先行レビュー

「バトルフィールド6」発売直前!新モード「エスカレーション」&新マップ先行レポート

収束する戦場が生む新たな緊張感。復刻マップで全面戦争を堪能

【バトルフィールド6】
10月11日 発売予定
価格  スタンダードエディション:9,800円
ファントムエディション:13,900円
対応機種:PS5/Xbox Series X|S/PC

 銃声、爆発音、そして兵士たちが自らを鼓舞する雄叫びが聞こえてくる。いよいよ10月11日、Electronic ArtsのFPS「バトルフィールド」シリーズの最新作「バトルフィールド6(Battlefield 6)」が発売される。

 8月にはオープンベータテストが行なわれ、この全面戦争に身を投じた読者の方も多いと思う。筆者もその1人で、短いプレイ時間ながらも新システムや新要素が盛り込まれた戦場を体験してきた。満足度は高かった一方で、オープンベータということもあり、まだ実装されていないマップが多かったのも事実だ。

 だが、発売を直前に控えた今回、新モードの「エスカレーション」とオープンベータではプレイできなかったマップ「Mirak Valley」、「Operation Firestorm」を先行体験できる機会を得た。新モードは「BF」シリーズに新しい遊び方をもたらしており、新マップは数多くのビークルが混じり合いながら戦う“全面戦争”を強く感じられるマップだった。ここからは、それぞれの体験レポートをお届けしていく。

【Battlefield 6 Official PC Trailer】

戦場が収束していく新体験「エスカレーション」モード

 「バトルフィールド6」は、広大なマップの中で複数の拠点を奪い合う全面戦争を体験できる「コンクエスト」のほか、戦闘要素をグッと凝縮し攻撃側と防衛側にわかれて激しい攻防を繰り広げる「ブレークスルー」といったゲームモードが用意されている。今回プレイできた「エスカレーション」は、コンクエストとブレークスルーの特性を併せ持った新モードとなっている。

 マップ内には各所にコントロールポイントが用意されており、それらを制圧していくという目的はコンクエストモードと同じだ。コントロールポイントを制圧し続けるとゲージが溜まっていき、満タンになるとテリトリーを獲得する。それらのテリトリーを先に3つ獲得したチームが勝利だ。

新モードの「エスカレーション」。テリトリーの奪い合いで勝敗が決まる

 そのため、コンクエストと同じ戦い方が通用する部分もあり、例えばビークルを使って奥まったところにあるコントロールポイントを制圧しに行っても良いし、ヘリなどを使って空から降下する形で裏取りをするのもアリだ。

 だが、エスカレーションの特徴として、どちらかのチームがテリトリーを1つ獲得すると、マップ内からコントロールポイントが1つ削除されるのだ。削除されるのはテリトリーを獲得したチームの本拠地に近いコントロールポイントとなる。つまり、試合の後半になるほど、マップの中央にコントロールポイントが集まっていくため、裏取りなどが効きにくくなり、ブレークスルーのように狭い範囲で戦いが起きやすくなるのだ。

試合開始時は多くのコントロールポイントが存在するが、終盤にかけて徐々に減っていく

 筆者は歴代「BF」シリーズを通してずっと「コンクエスト」が好きなのだが、今回の新モード「エスカレーション」も遊びやすくかなり好感触だ。というのも、筆者は「コンクエスト」に対して、どのコントロールポイントを制圧するか考えつつ撃ち合いをするということに強い魅力を感じている。一方で、試合展開によってはコントロールポイントを取ったり取られたりの応酬で、ダラダラとした展開になってしまうこともある。

 もちろん、正面からのぶつかり合いが起きやすい「ブレークスルー」も戦っている時間が長くて好きなのだが、「BF」シリーズならではの広大なマップをビークルで縦横無尽に駆け回る戦闘も恋しい。新モード「エスカレーション」は、まさに「コンクエスト」と「ブレークスルー」の真ん中をプレイできるのだ。ハイスピードな試合展開を求めているプレーヤーからの好みはわかれそうだが、「コンクエスト」好きのプレーヤーは少し変則的で試合展開が早いコンクエストモードのようなイメージで楽しめるだろう。

どのコントロールポイントを抑えるかが重要なのはコンクエストと同じだ
試合序盤であれば裏取りも有効な選択肢だろう

歩兵と兵器が織りなす全面戦争「Mirak Valley」

 今回は新モードのほかにも、新マップ「Mirak Valley」を「Operation Firestorm」プレイできた。ここからは各マップについて紹介していこう。

 「Mirak Valley」はタジキスタンに位置する新マップ。山間にある集落のようなマップで、東西の両端は民家が点在しており、中央には工事中の建築物、南北には広めの平地が広がっている。

 コンクエストの場合は、AからEの5カ所のコントロールポイントがあり、AとEはそれぞれ民家が点在しているエリア、BとDはマップ中央の建築物、Cが少し離れた平地帯にある。登場するビークルは、移動用のジープのほか、戦車、ヘリ、戦闘機までオールスターといった様相だ。

戦車もヘリも登場する。“全面戦争ここにあり”といったところだろうか

 「Mirak Valley」は、地上で戦う歩兵から、空を自由に飛び回る戦闘機までが入り乱れる「バトルフィールド」らしい全面戦争を体験できるのだが、プレイしてみるとメリハリが効いたマップデザインであることがわかる。

 例えば、民家が点在しているエリアでは戦車と歩兵の連携がキモになる。障害物が多いため戦車が自由に動き回れるスペースはなく、影から工兵に狙われるリスクがある。だが、戦車は歩兵に対してアドバンテージがあるため、味方の歩兵に周囲を警戒してもらったり、戦車を盾にして歩兵がポイントを制圧するという展開になりそうだ。

 マップ中央にある工事中の建造物は、高さがある一方で非常に狭い。ここは歩兵が輝くところだ。特に突撃兵のガジェットの1つであるハシゴなどが活きてくるだろう。一方で遮蔽物が多いため、ビークルからの援護はかなり厳しい。そのため、近距離での撃ち合いをメインにしつつ、2棟が向かい合うように建っているため、スナイパーライフルで窓から攻撃もできそうだ。マップ中央には2つのコントロールポイントがあるので、この2つを制圧できるとかなり有利になるだろう。

 そして、平地帯はビークルが自由に暴れ回れるエリアだ。移動を妨害する建物も、砲撃を遮る障害物もほとんど存在しない。自由に戦車戦や上空からの攻撃・支援を楽しめる。逆に歩兵は移動距離が長く、隠れられる場所も少ないので活躍しにくい。ここでの戦車戦を制し、戦闘機やヘリで制空権を奪取できれば、マップ全体のアドバンテージをとれることだろう。

 「Mirak Valley」は、歩兵と各種兵器が登場し連携しながら戦うという、バトルフィールドらしい戦闘を精一杯に引き出すマップ構造だ。歩兵と歩兵、歩兵と兵器、兵器と兵器、それぞれが輝く場所が1つのマップに配置されており、それぞれの場所が優勢になると他の場所にも好影響を与え、全体として勝利に近づける。そういった連帯感を楽しめるマップだ。

場所によって戦い方が変わるのが面白いマップだ

「BF3」の名作マップが蘇る「Operation Firestorm」

 もう一つの「Operation Firestorm」はトルクメニスタンの石油精製所を舞台にしたマップだ。お気付きの方もいると思うが「バトルフィールド3」に登場した同名マップのリニューアル版となる。

 マップ中心部にはパイプに繋がったタンクがあり、煙突からは黒煙が立ち上っている。中心部から離れたところではいくつかの道路が交差しており、倉庫のような建物が点在している。このマップでも「Mirak Valley」と同様にジープや戦車、ヘリ、戦闘機が登場する。

 こちらも高さがあるエリア、具体的にはタンクやパイプの周辺は歩兵、周囲が開けているところはビークルが活躍するマップになっている。だが、開けている部分が圧倒的に多いため、密度の高い歩兵戦が発生するエリアは限られている。

 例えば、コントロールポイントの1つでもある建物内での戦闘は、歩兵同士の戦いがメインになりそうだが、そこに行くまでの道中は開けているため、戦車が大きな脅威になる。もちろん、戦車の天敵であるヘリも脅威となる。

黒煙を噴き上げる巨大な煙突とタンクが特徴的なマップ。建物が込み入っている部分は歩兵の活躍が輝く

 今回はあまり出会うことはなかったが、腕利きのスナイパーも歩兵の大きな脅威になりそうだった。特に高い煙突や、建物の屋根などにパラシュートで降下すると気付かれにくい。場所取りによっては一方的に攻撃を加えることもできるだろう。弾薬の制限があるのでずっと同じ場所にいるのは難しいが、位置取りによっては大きな活躍もできそうだ。

 今回はコンクエスト、ブレークスルー、エスカレーションの3モードでプレイしたのだが、「Operation Firestorm」は個人的にエスカレーションと相性のいいマップだと感じた。コンクエストではコントロールポイント間の距離が遠かったため、決定打に欠ける試合になった一方、試合の進行に合わせて徐々にコントロールポイントが減っていくエスカレーションでは最後までダレることのない戦闘が楽しめた。

個人的にはエスカレーションモードとの相性を強く感じた

武器バランスも細かく調整。10月11日の発売が待ちきれない

 今回は「バトルフィールド6」の新モード「エスカレーション」と新マップ「Mirak Valley」、「Operation Firestorm」のレポートをお届けしてきた。「エスカレーション」はコンクエストの戦略性を保ちながら、ダラダラとした試合展開を排除し、最後まで緊張感のある戦いを実現している。新マップの2つはどちらもこの新モードとの相性が抜群で、それぞれの役割が明確に分かれたマップ設計となっていた。

 また、今回の記事では大きく触れることができなかったが、オープンベータから武器バランスに細かな調整が入っていることを確認できた。特にショットガンの威力が控えめになっており、近距離戦における一撃必殺の頻度が減少していた印象だ。このほかにも各兵科に多くの新ガジェットが追加されており、特に突撃兵のハシゴなど、戦術の幅を大きく広げる要素が数多く実装されていた。これらの要素が組み合わさることで、より多様な戦い方が可能になるだろう。

 10月11日の正式リリースに向けて、この新たな戦場がどのような進化を遂げるのか、今から楽しみでならない。