあれよあれよと言う間に大型建造物が出来上がる。単純なシューティングスキルだけでなくこの建築要素で大きく幅が広がるので大きな人気を集めている。
各タイトルの詳細については、以下の記事を参考にしてほしい。
「League of Legends」
“あの”ソラカ先生と学ぶ!? やさしい「League of Legends」初心者ガイド
「ロケットリーグ」
【PS Plusフリープレイレビュー】「ロケットリーグ」
「フォートナイト」
「フォートナイト バトルロイヤル」レビュー
過去のビジネス向けPCをゲーム向けに大幅強化
「【R】 リノベーションPC HP Compaq Pro 6300 SFF」のポイントは先に述べた“リノベーション”だ。元々ビジネス向けとして2011年に販売されたベースとなるPC「HP Compaq Pro 6300 SFF」の中古品に新たにGPUを取り付け、HDDをSSDに交換、メモリも増設し、さらにOSをWindows 7から一気にWindows 10にアップグレードし、ゲーミングPCとして改修されたモデルだ。変更されていない点を含めて本機の特徴を紹介しよう。
【【R】 リノベーションPC HP Compaq Pro 6300 SFF】
CPU:インテル Core i5-3470
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti 4GB
チップセット:インテル Q75
メインメモリ:8GB DDR3 SDRAM(4GB×2)
ストレージ:240GB SSD
光学ドライブ:DVD ROMドライブ
電源:240W
OS:Windows10 Professional 64Bit
価格:54,900円(税別)
備考:中古製品をベースとしている製品の性質上、採用される部材やソフトは変更される場合があります
https://used.dospara.co.jp/sale/search.php?sc=138799&tpl=game_watch_ad
CPUはインテル第3世代Core i5-3470。ベースクロックは3.2GHz(最大3.6GHz)、4コア4スレッド処理を行なえる。このCPUの発売は2012年で、現在すでに第9世代が出ていることを考えるとかなり昔のモデルだ。ゲームに効いてくる動作クロック自体は3.2GHzあるため大きく問題はないものと思われるが、果たしてどうだろうか。
アーキテクチャはIvy Bridgeを採用。いまや当たり前となっているUSB 3.0ポートだが、対応するチップセットはこの世代からUSB 3.0コントローラーを内蔵しているため、ネイティブでUSB 3.0デバイスを使えるのが特徴。いまや身の回りにUSB 3.0製品が溢れているため、対応しているのはありがたい点だ。
元々HP Compaq Pro 6300 SFFはCPUの内蔵グラフィックス機能またはRadeon HD 6350 512MBを備えていたが、リノベーションを受けた際にPascalアーキテクチャを採用するGeForce GTX 1050 Tiに交換。GPUの世代の差はもとより、ビデオメモリが512MBから約8倍にあたる4GBに増強。4Kへの映像出力に対応するなど大幅に強化された。
つい先日GeForce GTX 1050 Tiの後継機種にあたる次世代のTuringアーキテクチャでGeForce GTX 1650が出たばかりだが2016年に登場した本GPUはエントリークラスとしてはまだまだ現役。当然CPUで使用していたオンボードグラフィックス機能や2011年に登場したRadeon HD 6350とは比べ物にならない圧倒的な高性能を発揮する。
なお、このGeForce GTX **50というクラスは「登場時の現行ゲームがフルHD解像度で設定次第で快適に遊べること」がポジションのGPU。今回検証するタイトルのうち「League of Legends」と「ロケットリーグ」は、それぞれ2009年、2015年と、1050 Ti登場以前のゲームタイトルだが、「フォートナイト」が2017年と、1050 Ti登場以降のタイトルだ。「フォートナイト」も含めてこれらがキチンと動くかどうかしっかりチェックしたい。
続いて交換された部材は「メモリ」と「ストレージ」だ。当時のラインナップは搭載メモリ2GB(2GBx1) / 4GB(2GBx2) / 8GB(2GBx4)だがこのモデルでは8GB(4GBx2)へ強化されている。当時の最大容量のメモリがいまでは標準になったことに時代を感じるところだが、8GBあればフルHDでのゲームでは問題になるシーンはほぼないだろう。ストレージもHDD(250GB / 500GB / 1TB)またはSSD(120GB)から選べていたが、これを最新のSSD 240GBに変更されている。2011年当時のSSDは読み書きが平均200MB/s程度のものであったが、最新世代で400MB/sに大幅強化されている。
本体の特徴に目を移すと元々“ビジネス向けマシン”とあって本体は非常にスリム。机の上でも邪魔をしないだろう。メンテナンス性も高くサイドパネル(右側)の取っ手を引くだけで内部にアクセスできる。メモリの増設やストレージを交換したいという場合でも簡単にメンテナンスを行なえるだろう。
激安モデルでまさかの最高画質120fps超えを連発。これはイケるぞ!
早速検証に取り掛かっていこう。検証は全てのタイトルでマルチプレイに参加し、そのリプレイデータを元に計測を行なった。ゲームがどこまで最高画質で快適に動作するかを検証するため、グラフィックスオプションはすべてゲーム内の最高画質の設定とし、垂直同期などはオフにしている。フレームレートの計測はFrapsを用いてゲーム開始直後(フォートナイトは飛び降りたタイミング)から10分(ロケットリーグは5分)に渡って記録。1回のベンチマークを15分間として5回に渡って計測、その平均値をゲームのフレームレートとしている。ベンチマークでは平均fpsと最小fpsを掲載し、平均fpsはゲーム全体の快適度を示し、最小fpsは混戦時など負荷がかかるところでどの程度まで落ち込むかを見てほしい。
各ゲームの計測ポイントは次のとおり。「League of Legends」は序盤の立ち上がりでは複数人の衝突があまり起きないため、序盤から5vs5の衝突が起きるランダムミッド(ハウリングアビス)を用いている。「ロケットリーグ」は3vs3のスタンダードモードを用いている。「フォートナイト」はソロプレイで参加したマッチを使用した。
今回の検証ではフルHD解像度で最高画質設定がどのぐらいのフレームレートで動作するのかを確認するのに加え、GAME Watchが定めるPCゲームの快適さの基準である「フルHD / 120fps」がどのような設定なら実現できるのか検証してみた。
ドライバ、クライアントバージョン情報 | |
---|---|
Windows | Windows 10 Home(1809) |
GPU | 419.35 |
「League of Legends」 | V9.9 |
「ロケットリーグ」 | V1.62 |
「フォートナイト」 | 8.5(6058028) |
まず「League of Legends」の結果を見ていこう。平均フレームレートは138.1fps、最低fpsも95と全体に渡って非常に安定してプレイを行なえた。冒頭から多々発生する集団戦闘において不満なく行なえておりスキル回しも安定して行なえた。時折カクつくといった動作もみられなかった。
「League of Legends」は立ち回りが非常に重視され、レーン戦においてCSを取る際もいたずらに攻撃をしていいわけでもないし、逆に貴重なCSを取り逃していいわけでもない。集団戦でも言わずもがな一人の攻撃で全員を撃破できる腕前差があれば話は別だが、味方との行動が勝利を分けるため高いフレームレートは必須だ。今回検証では負荷の高いシーンが継続して発生するランダムミッドを採用しているため、序盤は集団戦が発生しづらいサモナーズリフトでも急なブリンクへの対処や落とせないここ一番というシーンでも安定してプレイできるだろう。
続いて「ロケットリーグ」だ。結果は平均フレームレートは137.9fps、最低93fpsだった。スムーズな車の動作はもとより、思ったタイミングでアクセルとブレーキ、ジャンプなどの動作を行なうことができた。
「ロケットリーグ」は知らない人から見るとただサッカーボールを車で押し合うという単純さだが、車の勢いや角度をうまく調整し物理演算によって動くボールに対して正確にアタックしないとゴールが決められない。常にボールと仲間の位置に気を配りながら自身の腕前を発揮するためには平均フレームレートは非常に重要だ。
最後に「フォートナイト」だ。最大100人によるバトルロイヤルと建築要素が魅力だが、1050 Ti発売後に登場したタイトルということもあって、最高画質設定におけるフレームレートは平均58.2fps、最低39fpsと、他の2タイトルと比較してふるわない結果となった。
探索や資材をわずかに取る際などはある程度満足にプレイできるが、他プレーヤーから襲われた際、どこから襲われたのか確認のための振り向きや建築などでフレームレートがカクつく時があり、動きはするものの快適にプレイできるとは言いづらい結果になった。
結果として3タイトル中2タイトルが最高画質においても120fpsを超える非常に滑らかなプレイができることが検証結果で明らかになった。続いて「フォートナイト」においてフルHD環境下で120fpsを超えられる設定を探っていきたい。
オプションでは、オブジェクトなどの描画距離は落としたくないため、最高設定の「エピック」を選択、画質をのっぺりとさせず、ガビガビになって見づらくなるのを避けるためアンチエイリアスとテクスチャは中を選択した。影やエフェクト、ポストプロセスといったパフォーマンスに大きく影響する部分に関してはすべて最低とした。PC版ならではの画質は可能な限り維持しつつ、パフォーマンスを確保するという狙いだ。
設定を上記に変えた上で改めて同一シーンで検証を行なうと結果は平均フレームレートは159.3fps、最低86fpsまで向上した。
グラフィックスについては最高画質設定と比べるとそれなりに落ちているが、フレームレートが倍増した効果は非常に大きい。探索時も引っかかることがなくなり、振り向き対応もスムーズに行なうことができ、肝となる建築時のシーンでもフレームレートも落ちることなく快適さが維持されている。
人気eスポーツタイトルがいずれも120fpsオーバーで快適動作! 初めて選ぶ1台に最適
税込みでも6万円を切るというコストを極限にまで意識した「【R】 Compaq Pro 6300 SFF」。主要パーツこそ現行製品にアップグレードされているものの、PCのベースは2011年製ということもあり不安はあったが、見事に人気eスポーツ3タイトルがいずれも120fpsで動作するということを検証できた。
毎日新聞とサードウェーブが主催する全国高校eスポーツ選手権では「League of Legends」と「ロケットリーグ」が採用されており、2019年から開始するテレビ東京と電通が主催の「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2019」ではPCが関連するタイトルとして「League of Legends」、「フォートナイト」が選ばれている。
そういったプロへの登竜門を目指す高校生アスリートに向けた1台として、本機は非常に適しているし、そうしたアスリートを子に持つ親としても、税込6万円は手を出しやすい価格設定と言えそうだ。もちろん、高校生に限らず、純粋に大人気eスポーツタイトルをPCで遊ぶためのツールとして有力な候補となる。ぜひとも最初の1台目の選択肢の一つとしてほしい。
以上の内容をもって、GAME Watch編集部による「【R】 Compaq Pro 6300 SFF」を「League of Legends」、「ロケットリーグ」、「フォートナイト」動作認定としたい。
GAME Watchは「【R】 リノベーションPC HP Compaq Pro 6300 SFF」について以下の項目を認定します
・「League of Legends」がフルHD環境下で最高画質設定で平均120fps以上で動作する
・「ロケットリーグ」がフルHD環境下で最高画質設定で平均130fps以上で動作する
・「フォートナイト」がフルHD環境下で画質設定次第で平均150fps以上で動作する
・「League of Legends」、「ロケットリーグ」、「フォートナイト」が画質設定次第で平均120fps動作するにもかかわらず、税込みで6万円以下で入手可能