G-Star 2010レポート
ncsoft、MMORPG「Blade & Soul」開発者インタビュー
物語は「神話ではなくテレビドラマに」。新たなゲーム映像も公開
韓国ncsoftは、釜山で11月18日より開催されているゲームイベント「G-Star 2010」に先駆け、同社の出展内容を発表するプレスカンファレンスを11月16日に開催した。
今回の目玉タイトルであるWindows用MMORPG「Blade & Soul」については、先行体験会と、開発者への合同インタビューの時間が取られた。本稿ではこのうち、インタビューの内容についてお伝えする。体験会についての記事はこちらに掲載しているので、合わせてご覧いただきたい。
インタビューにお答えいただいたのは、プロデューサーのJames Bae氏、アートディレクターのキム・ヒョンテ氏、レベルデザインチームリーダーのイ・ボンジュン氏、システムデザインチームリーダーのファン・スンジン氏。
■ サービス時期はまだ未定。低スペックで快適に動作するようチューニング中
左から、ファン・スンジン氏、キム・ヒョンテ氏、James Bae氏、イ・ボンジュン氏 |
Q: クローズドβテストの日程は?
A:まだ未定。
Q: ビジネスモデルはどうなりますか?
A:韓国でも未定なので、海外でも未定。どんなビジネスモデルでも対応できるように開発している。
Q: 動作環境は?
A:見た目から感じられるほど高いスペックは求めない。最適化してなるべく低くしたいし、オプション設定の幅も広くしている。GeForce 8600ならプレイできると思う。
Q: 韓国では依然として「AION」が好調ですが、どう住み分けするのですか?
A:「AION」とは市場が異なる。武峡をベースにアジアを意識した世界観もそうだし、ゲームはアクション性を重視し、比較的短時間のプレイでも楽しめるようデザインしている。
Q: ゲーム制作のために各国を取材したそうですが。
A:東洋的な世界観を作るために各国を取材した。合計すると十数回の取材を行なっている。
Q: 会場で先に上映されたムービー(詳細は後述)の中にあった第5の職業「アサシン」は、どんな職業で、いつ公開されますか? 他にも職業は増えるのですか?
A:「アサシン」は奇襲することで自分の技が使える、罠や爆発物を使う職業。それ以外にも1つか2つの職業を追加する予定。
Q: キャラクターの外見はカスタマイズできるようになりますか?
A:現在はキム・ヒョンテのイラストを忠実に3Dグラフィックスに移すことに注力している。カスタマイズについては今後考えていきたい。
Q: 武具のデザインはどのように制作していますか?
A:ビジュアルチームは、30名のキャラクターデザイン、20名の背景デザイン、20名のアニメーションデザインで構成されている。いずれもキムヒョンテの描く世界観を再現するため頑張っている。「リネージュ II」や「AION」とは違う新たな制作手法をとっている。
【イメージビジュアル】 | ||
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キム・ヒョンテ氏が描くキャラクターのイメージ。これを3Dで再現するのがビジュアルチームの当面の目標となっているようだ |
■ 攻城戦ではない、少人数でも遊べるPvPコンテンツを用意
Q: コミュニティ要素は、「AION」のレギオンのようなものはありますか?
A:武峡をベースにした世界観なので、それを活かしたシステムを提供する。レギオンのようなものだけでなく、より少人数で作られるグループも用意する。
Q: PvPの要素はありますか?
A:これまでのゲームには攻城戦という多人数モードがあったが、本作には用意していない。現在開発中だが、1対1や10対10などは入れる。
Q: 攻城戦がないとなると、ゲームの最終的な目的は何になりますか?
A:攻城戦のようなハイエンドコンテンツは、ソロや少人数でプレイする人には近寄りがたいコンテンツで、多人数が参加するグループ戦には参加できないこともあるのが問題。ソロプレーヤーにも楽しめるよう、5対5など少人数のPvPを行なうことで、何かを達成できるような要素を用意する。
Q: 世界展開を前提にしていると思いますが、過去のタイトルを参考にした点など、何か意識していることはありますか?
A:MMORPGではなく、他の会社が作ったゲームも参考にしている。今まで経験したことがないものを提供したいと思い、コンシューマーゲームやFPSも参考にした。攻城戦がないところからもわかるように、既存のMMORPGとは違うものを作ろうとしている。
Q: ストーリー展開についても「AION」とは違ったものになるのですか?
A:既存のMMORPGでは巨大な神話を作ろうとしてきたが、今回はテレビドラマのようなものを意識した。毎回のストーリーが繋がって、最終的に世界を救うという展開を考えている。
■ コンセプトが異なるコンボを楽しめる4つの職業を解説
カンファレンス会場ではゲームの映像を収めたムービーが上映されるとともに、各職業の特徴が書かれた資料も提供された。こちらのムービーデータも入手できたので、合わせて掲載させていただく。
【プロモーションムービー】 |
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先行体験レポートでも既に掲載しているが、本作には「剣士(Blade Master)」、「拳士(Kunghu Master)」、「力士(Destroyer)」、「気工士(Force Master)」という4つの職業が存在する(ムービーで発表された「アサシン」を含めると5つ)。それぞれ異なるコンセプトから生まれたスキルコンボが存在する。
「剣士」は、刀を使った素早い近接戦闘を得意とする職業。通常攻撃となる「疾風」、「血風」、「爆風」を使用して“剣技”を蓄積し、その他のスキルで溜めた“剣技”を消費する。コンボには、突進で敵をダウンさせたり、防御の後から蹴りを繰り出して気絶させたりした後、さらに追撃を加えるといったものが主体。敵を行動不能にしてから攻撃し、1体ずつ確実に仕留めるという印象だ。
「拳士」はその名前のとおり、拳や体術で戦う職業。「静拳」、「強拳」、「旋風脚」といった攻撃で“闘魂”を蓄積し、「爆拳」など他のスキルで消費する。コンボは敵の攻撃に対する「反撃」を起点とし、敵をノックバックさせる「崩拳」や、敵を空中に蹴り上げて叩き落とし、さらに腕を取ってへし折るといった連携や、足をかけて転ばせ、締め落として気絶させるものなどがある。またダウンさせられた時に、回し蹴りなどを放ちながら起き上がれる。全般的にカウンター的な動きを重視した職業といえる。
「力士」は、重さのある巨大な斧を振り回して戦う職業。「審判」、「懲罰」、「天罰」と名づけられた攻撃で“怒り”を蓄積し、他のスキルで消費する。コンボは蹴りなどでダウンさせてからの追撃を得意とするが、他にも広範囲の敵をダウンさせる「地震」や、斧を大きく振り回して周囲の敵をなぎ払う「怒り狂風」といった範囲攻撃も得意としている。さらには倒した敵を掴み上げ、他の敵に投げつける技もある。攻撃モーションは遅いが、重い1撃と豪快な斧さばきで迫力ある戦闘を楽しめる。
「気工士」は、魔法のような“気”を操る、遠距離攻撃を基本とした職業。基本攻撃である「烈火掌」を当てて“火種”を蓄積し、「連環掌」で“火種”を爆発させて大ダメージを与えられる。攻撃を受けた敵は当然こちらに向かってくるが、先に凍らせて足止めしておいてから“火種”を溜めるといったテクニックもある。他にも広い範囲に炎を放ち“火種”を溜める「火炎地獄」など、多彩な範囲攻撃も持っている。
【スクリーンショット】 | ||
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こちらはゲームのスクリーンショット。力強さと可愛らしさが共存するようなビジュアルはクオリティも高く、日本人にも人気が出そうだ |
Blade & Soul (R) is a registered trademark of ncsoft Corporation. Developed by Team Bloodlust. Copyright (C) ncsoft Corpration. All rights reserved.
(2010年 11月 19日)