東京ゲームショウ 2011レポート
日本ゲーム大賞はPSP「MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd」
経済産業大臣賞は石原恒和氏、ゲームデザイナーズ大賞は「ヒラメキパズル」!
今年の司会は福澤 朗さんと前田美咲さん |
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、「日本ゲーム大賞 2011」の受賞作品を発表した。開催15回目を迎えるある意味節目となる今年、大賞を受賞したのはカプコンの「MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd」だった。
「日本ゲーム大賞」は、2010年4月1日から2011年3月31日までに日本国内で発売された1,426タイトルの作品を対象に、まずは一般投票により絞られ、最終的に「日本ゲーム大賞選考委員会」の選考により各賞が決定される賞だ。
大賞の受賞理由は、「“狩り”のコンセプトは継承しつつ、新たな遊びを詰め込み、シリーズのファンをはじめ、多くのユーザーに支持された」ことだという。
受賞挨拶で辻本良三プロデューサーと一瀬泰範ディレクターは「MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd」について、PORTABLEシリーズで最も制作期間がかかっている点に触れ、「『MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd G』でお客さんの要望をもらい、どこまで入れられるのか(頑張った)。そして、やりたいことをどこまで詰め込むことができるのか頑張って制作していった。そうやって作った作品が、面白い気持ちを共感してもらえたなら感謝している」とコメント。辻本氏は「口コミで広がったソフトなので、本当にファンに感謝している」と語った。
CESAによれば、今年人気が高かったのは、「Wii Party」や「スーパーマリオギャラクシー2」、そして「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」などが人気のあったタイトルのようだった。
そして、今年もその結果が面白かったのが昨年に引き続き設定されたゲームデザイナーズ大賞だ。これはクリエイターが作り手の視点から独自性を持ち且つ革新的な作品を選出したたえる賞として、昨年から表彰されている。今年は任天堂の高橋龍太郎氏が選考委員に加わっている。
桜井氏は今年の選出作品「ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート」に対して、一般投票では4票しか入らなかったことを明らかにしながら、受賞作の魅力についてデモプレイをしながら分析していった。このゲームは言葉を書いてアイテムを作り出し、それらを上手く使い、お題をクリアしていく一種のパズルゲーム。たとえば屋根上のネコを助けるのであれば、屋根の上に大量の風船を渡して、そのネコを風船にくくりつけて下ろしても良い。はしご車で連れ去ることも可能だし、ユーザーの発想によって様々な解法がある作品だ。
さらに桜井氏は、どんどんとキャラクターを画面上に出していきながら、どのキャラクターが強いかチェック。戦車とドラキュラを戦わせたり、ドラキュラに太陽を当てて灰にしてみせたりしながら、「これだけ楽しめますが、これはデモ画面なんです」とタネを明かし、システムの本質が面白いことを来場者に上手く説明してみせた。
桜井氏は最後に「(プレイするおもしろさに対して説明がないという点で)受動的なプレーヤーには冷たいゲーム」としながらも、「膨大な言葉が用意されており、それを出すと様々なリアクションを取ってくれる。これが見逃せない」と評価。最後に「クリエイターにとってこの賞は心が痛い。『おまえらがそんなゲームを作れ』といわれたら終わり。だけど、一般投票では4票しか入らないけど、面白いタイトルを広めるという点では、今回の結果は、この賞の意義をわかってもらえる結果になったとなったと思う」と締めくくった。ちなみに、審査委員長の養老孟司氏も最後の挨拶でこの件に触れていた。
また、今年の経済産業大臣賞はポケモンの石原恒和氏に決定した。ゲーム作りについて、「これまでの延長ではダメ。壊していかなければいけない」とし、「より新しい商品を出していくよう頑張る」とコメント。“ポケモン”の商品については、常に全年齢対象ですべての年齢層の人が遊べることにこだわってきたという。
ちなみに司会の福澤氏が「好きなポケモンは?」と石原氏に尋ねたところ、はじめは「無難にピカチュウ」としていたが、「そんな答えを期待しているわけではないです」と福澤氏から突っ込まれ、「ナッシーが好きです。『ポケットモンスター 赤・緑』の時、100時間ナッシーを使ってデバッグを行なっていたため」と当時を振り返った。
以下に授賞式の写真と共に、受賞作を挙げておく。
【日本ゲーム大賞】 | |
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2011年の日本ゲーム大賞は、PSP「MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd」 |
【経済産業大臣賞】 | |
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「経済産業大臣賞」は石原恒和氏。「ポケットモンスター 赤・緑」のプロデュースを始め、ポケモン全体のブランドマネジメントを手がけ、ここまで育て上げた功績が認められた |
【グローバル賞】 | |
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日本作品部門は「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」 | 海外作品部門は「コール オブ デューティ ブラックオプス」。受賞者はActivision/Treyarchだが、ローカライズを担当したスクウェア・エニックスが登壇した |
ベストセールス賞は「ポケットモンスター ブラック・ホワイト」。全世界で1,151万本が置かれている | 特別賞は「レッド・デッド・リデンプション」 |
和田洋一会長が開幕の挨拶を行なった。新しい才能を評価していきたいとコメント | 審査委員長の養老孟司氏はこの10年を振り返り、いまも家族でゲームをプレイすると語った。そして若い業界であるこの業界は活気があり前途が明るいと繰り返した |
(2011年 9月 16日)