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WIN「カオスヒーローズオンライン」先行体験会レポート

対戦が熱いチーム連携アクション。AOSジャンルにかける遠藤プロデューサーにも話を聞く

3月15日~17日 開催

会場:ALIENWARE ARENA in アイ・カフェ AKIBA PLACE

参加費:無料(別途店舗利用料金が必要)

 セガは 今春サービス開始予定のWindows用AOS「カオス ヒーローズ オンライン」において、3月15日より東京、大阪、福岡の3会場で先行体験会を開催している。

 「カオスヒーローズオンライン」は、AOS(The Real Action Oriented Strategy)と呼ばれるジャンルのゲーム。今春よりオープンβテストに相当する「フロンティアテスト」が行なわれる予定となっている。

 今回実施されている先行体験会では、その「フロンティアテスト」の内容をいち早く体験できる。プレイできるモードは、操作やルールを学ぶ「チュートリアルモード」と、プレーヤー同士やAIを混ぜた戦闘など自分好みの設定でプレイできる「練習戦」だ。使用可能なキャラクター(ヒーロー)は、合計20体までとなっている。

 今回は筆者も実際にプレイできたのでインプレッションと、会場を訪れていた国内プロデューサーの遠藤峻亮氏への合同インタビューの模様をお届けしたい。

【会場の様子】
平日の昼過ぎという時間だったが多くのプレーヤーが体験会に訪れていた

PvP好きプレーヤーには最適! 戦略と連携が物を言うチーム戦

2段階のチュートリアルが用意されていて、AOSの基本から「カオスヒーローズオンライン」のシステムまで順番に理解できるような作りになっている
派手なエフェクトが気分を盛り上げてくれる

 「カオスヒーローズオンライン」のジャンルであるAOSは日本ではあまり馴染みのないジャンルだが、RTS(Real Time Strategy)をベースにした対戦型のゲームで、最大5:5の2チームに分かれてプレイする。

 それぞれのプレーヤーはヒーローと呼ばれるキャラクターを1体選び操作し、先に相手チームの本拠地を破壊したチームが勝利となる。とは言ってもゲームを始めたばかりのヒーローは貧弱で、相手チームの本拠地に近づくどころか、本拠地への道に設置されている「タワー」と呼ばれる防衛施設にすら倒されてしまう。

 ゲームを進行させる途中には、RPGの様に雑魚モンスターを倒し、経験値やゴールドを稼いで、ヒーローを強化していく必要がある。しかしAOSは対戦ゲームなので、相手チームも当然同じ事を考えている。相手チームより先に成長するために、敵ヒーローを倒したり、味方ヒーローのサポートをするなど、ヒーロー同士の戦闘はもちろん、戦略を考えチームで連携して動くのがAOSジャンルの魅力だ。

 「カオスヒーローズオンライン」では、「神聖連合」と「不死軍勢」という2つの勢力にわかれて対戦を行なう。今回プレイできたバージョンは今春実施される予定の「フロンティアテスト」に使用されるバージョンと同じバージョンで、使用できるヒーローは全部で20種類、1陣営10種類ずつのヒーローが選択できた。

 ヒーローにはそれぞれ特徴があり、魔法を使って遠距離から攻撃するヒーローや、剣を使って近接攻撃を行なうヒーロー、建物への攻撃を得意とするヒーローなど、今回の体験会でも様々なタイプのヒーローが確認できた。チーム内で2人以上のプレーヤーが同じヒーローを使うことができないので、チーム内で役割分担をしてヒーローを選択することが勝利への近道となる。

 なお今回のバージョンでは、「練習戦」というモードが用意されていた。このモードではプレーヤー同士の対戦の他に、AIを入れた対戦など自分好みのルールでプレイすることができた。筆者は自分以外のプレーヤーを全てAIにした5:5のプレイを行なった。AIは意外と優秀だったので、ゲームに慣れないうちはAIを味方に入れて動き方を見てみるのも勉強になる。

 プレイに際して、筆者は神聖連合の「エルシド」という片手剣を使って近接攻撃を行なうヒーローを使用した。このヒーローは無敵になるスキルを持っており、前線でも戦いやすいだろうという理由からだ。

 思惑通りHPは高めで、防御力も高く、序盤は前線に出て戦ってみた。しかし相手チームのヒーローのスキルがかなり強力で、どういう効果かはわからなかったが、もの凄く派手なスキルを受けて大ダメージを受けた上、死角から相手ヒーローが登場しトドメを刺されるようなシーンが何度かあった。

 その後膠着状態続いたが、ふとマップを見ると、味方AIが連携して違うポイントを攻めていた。そちらに合流して戦闘すると一気に建造物を破壊したり、相手チームのヒーローを倒すことができた。ここにかなり落差を感じたので、本作は集団戦に重きを置いたシステムなのかも、という印象を持った。

 特に敵、味方入り乱れての集団戦では本作の派手なエフェクトも合わさってPvPならでは(今回のプレイはAIだが)の熱さが感じられた。MMORPGのPvPモードに熱くなった事があるユーザーであれば、本作を比較的簡単に、そして興奮しながらプレイできることと思う。

練習モードではプレーヤーやAIなどを組み合わせて自由なルールでプレイできる

丁寧なチュートリアルでAOS初心者でも安心。オリジナルシステムも新鮮

チュートリアルだけでなく、本作オリジナルの要素もAOSプレーヤーには新鮮に感じられる

 AOSはあまり日本で普及しているジャンルとは言えず、敷居が高いイメージもあるが、本作にはボイス付きの丁寧なチュートリアルモードが用意されていたので心配は不要だ。チュートリアルでは基本的な操作方法を学んだ後、ゲームのルールや勝利方法を学ぶという順番で徐々にゲームに対する理解を深めていける。

 チュートリアルは簡単なストーリー仕立てになっており、指導してくれるヒーローが居る。素直に行動すると優しい声で「良いですね」と褒めてもらえるが、違うことをしたり動かずにいると「こっちーこっちですー」と少し困った発言をする。この芸の細かさも印象的だった。

 ゲームの大まかなシステムは他のAOSタイトルを踏襲しているが、いくつか本作ならではのユニークな点が確認できた。

 例えばマップ上に障害物として木が植えられているところがある。当然ながら木が生えている部分は通行できないのだが、他タイトルと違い本作は木を切り倒して道を作ることができる。このシステムによりオリジナルのルートを作成して敵チームに奇襲をかけたり、隠れて待ち伏せをすることができた。

 また味方チームの本拠地から敵チームの本拠地を繋ぐ「レーン」と呼ばれる通路が3本用意されているのが一般的なAOSのマップなのだが、本作にはさらにマップの外周に2本の隠されたレーンがある。通常時は木に阻まれているのだが、切り倒して道を作ることで使えるレーンだ。このレーンにはタワーと呼ばれる防衛施設が配置されておらず、自由に動ける。これにより相手の背後に回りこんで、奇襲をかけることも可能となっている。

 もう1点が、マップ上のどこにいてもポーションや装備が買えるという点だ。他のタイトルの場合アイテムを購入するにはマップ上にいるショップNPCの近くに行く必要があり、アイテムを買う際には一旦戦線を離脱しなければならなかった。本作ではどこにいてもアイテムが買えるので最前線で戦いながら装備を買ったり、ポーションを使えるため、より戦闘に集中できるようになっている。

 これらのシステムにより、「カオスヒーローズオンライン」は他のAOSタイトルに比べてもオリジナル要素が多い印象を受けた。新たな戦い方ができるので、既存のAOSプレーヤーも新鮮な気持ちで試合に臨めるのではないだろうか。

チュートリアルは全て日本語ボイス付きで、簡単なストーリー仕立てになっていてすんなりと入り込めた。
木を切り倒して隠された5本目のレーンを通る
どこに居ても装備やポーションが購入できる

AOSという新たなジャンルに対する遠藤プロデューサーの思い

「カオスヒーローズオンライン」国内プロデューサー 遠藤峻亮氏

 体験の後、短い時間ながらプロデューサーの遠藤氏にお話を聞くことができたのでお届けしたい。

 まず遠藤氏は、「AOSは海外ではとても流行しているジャンルの1つで、日本でも多くのユーザーさんが遊んでいます。ですがまだ完全に日本語化されて日本展開しているタイトルはありません」とAOSジャンルの現状を語った。

 そこで遠藤氏は、完全に日本語化されたAOSジャンルの「カオスヒーローズオンライン」を輸入することで、「日本でAOSというジャンルを普及していきたい」という。「その為にAOSジャンルのゲームを2カ月程プレイして社内プレゼンを通しました」というほど、AOSにかける熱い思いがある。

 次に課金システムについてだが、「基本プレイ無料の一部課金モデルになっていて、ヒーローのアンロックとアバターがメインの課金要素です。ヒーローのアンロックに関してはゲーム内通貨を貯めることでも可能なので、手っ取り早く色んなヒーローを使いたいというユーザーは課金して頂ければ」ということだ。

 また「魔法石」というアイテムを消費することで、1回の戦闘に限り好きなヒーローを使用できるというシステムもある。「魔法石を使ってお試しでヒーローを使って使用感を確かめた後、ゲーム内通貨でヒーローをアンロックしたり、課金で購入したりとプレイスタイルにあわせて楽しんで頂ければ」と遠藤氏は話した。

 魔法石は毎日ログインするともらえるほか、ゲーム内イベントなどでも配布する予定があり、「普通に遊べば結構溜まっていくと思います」とのことだ。気になる価格については、「具体的な価格は申し上げられない」というが、他のタイトルなどを参考にして、高すぎるという値段設定にはしないそうだ。

 想定しているプレーヤー層は、「最初は海外製の同ジャンルのゲームをプレイしているユーザーがメインになるかなと思います。しかしセガがリリースするということで、AOSというジャンルに触れたことのない方もプレイされると思います。音声ガイド付きのチュートリアルなどを用意して初心者の方も遊べるようになっていますので、コアユーザー層から徐々に初心者の方にリーチしていきたいですね」と述べた。

 他タイトルとの差別化については、「まだ詳しくはお話できないのですが、セガが運営するということで、特にヒーローについて期待して頂ければ」と登場キャラクターについてを示唆した。ゲーム性自体はAOSということで大まかなルールが決まっているため、大きな差は生まれないという。

 また今日の体験会について伺うと、「今日はユーザーの方が初めて本作に触る機会ですので緊張しています。触って頂いてユーザーの皆さんから様々な意見を聞いて、今後の『カオスヒーローズオンライン』をいい意味で変化させていきたいと考えています。今日は平日にも関わらず想定を超えるユーザーさんに来ていただけました」と手応えを感じた様子だった。

 日本独自のモードやルールについては、今後プレーヤーと意見交換しつつ、新たなゲームルールや、ゲームモードを実装していくという。「現時点で練習モードというモードがあるのですが、様々なルールが選べるようになっていますので、まずはそこでルールを変えて色々遊んでいって頂ければと思います」と話した。

 なお本作にはRazerやDellといったPC関連メーカーが公式サポーターがついているという。遠藤氏は「今後メーカーの名前を冠したオフラインイベントなどの展開を考えています」と語ってくれた。「賞金付きの大会もぜひやりたいと考えているのですが、まずは小規模なネットカフェイベントを重ねていって、その後大きな会場で賞金付きの大会などが行ないたいと考えています。また本作は世界展開をしているタイトルなので、最終的には世界大会をやりたいですね」と世界大会への参加も視野に入れている事を明らかにした。

 最後に遠藤氏は、本作を期待しているユーザーに対し、「日本ではAOSというジャンルはFPSの様に爆発的に人気のあるジャンルではないのですが、『カオスヒーローズオンライン』以降様々なタイトルが日本市場に出てくると思います。その中で一緒にAOSといったジャンルを一緒に盛り上げていってくるユーザーを期待しています。AOSというジャンルを盛り上げて行きましょう」とメッセージを送った。

 なお今回以外の地域では体験会の予定はないそうだが、「用意しなくてもいいくらいにすぐ『フロンティアテスト』が行なわれる予定です」と話してくれた。明確な時期は明かさなかったが、かなり近いうちに「フロンティアテスト」が行なわれる事を期待してもよさそうだ。

 東京会場での先行体験会は3月17日の19時まで開催されている。60席程度確保しているとのことなので、興味のあるプレーヤーはぜひ体験会に参加してみて欲しい。

(八橋亜機)