ネクソン、「テイルズウィーバー」開発/運営チームインタビュー
2年ぶりの新キャラクター「イサック」登場。12月以降もダンジョンや新エリアを追加


10月27日実装予定


 株式会社ネクソンは、Windows用MMORPG「テイルズウィーバー」において、10月27日に新キャラクター「イサック・デュカステル」を実装する。「テイルズウィーバー」はストーリー要素が濃いMMORPGで、プレーヤーは10人以上のキャラクターから1人を選び、キャラクターの生い立ちや、事件への関わりなどを体験しながらキャラクタ固有のストーリーを進めていく。ストーリー要素と、魅力のあるキャラクターが人気を集めている作品だ。

 今回は、実装に先がけて開発元の韓国NEXTORICテイルズウィーバーチーム チーム長のチェ・ジンホ氏、日本向けのサービスを担当する企画1パート長イ・スンボ氏、イサック担当の企画2パート長ジャン・ジェヨン氏、そしてネクソン事業部マーケティング1チーム坂下智久氏にインタビューを行なった。



■ おじさん拳法家イサック、ソロでも強く、パーティーでは盾役として活躍

韓国NEXTORICテイルズウィーバーチーム チーム長のチェ・ジンホ氏
日本向けのサービスを担当する企画1パート長イ・スンボ氏
イサック担当の企画2パート長ジャン・ジェヨン氏

 「テイルズウィーバー」で10月27日に登場予定の新キャラクター「イサック・デュカステル」は2年ぶりの新キャラクターで、韓国に先がけての登場となる。これまでのキャラクター同様、プレーヤーキャラクターとして選択でき、凝ったストーリーが展開する。ちなみに、イサック登場に際し、キャラクタースロット追加などは行なわれない。

 開発元のNEXTORICテイルズウィーバーチーム チーム長のチェ・ジンホ氏は、「以前のインタビューで予告していた時期から、バランスなどの調整で遅れてしまい申し訳なかったです」と語った。イサックは他のキャラクターのシナリオにも登場していたが、イサックの視点でストーリーを進めることで、新しい展開を迎えていくという。

 イサックは近接攻撃を得意とする格闘家で、「大陸北部カムジャク族の英雄」であり、サンスルリア女王の夫だが、現在は放浪の旅に出ているという。年齢は35歳で、妻と娘がいる。若い男女が多い「テイルズウィーバー」のプレーヤーキャラクターとしては異色といえる存在だ。

 イサックの登場は、本作の原作小説「ルーンの子供たち」に出てくる主要人物の1人で登場することそのものは決まっていたという。イサック担当の企画2パート長ジャン・ジェヨン氏は、「おじさんキャラクターなので、実をいえば日本のユーザーに受けるのか、不安な部分はあります。しかし、ゲームキャラクターとしてみれば、スキル、攻撃力が他のキャラクターに比べても強く、爽快感のある戦いができます。そして、ストーリーでは穏やかだったり、かわいらしい面もあるので、戦闘とのギャップも面白く感じられるキャラクターになりました」と語る。

 イサックでプレイする場合は、1レベルからキャラクターを育てることになる。キャラクターを育てやすくするため、ソロプレイもしやすいように強めのキャラクターになっている。一方で、パーティープレイをする場合は、高い防御力でパーティーの盾になるキャラクターになるという。使用武器は突き属性の「クロー」と切り属性の「カーラ」で、どちらもイサック専用武器だ。

 「テイルズウィーバー」は1つのキャラクターに3つの成長の方向性が用意されており、イサックは「高い近接攻撃力と防御力」という基本は共通しながらも、「近接特化」、「気功攻撃が強い」、「反撃能力が高い」というそれぞれ違った方向性のスキルを習得していくことになるという。スキルは拳法をイメージして、スキルには漢字名がつけられるものが多いという。

 ジェヨン氏がお気に入りのスキルは多数の敵を相手にしているとき、一体を攻撃するとその気が次々と他のターゲットに移っていくという気功攻撃の「気脈撃」と、周りの敵を気絶させる「獅子吼」だという。「獅子吼」は原作小説で、イサックが多数の敵に囲まれたとき、声だけで相手を逃走させるという場面があり、これを再現させたかったという。ゲームでは気絶した敵の頭の上にはヒヨコではなく、本作のモンスターの「ゼリッピ」がくるくる回るというエフェクトが出る。

 ストーリーとしては「アナイス」という女性キャラクターと特に縁が深い。アナイスは次に実装される予定のプレーヤーキャラクターで、ストーリーでは彼女が戦う姿も見ることができるという。日本向けのサービスを担当する企画1パート長イ・スンボ氏は「イサックは子供のような無邪気さと、小心者のところがありコミカルな面もあるのですが、一方戦いでは相手を動じることなく倒す冷酷さを感じさせる一面もあります。原作では権力を持っている傭兵として出てくるのですが、ゲームでは少し違い、風来坊として活躍します。チームで作り上げたオリジナルストーリーを展開していく予定です」と語った。


イサックのイメージイラスト。妻と娘との幸せそうな姿だ
イベントシーン。コミカルな展開を感じさせるが、シリアスさも併せ持ったキャラクターということで、どんなストーリーが展開するか楽しみだ
スキルの使用画面。左から、拳を交互に打ちつける「スラムバン」、敵の急所を足で攻撃しSPを減少させる「ミックスアップ」、声をぶつけ敵を気絶させる「獅子吼」
直線上の敵を攻撃する「龍点穴」、中央と右は地面に拳を叩きつけ気で周りの敵を攻撃する「発勁・乱」



■ 新ダンジョン、新地域、新たなチャプター……積極的に行なわれるアップデート

ネクソン事業部マーケティング1チーム坂下智久氏
イサックのデモプレイを行なうネクソン運用部ゲーム運用1チーム齋藤英夫氏

 「テイルズウィーバー」はさらに12月にもアップデートを予定している。12月には、「グリンツ鉱山」という既存のダンジョンに、ボスモンスター「ゴーレム」とゴーレムに挑戦するための部屋が追加される。難易度としては中級者向けとなっており、インスタンスフィールドで最大15人のチームで挑戦できる。以前登場した「イフリート」より強力で、攻撃のエフェクトが派手で、特に「連打」の攻撃が強力だという。ボスとの対決はパーティーで挑戦することができる。

 この他、キャラクターのバランス調整を予定している。どのキャラクターになるかはまだ秘密だが、イサックという強めのキャラクターが登場したこと、「グリンツ鉱山」のボスや4人で挑戦するダンジョン「ネオテシス」など、パーティープレイが必要となるコンテンツが増えていることを受け、キャラクターの特性を強化しつつ、協力プレイがより楽しめる方向でのバランスの見直しを行なう予定だ。こちらも12月に行ない、その後他のキャラクターにも手を加えていく。

 2011年には、これ以外のキャラクターバランスに加え、未実装の地域の内1つを追加していく。この地域はさらなる高レベル向け地域を予定している。新ストーリーである「チャプター6」が導入され、イサックを含む12人のキャラクターのストーリーが進行するという。また、「アナイス」も登場する。アナイスの登場は、「チャプター6」実装後となる。ストーリーは、12人分を一気に入れるか、段階的に入れて行くかは検討中だ。なお、アナイスは他の12人が絡むストーリーは、次の「チャプター7」で展開する予定だ。

 さらに検討中の案としては、「ハウジング」も考えている。この他、現在のレベルキャップであるレベル255の上限を上げていくか、それとも「転生」といった方法でレベルを1に戻しより強くなったキャラクターを育てていくのか、高レベルキャラクターの「さらなる成長要素」をどう提供していくかも考えている。

 ここ最近の傾向として、「テイルズウィーバー」では、課金アイテムを購入することで進める「植木鉢」のイベントが毎月実施されている。課金アイテム購入によるイベント参加というのは、他のゲームではあまり見ないため、意図を質問してみた。坂下氏は、「『テイルズウィーバー』のイベントはそれだけでなく、無料で楽しめるイベントがあった上での、“エクストラ”としてのイベントとして楽しんでいただければと思います。参加している人は楽しめる一方で、この課金イベントで入手できるアイテムがなければ他の人においていかれる、という状況はないようにしています」と語った。

 ジンホ氏は「今後も、全体的な方向性、大きなコンテンツに関しては、高レベル向けの傾向が強くなっていきます。もちろん、中級者向け、初心者向けのコンテンツも考えていきます。2010年はこのイサックや、PvPコンテンツである『シルバースカル』など遊びの幅を広げる要素を導入しましたが、2011年は、高レベル向けの縦の方向での要素を追加していく予定です」という。

 坂下氏によれば、日本での広報展開としては、新作のTVCMも予定しているという。2年ぶりの新キャラクター導入と言うことで、幅広いユーザーに注目してもらうために、公式ページでグラビアアイドルの手島優さんを起用したプロモーションなども行なっている。公式ページには手島優さんが登場するミニゲームが遊べるようになっており、こちらもチェックして欲しい。


左が「グリンツ鉱山」のボスが待ち受けるフロア。中央がゴーレムだ。右は「テイルズウィーバー」の全体マップ。灰色の部分はまだ未実装のところで、2011年にこのうちの1地域が追加されるという。日本でも6年運営されている「テイルズウィーバー」だが、まだまだ未実装の地域が多いのがわかる

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(2010年 10月 21日)

[Reported by 勝田哲也]