東京ゲームショウ 2011レポート

日本マイクロソフト、コアゲーマー&ファミリー向けKinectタイトルレポート
「パンツァー・ドラグーン」の魂を受け継ぐ「Project DRACO(仮称)」ほか4コンテンツを紹介


9月15日~18日 開催(15日、16日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 日本マイクロソフト株式会社は「東京ゲームショウ 2011」に合わせて、会場近くのホテルでKinectタイトルの内覧会を行なった。

 今回、マイクロソフトはコアゲーマー向けからファミリー向けまで、幅広い層に向けたKinectタイトルを出展している。内覧会では、ドラゴンに乗って戦うレールシューティング「Project DRACO」、米国アナハイムにあるディズニーランド・パークをモチーフにした「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」、スター・ウォーズのキャラクターになりきれる「Kinectスター・ウォーズ」の3本について試遊を交えてじっくりと話を聞くことができた。



■ 育成したドラゴンで3人同時プレイ。レールシューティング「Project DRACO(仮称)」

ディレクターを務める、グランディングの二木幸生氏
プロデューサーを務める、マイクロソフトディベロップメントの丹家敏晴氏

 「Project DRACO」は、過去にパンツァー・ドラグーンを開発したグランディングの二木幸生氏が手掛けるKinect専用のレールシューティング。Xbox Liveアーケード(XBLA)専用のタイトルとして2012年のリリースを目指している。価格は未定。

 「DRACO」とタイトルに入っている通り、本作ではドラゴンがゲームの中で重要な位置を占めている。このドラゴンはただ騎乗して戦う自機というだけでなく、育成要素があり、育て方次第で攻撃方法も増え、色や形も変化する。

 本作の舞台はドラゴンが生息するとある惑星。人類はドラゴンを操って、強力な敵のドラゴンと対抗している。冒頭のムービーの一部も見ることができたが、惑星が徐々に表れる雰囲気はSF映画のようだ。「ファンタジーはほかにもたくさんあるので」と二木氏。氏の考えるドラゴンはホーミングレーザーを吐く怪獣なので、SF的な設定のほうがしっくりくるというのが理由だ。

 レールシューティングなので、ドラゴンは自動的に奥に向かって進んでいく。障害物や敵の攻撃は体の重心をずらすことでドラゴンを操作してかわす。基本の攻撃方法は、画面の敵をなぞるように右手を動かして敵をロックオンし、手首にスナップを聞かせて弾を発射する。左右の手には違う武器をセットすることができ、さらに両手を同時に上にあげることでボムや特別なスキルを使うことができる。

 スキルや攻撃は150種類以上あり、事前にセットして使用する。スキルはドラゴンを育てることで獲得していける。ステージごとに数種類用意されたクエストをクリアすると、報酬として餌が手に入る。この餌をドラゴンに与えると、その種類に応じて違うスキルを覚える。高い得点を出すほど餌が出やすくなる。


【スクリーンショット】
UnrealEngineでドラゴンが棲む惑星の美しい自然が描写されている

 1ステージは約5分程度で、エンディングまでの平均プレイ時間は5~6時間程度と短いが、1回のプレイではすべてのスキルを覚えることはできない。ドラゴンをみっちり育てようと思えば周回プレイが必要となる。1度に複数のドラゴンを育てることができるそうなので、今日はこのドラゴンと長く遊ぶことができそうだ。

 本作はオンラインを通じて最大3人で協力しながらプレイすることができる。スキルの中には、味方の能力を上げたり、味方を回復させたりといった協力プレイを想定したものもある。基本的にはソロプレイが可能だが、後半の難易度が高いステージの中には協力プレイを前提にしているものもあるそうだ。

 画面や雰囲気は「パンツァー・ドラグーン」をほうふつとさせるハードなシューティングだが、Kinectで操作しやすいよう様々な工夫が施されている。例えば1ステージのプレイ時間が短いのは、長時間手を挙げっぱなしにしていると疲れるということが初期の段階で分かったからだ。ステージの途中にも、一休みできる間隙を設けてある。また、攻撃を避けながら戦うのは初期には難しいので、最初の方のステージでは攻撃を避ける部分と、攻撃を仕掛ける部分をはっきり分けたそうだ。

 「ゲームとして難しすぎると手も足も出なくなるので、バランスを取るのが難しかった」と二木氏。日本と海外では部屋の広さの違いからか、同じ操作でも体を動かす大きさが変わる。その違いに対応するのも大変だったとか。しかし自動的に画面が進んでいくレールシューティングは、Kinectが苦手とする場所を移動するための操作が必要なく、Kinect向きのゲームだとも言う。

 何よりも「Kinectのゲームを作ってみたかった」というのが今回のゲームを企画した大きな理由だ。「日本にいると気づきにくいですが、海外では市場もどんどん大きくなっているので、作ってよかったと思います」と二木氏。開発は、基本的なシステムがほぼ固まりここからはステージや敵を作りこむという段階。

 XBLAのタイトルというとカジュアルなミニゲーム的なものを想像するかもしれないが、本作はUnrealEngineを使用した美麗なグラフィックスと、本気でやりこめば何十時間も遊べるというパッケージで出てもおかしくない重量感を持っている。今回はまだ見ることができなかったが、巨大なボスも登場するらしい。Kinectから生まれたドラゴンシューティングの完成が楽しみだ。


操作に慣れるまでは敵の出現に間隔があったりと、Kinectで遊びやすいように工夫されている



■ バーチャルディズニーランドでミッキーマウスやスティッチとハグしよう

説明をしてくれた、日本マイクロソフトの井上正之氏

 今回の内覧会では、どちらかというとコアゲーマーに向けたタイトルと、ファミリーに向けたタイトルに分けての内覧が行なわれた。ファミリー向けとして、特に母親への強烈なアピール力を持っていると日本マイクロソフトが期待するタイトルが「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」だ。日本マイクロソフトの井上正之氏がプレイの説明をしてくれた。

 これまで記事で何度か取り上げてきた本作は、カリフォルニアアナハイムにあるディズニーランド・パークの楽しさをそのままゲーム内で体験できるKinect専用ゲーム。パーク内では、ミッキーマウスやピーター・パンなど30以上のディズニー人気キャラクターに会える。しかもただ会うだけではなく、キャラクターと抱き合ったりハイタッチで触れ合うことができる。

 プレーヤーはあたかも子供が「あっち」と親を誘うように行きたい方向を指さしてパーク内を進む。10以上あるアトラクションは、中でさらにいくつかに分かれている。例えば「ピーターパン空の旅」なら、ティンカー・ベルとロンドンの夜空を飛ぶシーン、ピーター・パンとネバーランドに到着してフック船長の船に向かうシーン、フック船長との戦いに参加するシーンの3つに分かれ、1つずつアンロックしながら進めていく。


【スクリーンショット】
ミッキー、白雪姫やキャプテンフックから、スティッチまで新旧のディズニーキャラクターに会うことができる

 コンソール用のコントローラーは子供の小さな手では扱いづらいものだが、コントローラーの必要ないKinectなら大人と子供がそういった心配なく一緒に楽しむことができる。パークの中には「ビッグサンダー・マウンテン」などおなじみのアトラクションや、「トイ・ストーリー」の「バズ・ライトイヤー」が出てくるアトラクションもある。また「東京ゲームショウ 2011」ではこれまで発表されていたキャラクターに加え、新たに「リロ&スティッチ」のスティッチが登場するアトラクションも発表された。

 パーク内にはディズニーランド・パークを楽しむための100以上の「ディズニーの仲間たちのお願い」というクエストのようなものがあり、アトラクションやパーク内で入手したコインで買い物を楽しむこともできる。ディズニー好きなら歩いているだけでも楽しい本作。年末に暖かい部屋の中で、家族みんなでディズニーランド・パークを楽しめるよう、2011年中に発売予定だ。


「ピーターパン」のアトラクションで空中浮遊を楽しんだ後は、「トイストーリー」のアトラクションでお手軽なシューティングゲームを体験



■ 「Kinect スター・ウォーズ」でモンスターになりきる、そんな新体験を身近に

 Kinectは、ユーザーに新しい体験を届けることを目指している。そんな指針に沿った、これまで体験したことのない感覚を味あわせてくれるゲームや試みが続々と登場している。Kinectと同時に発表され、発売が待たれている「Kinectスター・ウォーズ」もそんな中の1本だ。

 映画「スター・ウォーズ」のキャラクターになりきって、その世界で活躍できる本作は、ジェダイとしてライトセイバーで戦う「JEDI ADVENTURE」、「エピソード1」のポッドレースを再現した「POD RACER」、そして「ジェダイの帰還」に登場するモンスターRANCORになりきって街を破壊しまくる「RANCOR RAMPAGE」という3つのモードが楽しめる。今回はそのうち「RANCOR RAMPAGE」を試遊してみた。

 このモードは簡単に言うと自分がゴジラになったような気分を味わえるモードだ。ズシンズシンと歩いていき、両手を振って建物を破壊したり逃げ惑う人を捕まえたりする。怪獣ごっこがリアルに楽しめるといったところだ。発売時期は未定。


【Kinectスター・ウォーズ】
熱烈なファンを持つ「スター・ウォーズ」のゲームらしくマニアックなこだわりに感心させられる

 XBLAから既に配信中の「Kinect Fun Labs」は、Kinectの新しい遊び方をミニゲームタイプのガジェットとして提案するコンテンツ。今回体験した「Air Band」は、例えばKinectセンサーの前でドラムをたたいているような仕草をすると画面にドラムとスティックが表れ、あたかも自分がそれを叩いているような気分になれる。両手を横に動かせばそれがキーボードに変わり、片手を伸ばしてつま弾くとギターに変わる。楽器は自分の動きや角度に合わせて動くので、本当に演奏をしている気分になれる。これはKinectのテクノロジーデモのようなもので、「新たなアイデアを生み出すためのエッセンス」と日本マイクロソフトの井上正之氏は言う。


【Kinect Fun Labs】
発想の源になるKinectを使った最新の技術やテクニックで遊ぶことができる

 他にも、新たにパンダやグリズリーなどクマが加わった「Kinect アニマルズ - フシギな島のなかまたち -」も見せてもらった。こちらは10月13日の発売で、既に既存のパッケージを持っているユーザーはDLCでアップグレードすることができる。「Kinect アニマルズ」はWindows Phone版も現在製作がすすめられている。Windows Phone版ではカメラを使って実際の風景と動物を合成できる。さらにその画像をスクリーンショットに撮ってSNSなどにあげることもできる。

 Kinect版とも連動しており、電話の読み取り機能でKinect画面のバーコードを読みとると自分のペットを電話で持ち運ぶことができる。また電話のバーコードをKinectセンサーで読み込むことで、電話で育てたペットを逆に読み込むことも可能だ。Windows Phone版は現在のところ配信日は未定だが、新しい試みとして期待したい。


【Kinect アニマルズ - フシギな島のなかまたち -】
Windows Phone版では部屋で撮影した背景とマイペットを合成できる

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(2011年 9月 16日)

[Reported by 石井聡]