「G-Star 2010」の最注目タイトル「Blade & Soul」はどうなった?

NCsoftに韓国版の現状を聞く。コンシューマー版も登場か?


11月8日 収録



キム・ヒョンテ氏によるキャラクターイラスト

 昨年開催された「G-Star 2010」において最も注目を集めた、韓国NCsoftのWindows用MMORPG「Blade & Soul(ブレイドアンドソウル)」。韓国の次世代MMORPGとして期待されていることに加え、キム・ヒョンテ氏が描く独特なビジュアルを3Dで見事に再現したこともあり、日本でも注目しているゲームファンは多いだろう。

 しかし今年の「G-Star 2011」には、同社が開催したプレイベントも含めて、「Blade & Soul」は影も形もない。韓国では8月から9月に第2次クローズドβテスト(CBT)が行なわれ、そちらの様子は弊誌でもレポートしているのだが、それ以降の動きが見られないのだ。

 「Blade & Soul」は今いったいどうなっているのか? NCsoftで本作のPRを担当しているKim Yohan氏に短いながらもお時間をいただけたので、現在の状況や伝え聞こえてくる噂話なども含めて話を伺った。




こちらは昨年の「G-Star 2010」で公開されたゲームのスクリーンショット。キム・ヒョンテ氏のイラストのテイストを3Dグラフィックスでうまく再現している

――「Blade & Soul」は現在韓国でどういう状況ですか?

Kim Yohan氏: 5月に第1次CBT、9月に第2次CBTを行ないましたが、その際にユーザーから多くのフィードバックをいただいたので、それを反映する作業を行なっています。開発作業がいつまでかかるかはまだ見えておらず、オープンβテストの開始時期も未定です。今のところは年明けくらいにできればと思っていますが、NCsoftは中途半端なものは出しませんので、時間がかかるかもしれません。

――どういった部分を手直ししているのでしょうか?

Kim氏: 本当に幅広いフィードバックをいただいています。フィードバックが最も多かったのはPvP部分についてでした。他にもスキルのバグ修正や、インベントリを増やして欲しいといった要望の対応なども行なっています。しかし作業はそれだけではありません。OBTはローンチの直前ですから、そこで完成したものをお見せしなければならないので、コンテンツの追加も合わせて進めています。

――韓国のユーザーから多かった要望はどういったものがありますか?

Kim氏: 全体的にはご満足いただけているようです。ただ、操作が難しいという声はありました。パーティープレイでスキルを一緒に発動させることで強力な効果が発動するというものがあるのですが、そのタイミングを合わせるのが難しいようで、上級者と初心者の差が大きく出てしまっていました。そこが操作に不慣れな方から不満に感じられたようです。

――アクション性の高さも特徴のゲームですが、そこに対しての声はいかがですか?

Kim氏: 高い評価をいただいています。今までにないスタイルで、斬新に感じていただけているようです。韓国はコンシューマーゲームがあまり普及していないことも影響しているようです。

――コンシューマーゲームといえば、「Blade & Soul」がコンシューマーゲーム機でも出るという噂を聞きました。これは本当なのですか?

Kim氏: 最優先事項はあくまでPC版で、PC版の開発に集中しています。NCsoftはチャレンジ精神の強い会社ですので、コンシューマーゲームにも挑戦したいという姿勢は持っています。「Blade & Soul」の開発チームは、コンシューマーゲーム機に向けた開発も行なっています。しかしそれはあくまでPC版が完成してからのことで、今はまだ実験的な段階です。

――それは日本のゲームユーザーにとっても楽しみな話題ですね。ちなみに日本では「Blade & Soul」のサービスについてまだ正式な発表がない状態ですが、おそらく来るであろうという前提で、日本のゲームユーザーに向けて一言アピールしていただけませんか?

Kim氏: 「Blade & Soul」の1番の魅力は、キム・ヒョンテ氏のイラストがそのまま3Dオンラインゲームで再現されたグラフィックスです。2番目は、MMORPGでありながらコンシューマーゲームのようなアクション性を実現したことです。3番目は綿密なストーリーラインです。大きな流れとしては師匠を殺した一味に対する復讐の物語で、主人公の成長とともに描かれていきます。日本のゲームユーザーはストーリーを大事にすると感じていますので、きっと気に入っていただけると思います。

――完成を楽しみにしております。ありがとうございました。




 スケジュール的にはまだまだ不透明といった感じではあるが、サービス当初から重厚で完成度の高いコンテンツを提供したいという姿勢は好感が持てる。また実験段階とはいえ、コンシューマー版の開発にも着手しているというのは、韓国よりむしろ日本のゲームユーザーにとって喜ばしい話だ。日本でのサービス提供の発表と合わせて、今後の展開を期待して待ちたい。


Blade & Soul (R) is a registered trademark of ncsoft Corporation. Developed by Team Bloodlust. Copyright (C) ncsoft Corpration. All rights reserved.

(2011年 11月 11日)

[Reported by 石田賀津男]