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「Ingress」で世界遺産を制覇!ベトナム縦断1,500kmの旅

自然遺産ハロン湾に到達するも……これが限界というものか!?

自然遺産ハロン湾に到達するも……これが限界というものか!?

ダウゴウ洞窟の内部

 ダナンから中部ベトナムを後にした筆者が向かったのは、北部の港町ハイフォン。空港から市街地まではタクシーで移動し、市街地のバスターミナルからバスに乗り継いで、一路ハロン湾へと向かう。ハノイの南東に位置する世界自然遺産ハロン湾へは、ハノイからバスで3~4時間かかるのに対し、ハオフォンからは約1時間30分と、半分程度の時間で行くことができる。ハロン湾滞在は1泊。いよいよハロン湾横断のリンクを狙う時が来た。

 ところが、この大事な時に通信状態に深刻な問題が発生した。3Gで繋がってはいるものの、今まで滞在した都市と比較して通信スピードが格段に遅い。ハロン湾を周遊する船内や上陸した島にいたっては、3Gの電波が届かず、エッジスピードになってしまうのだ。回線速度の低下は「Ingress」をプレイする上で致命的で、あらゆる操作に対し数分間反応が帰ってこない。結局、洋上では「Ingress」アプリの再起動や、モバイルデータのオンオフを繰り返しても結果は同じで、3Gを掴むことはなかった。こればかりは、もうどうすることもできない。ハロン湾に浮かぶ島からフエ、ダナン、ホイアンへの約550kmのロングリンクは、思わぬ形で失敗に終わってしまった。

世界自然遺産ハロン湾の風景

ハイフォンからハロン湾に架かるCFのアーチ

 その後、船が埠頭に戻った時、なんとか3G接続は回復したものの、高レベルポータルが付近にまったくない。自力で埠頭のポータル攻略し奪還してもL5ポータルにするのがやっとの状態で、結局3Gであっても550kmリンクは不可能な状態であった。ここにきてハロン湾に大アーチをかけるという夢が、完全に潰え去った。その後、筆者が奪還したポータルからハイフォン空港へ誰かがリンクを張って、ハロン湾に40kmほどの小さいアーチをかけたようだが、これは自分自身の手によるものではない。ハロン湾岸のポータルキーは手に入れているため、次回ベトナムに旅行する際、ニャチャンあたりから800kmのロングリンクに挑戦しリベンジすることを誓った。

ハノイのランドマークとタイ湖畔

ハノイ、タイ湖東部に浮かぶCF! 湖畔と世界遺産タンロン遺跡をリンク!

 ハロン湾で夢破れた後に向かったのは最後の目的地である首都ハノイ。バスでハノイに向かう道中、かなり広範囲にレジスタンス側ポータルがハノイの南側をブロックしていることに気がついた。これでは、今まで立ち寄ったすべての都市にリンクが通らない。結果、ハノイでの活動は、やや消化試合気味ではあったものの、ハノイ市内最大の湖であるタイ湖の北東岸と、世界遺産のタンロン遺跡、ハノイフラッグタワー、ホーチミン博物館などにリンクを張り、湖上と市街地の一部にCFを作成した。得られたMUは約4,000と決して大規模なものではなかったが、最後の最後まで世界遺産のリンクにこだわった「Ingress」プレイとすることができた。帰国直前のアクティブなリンク71、所持ポータル数は118、アクディブなCFは32、MUは109,247と、十分な満足感が得られた。

ハノイ市街地の最終リンク結果と旅行による成長

 実際のところ、レベルアップのみを目的にするなら、リンクやCF作成で得られるAPは距離やサイズに関係ないため、短距離に密集してポータルが存在する場所で、リンクを作りまくった方が効率が良いだろう。また、エンライテンドとレジスタンスの優劣を決めるMUに対しても、たとえ面積が小さくても人口密集地にCFを作った方が貢献度が高い。CF作成によって獲得できるMUの値は、そのエリア(セルという)内の接続端末数から人口密度を仮定して算出していると言われているからだ。では、なぜ大きなCFを目指すかというと、そこにロマンがあるから、としか言いようがない。

 ベトナムでは、筆者のようにレベル8に満たないプレーヤーであっても、好条件が整っていたことから幸運にも84kmのリンクを持つCFを作ることができた。日本国内、少なくとも都市部では、ポータルの登録が相次ぎ、プレーヤー人口も非常に大きいため、なかなか広範囲のCFを作ることは難しいように思う。とはいえ、上手に山間部のポータルを使って作られているものが常時存在しているし、過去のイベントにおいてプレーヤー同士の協力で日本が沈むほどの巨大CFが形成されたこともある。難しい環境の中で日夜奮闘する日本の「Ingress」プレーヤー諸兄に敬意を表する一方で、たまには海外遠征をして日常と異なるプレイを楽しんでもらえたらと思う。

(谷川ハジメ)