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スクエニ「LORD of VERMILION ARENA」アルファテストレポート

「PING」を駆使して連携を取りつつ、熱い競り合いを制する!!

「PING」を駆使して連携を取りつつ、熱い競り合いを制する!!

連携を取るのに欠かせない「PING」。ミニマップ上にマーカーを出しつつチャットができ、敵の発見報告や警戒、自分の進むルートや提案も可能だ

 画面は自分のキャラクターが常に中央にいる三人称視点。ある程度の遠景は見えるが、敵味方のキャラクターはそれなりに近づかないと判別ができないようになっている。また、味方や発見済みの敵であれば、建物越しでもシルエットが表示される。これを活かして、路地越しにウロウロして敵を誘いこんだりといったテクニックも可能だ。

 広いフィールドに7vs7という多人数バトル、さらには戦略が重要なので、なんといっても連携でありチームプレイが重要。とはいえ、このアルファテストではソロで参加しマッチングされる、いわゆる野良状態。連携なんてとても……と思いきや、「PING」という簡易メッセージ機能が非常に優秀だった。

 「PING」は画面左上のミニマップ上でマウスを右クリックすると、その場所にエコーマーカーを出しつつ、ラジオチャットを送れるというものだ。右クリックしてから上下左右でチャットの使い分けができ、右クリックだけなら「敵が来る!」的な注意を促すもので、左右は敵の発見や見失ったというメッセージとなる。

 また、ガードタワーやミニオンアークなどの拠点上でPINGを使うと、上下で「自分がそこに向かう」的な自分の目標報告や、「ここを狙いましょう」というチームへの提案もできる。さらに、ミニマップ右のルートA/B/Cなら、自分が進むルート報告や提案も同様にできる。もちろんテキストだけでなくボイスが流れるので把握しやすい。

 そんなPINGを使って、対戦スタート直後に行なうのが、「ミニオンアーク」へのアプローチ。自分が左右のミニオンアークのどちらに行くのか、もうひとつの方はチームメイトがしっかり向かってくれるのか。そのあたりのやりとりがバリバリと行なわれる。

 最序盤の攻防は、このミニオンアーク占拠争いだ。もちろん敵も同じようにミニオンアークに向かってくる。ミニオンアークの争奪は、敵が居ない間にこっそりだったり、仲間と一緒に進んで力押しで奪い取ったりと、激戦が終始続く。

 タワーから排出されるミニオンは非常に重要だ。ガードタワーが防衛のために撃ってくる弾はダメージが大きくて強烈なのだが、それはミニオンに受けさせつつ、プレーヤーは横からガードタワーを叩くことになる。ミニオンアークの占有率が最終的に響いたなと思える試合が何度もあった。

 ミニオンに混じって敵のミニオンを倒したり、ガードタワーを破壊したりすれば、マナが順調に貯まっていく。そうなれば、ある程度のところでホームへと帰還して、より強力な使い魔が召喚できる。また、使い魔は追加マナを消費して真化、さらに超真化とパワーアップも可能。できれば高コストな使い魔を超真化まで持っていきたいところだ。

 敵に倒されてしまった場合は、ホームからのリスタートとなる。使い魔がやられると復活までに召喚コストに応じた待ち時間がかかるので、立て直しをどう図るか、復活を待たずに進むか、待つか、それともアルティメットスペルの「リザレクション」があれば、それを使って強制復活させるか……このあたりは戦況次第だ。

青と赤の小さいユニットが「ミニオン」。敵のミニオンを倒してマナを稼いだり、味方のミニオンを盾にしつつガードタワーを攻撃したりと、重要な存在だ
使い魔は復帰までに時間がかかるので、倒されてしまった後にそこからどう行動するかがポイントになる。「PING」も出しつつ、状況を把握して的確に動きたい
体の向きを調整するのも大事。画像の赤い扇状の範囲に敵を入れないと攻撃できない

 敵との戦闘では、キャラクターの向きが非常に重要だった。キャラクターは正面にしか攻撃ができないので、右クリックを押しながらのマウス操作で向きを常に変えていく。同時に左クリックを押している間は攻撃するというものだったので、プレイ中はほぼ左右クリック押しっぱなし、というスタイルになった。敵が体の向きから外れていたり、射程距離から離れていたりすると、自キャラも使い魔も攻撃してくれないので、微調整が大事だ。

 使い魔のアクティブスキルも戦いを左右する。各使い魔ごとに発動型の特殊攻撃を持っていて、使い魔のカードのアイコンか、キーボードの1~4キーで発動できる。スキルを撃ち出す方向をマウス操作してから発動というものになるが、スキルキーを押下した時点でカメラ前方(キャラの向いている方向)にマウスカーソルの位置を補正するので、乱戦時に狙いをつけずに(つけられないままに)即発動という荒っぽい使い方でも結構、役に立ってくれる。アルファテスト段階ですでにこのあたりの細かな調整がなされているあたり、よくできていると感じた次第だ。

 ゲームの流れに慣れてくると、ホームに戻るごとに「次はどうするべきか」と考え、戦況を伺うようになる。PINGで提案を出しつつ、敵が密集しているあたりに総力戦をかけるのか、そう見せておいて別のメンバーに裏をついてもらうのか。動いている時よりも、使い魔の復活待ちの時間の方がむしろ頭は忙しく働かせるぐらいだ。

 ある程度、戦闘時間が経過するとデッキ内の使い魔を「生贄」に捧げられるようになる。生贄にすれば、その使い魔のコストに応じてマナが即座にもらえるので、この先の召喚プランを考え、いらないものを生贄に出していく。連れて歩けるのは最大4体だし、設置もそれほど使わないというのなら、デッキ内6枚のうち2枚ぐらいは生贄行きで問題ない。

 もちろん相手チームもそうした手段を駆使して使い魔を揃え、強化してくる。そうした“マナ稼ぎの積み重ね”をどれぐらい上手くできたかで、個々の戦力差が開いていく。

使い魔の特殊能力「アクティブスキル」は撃ち出す方向も大事。ただ、オプションにも項目がある補正で敵を狙ってくれるので、即座に発動させてもある程度当たってくれる
残り時間とマナを考えて、もう出番のなさそうな使い魔を「生贄」にしてマナ獲得。高コストの使い魔を呼び出す。生贄用にマナ還元の高い高コストの使い魔を組み込んでおくのも手だ
互いの戦力が集結してぶつかりあうとこんな密集状態にも

 移動を駆使した駆け引きも非常に重要だ。画面が三人称視点なのがポイントで、正面ばかり見ていると、後ろから敵に迫られて挟み撃ちにあったり、逆に味方が敵の背後をついてくれたり。「あと少しで倒せる!」と思わせ、逃げて、味方が多くいるところに引き込んだり、建物越しに逃げ回って時間を稼いだり。対人戦である以上、“自分の動きに対して、それを見た相手が反応する”という要素があるので、移動での駆け引きが勝敗に大きく関わってくる

 そうした揺さぶりもありつつ、中央付近の均衡が崩れてくる頃には、互いに使い魔を複数引き連れ、真化させているような状態に。ミニオンも含めると、結構な数のキャラや使い魔が入り乱れる場面になるが、前述のように動作は軽快。互いが集結しての総力戦のような状態になると、入り乱れすぎて画面が見づらくなるところは少々気になったのだが、それもひとつのゲーム性とも言える。把握しづらい混戦に飛び込むのはリスクもあるが、敵の隙を突けるチャンスでもある。現段階はまだアルファテストなので、今後どうなるかが楽しみなところ。

 試合も終盤になってくると、残り少ない時間の中で何ができるかという計算も必要になってくる。優勢・劣勢が大きく付いている時は、戦術の積み重ねが重要なゲーム性だけにひっくり返すのが難しいが、競り合っている時は個々の一瞬の判断が明暗を分けていく。相手プレーヤー&使い魔撃破でのアルカナコアダメージを狙っての、アルティメットスペルも駆使してのぶつけ合いあたりはかなり激しいものに。タイムアップ後の表示が出るまで、勝敗の行方がわからない試合も多々見られた。

 終盤の緊張感と、「わずかに負けているか!?」という局面から逆転できた時の嬉しさはかなりのもの。セオリーと戦術が見えてきて、そういった“良い対戦”を味わうと、どんどんと続けて対戦していきたくなる中毒性が味わえた。

激しいぶつかりあいでアルカナコアへのダメージ獲得を狙っていく。アルティメットスペルをここぞという時に駆使するのも大事だ

ゲーム性をしっかり楽しめるほど既に完成度は高い。今後に期待大!

7人で連携して勝利を目指す! テストながら筆者は熱中してプレイしてしまった

 動作検証用のアルファテストという段階ではあるが、そこはさすが「LoV」シリーズということもあり、既にゲーム性をたっぷり味わえる出来となっていた。仕事そっちのけでサーバー開放時間の限り、遊び続けてしまったほどだ。自キャラや使い魔のボイスも既に搭載されていて、ゲームモード等に制限こそあったが完成度の高さが感じられた。

 7vs7という多人数バトルであり、フィールドも広い、シリーズ作の中でも最大規模の戦いが楽しめるのが醍醐味で、それを快適に、奥深く楽しむため、「PING」という秀逸なチャット機能が支えている。野良チームでも理解できている人同士なら、すんなりと戦略的な動きが楽しめた。今後も非常に楽しみな作品なので、興味を持った人は今後のテストでや製品版の動きをぜひ、チェックして頂きたい。

(山村智美)