東京ゲームショウ2010レポート

セガ「VANQUISH」スペシャルステージ&試遊レポート
9月22日より体験版第2弾の配信が決定!


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 TGS 2010セガブースで行なわれた「VANQUISH」ステージの模様をお送りしよう。「VANQUISH」はPS3/Xbox360で10月21日に発売予定のシューティングアクション。このステージイベントでは開発を行なったプラチナゲームズのディレクターの三上真司氏、プロデューサーの稲葉敦志氏が登場し、「VANQUISH」の魅力であるハイスピードかつハイテンションなアクションについてや、体験版第2弾、予約購入特典などの新情報を公開した。

 また、セガブースには「VANQUISH」の試遊コーナーも設けられており、そこでは3種類のシーンがプレイ可能だ。そちらも合わせてお伝えしよう。


■ 「VANQUISH」ステージレポート 三上氏、稲葉氏が魅力を紹介!体験版第2弾の配信も決定!

10月21日 発売予定

価格:7,980円


左がディレクターの三上真司氏、右がプロデューサーの稲葉敦志氏

 三上氏から「VANQUISH」の各種アクションについて語られた。

 まず「ブースト」について。ブーストはカバーからカバーへと素早く移動するためのアクションとして作られており、スピーディーなシューターアクションゲームを作りたいという思いから、開発初期からあった操作とのこと。ちなみに初期はスライディングという名称で呼んでいたそうだ。

 「ARモード」は各種アクションから発動させて全体の動きをスロー状態にできるアクション。スローな映像だと火花や爆発といったエフェクトが非常に美しく見えたところから、それをなんとかゲームに取り入れたい、見てもらいたいと考え、ARモードという形になったという。楽しくプレイするためのアイデアであるとともに、高い難易度のモードだとARモードをうまく駆使していかないと厳しいバランスになっているということだ。

 「近接攻撃」について。近接攻撃はシューターゲームで近距離になった時などどうしてもゴチャゴチャした感じになってしまうのを避け、思いっきり破壊できるアクションとして取り入れたとのこと。近接攻撃の動きは、モチーフになっている「キャシャーン」のアクションがだいぶ影響しているそうだ。

 また、開発当初は近接攻撃が使い放題だったということだが、そのバージョンだと好き放題な動きができてしまい、アクションなのかシューターなのか遊び方があやふやになってしまったという。そこで近接攻撃にはブーストが減るという制限を付けたということだ。

アクションの基本要素を解説。アイデアの原点や調整の意図などが聞けた。なかでも自動照準の「カジュアルオート」はテンポの良さが気持ちいいとオススメしていた

 「カジュアルオート」。カジュアルオートは敵を自動的にロックオンしてくれる機能で、簡単に言えばプレイ補助機能だ。これに対して開発メンバーは当初、「カジュアルオートなんて面白くないでしょう?」と考えていたということだが、実際に実装してプレイをしてみると、思いがけない面白さがあったという。三上氏にとっても予想外な感触だったそうで、敵を次々にロックオンしていくテンポの良さが非常に気持ちいいということだ。

 続いては初公開になるシーンでのデモプレイが行なわれた。進行ルートがふさがれている駅のシーンで、爆弾を使って障害物を爆破し、モノレールを進めるようにするという場面だ。ここでは多数の敵が前方から迫ってくる。ブーストからのARモードや、カバーから乗り越えつつのARモード発動など、華麗なアクションが紹介された。

 また、様々な武器についてもプレイの中で紹介された。ひとつは「ディスクランチャー」という武器で、銃でノコギリの刃がついた円盤を発射できる。また、この武器を持っているときに近接攻撃をするとノコギリ状の円盤で斬りつけるという特殊アクションが発動する。球形のエネルギー波のようなものを発射できる武器もあって、こちらは障害物を貫通するので敵が隠れている場所などで重宝する。敵をロックオンしレーザーで迎撃する武器もあって、これは武器がパワーアップするとロックオンできる数が増えるという。武器のバリエーションやその使い分けも魅力になっている。

 主人公のサムがスーツのフェイスを開け、タバコを吸ってからそれを投げるというアクションもあった。これは、投げたタバコの熱に敵が反応して、そちらを向いて攻撃してしまうという効果があるとのことだ。

 シーンが進み、モノレールを破壊しようと迫ってくる巨大な飛行兵器のボスが登場した。モノレールの耐久力を示すゲージがあって、ボスの攻撃でモノレールが破壊されてしまってもアウトになる。このボスの攻撃は非常に強烈で、強力な攻撃を喰らってしまい瀕死状態のARモード自動発動が出るなど危険な場面に。画面を見ながら解説していた三上氏も、「やばいんじゃないの?」と心配はじめたのだが、そのまま攻撃を連続的に喰らってしまい、やられてしまった。デモプレイが途中で失敗するという予定外の事態にはなったが、ある意味、本作の激しさ、難易度の本気度合いが感じられる場面となった。


デモプレイの様子。前半は様々な武器を駆使しつつ、それを三上氏と稲葉氏が解説していくという形式で順調だったのだが、ボス戦でピンチになり、残念ながらゲームオーバーに。思わず両人も苦笑いになってしまったが、本作のガチなアクション度合いがよく感じらた場面となった
体験版の第2弾配信が決定!9月22日より配信予定で、第1弾の内容とは趣向の異なるチャレンジモードになっている

 体験版の第2弾が配信されることも発表された。本作は9月2日より体験版が配信されているが、9月22日より第2弾が配信されるとのこと。ストーリー冒頭のシーンがプレイできた第1弾とはうってかわり、第2弾の内容はチャレンジモードという、ミッションに挑むスタイルの別モードの内容になっている。この体験版を利用したキャンペーンも企画されているということだ。

 予約購入特典についても詳しく紹介された。特典は、3種類の特殊な武器が手に入る「Limited Weapon Pack」というもので、この武器はゲームプレイでは手に入らないとのこと。3種類の武器は、巨大なレーザーを発射する見た目にも強そうで実際に使っても強いという「レーザーキャノン」、連射スピードが速くて撃っていて気持ちがいい「ブーストマシンガン」、装甲を打ち抜ける「アンチアーマーピストル」となっている。

 ステージイベントの最後に、三上氏は「とりあえず買ってください。やりこむとかなり面白いですし、おまけのものも非常に難易度は高いですけど、やりごたえのあるモードも入ってますので。わりと長く遊べるゲームになっています」と発売に向けてコメントした。

 続いて稲葉氏は、「がっつりと遊びごたえのあるゲームで買って損はしないと思います。紹介したカジュアルオートもありますのでシューティングが苦手な人でも楽しめますし、得意な人はより深く楽しめるゲームになっています。『VANQUISH』で終わりではなくて、今後にも国内含めワールドワイドを狙えるタイトルをセガさんと準備していますので。そちらのほうにもご期待ください」と、セガとプラチナゲームズによる次のタイトルについても触れるという、サプライズを含めたコメントでイベントを締めくくった。


【体験版第2弾スクリーンショット】
【予約購入特典「Limited Weapon Pack」】

■ 「VANQUISH」試遊レポート 3種類からシーン選べるTGSオリジナルバージョンをプレイ

等身大のサムがインパクト抜群の「VANQUISH」試遊コーナー
プレイするシーンを3種類から選択可能なTGSオリジナルバージョンとなっていた。いずれもボスと戦う場面がチョイスされている
シューターにアクション要素がたっぷり詰まっている独特なタイトル。海外ユーザーの注目度も高い

 「VANQUISH」の試遊コーナーでは、TGSオリジナルバージョンのプレイが楽しめる。最後にボスが待ち受ける3種類のシーンから選択できる方式で、3種類はそれぞれ、配信中の体験版第1弾と同じ内容がひとつ、ステージイベントのデモプレイでも披露されたモノレールに乗りながら戦うシーンがひとつ、最後は飛行可能なARSに近いスーツを着込んだザイツェフと戦う場面になっている。

 体験版の内容はゲーム冒頭シーンでもあって難易度は控えめ。武器の種類なども基本的なものがメインになっているが、他二つでは「ディスクランチャー」や「ロックオンレーザー」などの特殊な武器を使うこともできる。体験版では味わえなかった、武器ごとの個性を楽しみ、それを使い分けて戦う面白さの分かる内容だ。

 また、モノレールのシーンやザイツェフとのバトルのシーンは、本作の本気の難易度を感じ取ることができる。どちらも体験版の内容とはひと味もふた味も異なる、激しい戦いの場面だ。特に空中を自在に飛び回るザイツェフの動きは非常に速く、攻撃も強烈で広範囲なものもある。照準の動きよりも飛行しているザイツェフの動きのほうが速いときすらある。

 こうした場面では、全体の動きをスローにするARモードをうまく活用していかないといけない。体験版の範囲だと、ARモードを多用しすぎると簡単にクリアできてしまうのではないか、という感触があったが、本編ではそんなことはないということがよく分かる。

 スピーディーで激しい攻撃をくぐり抜けるには、ARモードをうまく駆使するのがむしろ必須と言える。ステージイベントで三上氏は、「高難易度ではARモードをガンガン使っていかないとかなり厳しい」とコメントしていたが、一部の試遊でもその意味を十分に理解できる。同様の理由で、攻撃を喰らって瀕死になったときにARモードが自動発動するのも、体験版を遊んだ段階では優しい仕様と思えていたのだが、これも自動発動でないと厳しすぎるぐらいに感じられた。

 試遊時の難易度はノーマルでプレイしたのだが、アクション好きシューター好きでも一筋縄ではいかないような本気の難易度を感じた。だがそれは、アクションのできはよく、レスポンスは速く、ゲーム自体も非常にスピーディーで、ストレスを感じるような嫌な難しさではない。何度も挑みたくなるような、やりこめばどんどんと上達していって激しい戦いを華麗に突破できるようになっていくような、良質アクションの感触だ。

 多彩な武器を駆使する面白さ、様々な戦いの場面の魅力、激しい難易度と、体験版の範囲だけでは分からなかった魅力が味わえた試遊プレイとなった。


3種類のうち、冒頭シーンをプレイできる体験版と同じ場面以外の2種類は、グッと難易度も高まっている。それだけに、ARモードを駆使して切り抜ける感覚や、多彩な武器を使い分ける面白さなど、体験版では分からなかった面白さを味わえる。写真右は、試遊プレイをするともらえる「特典映像集・愛蔵版」

【プロモーションムービー】

【最新スクリーンショット】


(C)SEGA

(2010年 9月 17日)

[Reported by 山村智美]