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「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」を一足先にプレイしてみた!

永遠に遊べるもうひとつの“リアル”がそこにある

9月2日 発売予定(PC版は9月16日発売)

価格:
8,400円(PS4/3、Xbox One パッケージ版/ダウンロード版、税別)
8,400円(Xbox 360 ダウンロード版、税別)
8,400円(PC、Steam版)

馬に乗って広大なフィールドを駆け抜ける。ただあまりに広大なので、馬でも時間が掛かるかも……

 KONAMIは9月2日にプレイステーション 4/3、Xbox One、Xbox 36、PC用タクティカル エスピオナージ オペレーション「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」をついに発売する。発売を前にして最後のE3となる「E3 2015」の会場でも出展されているが、一足先にゲームの冒頭部分をプレイする機会に恵まれたので、ここにインプレッションをお届けしたい。

 当然だが「ネタバレ厳禁!」とKONAMIからは釘を刺されており、詳しくここに書くことはできない。また、同社のネットにはすでに膨大な映像がアップされている。ゲームの説明はすでにそういった動画で事足りるだろう。

 ここでは主に「METAL GEAR SOLID V」とは何なのか? そのプレイした個人的な感触をお伝えしたいと思う。

冒頭から緊張感あふれる展開が!

馬だけでなく様々なパートナーが登場する

 実はゲームがスタートしてプレイできる冒頭部分の「序章」については、細かく語ることができない。これまで公開されている情報では、オープンフィールドで描かれたアフガニスタンで繰り広げられる潜入ミッションが中心となっている。

 もちろん「METAL GEAR SOLID V: Ground Zeros」をプレイしていればわかるが、その後日譚からスタートするため、茫漠たる砂漠ではなく、とある場所でスネークが目覚めるところから物語は始まり、その「失われた」時間を補完する物語が序章では語られる。

 軽くコントローラーに慣れるためのチュートリアル的な雰囲気でゲームは進むが、その緊張感はすさまじい。この約1時間ほどの冒頭ミッションを終え、次のミッションへと物語は進んでいく。そう。ここからが「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の真のゲームのスタートとなる。

いかにも「METAL GEAR SOLID」シリーズらしいデザイン。マシンはバディとしてミッションに同行させることもできる

どこまでも続く荒れ果てたアフガニスタンで待っているものとは?

パートナーとなる犬。大いに助けになってくれるパートナーだ

 そしてゲームは次の段階へと進む。アフガニスタンの荒れ果てた地を舞台に仲間の救出に向かうべく、オープンワールドに放り出される。しかしもちろん、突き放された展開ではない。細かく通信でヒントを出し続けサポートしてくれる。

 スネークの最初のパートナーとなる白馬と共に荒野を駆け巡って進んでいくと、山間から敵の基地が見えてくる。こうやって簡単に書くと一直線に進んでいくかのように思えるが、街道を進んでいくのか? 敵から見つかりづらい山際の方向から遠巻きに攻めていくのか? その方法はプレーヤーによって違う。初めてプレイする時なら気をつけてプレイするかもしれないし、ある程度事情がわかってプレイするなら真っ正面から強引に攻め込むことも可能だ。

 チキンな自分はプレイ可能範囲ギリギリを進み、まずは遠くから双眼鏡で索敵。「METAL GEAR SOLID V」では1度敵兵をチェックするとマップに表示され、その敵兵の行動が手に取るようにわかるようになる。できる限り遠くから事前にチェックして、塹壕に身を潜め匍匐前進で目的地に向かって進んでいく。ここまではまるでお手本のような展開だ。

 しかし、意外な方向から敵兵は襲ってくる。いきなり発見されてしまい、敵の拠点から離脱! 馬にまたがり1度距離を置き、日暮れを待ち夜陰に紛れて忍び込むことに。もちろん1人、また1人と忍者のように抹殺して敵兵を減らしてからゲームを進めることもできる(もちろん敵兵が増えることもあるが)。

 目的の拠点を攻略し、また馬に飛び乗り次の目的地に向かう。いきなり拠点の中心地で馬に乗るのもはばかられるだろうと、走って荒野を駆け抜けていると、すかさず通信が入る。「スネーク、この広い大地を走って移動するのか?」とかなんとか。これはこのミッションがチュートリアルを兼ねているから、親切に教えてくれているわけだ。もちろん、そんな忠告を軽く無視して走って移動することも可能だ。その自由度の高さこそが「METAL GEAR SOLID V」の持ち味だからだ。しかし同時にお伝えしておくと、とてもそんな気にならないくらいにフィールドは広い。そしてこの広いフィールドすらも「METAL GEAR SOLID V」では、ほんの一部でしかないのだという。

 崖っぷちに広がる敵の最終拠点にたどり着くとさっそく潜入開始だ。今度はさすがに最終拠点だけあって先ほどより敵兵が多く、1度見つかるとあっと言う間に囲まれてミッション失敗だ。「では逆から攻めればイイか!」と思って進むとイヤラシいことに、より多くの敵兵が偵察している。結果見つかってしまい、今度は機銃砲で蜂の巣にされて終了だ。

 思い直して最初のルートをより慎重に進み、なんとか中心部にまで入り込んだが、もちろん敵兵だらけ。こんなのどうやって進めば良いのかと思うが、なんとか仲間の元まで潜入し無事接触。ここからが1番大変なところで、仲間を背負ってランデブーポイントまで逃げ延びなければならない。この脱出劇も敵兵を眠らせながらスマートに脱出する手もあるが、銃撃戦に持ち込み強引に脱出することも可能だ。もちろん多くの人にとって銃撃戦は望まない展開だろう。そう、自分もプレイしていて仕方なく銃撃戦に。仲間まで銃撃戦に巻き込んで「ごめんなさい!」と心の中で謝りながら、這々の体で拠点を後にする事ができた。

潜入ミッションの基本は索敵と用心深さだ。そして決断の早さも自らの身を助けることになるだろう

永遠のプレイフィールドが広がる、もうひとつの世界(リアル)

 この原稿では「拠点を攻略して脱出する」と書いているだけで、1本道のように感じる方もいるかもしれない。しかし、全く違う。そこに至る道筋は無限であり、スピーディに攻め落とすこともできれば、物陰に潜み敵兵をやり過ごしながら時間が掛かっても安全にゲームを進める“チキンな展開”も可能なのだ。そしてそのルートも無限だし、展開も毎回違う。広大なフィールドという遊び場を舞台に、いつまでも敵兵との戦いに明け暮れることができるのだ。

 昨年、小島秀夫監督とパーティで話すことができる機会があったのだが、「今度の『METAL GEAR SOLID V』は緊張感がすさまじく、長時間続けてプレイできないかもしれない」と仰っていた。しかし個人的には逆で、この心地よい緊張感の元、「リアルなもうひとつの世界」で潜入ミッションを一生繰り広げていたいと思うほどだ。ミッションをクリアしたところで感じられる達成感は、おそらくはこれまでの比ではない。

 さらにその先には様々なやりこみ要素が存在する。サブミッションももちろん大量に用意されているが、それはもはや前提条件だ。アフガニスタンで潜入ミッションを行なっていると、動物が走り回り、薬などに加工できる植物が生えていることもある。また場所によってはダイヤモンドの原石が落ちていることもある。これらを集めていくことも密かな楽しみの1つだ。

 フィールドでのやり込みはそのまま基地の強化にも繋がっていく。こういった要素は「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」をプレイした人ならわかりやすいだろう。フルトン回収(気球のようなもので回収していくシステム)でどんどん兵士(人材)や素材などを集めれば楽しみはどんどん増えていく。さらに今回は基地周辺をヘリで移動することもできるので、発展した基地を見る楽しみもある。

 さらにこれに加えて「METAL GEAR ONLINE」があるのだ。

 「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」だけでも“できること”は莫大だ。小島監督にインタビューしたときゲーム作りについて「世界を丸ごと作り、ルールを作ること」と仰っていた。この要素の多さは、まさに世界を作り上げるために必要だったと思えるし、制作時間を要したのも、この作品の出来そのものが体現していると言える。

 「METAL GEAR SOLID V」における“オープンワールド”という大きなゲームシステムの変更に不安を感じる人もいるかもしれないが、それを押してでも飛び込んで損のない世界が広がっていると感じた。9月2日になれば好きなだけこの世界で遊ぶことができる。楽しみに待ちたいところだ。

大胆に攻め込むことも時には必要となる。人それぞれ楽しみ方が無限大であり、フィールドに入る毎に状況は変わる。ある意味一生楽しめるゲームなのだ

(船津稔)