2017年5月22日 15:29
ゆうきまさみ氏原作の人気コミック「究極超人あ~る」より、主人公のアンドロイド「R(あ~る)・田中一郎」がfigmaにて発売となった。
小学館の週刊少年サンデー誌上にて1985年から1987年にかけて連載され、高い人気を誇った「究極超人あ~る」の主人公R・田中一郎を、連載終了から30年が経過したこの2017年にアクションフィギュア化。劇中同様のゆるいアクションと、自転車をはじめとする彼のトレードマーク的な小物がたくさん付属する豪華仕様での発売となった。発売からやや時間が経ってしまったが、非常に面白いフィギュアだったので、改めてそのレビューをお届けしていこう。
名作「究極超人あ~る」のRくんがfigma化
春風高校の光画部を舞台に繰り広げられる「究極超人あ~る」は、アンドロイドの転校生R・田中一郎と、彼をとりまく個性的なキャラクター達による学校生活を描く学園コメディだ。光画部を中心に巻きおこる、一見日常的なようで実はかなり非日常なギャグは新鮮で読者の心に強い印象を与えた。
わずか2年足らずの連載であったものの、複数のイメージアルバムが発売されたり、OVA化されたりもしていて、その人気ぶりが伺える。筆者もコミックスは当時全巻揃えていて、今回それを引っ張り出して、ポーズ付けの参考としている。
そんな原作「究極超人あ~る」の主人公Rは、世界征服のために作り出されたアンドロイドという立場でありながらその影が薄いことも、劇中でよくネタにされていた。それがこのたび、フィギュアとなってようやく主人公らしい活躍を見せてくれるようになったわけである。
Rのトレードマークである詰め襟の学生服は、見た目はシンプルながら、彼の猫背を表現するために、腹部から背部にかけての関節が入っている。また制服の裾や肩周辺は軟質素材が使われていて、ポーズを決めやすい仕様だ。
頭部は「通常顔」に加えて「笑顔」と「イヤ顔」が付属。前髪は取り外して交換することができる。特徴的なのは首を動かすボールジョイントが頭部側に付いているということ。これは彼がアンドロイドだということを表すシーンで使う「機械首」を装着するために、胴体側の根元は凸モールドのみとなっている。
その他の付属品は「扇子」、「炊飯器(+中身のご飯)」、「しゃもじ」、「自転車」、「無罪」と書かれた紙(説明書から切り取る)、といった彼にまつわる小物が揃っている。
中でも目玉は「轟天号」こと自転車で、一部塗装済みのインジェクションパーツを使った組み立て式の大型付属品だ。轟天号はコミックス1巻でRが初登場したときの初期型と、同5巻で修学旅行へ行ったときの後期型を、付属のハンドルを変更することで選択可能だ。
付属品が多いので十分楽しめる内容だが、それでもまだまだいろいろなシーンを再現したくなるはず。個人的にはRが食事をしているときのご飯茶碗やおにぎり、そして光画部必需品の粉砕バットなども欲しかったところだ。
幸い彼に似合う小物は他のフィギュアの付属品やトレーディングフィギュアなどの市販品、もしくはガレージキットなどで手に入れることができるだろう。
シンプルな造形ながらプレイバリューは高く、原作を知っていればその楽しさは倍増するはず。ここまで原作を再現できると、鳥坂先輩をはじめとする春高のキャラクターも欲しくなるところだが、さすがに今のタイミングで発売を期待するのは難しそうなので、他のフィギュアと絡めて楽しむことにしたい。市場からはそろそろ消えつつあるので、本稿を見て欲しくなった人は早めの入手を検討しよう。
(C)ゆうきまさみ/小学館