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【特別企画】iOS/ブラウザ「Pirates of Liberta」プレイレポート
プレイするごとに高まる上達熱。楽しみながら巧くなっていく快感
(2013/6/21 00:00)
プレイするごとに高まる上達熱。楽しみながら巧くなっていく快感
本作はまごうことなき「デッキ構築ゲーム」である。手順もルールもビジュアルも「デッキ構築ゲーム」をプレイしたことがある人ならば、とてもなじみやすいものだ。多くのボードゲームがそうであるように、本作もさまざまなゲームを髣髴とさせるエッセンスはそこここに感じられる。だが、決して「パクリ」と言われるようなものではない。
「ドロー・アクション・獲得」という流れはまさしく「ドミニオン」だが、ゲームの終了条件やターン数が決まっていることなど、「ドミニオンは敷居が高くて……」という人でも遊びやすくなっている。「ドミニオン」の場合、熟練者とプレイしないとわからなくなってしまうアクション残数などがきちんと画面に表示されているので、無駄な労力を使わず、ゲームに集中することができる。その結果、カードの効用を覚えるのがスピーディにできることとなり、上達への近道となるのだ。上達したらランク戦に挑み、新しく入手したカードの使用や対戦相手の使った戦術の分析……そして「1人でプレイ」に戻る。いいスパイラルに入り、文字通り「楽しみながら上達できる」ことになる。
デッキ構築ゲームで強くなるにはまず実戦(1人「ドミニオン」をしろ! という方法もあるようだが)という考え方もあるが、皆で集まれる休日を待たずしてPCの前でできるというのはたまらない魅力だろう。しかも、他プレーヤーとも対戦できるのは文句なく楽しい。
本作で「デッキ構築」の楽しさを覚えてしまうと、戦略なしでタップするだけのゲームにはもう戻れないような気すらしてくる。だが、「デッキ構築」を楽しいと感じても、すぐに強くなれるわけではない。筆者は「強い人」の立場でデッキ構築ゲームをプレイしたことはないが、どんなレベル帯の人でも楽しんでプレイできるというのは本作の魅力だろう。
新カードの開放でより戦略に深みが
本作は6月13日にカードツリーのレベル4が開放され、これにより新たなカードが5枚獲得可能となった。5枚中「航海士」と「現地案内人」というカードについては詳細が紹介されている。「航海士」は「場札からトラブル以外のカード(使用済みアクションカードを含む)を好きな枚数を除外し、同じ枚数デッキから安全ドローする」というもの。もう1枚の「現地案内人」は「アクションポイントが+1(+1AP)」「トラブルカードも含めた場札が7枚になるまで安全ドローする」というアクションカード。カードを熟知することが勝利への道だが、まだまだ使いこなせていないカードもあるので、色々試す楽しみが増えたと言えるだろう。
CPU対戦で気の済むまで練習ができるというのは魅力だが、ランク戦の緊張感と楽しさもまた乙なものである。「どうせハートを消費するならランク戦にチャレンジしてランクポイントをもらうほうがいいな」という考え方もあるし、他プレーヤーの戦術を見るための勉強料だと思ってもいいだろう。
バーストはかなり運の要素があるが、それによってランクが下の人間でも有利になる可能性があるし、新しいゲームを始めるときは全員初期デッキからというのも、後から始めた人でも不利にはなり得ないのがうれしい。
【航海士】
獲得コスト:3
カード種別:アクションカード
カード使用時に消費するアクションポイント:1
アクション効果:場札からトラブル以外のカード(使用済みアクションカードを含む)を好きな枚数を除外し、同じ枚数デッキから安全ドローする。
カードの解説:「航海士」は、1度引いた場札のカードを山札に戻すのではなく、いったん山札から除外した状態にしたうえで安全にドローできるのが最大の特徴。山札に戻すカードを改めて引いてしまう事なく安全ドローができるので、タイミングを見計らい使用すれば、単なる安全ドローよりも確実に自分の求めているカードをデッキからドローできるようになる強力なカード。
【現地案内人】
獲得コスト:4
カード種別:アクションカード
カード使用時に消費するアクションポイント:1
アクション効果:アクションポイントが+1(+1AP)トラブルカードも含めた場札が7枚になるまで安全ドローする。
カードの解説:「現地案内人」は、+1アクションポイントが付いているため、消費APを気にせず使用できる。手札が7枚になるまで安全ドローできる有用なカードだが、場札のカードが7枚になる前に使わなければ意味がなくなる。自分のターン中に早い段階でこのカードをドローできるかどうか、運が絡むカード。
ゲーム継続のモチベーションをうまくコントロールしている良作
本作はランクやカードツリーといった、目に見える形で自分の強さが表示されるのでとてもわかりやすい。いわゆるソーシャルゲーマーの4分類(アチーバー、エクスプローラー、ソーシャライザー、キラー)すべての要素が入っているため、ゲームを継続するモチベーションを長い時間保てるように思う。
意外だったのが、アナログゲームよりも身体的に疲れないこと。アナログのデッキ構築ゲームを対人でプレイする場合、向かい合ったり円卓あるいはテーブルの辺につく形でゲームを囲むことが多いだろう。首を90度傾けてサプライカードを見たりした経験のある人も少なくないと思うが、本作はブラウザゲームなので、他プレーヤーとの対戦であっても常にすべてのカードが自分のほうに向いている。カードが常に自分が見やすく置かれているというのはかなり楽で、アナログプレイ時よりも数段身体的ストレスがないのはうれしい限り。
そして、意外なおまけとして、他のデッキ構築ゲームへの理解がより深まったように思う。本作をプレイした後で「ドミニオン」をプレイしたら、少し強くなっているのではないかという気がする。ほかのゲームもあれこれやってみたい気持ちになった。そして、ほかのゲームのプレイした暁にはまた本作をプレイし……と、自分のプレイゲームとスキルが広がったような気がする。
これだけ充実していながらまだオープンβテストの最中であるが、本サービス開始はどれほど改良されているのか楽しみである。また、おそらく魅力的なキャンペーンやイベントが実施されるであろうことは想像に難くない。正式サービスの開始に期待したい。
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