「テイルズウィーバー」初となる召喚士キャラ「アナイス」先行体験レポート

サーバー統合についての運営チームへのミニインタビューも掲載


3月28日実装予定



 株式会社ネクソンは、Windows用ファンタジーMMORPG「テイルズウィーバー」において、新プレーヤーキャラクター「アナイス」を3月28日に実装する。本稿では実装前に「アナイス」を体験することができたのでインプレッションをお伝えする。

 また3月28日に行なわれる新サーバー追加と、「アナイス」の実装について、株式会社ネクソン運用本部運用部ゲーム運用1チームチームリーダーの柳本隆氏に話を伺うことができたので、こちらのインタビューもお届けする。




■ 「テイルズウィーバー」初となる召喚士スタイルのキャラクター「アナイス」

 「アナイス(アナベル)・デル・カリル」は、以前からNPCとして存在していて、2006年に将来的にプレーヤーキャラクターとして実装されることが発表され、ファンの間でながらくPC化が待たれていたキャラクターだ。

 二重人格の持ち主というユニークな設定になっており、「アナイス」と「アナベル」という2つの人格が切り替わる。どちらの人格になっているかでビジュアルが違い、「アナイス」の時はトレードマークであるピンクの髪をほどいておろしているが、「アナベル」になるとリボンをつけた状態になり、クマのぬいぐるみを抱えているシーンが多い。

 「アナイス」のスタート地点は「リモナード」という町。このゲームの舞台は「母なる星テシス」にある「アルミド大陸」だが、この町は「アルミド大陸」にはなく、どこにあるかわからない。しかし「テシス」で捨てられたモノ達が集まる町で、捨てられたモノ達は過去の記録を失うことで、住人として生きていけるという設定になっている。

 この町は不思議な世界観で、メルヘンのようにも見えるが、どことなく陰鬱な雰囲気が漂う町となっている。この町を出ると「名もなき森」というフィールドに出て、出現するモンスターもブリキのおもちゃやマトリョーシカの様に捨てられたモノ達から構成されている様子だった。

【スクリーンショット】
「アナイス」のスタート地点になる「リモナード」の町。メルヘンのような雰囲気だが、どことなく陰鬱な雰囲気が漂っている
「リモナード」の外に広がるフィールド「名もなき森」。出現するモンスターもブリキのおもちゃのようなモンスターに見える。このモンスター達も捨てられたモノ達だろうか

 「アナイス」は「魔法人形型」、「破壊精霊型」、「守護精霊型」という3つのスタイルが用意されており、どのスタイルも主に召喚獣を使って攻撃を行なうため、専用の新たなスキルスロットと、召喚獣のスキルレベルやステータスが確認できるUIが追加されている。

 「魔法人形型」はクマのぬいぐるみを召喚して戦うスタイルで、「ミカベア」という範囲攻撃が得意な魔法人形と、「ルシベア」という単体攻撃が得意な魔法人形のどちらかをメインに召喚して戦うことになる。魔法人形は今まで実装されていたペットと違い、自身がヒットポイントとステータスを持っており、敵からの攻撃を受ける。ヒットポイントがなくなると魔法人形が消えてしまい再度召喚する必要があるが、詠唱にかかる時間が少し長めになっており、戦闘中に召喚しようとするとダメージを受けて詠唱がキャンセルされる可能性がある。

 実際に2つの魔法人形を試してみたが、どちらの魔法人形もかなり強力な印象だ。敵からの攻撃もまずは魔法人形が受けるので、「アナイス」の装備が整っていない状態でも、快適に狩りをすることができるだろう。範囲攻撃が得意なタイプと、単体攻撃が得意なタイプ両方を使い分けることができるのも、このタイプのポイントになるだろう。しかし先ほど紹介したとおり詠唱時間が長めなので、戦闘中に何度も切り替えて戦うのは難しい。狩場にあわせてあらかじめ安全地帯で召喚して向かうのが良さそうだ。

【スクリーンショット】
新たに実装される召喚獣専用のインターフェイス。魔法人形のレベルが上がると見た目も変化する
「ミカベア」を使って攻撃したところ。魔法人形が敵の群れに突っ込み、範囲攻撃を行なっている

 「破壊精霊型」、「守護精霊型」は共に精霊を召喚して戦うスタイルだ。精霊が魔法人形と大きく違うのが、ヒットポイントやステータスを持っていないという点だ。この特徴により、敵は精霊を攻撃することはなく、直接「アナイス」をターゲットしてくるので、「魔法人形型」よりも、装備などを充実させる必要がある。また精霊型は精霊が消滅することと引き替えに「聖域」という魔方陣を発動させることができる。「聖域」の種類により、魔方陣上にいる敵にはダメージが与えられたり、パーティーメンバーには回復効果があるなど、様々な効果を受けられる。

 「破壊精霊型」は、「アンフェル」というオールマイティに戦える雷属性の精霊、「グレシス」という移動低下などの効果を与えられる氷属性の精霊、「イグニー」という強力な範囲攻撃が使える炎属性の精霊のいずれかを召喚して戦う。

 どの破壊精霊も「聖域」スキルがかなり強力で、上手く敵を「聖域」上に誘導すると継続的にダメージを与えられ、更に再度「精霊」を召喚して攻撃を行なうと合計でかなりのダメージを与えることができた。特に「グレシス」の「聖域」では敵の移動スピードと攻撃スピードが減少する特殊効果もあったので、対人戦だけでなく普通の狩りでもかなり重宝するだろう。

 「守護精霊型」は「エアル」という風属性の精霊、「ロキ」という土属性の精霊、「ルミエ」という光属性の精霊のいずれかを召喚して戦う。

 守護精霊の主なスキルはパーティーメンバーにバフをかけるなど、パーティープレイ向けのスキルが揃っており、範囲攻撃スキルは破壊精霊などのスキルに比べると少し弱めになっているが、単体攻撃のダメージは破壊精霊にも劣らない威力を持っている。また「守護精霊型」の「アナイス」のみ使用できる「シナジー」というスキルを使うと、6秒程度と短い時間だが、精霊の攻撃ダメージが追加される。

 体験前は「守護精霊という名前からあまり攻撃には向かないのでは?」という先入観を持っていたが、実際にプレイしてみると確かに範囲攻撃はないが、単体攻撃のダメージはかなり大きく、アタッカーとしても活躍できそうだ。しかしパーティーメンバーにバフをかけつつ、アタッカーとしての役割を果たそうとすると、かなり操作が忙しくなるので、テクニカルな操作をしたいユーザー向けだろう。

【スクリーンショット】
単体攻撃に優れている「ルシベア」。狩場や状況によって使い分けよう
精霊固有のスキルである「聖域」。上にいるだけでモンスターにダメージを与えられる
守護精霊の「聖域」はチームメンバーにバフを与えるような効果になっている




■ 運営チームの柳本氏へのインタビュー。サーバー統合の目的とは?

ネクソン運用本部運用部ゲーム運用1チームチームリーダーの柳本隆氏
2008年と2012年のアクティブユーザの比率。2008年は平均的にばらついていたのが、2012年はティアに集中していることがわかる

――サーバー統合を行なうことになった理由を教えてください。

柳本氏: 現在の「テイルズウィーバー」はサーバー間の人数差が非常に大きい状態になっています。この人数差をなくして、ユーザーに快適なプレイ環境をお届けするというのが目的です。

 こちらの図を見て頂くとわかるのですが、2008年の時は大体どのサーバーにも均等な比率になっていたものが、2012年のデータを見ると「ティア」サーバーに一極集中しているんですね。これを改善するための統合になります。

 元々「テイルズウィーバー」はソロでも遊べるようなゲームデザインになっていたんですが、この数年の間に「ネオテシス」や「オルリー防衛戦」といったパーティープレイ向けのコンテンツが増えてきました。そのためよりパーティーを組みやすいサーバーに行きたいという心理が働き、「ティア」にかなり人が流れている状態になります。

――なるほど。それではこのタイミングでサーバーを増やす理由を教えてください

柳本氏: 一番新しいサーバーは「ザン」というサーバーなんですが、これはが2007年12月に追加されました。その追加から4年以上新規サーバーがなかったのと、「アナイス」を実装するタイミングで、新サーバー独特のスタートラインの盛り上がりや、新しいコミュニティを作ってサーバー文化をはぐくんでいくという楽しみを体験して欲しいと思って、新サーバー「モエン」を追加することになりました。そのため全プレイヤーが0からのスタートとなるように「テイルズオープンマーケット」を利用禁止にさせて頂いています。

――先ほど「ティア」サーバーへの集中が問題になるとおっしゃっていましたが、新サーバーにユーザーが集中してしまう可能性もあるのではないでしょうか?

柳本氏: 確かにその可能性はありますが、サーバーの性能面では「ティア」サーバーで実績がとれているので、ラグなどが発生する可能性は低いです。また他のサーバーも統合によって、今の「ティア」サーバーと同じ水準までアクティブユーザーが増加するので、問題はないと思います。

――「アナイス」についても教えてください。以前は昨年中の実装を目指していたと伺いましたが、少し遅れてしまった理由は何かあるのでしょうか?

柳本氏: 開発チームが、新しい操作感のキャラクターを用意したいということで、今までの「テイルズウィーバー」にない操作ができるようになっています。この開発のため少し遅くなってしまいました。

――「アナイス」をオススメするユーザー層などはありますか

柳本氏: 3つのスタイルがあって、それぞれでターゲットが異なってくると思います。「魔法人形型」はモンスターのターゲットが召喚した魔法人形に向き、プレイヤーの代わりに戦ってくれるので、新規で始めて資産がない状態でもある程度戦えると思います。「魔法人形型」に比べると精霊型は少し上級者向けかもしれません。

――ストーリーの見所などはありますでしょうか

柳本氏: 6年前に発表したエピソード2の5キャラクターが全て実装されることにより、今まで中々進まなかったストーリーが劇的に進んでいきますので、そこに注目してください。

――ちなみにキャンペーンで「アナイス」のフィギュアを作成されていましたが、これはどういうきっかけだったんでしょうか?

柳本氏: 物語の根本に関わるところなので詳しくは言えないのですが、「アナイス」は熊の人形を大切にしおり、ストーリー中でも人形というキーワードが重要になってくるので、制作しました。ですので今のところ他のキャラクターのフィギュアを作成する予定はありません。

――それでは最後にサーバー統合と「アナイス」実装についてユーザーにメッセージをお願いします

柳本氏: 3月28日の新サーバー追加と6月のサーバー統合をおこなうことによって、「テイルズウィーバー」が抱えている様々な問題が解決できると思いますので、これからもよろしくお願いします。「アナイス」については今までになかった新しい操作ができるキャラクターとして開発されているので、3月28日の実装の際はそれを体験してみてください。

――ありがとうございました

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(2012年 3月 24日)

[Reported by 八橋亜機]