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「モンスターハンタークロス」スペシャルステージ
狩猟スタイル“ブシドー”の実機プレイに、アイルーを操作する“ニャンター”要素をサプライズ発表!
(2015/9/18 21:51)
9月17日は、11月28日に発売を予定しているシリーズ最新作「モンスターハンタークロス」(以下、「MHX」)のスペシャルステージから幕を開けた。
シリーズプロデューサーの辻本良三氏に続き、本作のプロデューサーである小嶋慎太郎氏とディレクターを務める一瀬泰範氏が登壇。まずは、これまでに公開されている情報のおさらいとして、「MHX」の大きな特徴となっている“狩技”と“狩猟スタイル”の簡単な説明が行なわれた。
小嶋氏に“狩技”の解説を振られた一瀬氏は、「アクションに変化を与えるために入れ込んだもので、言ってしまうとハンターの大技です」と説明。攻撃に特化したものや自分をパワーアップさせるものなど、さまざまな“狩技”が用意されているので、その組み合わせによって幅の広い立ち回りが楽しめるという。
“狩猟スタイル”については、小嶋氏から。「ハンターの基本的な行動や連携を、それぞれの方向性に特化させたもので、大きく“ギルド”、“ストライカー”、“エリアル”、“ブシドー”という4つのスタイルがあります」という概要の説明があり、詳しくはのちほどステージ上にて実機プレイによる解説を行なうとのこと。
続いては、4大メインモンスターの紹介。
大きな刃状の尻尾が特徴になっている“灼熱の刃”ディノバルド。火属性の獣竜種モンスターとのことで、今回のTGS2015でプレイアブル出展されている体験版では、初めて実際の狩猟に挑むことができる。「だいぶ手ごわくはなってますので、ちょっと挑戦してみていただければと思います」とは一瀬氏。
続く“不動の山神”ガムートは、マンモス型で象などをモチーフにした氷属性の牙獣種モンスター。「歴代メインモンスターのなかでも、最大の体格を誇るような大きさになっているので、実際に出遇ってみると驚くと思います」と一瀬氏は話す。
3頭目に紹介された“電(いかずち)の反逆者”ライゼクスは、雷属性の飛竜種モンスター。一瀬氏によれば、「特定の部位に電(いかずち)を蓄電することによって、それぞれの部位による攻撃方法が変わるという特徴を持つ、ちょっと変わったモンスターになっています」とのことだ。
そして最後に紹介されたのが、これまで名前の明かされていなかった海竜種のモンスター。「TGSということで、名前を出したいと思います」という小嶋氏に促され、スクリーンに映し出された“妖艶なる舞”タマミツネの文字。一瀬氏からは、「狐や蛇をモチーフにしたようなモンスターで、水属性のモンスターになっています」と説明されたものの、「詳細は今後少しずつ明かしていきます」と、今回は名前のみのお披露目となった。
このほか小嶋氏からは、「歴代のメインモンスターたちが登場したり、いろいろと出ますので、そちらのほうも期待していてください」との一言もあった。
4大メインモンスターに続き、話題は世界観の話に。小嶋氏によれば、高原の村“ベルナ村”を拠点に、これまでのシリーズに登場した“ココット村”、“ポッケ村”、“ユクモ村”という4つの村を意識して物語は進んでいくという。
フィールドの話では、「MHX」で初登場となる“古代林”について、「恐竜時代を彷彿とさせるような、ジュラ紀だったり白亜紀を感じさせるようなフィールドになっています」と語る小嶋氏。加えて“森丘”、“雪山”、“渓流”なども、高低差が入って新しいフィールドに生まれ変わっていると話す。もちろん、“孤島”や“火山”(火山にもいろいろあるよねと、一瀬氏は含みを持たせていたが……?)も出てくるとのことで、さまざまな部分で新旧のクロスを見られるのが、「MHX」の魅力といえる。
本ステージの目玉として、4大メインモンスターの一角であるディノバルドの狩猟が実機プレイにて行なわれた。辻本氏と一瀬氏に、開発メンバーから平岡氏と宇野氏の2人を加え、小嶋氏が解説を担当。
挑戦するのは「心火の斬竜炉」という、古代林でディノバルドを狩猟するクエストだ。それぞれが使用していた武器種と狩猟スタイルの選択およびその解説は、以下の通り。
【辻本氏】弓xギルド(操作性が「MH4G」に近くバランスの良いスタンダード型)
【一瀬氏】ランスxブシドー(ジャスト回避やジャストガードを利用できる反撃特化型)
【平岡氏】狩猟笛xストライカー(狩技を3つまで設定でき、狩技ゲージも溜まりやすい狩技特化型)
【宇野氏】大剣xエリアル(エア回避からの踏みつけ跳躍による、空中からの攻撃特化型)
なかでも注目なのは、公開されたばかりの狩猟スタイル“ブシドー”。「ジャストガードは、モンスターの攻撃をジャストのタイミングでガードすることによって発動する技ですね」と小嶋氏。「モンスターの機嫌しだいでもあるので……」と言いながらも、一瀬氏はディノバルドの咆哮に合わせてしっかりジャストガードを披露してくれた。そんな“ジャストガード”の成立後は、ガードモーションをキャンセルして、すぐさま攻撃を出すことができるとのこと。また、ランス以外の武器種では、武器出し状態でも“ジャスト回避”という特殊な回避を利用できるので、そこからカウンターを狙っていけるとも付け加えていた。
モンスターの攻撃をギリギリで避けたりガードして発動させるこれらのシステムにより、ブシドースタイルは上級者向けな印象がある。その点に関して小嶋氏は、「度胸と避け感がないと、ただ単にくらってしまうので、非常にテクニカルになっています」と語り、同社お得意の格闘ゲームにあるようなジャストガードの感覚に近いとも話していた。
今回の実機デモにて解説された“狩技”には、以下のようなものがあった。
・弓“ブレイドワイヤー”
同時に2発の矢を発射して、その間にワイヤーを貼りブレード状にすることで、範囲の広い斬属性の攻撃ができる。尻尾の切断などが、より狙いやすくなっている。
・大剣“獣宿し(けものやどし)”
発動後にオーラを纏い、その状態から繰り出す初撃の攻撃力を大幅にアップさせる。発動時には大剣を振り回すモーションがあり、そこにも攻撃判定はある。また、大剣については、踏みつけ跳躍からの溜め斬りがもっとも攻撃力が高いらしい。
・ランス“ガードレイジ”
発動すると一定時間ガードモーションをとり、その状態に相手の攻撃を受けることで自身の攻撃力を高める狩技。受けた攻撃の威力が高いほど、攻撃力の上昇も大きくなる。
・狩猟笛“奏纏(そうまとい)”
旋律を2回重ねがけできる“重音色(かさねいろ)”を、モンスターに攻撃を当てることなく発動できる。
・狩猟笛“音撃震(おんげきしん)”
狩猟笛が持つ攻撃のなかで、1番威力が高い。
実機デモはこれら“狩技”の紹介にとどめられたため、ディノバルドについては実際に体験してほしいとのこと。さらに小嶋氏は、ブシドースタイルといくつかの狩技が紹介されている武器紹介動画「完全版」にも触れ、「完全版とは言っていますが、あれが狩技のすべてではないです」と、ハンターたちの期待を煽った。
クエストを途中で切り上げ、さらに別のモンスターを紹介するといって準備に入った辻本氏たちだが、スクリーンが切り替わって映し出されたのは……なんと、ハンターの代わりにアイルーを操作できる“ニャンターモード”だった!!
「今回なんと、アイルーで操作もできるようになりました! ハンターではなくニャンターですね。これも今回、『MHX』の特徴のひとつとなっております」と、小嶋氏が力強く解説。実際には、マルチプレイ以外に、シングルプレイでもニャンターを操作することができるという。この発表には、ステージを見学していたギャラリーからも「かわいい!」、「ほんとに!?」という驚きの声が上がっていた。
さらにここで、ニャンターのみの4人でクエストへ出発。本作でアレンジされた懐かしのフィールド“孤島”にて、ハンターと同様にフィールドを駆け回り、手にした武器でモンスターを攻撃する姿が披露された。
ニャンターのアクションについて、「採取や攻撃など、ハンターができる操作は基本的にだいたいできると思ってください」と一瀬氏。ハンターのようにアイテムは持ち込めないものの、その代わりに“サポート行動”があり、回復の笛を使ったり爆弾を投げるなど、今までオトモアイルーで見られたような行動を使用できるようになっている。画面右下にあるゲージを溜めていくことで、より強力な“サポート行動”が使えるようになるという。
ステージ上で確認できた“サポート行動”はこちら。名前から、おおよその効果は想像できるだろうか。【薬草笛の技】、【プチタル爆弾の技】、【ネコ式活力壺の技】、【隠密防御の技】、【真・回復笛の技】、【硬化笛の技】、【ネコ式乱舞の技】など。
また、ハンターと違い、ニャンターにはスタミナの概念がないのも特徴。スタミナゲージを気にすることなく、無制限に走れるようになっている。そのぶん、ハンターに比べると攻撃力は低いようで、「攻撃よりは、仲間を助けるサポートに特化したキャラクターになっています」と小嶋氏は解説していた。
武器を振り回したり自身で回転しながら突撃したりと、ニャンターの攻撃アクションは多彩。ハンター同様に採取などを行なう姿も確認できた。
体力ゲージの下には、ドングリのアイコンがある。これはいわゆる残機数を示していて、体力がゼロになるとそのドングリを1つ食べて、その場で復活する仕組みだ。すべてのドングリを消費したときに、ハンターでいうところの力尽きた状態となってキャンプに戻される。
ちなみに、ニャンター1人とハンター3人、ニャンター2人とハンター2人のように、ハンターたちと一緒にクエストへ出発することもできるとのことで、どんな狩りとなるのか今から楽しみだ。
ステージイベントの後半は、コラボやイベント情報ほか、辻本氏からアーケードカードゲーム「モンスターハンター スピリッツ」の最新情報をひと推し。
そして最後はもちろん、小嶋氏と辻本氏からの挨拶で締められた。
小嶋氏は「今回の目玉となります“狩技”だったり“狩猟スタイル”だったりという情報プラス、みなさん驚いたと思いますが“ニャンター”で、ついにアイルーも操作できるようになりました。このあとの東京ゲームショウでも新情報があるかもしれないので、そちらのほうもご期待いただければと思います」とコメント。
辻本氏も「いよいよ発売も迫ってきて、ニャンターも含めて本当にいろんなスタイルで遊べるゲームとなってますので、まずはプレイしていただいて、自分に合ったスタイルで遊んでもらえたらと思います。発売までまだもう少しありますが、ぜひ今後の情報にもご期待していただけれたらと思います」と締めくくった。
情報盛りだくさんだったステージイベントのあとは、試遊エリアでディノバルドの狩猟クエストに挑戦。武器種と狩猟スタイルの組み合わせは、チャージアックスxブシドースタイルと、チャージアックスxストライカーを選択したので、その感触をお伝えしよう。
まずは、初めて足を踏み入れる“古代林”のフィールドをくまなく散策。雰囲気は原生林に近いだろうと想像していたが、それ以上の原始的なイメージが広がっていて、多くの人が思い描くような恐竜時代を感じられた。
ディノバルドについては一瀬氏のコメント通り、これまでの獣竜種に比べると、かなり手強い仕上がりを感じた。やはり、尻尾によるなぎ払いや叩きつけといった攻撃は、リーチ、威力ともに脅威で、そこに炎を纏うと火属性やられを伴うため、かなり警戒する必要がある。加えて怒り状態では、噛みつき攻撃や尻尾の叩きつけ攻撃が2段技に変化していたようだった。炎を吐くブレスも特殊で、一部は着弾した地面から時間差で火柱の爆発が起こるなど、ブラキディオスの粘菌に似たような性質が見られた。
ブシドースタイルでは、ディノバルドの攻撃に対してジャスト回避を試みるも、なかなか成功しない。ただ、それもそのはずで、チャージアックスの場合は、剣モードではジャストガード、斧モードではジャスト回避と、使える状況がモードにより分けられていたのだ。それに気づいてからは、攻撃を引きつけるのに何度か失敗しつつも、咆哮にあわせてジャスト回避をしたり、尻尾のなぎ払いをジャストガードすることができた。これらを生かした立ち回りは、かなり面白そうだ。
しかし、攻撃アクションの変化に慣れるのには、少し時間がかなりそうな部分もある。「MH4G」でよく利用していた、剣:盾突きから行なえた属性強化がブシドースタイルではできず、斧モードからのみ属性強化を行なえるようになっていた。
さらにストライカースタイルでは、剣:盾突きそのものが使えなくなっていて、「MH4」に近い連携パターンのようだった。ただしこちらは、剣:突進斬りの出始めにガードポイントが付いているので、それを利用した積極的な攻めができそうだ。
狩技の“エネルギーブレイド”は、ビンからブレード状のエネルギーを放出し、大きく斬り上げる技。単発ヒットだが、その威力はかなり高い(チャージされているビンの数に比例する)ようで、ディノバルドの後脚を斬りつけたときに、怯ませたり転倒させることが多かった。発動前後の隙が大きいので、通常の攻撃による連携のシメに組み込んだり、寝ているモンスターへの目覚めの一撃などに狙っていくのがよさそうだ。ビンの最大数を増やす“オーバーリミット”との併用で、威力アップも期待できる。
14もの武器種に多彩な“狩技”x“狩猟スタイル”を組み合わせて、自分だけの狩りを生み出せる「モンスターハンタークロス」。ぜひともこのTGS2015の会場で一足先に体験してほしい。
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