先行レビュー

これぞBF! “らしさ”を取り戻した「バトルフィールド6」先行プレイレポート

直感的な兵科、テンポのいい戦闘。4年ぶりの「BF」新作をチェック

【Battlefield 6】
10月11日 発売予定
価格  スタンダードエディション:9,800円
ファントムエディション:13,900円
対応機種:PS5/Xbox Series X|S/PC

 FPSゲーマーであれば、誰しもが通るFPSゲームの一つ「バトルフィールド」。多人数でのオンラインマルチプレイによる“全面戦争”が魅力のタイトルで、これまでに「BF3」や「BF1」といった名作を送り出してきた。そんなシリーズの最新作「バトルフィールド6」がプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC向けに10月11日に発売される。

 本作は、2013年に発売された「バトルフィールド4」以来となる現代戦となり、最大64人でのオンラインマルチプレイのほか、シングルプレイのキャンペーンモードが復活。さらに突撃兵、工兵、援護兵、斥候兵による4つの兵科システムが復活するなど、ゲームシステムが大きく変わった前作「バトルフィールド2042」から一転、往年の「バトルフィールド」シリーズらしい構成に戻った。

 今回はElectronic Artsの招待を受け、香港で開催された「BF6」のお披露目イベントに参加。そこで「バトルフィールド6」のマルチプレイモードを体験できたので、本稿では先行プレイレポートをお届けしていく。なお、GAME Watchでは開発者インタビューも掲載されているため、併せてご覧いただきたい。

【「Battlefield 6」 オープンベータ トレーラー】
香港で行なわれたお披露目イベントの会場。ここに日本だけでなく、中国や韓国のストリーマーやメディアが集まった

“6”だけど6作目じゃない! これまでの「BF」シリーズをおさらい

 「バトルフィールド」は、2002年9月発売の第1作「バトルフィールド1942」から既に23年が経過している歴史あるシリーズだ。本作「BF6」は、2021年11月に発売された「バトルフィールド2042」以来、約4年ぶりの新作となっている。

 「BF」シリーズは数々リリースされているが、各作品の繋がりはほとんどなく、タイトルのナンバリングも不規則だ。そのため「BF6」だからといって、シリーズ6作目というわけではなく、前作「BF2042」をプレイしなくても十分楽しめる。筆者はエンジョイ勢ではあるが2013年発売の「バトルフィールド4」で入門し、「バトルフィールド ハードライン」、「バトルフィールド1」、「バトルフィールド2042」とプレイしてきた。

「BF」シリーズは約23年が経過している歴史あるシリーズ。画像は第1作「BF1942」

□GAME Watch「バトルフィールド1942 完全日本語版」のレビュー記事

 「BF」シリーズといえば、やはり最大64人のオンラインマルチプレイ「コンクエスト」モードのほか、アサルトやリコンといった役職を選択する“兵科システム”を思い浮かべる方が多いだろう。

 だが、前作「BF2042」は、それまでの「BF」シリーズとは異なり、オンラインマルチプレイを最大128人に拡大。そして兵科システムを廃止し、それぞれ固有のスキルを持ったキャラクターを選ぶ“スペシャリスト制”を導入した意欲作だった。この変更はFPSゲーマーから「BFらしさが減った」と声が上がり、発売当初のゲームバランスの調整不足なども相まって、大きなムーブメントとはならなかった。

「BF2042」はそれまでの「BF」シリーズとは異なる点が多く、FPSゲーマーから様々な評価が上がった

 そこで「BF6」は正式発表前からテストプログラム「Battlefield Labs」を実施し、コミュニティからのフィードバックを得ながら開発が進められた。特にオンラインマルチプレイは最大64人に縮小されているが、これは「BF2042」プレーヤーの「128人は多すぎる」という意見を反映したもの。さらに兵科システムも復活し、往年の「BFらしさ」へ回帰した作品となっている。

 時代設定は2027年で、シリーズでは「バトルフィールド4」以来となる現代が舞台。一部の国がNATOを脱退した世界で、NATOの影響力が弱まっている中、そこに入り込もうとする民間軍事会社「PAX ARMATA」とNATOとの戦いが描かれる。本作はシングルプレイ専用の「キャンペーンモード」が復活するため、ストーリーにもかなり気合が入っている印象だ。

2025年2月より各国で開催された「BF Labs」。ここでのフィードバックが「BF6」に活かされている

これぞBF! コンパクトなマップで緊迫感のある戦闘を楽しめる

 「BF6」のマルチプレイモードには「コンクエスト」や「ブレークスルー」、「ラッシュ」といった定番モードのほか、「チームデスマッチ」や「エスカレーション」など様々なモードが実装されている。今回の試遊はPC版で、マルチプレーヤーモードの「コンクエスト」を中心にプレイできた。

 「コンクエスト」は「BF」シリーズの定番モード。32対32の64人による総力戦で、敵を排除しながら各地点を制圧し、相手チームのチケット(カウント)を「0」にしたら勝利となる。兵科は「突撃兵」、「工兵」、「援護兵」、「斥候兵」が用意されており、筆者は前線に出て敵と撃ち合ったり、戦車に乗って砲弾を撃ちまくるのが好きなので「突撃兵」を選択した。

今回は「BF」の定番モードの一つ「コンクエスト」をプレイ
兵科は「突撃兵」、「工兵」、「援護兵」、「斥候兵」の4つが登場。筆者は「突撃兵」を選択した
各武器は詳細なカスタマイズが可能。自分だけの扱いやすい武器にしよう

 まずプレイを始めて感じたことは、グラフィックスの美しさ。シリーズ最新作ということもあって「BF2042」からさらに磨きがかかっているほか、建物などの破壊表現も向上しており、フォトリアルなグラフィックスとなっている。没入感が上がり、より緊迫感のある戦闘を体感できた。

 なお、今回はハイエンドゲーミングPC(Core Ultra 285K/RTX 5080)とゲーミングモニター(4K/240Hz)でのプレイだったが、DLSSやFSR、XeSSといったアップスケーリング技術・フレーム生成がオフの状態でも高いフレームレートを維持していた。あくまでベータ版の時点ではあるが、パフォーマンス面での調整はかなり良好な印象だ。

最初に感じたのはグラフィックスの美しさ
磨きがかかり、没入感のある映像で戦闘を楽しめる
破壊表現もよりリアルになった
爆弾が爆発した時や砲弾が当たった時の建物の破壊表現は圧倒的

 今回のコンクエストで用いられたマップ「リッジ13」は比較的コンパクトで、歩いて移動しても苦ではないほか、会敵しやすいため戦闘を楽しめる。実際にかなりの高頻度で会敵したほか、移動時間も短いためサクサクと戦闘を進められる。

 あとは敵を倒しながら各地点を制圧し、勝利を目指すだけ。イベントには、APAC地域からストリーマーやメディアが参加し、なかなかハイレベルな戦いが繰り広げられた中、チームに支えられながら筆者もついていくことができた。敵を倒した時の気持ちよさ、各地点を制圧する時の緊張感、大規模な戦闘が起きた時の白熱したバトルは健在だ。

今回プレイした「リッジ13」は比較的コンパクトなマップ
移動時間が短く、会敵する頻度が高いため、戦闘を楽しめるマップだ
戦車で移動していると頻繁に接敵する
敵地へ向かう時の緊張感、やられてしまった時の無念さも健在
安全な場所に引きずりながら蘇生が可能となった。味方に蘇生された時の安心感はすごい

 「BF6」はコンパクトなマップ、直感的でバランスのいい兵科、テンポのいい戦闘を楽しむことができ、“これぞBF!”と思わせる仕上がりだ。実際、シリーズでも屈指の人気を誇る「BF3」や「BF4」のようなゲームを目指したことが明かされており、その目標はかなり達成されていると筆者は感じている。

 一方で新要素が少ないということもあり、「BF6らしさ」は控えめな印象だ。もちろん、今回は「コンクエスト」を中心とした内容だったため、新モードの「エスカレーション」やストーリーをプレイすると、また違った印象になるだろう。この辺りは製品版や発売後のアップデートでの展開も期待したい。

「BF6」は、過去作の中でも人気のある「BF3」や「BF4」のような仕上がりだ
だが“BF6らしさ”は少々薄い印象。「BF2042」で冒険しすぎた分、少し保守的な内容になっている
製品版やアップデートで“BF6らしさ”も押し出して欲しいと筆者は思う

「キャンペーンモード」も期待! 気になる人はオープンベータもチェック

 ここまで「バトルフィールド6」の先行プレイレポートをお届けしてきた。今回は「コンクエスト」をプレイしたが、コミュニティ参加の「BF Labs」の成果もあってか、パフォーマンスやゲームバランスはベータ版とは思えない仕上がりで、試遊中は非常に楽しくプレイできた。一方で少し保守的な内容で“BF6らしさ”は少々薄いようにも感じ、この辺りは製品版で改めてチェックしたいところだ。

 今回はプレイできなかったが、筆者がBFをプレイするときはまずキャンペーンモードをクリアしてからマルチプレイモードに挑むため、「BF6」のキャンペーンモードではどのようなストーリーが描かれるのか楽しみにしている。また、フレンドと一緒に「コンクエスト」といったマルチプレイモードをプレイすると、また違った雰囲気で楽しめるだろう。

 FPSゲーマー待望の新作となる「BF6」は10月11日に発売される。8月9日・10日、8月14日〜17日には各プラットフォームでオープンベータも開催されるので、気になっている方はぜひ参加してみてほしい。