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「Ingress」で世界遺産を制覇!ベトナム縦断1,500kmの旅

エンライテンドが完全制圧する古都フエ

エンライテンドが完全制圧する古都フエ

 ホーチミンから飛行機で1時間と20分。2番目に訪れたのは、ベトナムの古都フエだ。フエは第二次世界大戦終結頃まで続いた阮(グエン)王朝の都であった町で、ユネスコの世界文化遺産に「フエの建造物群」が登録されている。中国の紫禁城に倣った旧市街と、その対岸に位置し、かつてフランス人居留区であった新市街からなり、世界遺産の「フエの建造物群」は、旧市街の王宮を中心とした城壁に囲まれた内側に存在する。郊外には、ティエンムー仏教寺院や阮朝の歴代皇帝の御陵が点在しており、王宮と共に、ティエンムー寺院と、ミンマン帝廟、トゥドゥック帝廟、カイディン帝廟の3帝廟を巡るのが、フエ観光の定番となっている。

フエの新市街から北に川を挟んで旧市街が広がる。川沿いのランドマークはポータルとして登録されている

 フエ滞在は3泊で、到着当日は新市街を徒歩で探索することにした。早速、「Ingress」を起動し新市街を歩いていると、すぐに違和感を感じた。町にあるポータルがほぼグリーン一色で、ポータルの絶対数も非常に少ないのだ。これではホーチミン市内と同様に、敵ポータルハックでAPを稼ぎレベルアップするというプレイスタイルを取ることはできない。味方ポータルをハックする場合、グリフハックを成功させないとAPが獲得できないからだ。自軍が優勢なのは喜ばしいことだが、これほど圧倒的なのも困ったものだと思った。

 これはホーチミンにいたときから薄々感じていたことだが、実はベトナムの「Ingress」プレイ人口は非常に少ない。フエのような地方都市だと、さらにプレーヤーは少ないようで、半径50km圏にCOMMの範囲を絞ると、ほとんどログが流れない状況だった。ポータルキーを所持するポータルに対する攻撃の通知も少なく、さすがにメジャーな観光地や都市部の商業地のポータルは2~3日後には奪還されたものの、なかには数日間一切攻撃を受けずに朽ち果てていくというようなものもあった。

 背景にはスマートフォンの価格が高いことが挙げられる。地方都市であっても端末の販売店は多く見かけるものの、端末の価格は日本の価格より約3割ほど高額であった。ベトナムの物価や平均的な年収が50~60万円であることを考えると、非常に高価であると言える。スマホ所持者が少ないためベトナム人の間では「Ingress」の認知度は低く、ごく少数の現地在住者が、慌てず静かにコツコツと自分のペースでポータルを保守しており、そこに多くの外国人旅行者短期的に訪れて嵐のようにプレイしては去っていくのが常なのだな、といった印象を受けた。

若者をターゲットにしたモバイル端末ショップ。端末の販売価格は日本より高額だ

 フエ新市街はフエの南側に位置する。あわよくばホーチミンまでのロングリンクが貼れないものかと、味方ポータルへのレゾネータ追加やアップグレード、中立ポータルへのデプロイをしながらリンクを試行するも、結局ホーチミンまでリンクできるポータルは皆無であった。それもそのはずフエからホーチミンは600km程度離れており、Link AMPのMODを使わない限りL8ポータルでなければ到達できない。

 自分のレベルが高ければL8ポータルを自力で作ることもできたのだろうが、筆者のレベルはまだ6で自力ではL4ポータルを作るのがやっとで、どうしても他力本願になってしまう。そこで、次への布石として、できるだけ街の外周部分に位置するポータルのリンク可能条件を整え、ポータルキーを入手しておく方針をとることにした。

 「Ingress Intel Map」のモバイルサイトを開いて、次の訪問地であるホイアンやダナンが位置する南西方面に邪魔なリンクがないポータルをチェック。「Ingress Intel Map」のサイトでは、現在の各陣営が保有するポータルの位置やレベルが確認できるほか、特定のポータルから別のポータルに向かってリンクを張った場合に、そのリンクが成立するか否かをチェックすることができる。旅行中にロングレンジのリンクを張る場合、移動してから実は張れませんでした、ということがわかっても、後戻りができないため、「Ingress Intel Map」サイトでの事前の入念なチェックが必要となるのだ。

王宮城壁内部のランドマーク。一時は保存状態が危機的状態であったが、現在は修復が進んでいる

文化遺産フエ王宮でミッションにチャレンジ! 三大帝廟もリンクしたよ

ミッションポータルリスト

 フエ2日目は、王宮の観光に向かった。ホテルからは5~6km離れているものの車で移動すれば15分程度の距離だ。徒歩でたっぷり2時間近くかけ、道中のポータルにおきまりのハック&デプロイを仕掛けながら進む。

 さらにこの日は、自身初となるミッションにチャレンジした。フエ王宮周辺7カ所のポータルを回るミッションで、ミッション地図で見る限り、そこまで大変なミッションとも思えなかった。ところが、いざ取り掛かってみると、これがなかなか進まない。ポータルのハックやアップグレードのお題に加え、ご当地らしい「ベトナム国旗の黄色い部分は何?」といった出題もあり、内容的には楽しいものであったが、灼熱の太陽と徒歩での移動が体力を奪い去る。

 見どころ満載の王宮内部と王宮北側の観光や、点在するポータルをハックしながらということもあって、10時頃ホテルを出発して、ようやくミッションをクリアしたのは19時過ぎ。相当時間はかかったものの、本ミッションを初めてクリアしたプレーヤーとなった。レベルアップを目的とした場合、土地勘のない異国で、しかも観光スポット間の移動と折り合いをつけながらのミッションは効率的ではない。その一方で、いつでもチャレンジできるご近所ミッションとは異なり、格別の達成感が得られるので、ぜひ挑戦していただきたい。

ミッション進行中は、常に画面にナビが表示される。ポータルの範囲に入ると質問がポップアップするものも

三大帝廟で構成したCF

 フエ3日目は、郊外のティエンムー寺院、ミンマン帝廟、トゥドゥック帝廟、カイディン帝廟の4カ所をタクシーで回った。それぞれフエ市街地から20km以上離れており、すべて徒歩で回るのは現実的ではない。ティエンムー寺院に着くと、すでに寺院のポータルは味方が押さえており、一通りの観光を済ませながら、ポータルキーを入手して次のミンマン帝廟へと向かう。ミンマン帝廟は中立ポータルの状態で、帝廟敷地内に数カ所あるポータルにレゾネーター刺し放題の状態であった。

 続くカイディン帝廟、トゥドゥック帝廟も同様で、どうやら郊外にある帝廟には、地元の人はよほどのことでもない限り訪れないようで、まったく争いのない静かな世界である。筆者は、カイディン帝廟からミンマン帝廟へあらかじめリンクを張っておき、最後のトゥドゥック帝廟からミンマン帝廟、トゥドゥック帝廟へと、それぞれリンクを張って、3辺がそれぞれ2km、4km、4kmほどのCFを完成させた。獲得したMUは約1,650。自身過去最大サイズのCFであったため、感慨もひとしおだ。ライバル不在の中部ベトナム万歳!

 せめてベトナム滞在中はリンクを維持できるように各ポータルキーを1つ2つ余分に取っておくようにしていたため、その後もリモートでリチャージすることができた。帝廟巡りが終わりホテルに帰還したのは15時とまだまだ早い時間であったため、フエ市街を徒歩で観光しつつ、もうひとつの川沿いを行くミッションをコンプリート。21時頃までかかったものの2つ目のミッションを無事クリアした。

フエ北西の河畔にそびえるティエンムー寺院の仏塔
三大帝廟をリンク。ついにメジャー観光スポットを結ぶCF完成
ミンマン帝廟は広大な敷地に存在する。御陵にふさわしい静かな場所だ
カイディン帝は19世紀初頭の皇帝であるため、その陵墓も非常に新しくフランス様式の影響を受けている
トゥドゥック帝廟では、修復工事が進んでいた。女性も修復作業に参加している

2つ目に行ったミッションは新市街と旧市街を隔てる河岸にポータルが点在するミッションだ

(谷川ハジメ)