先行レビュー
ボス50体以上!カンフー魂爆発アクション「Pantom Blade Zero」先行レビュー
誰でもカンフーマスターになれる。中国武術を“香港スタイル”でゲーム化した渾身作
2026年10月9日 09:00
- 【Phantom Blade Zero】
- 10月29日 発売予定
- 価格 スタンダードエディション:8,580円
- デジタルデラックスエディション:9,980円
中国のS-GAMEが10月29日に発売予定のアクションRPG「Pantom Blade Zero」。今回発売に先駆けて、本作を冒頭から体験できたのでその模様をお送りする。
「Pantom Blade Zero」は、中国武術のカンフーアクションをベースに、独自の世界観と戦闘スタイルをつくり上げたアクションRPG。50体以上いるというボス戦が大きな魅力のひとつでありながら、奥深い探索システムや先が気になるストーリーなど、AAAクラスの大型シングルプレイタイトルとなっている。対応プラットフォームはプレイステーション 5とPC。
体験会ではS-GAME創設者で本作ディレクターのSoulframe氏、サウンドプロデューサーのBo Caisheng氏にも話を聞けたので、内容をあわせてお伝えする。
カンフーで敵を倒す爽快さ。ドニー・イェン氏も制作に参加
まず、「Pantom Blade Zero」とは何か。本作は一言にするなら、戦闘アクションに本場仕込のカンフー体術をたっぷり取り入れた中国ならではのアクションRPGだ。プレーヤーは主人公の「ソウル」を操作して、数々の難敵に立ち向かう。
ソウルの初期の武器は刀で、片手で鮮やかに振り回して敵の攻撃をいなしたり、連続攻撃を叩き込んだりする。攻撃は弱攻撃と強攻撃の2種類で、押す順番でコンボが変化。武器は2種類装備可能で、武器によって異なるコンボが設定されている。
さらに攻撃方法に関しては、基本装備とは別にサブ武器「ファントムエッジ」が2種装備できる。「ファントムエッジ」では使用回数の上限が決まっている特殊技を発動でき、巨大な斧「Dread Axe」を振り下ろして敵のガードを突破するなど、特定の効果がついているものもある。
アクションはほかに防御、回避、ジャンプなどがあり、これらを組み合わせて雑魚敵やボス敵と相対していくこととなる。
アクション全般で感じるのは、とにかく動きが格好良いということ。本作はカンフーの動きを戦闘スタイルに採り入れているが、後述するように本格的なワイヤーアクションスタジオを使い、本格的なスタント俳優が演じていることで、剣の振り方や足の運びに至るまで、「これが本場か」と思える仕上がりになっている。
アクション制作には映画「イップ・マン」シリーズなどで知られるドニー・イェン氏もクリエイティブコンサルタントとして参加しており、振り付けのアドバイスもしているほか、主人公の父親「モー・イェン」役でゲーム中にも登場している。ゆえに、アクションゲームファンだけでなく、昔からのカンフー映画ファンという方も注目すべき1作となっている。
敵の復活なし! 広さに自信ありのフィールド
ゲームサイクルの基本はフィールドの探索。フィールドに出現する雑魚敵を倒しながら先へと進み、ボス敵を倒すなどの目的を達成することで先への道が開ける。フィールド内には雑魚敵がいるほか、装備強化のためのアイテムなどを獲得できるため、探索することが攻略のカギとなる。
本作には、雑魚敵を含めて“一度倒した敵は復活しない”という大きな特徴がある。道中のところどころには、ファストトラベルの拠点となる「鐘」がある。こちらのチェックポイントを訪れると体力やファントムエッジの残り回数を回復できるが、そうした場合でも一度倒した雑魚敵は現われない。同ジャンルのタイトルとしては、最近では珍しいデザインだろう。
Soulframe氏によれば、これは「より新たなエリアの探索を促すため」という。同じ場所を行き来することでキャラクターを成長させるような体験は理想ではないため、あえて敵の復活をなしとした。その代わり、探索できるエリアを広く多く設定することで、探索すること自体を楽しんでほしいという。「探索場所の広さには自信がある」とのことだ。
プレイのなかでもうひとつ印象的だったのは、「鐘」と「鐘」の間が、他タイトルと比較しても距離が短めにつくられている点だ。チェックポイントが割と多めに出てくるので、一息つきやすいし、取り逃したアイテムを取りに戻りたい場合も便利になっている。
さらに、「鐘」付近の場所になると、ソウルから紐のようなエフェクトが出て、「鐘」の場所までを導くように示してくれる。紐が出たら一旦休憩できるという合図にもなっていて、安心できるし、道を迷わずに済むし、いいデザインだと感じた。
醍醐味はボス戦! 50体以上と死闘を演じる
さて、ここまで本作のベース部分を紹介してきたが、真の醍醐味となっているのが50体以上いるというボス戦である。
ボスはメインストーリーを進める上で撃破必須だったり、探索中に遭遇したり、特殊な場所に入って戦ったりと、様々な場所で出会うことになる。
今回のプレイで遭遇したのは、ノコギリの様な刃の剣を振り回す「Jagged Steel」や、ソウルの2倍はある巨体で大斧を打ち付けてくる「Peng Meng」など。
ボスは一撃一撃がとても強力なので、いかに敵の攻撃を受けつつ、逆に隙をついて攻撃を入れ込むかが重要となる。ソウルと敵には体力とは別にSha-Chiゲージがあり、攻撃をガードで受けるか、強攻撃を放つと減少する。Sha-Chiゲージがゼロになると一定時間行動不能となるので、自分はゲージをしっかり管理しつつ、敵のゲージを削り切ることを目指して戦うのがセオリーだ。
そのためのポイントとなるのが、パリィと回避。敵の攻撃をタイミング良くガードするとパリィとなり、Sha-Chiゲージを減らさず相手のゲージを削ることができる。また攻撃を回避することでも、反撃のチャンスが生まれる。
敵の攻撃のなかには、青く光る攻撃、赤く光る攻撃が混じる。青い攻撃はパリィを成功させると敵の背後に回り込んで反撃のチャンスとなる。赤い攻撃はガードもパリィも不可で、ジャスト回避のみ有効。食らうと大ダメージなため、いかに赤い攻撃を避けていくかも攻略では大事となる。
また2種持てる武器の切り替えでも、Sha-Chiゲージを回復できる。Sha-Chiがなくなるほど減っても、武器を切り替えることで全回復した状態で戦闘を継続できる。攻めでも受けでも有用なので、戦いのなかで覚えておきたいテクニックだ。
またボスを倒すと、それぞれに応じた新たな武器が手に入る。本作ではメイン武器が30種以上、ファントムエッジが25種以上あるが、つまりはそれだけボスがいるということだ。
たとえば「Jagged Steel」を倒すと、同名の片手剣が入手できる。こちらはギザギザの刃からイメージする通り、出血の特殊効果付き。ある程度のダメージを与え続けると、出血ダメージを追加で与えられる。
また「Peng Meng」からは、先述のファントムエッジの斧「Dread Axe」を入手できる。「Dread Axe」は、敵のSha-Chiを大幅に削りつつ大ダメージを与える効果があり、アクションも豪快。さらに探索でも、鎖で封鎖された一部のオブジェクトを破壊して、先へ進むことができる。
つまりボスを倒すことで、どんどんと新たな武器が集まっていくわけだ。武器をそれぞれのボスの特徴を受け継いでおり、種類によってアクションや戦闘方法がガラリと変わるところが面白い。ボスを倒す→武器が集まる→さらに強いボスへと挑む、というサイクルも本作の魅力のひとつとなっている。
ボス戦は“弱点”もあり。関係性にもヒントが
ボス戦では、単に強敵と相対する、という面白さとは別の楽しみもある。それが“敵の弱点を見つける”ことだ。
たとえば、対戦必須のボスとして「Hua Qianxiao」という敵がいる。Hua Qianxiaoは酔拳のようにフラついた体術を用いながら、空中を飛ぶ剣を自在に操ってくる難敵。もうそれだけで対戦しがいのあるボスなのだが、一方で一部の行動に「Dread Axe」が効くという弱点もある。
Hua Qianxiaoは時折、周囲に結界を張って、グビグビと酒を煽りだす行動を見せることがある。結界は超硬いシールドのようになっていて、通常の攻撃では打ち破れない。そのまま酒を飲みきらせると、パワーアップして怒涛の連続攻撃を繰り出す状態に入る、というものだ。
しかし、この行動時に「Dread Axe」の一撃を食らわせると、一発でシールドを打ち破れる。さらにSha-Chi切れも起こすため、逆にこちらがラッシュをかけられる。さすがにそのまま倒しきれるわけではないが、一定数のダメージは確定で計算できるため、そうした知識があるかどうかは重要だろう。
Soulframe氏は、こうした弱点は意図的に入れているという。Hua Qianxiaoのガードが打ち破れることは明確には示されていないものの、Dread Axeがガードに有効であることはあらかじめ説明されており、「いろいろ試すことで見つけられる」塩梅となっている。
見た目や行動から推測できるものもあれば、あるボスから入手した武器を他のボスに使用することで何かしらのリアクションがある場合もあるという。その場合は、ボス同士の関係性が関わってくるそう。ストーリーや人物背景を読み込むことも楽しみのひとつになってきそうだ。
ちなみにHua Qianxiaoを倒すと、片手剣「The Fanatic’s Broken Blade」を入手できる。軽やかな剣だが、合わせて酒を飲んで酔い状態に入るアクションが使用可能だ。
酔い状態に入ると、Huaのように酔拳のような動きで飛剣を操って攻撃できる。ある程度離れた敵にも攻撃が届くため、ほかの片手剣とは使い勝手がかなり異なってじつに楽しい。
デメリットは、酔い状態に入るために酒を飲むアクションが必要になることと、酔い状態が終わると気持ち悪くなり、一定時間行動不能になること。強い反面、いかに隙間で酒を飲んで酔い続けられるかが大切なテクニカルな武器となっている。
カンフーアクションは即興&作り込み。本場香港スタイルを採り入れる
ではこうした膨大なボスやアクションはどう作られていったのだろうか? Soulframe氏は、実際のカンフー映画の制作手法を参考にしていると話す。「香港のスタイルでは、5分なら5分のアクションシーンを即興で繰り返し演じてみて、そのなかから良い殺陣を採用していきます。一方以前のハリウッドでは、絵コンテやスケジュールを緻密に組んで、そのとおりに撮影していきました。本作では、その両方を採り入れたのです」。
Hua Qianxiaoの場合で言うと、まず「酒を飲んで、飛ぶ剣を操る。もしかしたら投げ技を出すかも」程度の設定がスタントアクターと武術指導に伝えられる。そこでアクターたちが即興で何パターンかを演じてみせ、アクションを具体化する。今度はゲーム開発側が、そのなかからゲームに適しているかたちを選び取っていく。
そうした即興と緻密な作り込みのやり取りを繰り返しながら、最初は曖昧だった各ボスやキャラクターを徐々に具体化させ、完成させていったという。セオリーとは異なる作り方だというが、このカンフー映画に学んだ方法を取ることで、アクター任せでもゲーム制作都合でもないかたちで中国武術のエッセンスをアクションに落とし込むことができた。
「最近のハリウッド映画では、半分は事前に設計し、半分は即興で調整するという香港のスタイルを導入しています。なぜなら、そうして生まれたアクションはとてもスピーディーで、自然で、かつ臨機応変に対応できるからです。我々もそうした精神に学んで、少しずつ進めていくやり方を採用したのです」(Soulframe氏)。
舞台設計やボスの設計は、伝統的な中国の文化や風景のなかに違和感すらあるモチーフを加えることで、「カンフーパンク」らしさを表現している。音楽においても、ボスとの対戦中に伝統的な音楽が途中から激しいロックサウンドに変わるなど、プレイしていても「そう来るか!」と思わせるような場面が度々ある。
「30年・40年前の武侠映画における音楽は、実は“当時の最先端のトレンド”でした。当時の作曲家たちは中国の伝統音楽と、当時の電子音楽をモダンに融合させようと努めていたのです。私は彼らから学び、その伝統を受け継いでいます。また、ゲームや映画の音楽はある程度セオリーが決まっていますが、あえて崩すようなこともしています。どのような効果が得られるのか見てみたいと考え、今回の音楽が誕生しました」(Bo Caisheng氏)。
Soulframe氏のこだわりは、本作の難易度設定にも表われている。本作ではイージー、ノーマル、ハードと、「66日間」モードの4つの難易度があり、それぞれ数値の上下以上に、敵の行動パターンを調整することで緩急をつけている。
イージーモード「ウェイフェアラー」では、「誰でもカンフーマスターになれる」というコンセプトに基づき、プレーヤーへの技術的な要求を下げながら、敵との攻防を楽しめる設計に調整されている。「簡単なボタン操作で、まるでカンフー映画を見ているかのような体験」(Soulframe氏)ができるそうだ。
一方のハードモード「ヘルウォーカー」では、まるで対人戦かと思うような設計を目指したそう。特定の行動パターンがあるわけではなく、コンボを途中でやめたり、プレーヤーの行動に合わせて対応したり、フェイントすることもあるという。そのため高難易度でありながら、同じボスでも対戦ごとに違う体験が得られるようになっているそうだ。
「66日間」モードは、ソウルが残り66日の命という設定に合わせて、66回倒されたら完全ゲームオーバーというモード。敵の動きは「ヘルウォーカー」と同じだそうだが、行動パターンがないことで“事故る”ことも多々あり、一度も倒されずにクリアすることは「できないことはないが相当に難しいのでは」という。
カンフー愛と、そのゲーム化実現をこれでもかと突き詰めた本作。その仕上がりを体験するのが、今から楽しみである。「Phantom Blade Zero」は10月29日に発売予定だ。
(C)PARAWULIN PRODUCTION LIMITED. All rights reserved.
Phantom Blade, S-GAME, and all related marks are the properties of PARAWULIN PRODUCTION LIMITED.












































































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