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「PSO2 EPISODE4」キーマンインタビュー

新たな冒険の舞台は「地球」!

新たな冒険の舞台は「地球」!

【東京】

――今回新フィーチャーとして地球ステージが発表になりました。これが1番の驚きだったのですが……。

酒井氏:地球自体は「PSO2」の構想段階から惑星の候補にありましたが、いきなり地球が舞台ということになると基本的な世界観が分かりづらいと思ったので、「EPISODE1」から「EPISODE3」のストーリーがひと段落し、アニメもはじまったこのタイミングで、地球を実装することにしました。

中村氏:今回の地球は本来のアークス世界にはない、別次元の惑星です。ストーリーで主人公が地球に行くいきさつが語られますのでお楽しみに。

――いまオープンになっているスクリーンショットだと銀座や新宿らしき場所が写っていますが、東京以外にも行けるのでしょうか?

中村氏:第1フィールドは東京が舞台です。具体的に東京のどこということではなく、皆さんのイメージの中にある「東京らしさ」を表現しています。コンビニや高速道路の高架など、「こういう場所東京にあった気がする」と思えるような作りを意識しています。ほかにもコインパーキングや消火栓のポールなど、日常で見慣れたものを配置しています。

――昼と夜でガラリと変わるとのことですが。

酒井氏:東京は昼と夜で雰囲気が変わりますね。遠景に東京タワーが見えたりするのですが、夜になるとライトアップされたりします。

中村氏:BGMも昼夜で変わります。昼は日本語ボーカル曲、夜は英語ボーカル曲で全然雰囲気の違う2曲を楽しめます。

 BGMについては、サウンドの小林ディレクターの方から「サウンドでも新体験をさせたい」という提案がありまして、BGMの動的生成をするシンパシーというシステムで、今回ボーカル曲をやりたいということになりました。プレイするたびに歌詞の繋がりが変わりますので、サウンドの新体験もお試しください。

――意味のある歌詞なのでしょうか?

中村氏:意味のある歌詞が色々な組み合わせでつながります。ほかにも戦闘時がボーカルで非戦闘時がハミングだったり、面白いことをやっています。

――セガゲームスの本社は登場するのでしょうか?

中村氏:出てきません。少し悩みましたが、そこまでやってしまうとメタ過ぎるかなと思いまして(笑)。

――新しい敵として登場する幻創種ですが、こちらのコンセプトはどのようなものなのでしょうか?

中村氏:地球人が恐れを抱くものを何者かが具現化させるということで、地球人が「怖いな」と思うものが敵として出てきます。スクリーンショットで新幹線などの電車が合体して三つ首の巨体で襲ってくるボスがいますが、これを無から想像する地球人はあまりいないと思います。ではなぜ登場するのかは、東京のフィールド上にヒントが隠されていますので、探してみてください。

――ほかにはどのような敵が登場するのでしょうか。

酒井氏:地球人がストレ―トに想像するもので、戦車やヘリコプター、あとゾンビなどですね。ゾンビは実在しないですが、想像も具現化してしまうのが怖いところなのです。そういった地球人が怖いと思うものが登場します。

【幻想種】
ボスのトレイン・ギドラン
ロードローラー

――「EPISODE3」では妖怪をモチーフにしたものがありましたが、そういったものは登場しないのでしょうか?

濱崎氏:今回は、リアルなもので怖いものというコンセプトなので登場しません。リアルな攻撃に加え、たとえば戦車が火炎放射を行なったり、ミサイルを撃ったり、さまざまな恐怖の想像が混在した意外性のある攻撃をアクセントで入れています。巨大なドブネズミとかカラスとか、東京にいて不気味な印象のあるものも敵として登場します。

酒井氏:ハルコタンの白の民、黒の民は妖怪モチーフですし、そういった敵を出してしまうとほかの惑星と同じになってしまうんです。ですから、リアルなモチーフで意外なギミックのあるものを楽しんでもらいたいと思っています。

――地球人はここに住んでいるのでしょうか?

中村氏:住んでいます。戦闘領域となるマップの「外側」を見ると、人がふつうに歩いていたり、車が走っていたりします。アークスたちが戦う非日常の外側には地球人の日常がある。これまでそういう演出をしてこなかったのですが、今回はあえて入れています。

――地球人とはコミュニケーションできるのでしょうか?

中村氏:ストーリー上でのかかわりはあります。PVでヒツギとコオリの女子高生コンビが生徒会活動をしているシーンなどもあったので、「いったいどんな話なんだ」と気になった方も多かったようです。

――学園要素があったりするんでしょうか?

酒井氏:主人公が学園に通ったりはしませんね。

中村氏:今回も主人公はアークスの隊員として地球人と協力しながら事件を解決していきます。

濱崎氏:ストーリーの見せ方、進ませ方もこれまでとちょっと違っているので、そちらにも注目していただきたいですね。

新キャラクターとしてシエラとは?

――新キャラクターとしてシエラが登場しますが、どういったキャラクターなのでしょう?

中村氏:シエラは主人公専属のオペレータです。「EPISODE4」の物語の始まりは「EPISODE3」から2年後の世界ですが、とある理由でコールドスリープから目覚めた主人公に、シエラが状況の説明をしてくれる所から始まります。その後もストーリーテラー役としてアークスと地球との橋渡しをしつつ、主人公とシエラが協力して、地球の人々とともに戦いを繰り広げます。

濱崎氏:前回までシャオ君がやっていた役割ですね。

中村氏:「EPISODE4」は、シエラから渡される「ストーリーボード」というシステムでストーリーを進めます。ストーリーはゲーム開始時に「EPISODE4」で遊ぶか「EPISODE1~3」で遊ぶかを選ぶことで、明確に分けています。ストーリー以外の、クエストなどのコンテンツはどちらのエピソードでも遊べます。ストーリーボードは、シンプルでわかりやすいストーリー進行システムを目指していて、ボード上にイベントのサムネイルが並んでいるなど、パッと見で使い方がわかるようになっています。また、イベントも従来のようにクエストに出かけて閲覧する必要がなく、ストーリーボードからダイレクトに閲覧できます。ストーリークエストもストーリーボードから直接受注して出発できます。

――かなり便利なシステムですが、これを「EPISODE1~3」に実装しないのでしょうか?

濱崎氏:ストーリー展開の仕組みもまったく違うものとなっていますし、現在マターボードで進められている方もいらっしゃいますので、「EPISODE1~3」については変更はありません。

――今後「EPISODE5」、「6」と繋がっていかれると思いますが、以降はストーリーボードシステムで開発されていくのでしょうか?

中村氏:それはまだわかりません。わかりやすさという部分は大事にしたいので、ベースになるといいですね。

――PS4版が4月20日にリリースされますが、こちらはPC版と同じものなるのでしょうか?

中村氏:PCでできていたことは、ハードウェア依存以外は基本的にPS4でもできます。マウスとキーボードを繋げば、PC版と同様の操作感でプレイすることもできます。また、「PSO2」はこれまでグラフィックス改善はやっていなくて、PC版の「設定5」がグラフィックスの最高設定でしたが、今回PS4版のリリースタイミングに合わせてグラフィックス改善を行なうことにしました。前回の東京ゲームショウでPS4版の改善されたグラフィックスで撮影したムービーを流したんですが、パッと見で違いが判るくらい変わっています。同じタイミングでPC版でも「設定6」というこれまでより高いグラフィックス設定を追加しますので、PCのグラフィックス性能が高ければ、PS4版と同様のグラフィックスを楽しめるようになります。

――春のアップデートで新装備カテゴリーの追加がなされるとのことですが、どのようなものでしょうか?

中村氏:従来の武器、ユニットに続く第3の装備カテゴリーとして、「スキルリング」という指輪が追加となり、それと関連して「ギャザリング」という新システムが実装されます。これは、戦闘以外でアイテム集めを楽しめる2つの要素で、ひとつが“採取”といってピッケルのようなものでフィールドの特定の場所からアイテムを手に入れることができるというものと、もうひとつが“釣り”です。そうやって手に入れた材料で、スキルリングや特殊な料理を手に入れることができます。

――これは既存のマップで行なえるのでしょうか?

中村氏:クエストは限定されますが、従来のフィールド上で行ないます。最初は森林や海岸、東京など一部のフィールドのみが対象で、アップデートで対象フィールドを追加する予定です。

【東京】

【バトルシーン】

「PSO2es」でも新要素との連動が

――「PSO2es」でも新要素との連動があるようですが。

陳氏:先ほどのペットの育成要素の連動のほかにも、レイヤリングウェアについても「PSO2」で着用したものが「PSO2es」でも反映されます。着替えについては、アウターウェアのみ「PSO2es」でも着替えることができます。ですから出かけた先でスマートフォンでのファッションチェックや一部の着替えが可能です。それと、「PSO2」と連動してアイテムの出し入れができる「PSO2es倉庫」が追加されまして、「PSO2es」にログインしていただくと30日間「PSO2」からでも「PSO2es」からでも利用できるようになります。

――これはアイテムを入れてから30日ということなのでしょうか?

陳氏:いえ、「最終ログイン日」から30日です。ですから、「PSO2」と「PSO2es」の両方をまめにプレイしていただけば期限が切れることはありません。もし期限が切れてしまった時は、「PSO2」側からは取り出すことのみできます。「PSO2es」側ではログインしたタイミングで使用状況が更新されますのでそのまま倉庫を使うことができます。

酒井氏:実質、無料倉庫ですね。これまで「PSO2es」だと倉庫が使えなかったので、「PSO2」と「PSO2es」の両方からアクセスできるということで、かなり便利になると思います。

陳氏:「PSO2es」用の装備とか、「PSO2es」でしか使わないアイテムだとかを入れていただいたりすることで、よりプレイが快適になりますので、ぜひ活用してください。

――ほかに連動する要素はあるのでしょうか?

陳氏:「EPISODE4」からACスクラッチを引いた回数に応じて、「回数ボーナス」が累積し、一定回数に達するごとにアイテムをもらえる仕組みが入りますが、この回数情報が「PSO2es」でACスクラッチを引いても累積されます。

――「PSO2es」の独自要素として新キャラクター「ジェネ」が増えましたよね。

陳氏:12月22日のアップデートでストーリーをリニューアルして、UIも新しくなったのですが、「PSO2es」のみをプレイしているユーザーにも連動しているユーザーにも魅力的なものになったのではないかと思います。新規ユーザーには世界の広がりを、「PSO2」と連動しているユーザーには「PSO2」という世界観の上での新たな物語やジェネをはじめとした魅力的なキャラクターを提供できるようになったのではないかと思っています。

――「PSO2es」はほかの「PSO2」と比べるとできることが違いますが、この先オリジナル要素を増やしていかれたりするのでしょうか?

陳氏:「PSO2es」は外で気軽に遊んでいただくことを主眼にしていますが、昨年8月からはウェポノイドという「PSO」シリーズの武器をモチーフとしたキャラクターチップを追加いたしました。こちらについては「PSO」シリーズユーザーの各武器に対する愛着にフォーカスを当てていくべく「EPISODE4」のタイミングから新たにボイスをつけたり、戦闘時のカットインを追加したり、キャラクター性を付与していこうと思っています。

――最後にユーザーに一言ずつお願いします。

陳氏:まず、年末年始に通信障害がたびたび発生し、ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。今後、サーバの改修や機器の増強を行って、安心して遊んでいただけるよう改善を進めます。

 そして、「EPISODE4」は「新体験」がキーワードですが、「PSO2es」もウェポノイドの拡充であったり、新しいストーリー、キャラクターも追加していきます。「PSO2es」でも新体験を感じていただいて、「PSO2」の「EPISODE4」と一緒に楽しんでいただければと思います。

 また、「PSO2」や「PSO2es」をプレイしたことのない新規の方は、「PSO2」の最初の窓口として遊んでみてください。今後も「PSO2」のアップデートにあわせて「PSO2es」もアップデートしていきますので、そちらも引き続きご期待ください。

濱崎氏:「EPISODE4」では新体験を用意させていただいていますが、最初だけで息切れしないように、今後のアップデートでも新体験をどんどん入れていきたいと思っています。ぜひプレイしていただいて、新体験を感じていただければと思います。

中村氏:今回私と濱﨑のダブルディレクター体制としたのは、従来より細部に目が届くようにして、クオリティを上げたいという意図もあります。ゲームバランス関係も「EPISODE3」から引き続き濱﨑が見ていきますので、ご安心ください。今後も濱﨑と協力して、「これまでできなかったこと」ができるような新体験を提供していきたいと思っていますので、ご期待ください。

酒井氏:これまで3年半サービスしてきて、「慣れ」が大きくなってきているので、ここで大きく変えることが重要であると考えています。「EPISODE4」のタイミングでアニメも始まり、そのあとPS4版もリリースされるため、新規のユーザーも大きく増えるこのタイミングで「地球」という舞台をはじめゲームの雰囲気をがらっと変えることは、アニメとの連動という意味でも、ユーザーの慣れを払拭する意味でも、大きなカンフルになると思います。

 ライトユーザーもベテランユーザーも楽しめるように「EPISODE4」を育てていきたいと思っています。「EPISODE4」もPS4版も、そして「PSO2es」も頑張っていきますので、今後の展開にご期待ください。

――ありがとうございました!

「PSO2es」新イベントシーン

(田中尚道)