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「FFXIV」、3.2アップデートの名称は「運命の歯車」に決定

鹿児島から出張PLLで「アレキ律動編」や新闘神の情報を公開

1月30日 開催

鹿児島市・天文館ビジョンホール

プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティチームの室内俊夫氏

 スクウェア・エニックスはプレイステーション4/3/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」(以下「FFXIV」)のオフラインイベント「FINAL FANTASY XIV: Full Active Time Event in KAGOSHIMA」を鹿児島市にある天文館ビジョンホールで開催した。

 会場からは「第27回FFXIVプロデューサーレターLIVE」が放送された。プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティーチームの室内俊夫氏が3.2アップデートの詳細を画像や動画を交えながら紹介、後半にはゲストとしてローカライズチームで、「FFXIV」の世界観づくりにも関わっているマイケル・クリストファー・コージ・フォックスが登場し、メインストーリーなど世界設定に絡む新情報を紹介した。このレポートでは、3.2アップデートの新情報をまとめてお伝えしたい。

パッチ3.2の実装日は2月23日、タイトルは「運命の歯車」

パッチ3.2のタイトルは「運命の歯車」

 プロデューサーレターLIVEの冒頭には、パッチのタイトルと実装日が発表された。日本語のタイトルは「The Gears of Change(日本語名:運命の歯車)」。2月23日のメンテナンス終了後に実装される予定だ。今回も事前にパッチ朗読会が行なわれる予定だ。

 今回のパッチでは、シーズン制を取る対人コンテンツ「ザ・フィースト」が目玉として導入され、対人の新しいルールやシステムが実装される。また、今回は縦方向への拡張がメインとなるため、エンドコンテンツである「機工城アレキサンダー零式:律動編」や「極セフィロト討滅戦」など強敵が多数追加される。

 今回のPLLでは、実装されるコンテンツのうち、主にエンドコンテンツやバトルコンテンツについてかなり詳細な説明があったので、1つずつ紹介していきたい。

ジョブ調整

 パッチ3.2では、すべてのジョブに調整が入るが、その中でもトピックスとして、タンクと占星占星術師と機工士が紹介された。パッチ3.1でエンドコンテンツの必要DPSが高かったために、タンクが防御力よりも攻撃力を求める傾向が強くなり、本来の適正装備であるVITが“死に装備”になっていた。3.2からはタンクロールの物理攻撃力の算出方法が改められ、VITが物理攻撃力に影響するようになる。「アクセサリーもステータスも全部VITにしたほうが火力が出るようになります」と吉田氏。また、それぞれのタンクの特性を残したまま、アクションの調整も入る。特にナイトに関しては、現在攻撃面だけではなく使いにくい部分が出てきているので、全面的な調整が入る。

 占星術師は「シャッフル」を使ったときに何度も同じカードが連続して出てきてしまうことがあったため、同じカードが連続で出ないよう調整が入る。また、ヘイトを下げる技能がないことから、ヒーラーの中でも特にヘイトコントロールが難しかった問題にも、何らかの対策が入るようだ。機工士は他のDPSと比べて火力の伸びが悪いため、上方修正が入る。また、リミットブレイクゲージの蓄積速度にも調整が入る。

【ジョブ調整】

ディアデム諸島の調整

 「ディアデム諸島」の新コンテンツは現在開発中だが、まずはパッチ3.2で既存部分の調整が入る。コンテンツの制限時間がハード90分、ノーマル60分、イージー30分になり、再突入時間は45分から30分に縮小される。また、「魔物の痕跡」からモンスターを出現させたプレーヤーにファーストアタック権が付与されるようになる。討伐条件は、巷で噂されているHPの30%よりも少ない削りに設定されているので「あきらめずに頑張ってください」(吉田氏)とのことだ。ほかにも、特殊交換窓口で間違えて210装備を交換するミスを防ぐため、納品ユーザーインターフェイスにフィルタ機能が追加され、報酬が「アラガントームストーン:禁書」から新しい「伝承」に変わる。

【ディアデム諸島の調整】

木人討滅戦

 「木人討滅戦」はエンドコンテンツに通用するだけのDPSが出せているかどうか、木人と戦うことである程度判断することができるというもので、ずっと以前から要望の多いDPSチェッカーを、遊びに昇華させたソロ用のコンテンツ。

 エンドコンテンツへの入場条件をクリアすると、同時にそのコンテンツ用の木人が追加される。例えば3.2で加わる「零式:律動編」なら、ノーマルの「律動編」をクリアした時点で、コンテンツファインダーの中に項目が追加される。

 木人はジョブ別になっており、ヒーラーについては「僕らはヒーラーにDPSを求めていないが、遊びなのにヒーラーだけないのもおかしいので、あくまでも遊びとして入れてあります」(吉田氏)。

【木人討滅戦】
吉田氏による挑戦、初回はPLLオープニングと重なりギリギリだったが、ひっそりやっていた2回目は11秒を残しての討滅という成績だった

「蛮族デイリークエスト:グナース族」

 蛮族デイリークエストとして、高地ドラヴァニアにいるグナース族のクエストが追加される。クエストを進めていくことで、虫と爬虫類を合わせたようなまったく新しいグラフィックスのマウントを蛮族ショップから購入できるようになる。

 前回実装されたバヌバヌ族のクエストと同様に、今回もクエストを受けるレベルによって取得できる報酬や経験値が増減するレベルアジャスト機能が入るが、獲得できる経験値は多くなっており「レベル上げに使って欲しいです」(吉田氏)とのことだ。

 また、マウントつながりで、「ゴールドソーサー」の報酬としてもらえる「アダマンタス」が飛行マウント化することも伝えられた。飛行シーンを吉田氏が実機で披露したが、冒険者をのせたまま、手足が収納された部分から炎を出しつつ回転しながら飛行する様子はまさしくガ○ラそのもの。冒険者も甲羅の上で激しくスピンしていたが、一人称視点では回転しないので、そこは安心して欲しい。

【新飛行マウント】
グナース族の蛮族デイリークエストで購入できるようになるマウント
回転しながら飛行する「アダマンタス」

メンターシステム

 ベテランのプレーヤーが初心者をサポートするためのシステム。戦闘職メンターになるには、タンク、ヒーラー、DPSのいずれか1ジョブが60で、MIPが300以上、ダンジョンや討伐・討滅戦をトータルで1,000回以上クリアしていることが条件。生産職なら、ギャザラーかクラフターのいずれか1ジョブが60以上、蒐集品を100回以上自分で製作しているか、300回以上採集していることが条件になる。

 メンターになると、初心者をビギナーチャンネルというワールド全体に届くチャットチャンネルに招待できるようになる。また、コンテンツルーレットに「メンター」という新しいカテゴリが加わり、これに参加すると「大迷宮バハムート」以外の2.4までのすべてのコンテンツを対象に、初心者がキューを入れているところを手伝うことができるようになる。

 基本的には支援のためのシステムなので、これをしていると有利になるというものではないが、ルーレットを回すことで特別な報酬やアチーブメントも手に入る。

【メンターシステム】
初心者を積極的に支援できるシステムが入る

新対人コンテンツ「ザ・フィースト」のルールが判明

2つのオオカミの紋章に分かれて戦う「ザ・フィースト」
ダイヤモンドクラスの上位者がもらえる装備品

 新しい対人コンテンツ「ザ・フィースト」はルールが判明した。「ザ・フィースト」はずっと「ウルヴズジェイル2」と呼ばれていた、新しい少人数用の対人コンテンツ。メインとなる4対4のマッチングには、レーティングとシーズン制が導入され、シーズンごとにランキングと称号がリセットされる。

 階級は無印、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドの6
つがあり、シーズンが終了するとそれぞれの階級ごとに上位者に特別な報酬が付与される。最上位のダイヤモンド上位者は、フルセットの装備と称号、家に飾れるトロフィーがもらえる。また、、報酬目当てに下位ランクに居残るのを予防するために、シルバー最下位でもブロンズ上位の報酬ももらえるなど、下の階級の報酬が手に入ることで、報酬目当てに下位ランクに居残るのを予防している。

 それぞれの称号の間には昇格戦がある。昇格戦の発生条件を満たすと自動的に次の戦いから昇格戦にカウントされるようになり、既定の勝利数を満たすと昇格する。ランキングは勝率やレーティング階級をもとにデータセンターごとに集計されて、Loadstoneに掲載される。

 勝敗は自チームが持つメダルの獲得数で決する。バトルがスタートした時には全員が100枚ずつメダルを所有しているが、戦闘不能になるとそのうちの一部をドロップする。これを敵に拾われると拾ったプレーヤーの持っている枚数が増加する。

 同じ人を何度も倒し続けると、その人が持っているメダルはどんどん少なくなるので、たくさん持っている人を狙ったほうが有利になる。

【「ザ・フィースト」ルール】

 ゲーム中には、戦況を左右する4つの仕組みがある。1つめの「アドレナリンラッシュ」はシールロックから導入された個人用のリミットブレイク。

 「サプライボックス」は、ゲームスタート時や途中に出現する箱。壊すと中から「サプライキット」という薬品が出現する。薬品は4種類あり、使うと攻撃力や防御力、回復力、アドレナリンラッシュゲージの速度のいずれかをブーストすることができる。

 「デンジャータイム」は、開始から一定時間誰も戦闘不能にならなかった場合に、全員に被ダメージアップのデバフが付くというもの。誰か1人でも倒されると解除される。英語名は「デンジャー」が80年代っぽいという理由で別の名前になっている。

 「ヘヴィメタル」は、例えば倒されにくいタンクにメダルを集めるなどしたとき、あまりにも1人が持ちすぎると、そのキャラクターに被ダメージが上昇するデバフが付くというもの。

 パッチ3.2実装後2週間の猶予を置いて、パッチ3.21から約3週間のプレシーズンがスタートする。そこで実際にプレイしたフィードバックをもとに最終的な調整が行なわれ、パッチ3.25から約3.5カ月のシーズン1がスタートする予定だ。

「セフィロト討滅戦」のBGMは「FF6」の戦闘曲アレンジ!

新インスタンスダンジョン

 2つの新インスタンスダンジョンはメインストーリーに関わる「逆さの城」と既存ダンジョンのリニューアルとなる「神聖遺跡 古アムダプール市街(Hard)」。今回は2つのダンジョンのウォークスルーが公開された。アムダプールの市街には見慣れない姿の敵も見受けられた。

【逆さの塔】
英語名は「Anti Tower」。日本では「アンチ」という単語はイメージが良くないが、英語では“ひっくり返す”という意味があるため、この単語を採用したという。

【神聖遺跡 古アムダプール市街】
ボスのディアボロスが不在の中、新たな敵が居座っているようだ

「機工城アレキサンダー:律動編」

 エンドコンテンツとして「機工城アレキサンダー零式:律動編」と、そのノーマルバージョンが実装される。こちらも今回はウォークスルーでダンジョン内部を見ることができた。前半は「起動編」と似たような風景だが、ムービー後半には大広間のような空間や、何かが飛び出してきそうな弁が開閉している場所、怪しい玉のある部屋などが映っていた。

 難易度は「起動編」に比べると簡単になる予定で「今回は皆さんにがつがつクリアして欲しいと思っています」(吉田氏)といいつつも「それでもエンドコンテンツなので、程よい落としどころを見つけようと、いま調整をしています」とそれなりにやりごたえのある内容ではあるようだ。

【機工城アレキサンダー零式:律動編】
ロボットの内部とは思えないほど広い空間が広がる。この謎も解けるのだろうか

「セフィロト討滅戦」

 「蛮神」に変わって登場する「闘神」シリーズの第1弾。メインストーリーとは別立てのストーリーの中に登場する敵なので、メインを急いで進める必要はない。

 今回は実機でステージを見ることができた。タイタンを作ったデザイナーが作っているということで、円形のステージは崖に囲まれ、周囲から孤立している。ステージの周辺部には壊れたガラスの破片が残っており、スタート時にはそれが行く手を阻んで落ちることはないが、途中ですべて壊れてしまう気配が濃厚だ。

 吉田氏が担当者に聞いたテーマは“真の大縄跳び”。誰かのワンミスでやり直しになる「FFXIV」がよく例えられる悪評ではあるのだが、それをあえてテーマに据えたステージがどんなものなのか気になるところだ。「とあるタイミングですべて綺麗に行なったとき、その意味がわかる」(吉田氏)そうだが……。

タイタンをデザインしたデザイナーによる「セフィロト戦」テーマは「真の大縄跳び」

「零式」のドロップ装備
「極セフィロト討滅戦」ドロップ武器
「極セフィロト討滅戦」ドロップ武器
新トークン装備
新トークン装備

(石井聡)