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「FFXIV」、クリスマスPLLでパッチ3.2のコンテンツラインナップが判明
PvPのシーズン制やアレキ「律動編」の難易度緩和など注目点を解説
(2015/12/24 00:00)
スクウェア・エニックスは12月23日、東京秋葉原のエオルゼアカフェから「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド(以下『FFXIV』)」の最新情報を伝える「第26回FFXIVプロデューサーレターLIVE(以下、PLL)」を開催した。
PLL前半では「FFXIV」のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と、コミュニティーチームの室内俊夫氏が、パッチ3.2で実装される新コンテンツのラインナップと概要を紹介。PLL後半は、ククル役の声優、南條愛乃さんをゲストに迎えてのトークショーで盛り上がった。放送はニコニコ生放送、YouTube Live、Twitchで配信されたほか、同じビルの中にあるカフェにライブビューイング用の席が設けられ、そこで番組前に吉田氏と乾杯した後、放送を観覧することができた。このレポートでは、放送内で発表されたパッチ3.2の情報を中心に、新情報をまとめてお届けしたい。
「零式」の難易度が高すぎてゲームバランスを崩していたことを吉田氏が謝罪
クリスマスの生放送にもかかわらず、今回のプロデューサーレターLIVEはやや重い空気でスタートした。パッチ3.2のコンテンツラインナップを発表する前に、吉田氏がパッチ3.1でのバランス調整の失敗とそれに対する今後の対応を謝罪したのだ。
吉田氏によれば、自分でプレイしていても開発としても現状バランスが崩れているという認識があり、パッチ3.2ではその立て直しを行なう予定だそうだ。そもそもなぜバランスが崩れたのか、その根本的な原因は「機工城アレキサンダー 零式:起動編」の難易度が高すぎたことだ。「FFXIV」は、8人パーティのレイドコンテンツで取れる装備をヒエラルキーの頂点にしており、そこを基準に他のコンテンツの難易度が決められている。
ところが「零式」の場合、DPSチェックが非常に厳しかったために、アイテムレベル(IL)が上がっても、ギミックがきちんと理解できていてもクリアできないという人が続出した。特に3層、4層は挑む人が少なく、パーティ募集をしてもそのワールド内では集まらないため、攻略のために人口の多いワールドに移転するほどの事態となってしまい、吉田氏は「ここが1点目の大反省点」だと語った。これらの現状を踏まえてパッチ3.2では、新たなレイドダンジョン「機工城アレキサンダー 零式:律動編」からは難易度を現状よりも緩和していくという考えを示した。現在開発中の「律動編」では「大迷宮バハムート:侵攻編」と「真成編」の間くらいの難易度を目指して調整を重ねているのだそうだ。
第2の反省点は、クリア者が少ないせいで210武器が想定したほどには出回っていなかったところに、ファーミングでIL210が取れる「ディアデム諸島」や、時間をかければIL210武器が作れる「アニマウェポン」などが実装されたため、これらの取得難易度を必要以上に高く設定しなければならなくなったことだ。ここについては、「もし零式で取れる武器が215だったら、アニマウエポンも禁書武器ももっと取りやすくできた」と吉田氏。この対策として、「律動編」ではここで取れるドロップ装備のILを他のコンテンツで入手できるものよりも高くすると発表した。
また「ディアデム諸島」については、90分の制限が長すぎる、ギャザラーとバトルジョブのコンテンツファインダー登録を別にして欲しい、などのフィードバックが多く寄せられたそうだ。またプレーヤーの話し合いでルールを決めて欲しいという思惑があったが、それでは単なるファーミングになってしまい、もっと探索要素が欲しいという声が多かった。そこでパッチ3.2では制限時間を45分から60分に変更し、その制限時間に合わせて敵の強さなども調整される。さらに、今後実装される新しい探索コンテンツでは、システム側からある程度は目的やルールを設定して、そのミッションを遂行するようなものになるようだ。「ディアデム諸島」の210ドロップを絞った調整については、ドロップ武器をIL205にしておいて、レイドへの導線にすべきだった。「新コンテンツで肩の力が入りすぎていた」と謝罪した。
「アニマウェポン」については、現状のIL210がどこまで通用するかという疑問について、パッチ3.25でいったんILが上がり、パッチ3.3で次の新しい「アニマウェポン」のストーリーが始まる予定だそうだ。
それ以外にプレーヤーから寄せられた質問と、吉田氏の回答については、以下に質疑形式でまとめた。
――蛮族デイリークエストで特定F.A.T.E.が指定されているものは発生待ちで時間がかかります。発生頻度を上げられませんか?
吉田氏: 開発チームと話をして、何とか方法を探しています。HotFixが必要になるが、何とかしようと思っています。
――複数のジョブで「アニマウェポン」を進めていると、間違ってコンプリートしたクエストを再び受けてしまいます。
吉田氏: 僕もやりました。現在修正中です。
――「アニマウェポン」はクエスト進行に必要なアイテムが多いが、いずれも通常アイテムなので間違って売却しそうになります。イベントアイテムになりませんか?
吉田氏: 長期間保持するものなのでイベントアイテムにすると、クエストが破たんする危険があります。今はアイテムを売却できないようにする予定です。
――今月から家の撤去が始まるが、今後の土地追加はどうなりますか?
吉田氏: サーバーの増設が3.3で正式に決まったので、どばっと増やします。まずは3.3で既存のハウジングエリアの区画が増えます。その後、各区画に共同で使えるマンションが建ちます。1つのマンションは512部屋です。その後、イシュガルドのハウジングゾーンを作るという流れになります。マンションには共同で使えるチョコボ厩舎を置こうと思っていますので、そこでチョコボの強化や染色ができます。
――最近ミラプリ用途以外ではクラフター装備の需要が低くなっている気がします。今後レイド攻略に使えるようなものが出ますか?
吉田氏: パッチ3.2で入る装備は強いです。アクセサリーも同時実装なので、間違いなくレイド攻略に使えます。今までは特定のジョブ需要が強かったですが、今後は全ジョブで需要が出ると思います。現在は材料などを調整中です。
パッチ3.2の実装コンテンツが判明。シーズン制の対人トーナメントもスタート
そして今回のPLLの目玉であるパッチ3.2の実装項目だが、今回もまたかなりのボリュームになりそうだ。これまで同様、偶数パッチでは縦方向の拡張でアイテムレベルが上昇する。しかし今回は、マテリアシステムの大規模な変更や、パッチ3.1の反省による難易度の緩和など、これまでの偶数パッチとは雰囲気の違うものになりそうだ。また、ずっとPLLの話題になっていた新しいウルヴズジェイルのコンテンツ実装に合わせて、いよいよ本格的な対人戦のトーナメントが始まるのも大きな変化だ。
・新たなメインクエスト
・新たなサブクエスト
・グナース族蛮族クエスト
メインクエストは、パッチ3.2から続くイシュガルドの動乱がいよいよ佳境に入っていくようだ。また新たな蛮族クエストとして、グナース族のクエストが始まる。シナリオを描いているのは、バヌバヌ族を担当した人と同じで、あのバヌバヌ族独特の言い回しに続き、グナース族のセリフで苦心しているらしい。
・新インスタンスダンジョン
逆さの塔
古アムダプール市街(Hard)
新しい60インスタンスダンジョン「逆さの塔」は、メインストーリーがらみの場所になるようだ。ストーリーの早い段階で出てくるので、パッチ3.1のダンジョン同様、入場のためにメインストーリーの進行を急かされる心配はないということだ。「古アムダプール市街(Hard)」は、ボスだったディアボロスが「魔航船ヴォイドアーク」に出張してしまった後の市街地がどうなっているのかが描かれるらしい。
・新たな討滅戦(三闘神シリーズスタート)
魔人セフィロト討滅戦
極魔人セフィロト討滅戦
アジス・ラーに三闘神の像があり、来るだろうと囁かれていた三闘神がついに動き出す。新討滅戦「魔人セフィロト討滅戦」はメインストーリー内で戦う新しい敵だ。これまで、タイタン、ガルーダ、イフリートの3蛮神には無印、「真」、「極」の3段階があり、リヴァイアサン以降は「真」と「極」に分かれていた。しかし英語だと「真」が「Hard」と表記されており、じゃあ「Normal」はどこにいるの? と非常にややこしいことになっていたため、今回から「真」という表記は廃止になり、無印と「極」だけに統一される。強さはこれまで通り「真」と「極」相当になるということだ。極セフィロト討滅戦を作っているのは、極タイタンや極ナイツ・オブ・ラウンドを作ったデザイナーだそうで、吉田氏はざっくりした印象を聞かれた時「落ちる?」とつぶやいていた。ただ「極ナイツ」ほどの難易度にはなっていないそうなので、そこは安心してもよさそうだ。
・機工城アレキサンダー:律動編
「機工城アレキサンダー:律動編」は、ノーマルと「零式」が同時に実装される。難易度が緩和されるということで、「起動編」よりは挑戦しやすいコンテンツになるだろうと思われる。しかし、今回1枚だけ公開されたスクリーンショットには、厳しいDPSチェックで「先生」の異名をとっているファウストが門番として2体並んでいる様子が写っており、やはり簡単には通してもらえなさそうだ。
・ウルヴズジェイルアップデート
ザ・フィースト
ウルヴズジェイルでは、これまで“ウルヴズジェイル2”という名前で呼ばれていたコンテンツの正式名称が「ザ・フィースト」に決定したことが明らかになった。これは8対8か4対4で戦うPvPコンテンツ。このコンテンツにはレーティングマッチがあり、対応している試合に登録すると現在の自分のレートと近い人同士でマッチングされる。モードは5つあり、レーティングマッチに対応しているのはソロで登録する4対4、固定パーティで登録する4対4。それぞれの練習用と、8対8はレーティングマッチ非対応なので、レートの変動を気にせず気軽に参加することができる。なお8対8にはソロか2人パーティでしか登録できない。2人パーティは、遊んでいる人がほかの誰かを誘って遊ぶというシチュエーションが想定されている。
レーティングマッチはシーズン制をとっている。パッチ実装直後からプレシーズンがスタートし、3.25から約3カ月半が第1シーズンになる。レーティングは階級別になっており、レートが一定以上になると昇格戦が発生する。ソロと固定パーティそれぞれの上位ランカーには、シーズン終了後に特別な報酬が与えられる。シーズンが終了すると、すべてのレーティングがリセットされ、また新しいシーズンに向けて1からの競争が始まる。
・オーケストリオン
「オーケストリオン」は自分名好きな曲をBGMにしたいという要望に応えて、かなり昔から吉田氏が実装を約束していたもの。宿屋やハウジングに設置して「オーケストリオン譜」というアイテムを使うことでその譜面に書かれた曲を演奏することができる。オーケストリオン譜にはタイタンのBGM「荷重圧殺」など、「FFXIV」内の様々なBGMが書かれており、手に入れる手段もショップ売り、ドロップ素材からの生産もある。グリダニアにある黒兎堂のマイセンタからも入手できるようだ。パッチ3.2で実装されるのは47曲。今後もパッチごとに20から30曲を追加していく予定だそうで、コレクション要素としても楽しめそうだ。
・初心者の館
・木人討滅戦(仮)
・メンターシステム(仮)
「初心者の館」は以前から何度か名前が出ている初心者向けのチュートリアルコンテンツ。レベル15で初めて挑むインスタンスダンジョン「サスタシャ侵食洞」に行く前辺りで訪れる場所で、各ロールごとの動きを勉強できる。初心者だけではなく、今まで遊んでいたものとは違うロールで遊んでみようと思った時などに、そのロールの基本を勉強できる場所になる。卒業試験があり、初心者にはうれしいちょっといい装備がもらえる。また「DoTとは何か」といったゲーム用語を解説してある場所もあるらしい。
「木人討滅戦(仮)」は、エオルゼア各地に設置してある練習用の木人のようなもので、自分のスキル回しを試せるソロ用のコンテンツ。難易度の高いコンテンツに挑むときに、今の装備で大丈夫なのか、どのくらいDPSが出ているのかを調べる方法が今までゲーム内にはなかった。この討滅戦は、コンテンツ別になっていて、例えば「零式1層」に挑むための木人を倒すことができれば、本番でも十分戦えるという目安として利用できる。
「メンターシステム(仮)」は、一定以上の条件を満たしているプレーヤーが自身をメンターとして登録しておき、双葉マークの新人とパーティを組んだ時に「メンタールーレット」という特別なルーレットを使って普段はいけないような場所にも行くことができるという、新人育成支援をしている人たちのためのお助けコンテンツ。自分もボランティアが好きだという吉田氏は「世話好きな人に使ってもらいたいシステムです」と語っていた。
・リテイナーアイテム売却機能
・ナビマップへの高低差情報追加
・4K対応開始
リテイナーアイテムの売却機能は、リテイナーに持たせている不用なアイテムを売却したいと思っても、自分のインベントリもパンパンで身動きが取れないという人のために、リテイナーの倉庫から直接ショップに不要なアイテムを売却できるというもの。ナビマップの高低差情報は、「ディアデム諸島」や「モブハント」などでパーティメンバーが自分より高い位置にいるのか低い位置にいるのかが分かったり、「
ファンフェスティバル東京は2016年12月24日、25日にビックサイトで開催
パッチ3.2の情報以外にも、プレーヤーや開発スタッフの1年間の思い出を紹介するコーナーや、イベントを振り返るスライドショーなどがあった。1年の思い出の中には、せっかく作ったのに実装されなかったクラウドのバイクを紹介して欲しいという声があり、今回初めて映像で紹介された。
このバイクは、プレーヤー用のマウントとして製作されたものだが、ゲーム内で走らせてみるとあまりの遅さに「これはない」と吉田氏が却下したというもの。確かに、停まっている時にはブラックのボディがクールでかっこいいのだが、走り出すと得も言われぬもっさり感があり、確かにこれは……と思わせる映像だった。
その後は、ククル役の声優、南條愛乃さんがゲストとして登場し、吉田氏、室内氏とゲームやその他の話題で盛り上がった。南條さんは「エオルゼアより愛をこめて」というインターネットラジオの番組のパーソナリティを務めているほか、個人的にも「FFXIV」をプレイしており、人気声優という立場を気にせず素の自分が出せることがいいと言う。ゲーム空間を「リアルな世界」、現実世界を「物理世界」と呼びゲーム内世界への愛情を感じさせた。
物理世界でもカメラをいそしむという南條さんは、吉田氏に新ジョブ「カメラマン」を実装して欲しいと要望。また、ゲーム内にも四季があるといいなと、話していた。吉田氏は「いろいろなジョブが欲しいと言われるけれどカメラマンは初めて」と苦笑しつつも、四季については全域では難しいが一部のエリアだけなら可能性はあると言い、飛空艇の残した飛行機雲ならぬ飛空艇雲が欲しいという要望については、手が空いている時に少しずつ入れていきたいと前向きに語っていた。
また、スクリーンショットを撮るときに、自分が中央になってしまうのでカメラの画角を動かしたいという要望には、グループポーズを作ったUIチームが、ミニオン同盟に続く新しい同盟を作って、いろいろとやっているようだと話していた。
お知らせコーナーでは、来年開催されるファンフェスの予定がいち早く発表された。日本では2016年12月24日、25日に東京ビックサイトの西3・4ホールで開催される。
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