東京ゲームショウ2009レポート

NTTドコモブースレポート その2
独自ヒロインの「ときメモ4」や1GB超の「天外魔境」がプレイアブル出展


9月24日~27日 開催(24日、25日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 NTTドコモブースレポート その1では、株式会社スクウェア・エニックスの移植タイトルを3本紹介した。本稿ではそれに続いて、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、株式会社レベルファイブ、株式会社バンダイナムコゲームス、株式会社ハドソンの4社のコーナーにて出展されているタイトルについてお伝えしていく。




■ KONAMIはオリジナルヒロインが登場する「ときメモ4」を出展

 NTTドコモで出展しているメーカーは、1コーナーで2~3タイトルを出展していることが多い。その中で、KONAMIはコーナーの全てを使って、新作の「ときめきメモリアル4 mobile」を出展しており、本作への力の入れようが伝わってくる。




・「ときめきメモリアル4 mobile」

KONAMIブースでは「ときめきメモリアル4」のイベントが開かれ、そこでもiモード版が紹介された

 「ときめきメモリアル4 mobile」は、10月15日発売予定のPSP用「ときめきメモリアル4」と共通の世界観を持つ恋愛シミュレーションゲーム。iモード版では、PSP版には登場しないオリジナルヒロイン「井ノ倉 葵歩(いのくら きほ)」が登場する。

 試遊機では、男子高校生のプレーヤーが、授業中にヒロインと会話して好感度を上げるというゲームをプレイできた。話す内容によってヒロインの機嫌が変化するのは従来とおりだが、本作では話しかけるタイミングも影響する。基本的にはヒロインが喋り終わった直後に返答すればいいが、話している最中に割り込んで答えたり、逆に返答が遅れて無視したと受け取られると、ヒロインの機嫌が悪くなってしまう。会話内容をじっくりと選んでいると、ヒロインが会話をやめて授業に戻ってしまうこともあるので、テンポよく会話しなければならない。

 もちろん授業中なので、ヒロインと会話している間にも先生は授業を続けており、ヒロインのセリフと同時進行で表示される。会話の途中に先生から問題が出される場合もあり、そこで答えられないと好感度が下がってしまう。会話の内容が悪いと、ヒロインが怒ってしまい、どう話しかけても無視されてしまう悲惨な状況もあった。様々な状況でヒロインを射止めるため、プレーヤーの話術が試されるという作品になっている。

 製品版では、授業中以外のシーンも取り入れられる予定。まだまだ開発中のようで、担当者は「PSP版と同じようなゲームにしていきたい」と話していた。

 モバイルゲームサイト「コナミネットDX」にて、今冬配信予定。利用料金は未定。

【スクリーンショット】
プレーヤーの会話によってヒロインと親密になっていくシステムはそのままに、リアルタイムに会話できる話術も求められる


(C)2009 Konami Digital Entertainment




■ DS「二ノ国」の外伝的RPGを出展したレベルファイブ

 6月にモバイルゲームポータルサイト「ROID」をオープンしたレベルファイブは、新作「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」をプレイアブルで出展した。その他に、今後配信予定のサッカーゲーム「イナズマイレブン フューチャー」や、RPG「ダンボール戦機」の映像も出展されていた。




・「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」

 「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」は、ニンテンドーDSで2010年春に発売予定の「二ノ国」のサイドストーリーを描いたモバイルゲーム。アニメ調のグラフィックスで展開されるファンタジーRPGで、企画・制作をレベルファイブ、アニメーション作画をスタジオジブリ、音楽を久石譲氏が担当している。

 試遊機は10分間の時間制限がある体験版で、廃屋の中を探し回って自動車の部品を探し出し、最終的に自動車を完成させるというもの。登場キャラクターは好奇心旺盛な少年「オリバー」と利発そうな少年「マーク」の2人で、落ち着いた雰囲気が感じられる世界観となっている。

 廃屋の中には何か長い板をかければ渡れそうな場所や、スイッチを入れると動き出す仕掛けがあり、何かありそうな場所を探しながら進んでいく。アイテムを手に入れた場合は、それをどうやって利用すればいいのかをキャラクター2人で相談するシーンが見られたり、どうやって進めばいいのかヒントを与えてくれる場合もある。

 廃屋の中を進んでいくとモンスターが登場する。戦闘はコマンド選択方式で、「とくぎ」を使って強力な攻撃をしたり、アイテムで体力を回復したりできる。モンスターの攻撃時にはアニメーションも用意されていて、セル画調で描かれていることもあり、まるでアニメを見ているような感覚でプレイできる。

 10分以内に自動車を完成させればそれで終わりかと思いきや、自動車が意思を持って襲ってくるというサプライズな仕掛けもあった。プレイ中は、次に何が起こるのかと期待しながら遊べた。

 「ROID」にて、2009内に配信予定。利用料金は未定。対応機種は、FOMA 905i/705iシリーズ以降の予定。

【スクリーンショット】
謎を解いていきながらアニメーションも楽しめるRPGになっている


(C)LEVEL-5 Inc.




■ バンダイナムコゲームスは「テイルズ オブ ファンタジア」と「ガンダム」シリーズを出展

 バンダイナムコゲームスは、1社で2社分のコーナーを使って出展していた。これは4月に実施されたバンダイネットワークスの統合が影響しており、片方のコーナーは旧バンダイネットワークス、もう片方は旧バンダイナムコゲームスのタイトルと分かれている。




・「テイルズ オブ ファンタジア」

 「テイルズ オブ ファンタジア」はスーパーファミコンからの移植作。「テイルズ オブ」シリーズの第1作目で、iモード版ではゲームボーイアドバンス版の追加要素を取り入れる予定だという。出展中の体験版では戦闘シーンを体験でき、キャラクター4人でモンスター「ガルフビースト」と戦った。

 操作は方向キーで移動、センターキーで攻撃と、片手だけでも基本的な操作は可能。さらに、1キーで特技、2と8キーで仲間の特技、7キーで防御になっており、基本的には両手で操作するようデザインされている。

  体験版はまだ開発中のもので、主人公以外の味方のキャラクター3人はその場から動いていなかった。しかし攻撃は実装されており、主人公は接近戦、味方3人は遠距離攻撃といった感じで「テイルズ オブ ファンタジア」らしい迫力ある戦闘を体験できた。

 サウンドや効果音はまだ搭載されていなかったので、キャラクターボイスやオープニングのテーマソングは確認はできなかった。グラフィックスはスーパーファミコン版のものをモバイル向けに調整しているそうで、ほぼそのままのクオリティを保っていた。

 iモードサイト「テイルズ オブ モバイル」にて2009年冬配信予定。利用料金は月額525円の予定。

【スクリーンショット】
開発中のため、戦闘だけのプレイアブルバージョンとなっていた
※画面は開発中のものです


(C)藤島康介
(C)1994-2009 NBGI




・「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は、同名の劇場版アニメ作品を題材にした3Dアクションゲーム。宇宙空間を戦闘フィールドとして、360度から襲い掛かってくる敵を次々と攻撃していく。すでにYahoo!ケータイでは配信中で、今回iモードにも登場となった。

 横画面専用のゲームで、端末を両手で握ってプレイするのが基本。戦闘中は、方向キーで移動、6キーを押しながら方向キーで視点を変更。パイロットによっては、6キーを素早く2度押すことで自動的に敵をロックオンできる。敵をロックオンすると相手に効果的な武器種が表示されるので、ビームサーベルやバルカンなどの武器を切り替えて戦っていく。

 

 ストーリーモードでは、プレーヤーは主人公のアムロ・レイとなり、モビルスーツを操って敵と戦い、章立てに分けられたストーリーを追っていく。アムロやシャアなどのキャラクターがカットインしてボイス付きで喋ったり、リアルタイムレンダリングの3Dグラフィックスで描かれるムービーが挿入されたりと、演出にもかなり凝っている。やりこみ要素としては、クリア後のタイムアタックモードも用意されている。

 iモードサイト「ガンダムゲームモバイル」にて9月24日より配信中。利用料金は月額315円、または1ダウンロード1,050円。対応機種はP905i以上のMicroSD対応端末。

【スクリーンショット】
宇宙空間で展開される3Dバトルは実に美麗。キャラクターのカットインが入る演出などもあり、原作ファンなら大いに盛り上がるはず


(C)創通・サンライズ
(C)BANDAI/NBGI




・「機動戦士ガンダムオンライン アドバンス」

 「機動戦士ガンダムオンライン アドバンス」は、P-07Aにプリインストールされている「機動戦士ガンダムオンライン プロローグ版」の改良版。アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツを操り、連邦軍とジオン軍にわかれてリアルタイムオンライン対戦ができる3Dアクションゲームとなっている。

 「プロローグ版」との違いは、モビルスーツの大量追加。会場では新たなモビルスーツとして、「RX-79(陸戦型ガンダム)」や「MSM-04(アッガイ)」が追加されているのを確認できた。製品版では他にも、プレーヤー同士がオンラインで協力して進めるゲームモードなどが追加される予定。

 「プロローグ版」のアップグレードとして提供されるのか、あるいは新規タイトルとして配信するのかは、まだ検討中だという。「ガンダムゲームモバイル」より2009年冬に配信予定で、利用料金は月額315円の予定。対応機種は、iアプリオンライン対応端末。

【スクリーンショット】
「機動戦士ガンダムオンライン プロローグ版」に、新たなモビルスーツやゲームモードを追加したものとなる


(C)創通・サンライズ
(C)NBGI




■ 総容量1GB超の「天外魔境 ZIRIA」を出展したハドソン

 ハドソンは配信中の「桃太郎電鉄」シリーズを中心に出展しつつ、新作タイトルとして「天外魔境 ZIRIA ~Full Voice~(仮)」を出展した。




・「天外魔境 ZIRIA ~Full Voice~(仮)」

 「天外魔境 ZIRIA ~Full Voice~(仮)」は、Xbox 360用「天外魔境 ZIRIA ~遥かなるジパング~」のモバイルバージョン。3Dグラフィックスをモバイル向けに2Dで作り直しつつも、ボイスデータは生かし、ゲーム中の登場キャラクターの全てのセリフにボイスが当てられている。ムービーやサウンドを多用しているため、ゲーム容量はモバイルゲームとしては桁違いに大きく、1GBを超えるとしている。実際の配信の際には、各章ごとに分けて配信することも検討しているという。

 出展されているバージョンでは、筑波山で「かすみ草」を取ってくるという、東京ゲームショウ2009限定のクエストが受けられた。ゲームを開始すると主人公の自来也(ジライヤ)とガマ仙人、幻王丸が登場するオープニングムービーが流れ、それからゲーム本編が始まる。

 ゲーム中のNPCは村人から猫に至るまで本当にフルボイス。試遊機には音を聞きやすいようにヘッドフォンが備え付けられていた。音質はXbox 360版そのままとは行かないが、台詞は十分クリアに聞き取れた。またグラフィックスは、ハドソンが運営するモバイルゲームサイト「モバイル天外魔境」で使用中の2Dエンジンを採用しており、PCエンジン用「天外魔境」シリーズを彷彿とさせるデザインになっている。

 戦闘はコマンド選択式で、「戦う」や「術」、「道具」などを選んで戦う。試しにコマンドから「鬼火の術」を使用すると、画面上のモンスターに向けて火が飛んでいくグラフィックスも用意されており、音ばかりでなく映像にも力が入っている。

 iモードサイト「着☆あぷ♪ボンバーマン」より今冬配信予定。利用料金と対応機種は未定。

【スクリーンショット】
Xbox 360用「天外魔境 ZIRIA ~遥かなるジパング~」を2Dグラフィックスに変更し、モバイル向けにアレンジしている


(C)HUDSON SOFT/RED


(2009年 9月 26日)

[Reported by 日高文典]