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名機G27の後継ハンコン「G29 Driving Force」を発表!
質感向上、FFBも強化。PS4/PC両対応で7月発売予定
(2015/6/20 11:44)
プリフェラルメーカー最大手の米Logitechは、E3 2015の開催に合わせ、新型ドライビングホイール「G29 Driving Force」を発表した。
「G29」は、2010年に発売された名機「G27」の後継となるハイエンドなハンドルコントローラーで、プレイステーション 4/3/PCの3プラットフォームに対応。価格は北米で399.99ドル(ペダル付き。シフターは別売り)で、7月中旬には出荷が開始される模様だ。
今回、Logitechのビジネスミーティングルームで「G29」の実機を試すことができたので、レースシムファンの視点からその感触をご報告しよう。
DUALSHOCKボタンをフル装備。上質な本革とFFBエンジンの強化も果たす
「G29 Driving Force」は、旧製品「Driving Force GT」的なボタンコンフィギュレーションと、「G27」的な上質さを併せ持つ新世代のハンドルコントローラーだ。
ハンドル前面には、PS3/PS4のコントローラーDUALSHOCKの機能に相当する全ボタンをフル装備。前世代の「G27」はボタンが非常に少なく、ゲーム中のナビゲーションやレース中の各種操作に苦労することがおおかったので、これは非常に嬉しい点だ。
それに加え、ハンドル下部には汎用の「+」、「-」ボタン、及びダイヤル式入力装置を装備。適切な設定は必要になるが、これを使うことで、ウィング各やブレーキバイアスといった調整をレース中に素早く行なうことができる。
ハンドルの経は、「G27」より少しだけ大きくなった印象がある。正確なサイズは公開されていないが、Fanatec製の高級ハンコンよりは少し小さいかもしれない。ホイールの握りの部分は手縫いの上質な本革でカバーされており、握ると手に吸い付くような感触があり、好印象だ。
開発担当者によれば、フォースフィードバック(FFB)機構は「G27」とほとんど同じデュアルモーターのメカニズムを採用している。だが、そのメカニズムを制御する内臓プロセッサを大幅に強化したことで、より緻密なモーター制御が可能となり、FFB全体の感触が向上しているという。
実際に触ってみたところ、確かにFFBのパワー、切れ味、滑らかさともに、「G27」を大きく超える感触を得ることができた。特に、「G27」ではステアリング操作中のゴリゴリする抵抗感やノイズ音がけっこう目立つが、この「G29」では抵抗がとてもスムーズで、操作音もとても静かだ。
強化点はペダル部分にもある。形状は「G27」のものとほとんど同じだが、ブレーキペダルのストロークが半分以下の短さとなり、踏み込むほど強い抵抗を示す、ノンリニアなスプリング機構を搭載。これにより、感圧式ブレーキペダルの挙動をエミュレーションしているという。実際、筆者は日頃ドイツFanatec製の感圧式ペダルを使用してレースゲームをプレイしているが、それに非常に近い感触でブレーキングができる。
なお、ハンドルのロック・トゥ・ロック角度は900度になっていることなど、その他の仕様は「G27」に準じている。まさに正統進化という感じだ。
少し残念だったのは、Fanatec製のハイエンドハンコンに搭載されているような、ハンコン側でロック・トゥ・ロック角度やFFBの効き具合などを調整する機構が存在しないことだ。各種調整はゲーム内設定か、PCならコントロールパネル上で行なう必要がある。
こういった弱点も含めると、「G29」はFanatec等のハンコン専門メーカーによる高級モデルを上回るほどのものではないが、匹敵する水準の品質は備えている。入手性の高さも合わせて考えると、多くのバーチャルドライバーにとってファーストチョイスのハンコンになると言えそうだ。
ここ最近は「Asseto Corsa」、「Project Cars」などをはじめ、PCゲーム界隈を中心に高品質なレースゲーム・ドライビングシムが盛り上がりを見せている。また、来年には各種VRヘッドセットが登場し、乗り物系ゲームにさらなる注目が集まるはずだ。そのような時期を前に、Logitechが新世代のハンコンを出してくれたことは素直に嬉しく、歓迎したい。