先行体験

「ゲームボーイミクロ」のようなレトロ感! 小型ゲーム機「AYANEO POCKET MICRO」が11月上旬に日本発売

3.5型ながら「原神」も動く

【AYANEO POCKET MICRO】

9月5日 予約受付開始

11月上旬 発売予定

通常価格:
マジックブラック(6GB/128GB):39,800円
ソウルレッド/レトログレー(8GB/256GB):44,800円
先行予約価格(9月19日まで):
マジックブラック(6GB/128GB):35,820円
ソウルレッド/レトログレー(8GB/256GB):40,320円

 AYANEOは、Android搭載の小型ゲーミングデバイス「AYANEO POCKET MICRO」日本国内正規版を11月上旬に発売する。予約受付は9月5日より開始。

 製品ラインナップは、内蔵メモリとストレージ、本体カラーの違いで3モデルを用意。価格はメモリ6GB/ストレージ128GBのマジックブラックが39,800円、メモリ8GB/ストレージ256GBのソウルレッド/レトログレーが44,800円。なお、9月19日までに予約した場合は先行予約価格として、マジックブラックが35,820円、ソウルレッド/レトログレーが40,320円で購入できる。

 また、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」では、超早割も実施されており、各モデル先着5名限定ながら、マジックブラックは31,840円、ソウルレッド/レトログレーはそれぞれ35,840円で出資を募っている。

 「AYANEO POCKET MICRO」はOSにAndroid 13を採用する小型ゲーミングデバイス。SoCにはMedia Tek Helio G99を搭載し、メモリ容量は6GB/8GB、ストレージ容量は128GB/256GB。最大の特徴は3.5型/960×640ドットのアスペクト比3:2のIPSパネルを採用し、両端に各種ボタンやアナログスティックを備えるレトロゲーム機感溢れるデザインのユニークなAndroidゲーミングデバイスとなっている。

 本稿では販売代理店の天空で開催されたメディア向け発表会にて、実機に触れた感触や会場での模様をレポートしたい。

レトロゲーム機デザインの小型ゲーミングデバイス「AYANEO POCKET MICRO」(マジックブラック)
各種携帯ゲーム機や発売したばかりの「AYANEO Pocket S」なども合わせて展示。ゲーム機は天空代表取締役の山田拓郎氏の私物だそう
予約開始の告知ポップ

「ゲームボーイミクロ」を思わせる3.5型ゲーミングデバイス

 「AYANEO POCKET MICRO」は、同社が手掛ける「レトロデザインゲーム機」プロジェクトの第1弾として発表されたAndroid搭載のゲーミングデバイス。画面両端にボタンやアナログスティックがあり、任天堂のゲーム機「ゲームボーイミクロ」を思い出させるようなレトロゲーム機をイメージしたデザインが最大の特徴だ。本体サイズは約156×63×18㎜(幅×高さ×厚み)、重量は約233g。本体の材質にはCNCアルミフレームを採用する。

 コントローラーは左側上部に十字キー、右側上部にはA/B/X/Yボタン、両端下部にはアナログスティックをそれぞれ備えるほか、天面部にはL1/L2キー及びR1/R2キーも備える。天面部には他にもボリュームボタンと指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンも装備。底面部にはOTG対応のUSB 2.0 Type-Cポートを搭載。左側面にはmicroSDカードスロットを備える。

 無線LANはWi-Fi 5に対応、Bluetoothは5.2、バッテリー容量は2,600mAh。冷却性能も高く、大型のアクティブファンが採用されており、同社がゲーミングモバイルPCで培ってきた技術が活かされている。

 Android OSとしての基本機能は全て搭載されており、Google Play Storeも利用可能。同社独自のシステム管理用のソフトとしては自社開発の「AYASpace」及びホームランチャーソフト「AYAHome」も備える。

 振動モーターはX軸リニアモーターで、6軸ジャイロセンサーも内蔵。振動のないレトロゲームでもゲーム音声をAIが解析して振動させる「SoundTAPMagic」機能などのユニークな機能も搭載する。

ディスプレイは3.5型/960×640ドットのアスペクト比3:2のIPSパネルを採用。発色はかなりよく、ディスプレイサイズが小さい事もあり、引き締まった映像が表示される。ディスプレイの両側にはコントローラーを備える
天面部にはL1/L2、R1/R2ボタンのほか、音量調整ボタン、指紋認証センサーを内蔵する電源スイッチを備える
左側面にmicroSDカードスロットを装備
底面部にはUSB 2.0 Type-C端子を搭載。本体前面下部には左側はスタート/メニューボタン、右側にはAYASpace/AYAHomeボタンが斜めに配置されている
右側面にも2つのボタンを搭載。これらは管理ソフト「AYASpace」で自由に割り当ててカスタマイズが可能なボタンとなっており、デフォルトでは「RC」に戻る機能が割り当てられている
背面には大型アクティブファンの吸気口がかなり大きめに取られている。また、「レトロデザインゲーム機」プロジェクトのロゴシールも貼られている
同社が開発する管理ソフト「AYASpace」は画面下部に備えるボタンから1タッチで起動できる
ホームランチャーソフト「AYAHome」はインストールされたソフトの一覧が表示されるシンプルなもの
カスタマイズすることで、選択時にイメージ画像などが背景に表示されるようなカスタマイズが行なえる

昔懐かしいビジュアルと手に馴染む本体サイズが魅力

 実際に現地にて実機に触れてみたが、手に持った感覚は一言「よく手に馴染む」である。スペック上はそれなりに厚みがあるが、手に持ってみると、大きすぎず小さすぎず、手によくフィットしており、単なるデザイン以上に使いやすさを実感した。

 操作感は良好だが、デザイン的にアナログスティックがボタンの真下に来ているので、操作の切り替えで親指を意識して引き寄せる必要があり、若干の使いにくさがあったのと、A/B/X/Yボタンについてはボタンの隙間があまりない事もあってやや窮屈気味。それでも強いて言えば程度で、違和感は少ない印象だ。

 ゲーム自体の動作については、SoCがミドルレンジのスマートフォンなどで採用されるMedia Tek Helio G99のため、過度な期待は禁物ながらも、プレイ上はもたつきや引っかかりなどの違和感はなく、かなり快適にプレイする事ができた。

 一般的なスマートフォンと比べると、背面吸気/天面排気の大型アクティブファン搭載で冷却性能が高いため、ゲームプレイ時もSoCの性能が落ちる事なくフルパワーを維持できている点や、ディスプレイ解像度が低めな点、ゲーム以外のアプリケーションが含まれていない点など、理由はいくつか考えられるが、予想以上に快適なゲーム体験が楽しめた。

 ディスプレイはタッチ操作にも対応するため、コントローラーに対応していないようなゲームであってもタッチ操作でプレイできる。また、画面上に表示されるバーチャルパッドにコントローラーの各部を割り当てられる機能もあるため、かなり多くのゲームが楽しめそうだ。

本体サイズはかなりコンパクト
手に持ってプレイしている様子。小型で手に馴染む本体。角は全て丸みを帯びており、優しい手触りだ
縦画面のスマートフォン用ゲームもタッチ操作で快適にプレイできる

スペックよりもデザインで勝負!

 同社では7月から発売されたSnapdragon G3x Gen 2採用のポータブルAndroidゲーム機「AYANEO Pocket S」なども発売しているが、こうした製品との棲み分けについて、天空の代表取締役、山田拓郎氏は「AYANEO Pocket Sはハイエンドなゲーミングデバイスとして発売しているが、AYANEO POCKET MICROは“レトロデザインゲーム機”としてデザイン重視で発売する。とにかくこのデザインが気に入った人に買ってもらいたい」とし、デザインが最大の魅力である点を改めて強調した。

 グラフィック設定を下げる必要はあるものの、現行のAndroid向けゲーム、例えば「マインクラフト」や「原神」なども快適に遊べるため、子供向けの端末として使ってもらえると説明したほか、昔懐かしの映像/音楽プレーヤーとして使ってもらうようなシーンを想定しているとした。また、画面が3.5型と小さいため、ゲームの世界に熱中しすぎず、すぐに現実世界に戻ってこられるとした。

 発表時のビジュアルでは、正に「ゲームボーイミクロ」の限定カラー「ファミコンバージョン」を意識したようなカラーリングが紹介されていたが、今回の製品群の中に含まれていない点については「現段階では製品化の予定はないが、今後要望などを聞いた上で検討していきたい」と前向きな姿勢を示した。

 また、Android端末ということで、スマートフォンとしても使えるようにSIMスロットを内蔵したモデルがあればありがたいと考え、SIMスロット内蔵モデルの発売についても聞いてみたが、こちらも同様で、現段階では予定はないが、要望などがあれば検討したいとした。

 なお、同社が秋葉原にて運営している「ハイビーム秋葉原本店」では、今週末くらいから展示を予定しているそう。興味がある人は秋葉原に足を運んで実機を見てみてはいかがだろうか。

本体前面下部にはスタート/メニューボタンを備えるが、同社によると、開発が「ゲームボーイミクロ」のスタートボタンを意識し、かなり気合いを入れて設計した見所の1つだという
こちらがゲームボーイミクロのスタートボタン
発表時のビジュアルでは、正に「ゲームボーイミクロ」の「ファミコンバージョン」のようなカラーリングで紹介されていたが、今回の製品には含まれていなかった。現段階では発売予定はないが、検討するとのこと
利用シーンについては、子供向け端末として使うほか、ゲーム用のサブ端末、音楽/動画用のメディアプレーヤーとしての利用用途も想定しているとした