E3 2011レポート
「Xbox 360 E311 Media Briefing」レポートその1
今後あらゆるエンタメをKinectに! Microsoft Studiosは「Halo 4」や「Forza 4」などを正式発表
米Microsoftは現地時間の6月6日、E3 2011の口火を切る形で、「Xbox 360 E311 Media Briefing」を開催した。「Xbox 360 E311 Media Briefing」では、Xbox 360の新たな新作タイトルが多数発表されたほか、Kinectを軸とした新しい試みついての発表が行なわれた。本稿ではファーストパーティータイトルの情報を中心にお届けしていきたい。サードパーティータイトルや、Kinect専用タイトルについては別稿にて詳しくお伝えするつもりだ。
【Halo 4】 | ||
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「Xbox 360 E311 Media Briefing」のサプライズは「Halo 4」。発表はある程度予測できていたとはいえ、やはり最新作の発表は嬉しいものだ。発売は2012年と、まだ少し先 |
■ あらゆるエンターテインメントがXbox LIVEとKinectに集結
年もMicrosoftを代表してドン・マトリック氏が登壇。「昨年はXbox 360にとって最高の年になった」と自画自賛 |
Xbox 360のビジョンのひとつ。KinectとBingによる音声認識によるエンターテインメントサーチ |
Xbox LIVE TVで様々なコンテンツの視聴が可能。ついにUFCの視聴も可能となる |
今年のMicrosoftの発表はまさにKinect一色だった。王道スタイルのブロックバスタータイトルを好むコアゲーマーや、新型ハードが大好きなゲームファンにとってはいささか拍子抜けする発表となったかもしれないが、Xbox 360は、Kinectの登場、その成功により、これまでにない長期政権に移行することが明確となった。ある意味、今年のPress Briefingの主題はその意思を明確にしたこととも言えそうだ。
昨年もKinectのローンチということで多数のタイトルが発表されたが、今年はそれに輪を掛けて多くのタイトルが発表された。昨年との大きな違いは、同じKinectはKinectでも発表の質がまったく異なっていたことだ。昨年はXbox 360の楽しさを広げる拡張要素のひとつとして発表されていたのに対し、今年の発表ではXbox 360の主要インターフェイスのひとつとして、ファーストパーティータイトルのほとんどが対応してくるような有様だった。
昨年の時点ではKinect専用タイトルが目立っていたが、今年は“対応”タイトル、つまりKinectが無くても楽しめるが、あるとより楽しめるタイトルが増えているのも大きな特徴だ。特にサードパーティー製のタイトルは今後もマルチプラットフォーム展開が多いことが予想されるが、Xbox 360版ではKinectをフィーチャーした要素が大きな差別化要素として注目されてくるだろう。
Kinectの機能として今回大きくフォーカスされていたのは、音声認識とフィンガートラッキング、プレーヤーやオブジェクトのアバター化など。昨年11月、Kinectのリリースに合わせてXbox 360のダッシュボードがKinectでの操作に対応したが、今回タイルベースの新たなダッシュボード“New Xbox Experience”が発表され、Kinectが標準インターフェイスに採用されることが明らかになった。
デモでは“Xbox Home”、“Xbox Music”、“Xbox Game”、“Xbox Video”といったボイスコマンドでダッシュボードを操るデモンストレーションが行なわれた。Xbox LIVEとKinectを通じて直感的にあらゆるエンターテインメントにアクセスできるというわけだが、この“あらゆるエンタメを集めた一大ポータル”をどう制御していくのか。この答えが“Xbox Bing”、つまり、Microsoftのサーチエンジン「Bing」のXbox LIVEへの組み込みだ。
Xbox Bingは、Xbox LIVE用にカスタマイズされており、Kinectを通じた音声認識にも対応している。“Xbox LIVE Lego”や“Xbox LIVE X-MEN”と発音することでXbox LIVE内のLegoやX-MENに関するコンテンツを検索することができる。これにより、快適にコンテンツにアクセスできるというわけだ。
この“New Xbox Experience”の発表に合わせて、Microsoftは“パートナーの数を10倍にする”と豪語。YouTubeを皮切りに、様々なブロードキャストサービスと提携し、Xbox LIVE TVと称したTVサービスを開始していく。そのキラーコンテンツとして「UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)」と提携し、試合の生中継のほか、往年の名勝負やインタビューを提供していくことも明らかにされた。これらのサービスは、Xbox LIVEゴールドメンバーシップメンバーに提供される。日本での提供時期については未定としている。
【New Xbox Experience】 | ||
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Windows Phoneのタイルベースにも似たXbox 360の新しいダッシュボード。BingとKinectを使ったボイスサーチ機能が大きな特徴となる。欧米、日本とも今秋の実装を予定している |
■ 「Gears of War 3」、「Forza 4」、「Fable The Journey」などを公開、サプライズは「Halo 4」!
“New Xbox Experience”デモに続いてMicrosoftのファーストパーティータイトルを担当するMicrosoft Studiosのフィル スペンサー氏が登場し、Xbox 360独占タイトルを次々に紹介していった。
スペンサー氏は、今後、ゲーム以外のコンテンツも幅広く扱うため、ブランド名がMicrosoft Game StudiosからMicrosoft Studiosに変わったことを踏まえながら、Microsoft Studiosにとって「UFC」などの映像コンテンツは重要としながらも、「Xbox 360のコアとなるのはゲーム」と改めてゲームを重視していく方針を表明。
また、Kinect専用/対応タイトルのみならず、従来のコントローラーベースのゲームも依然として重視していくことを明らかにした。そのスペンサー氏が1番最初に紹介したタイトルが、予約の時点ですでに100万本を達成しているというXbox 360を代表するキラーコンテンツ「Gears of War 3」だ。
クリエイターのCliff Bleszinski氏は、北米で実施されたβテストを感謝したあと、同シリーズのファンであり、同作に声をあてているというIce-T氏をゲストとして招き、2人によるCO-OPプレイで、巨大ボスとの死闘を繰り広げた。今回のE3では、謎のままとなっている新Hordeモードに関する情報が公開される予定となっている。
続いて紹介されたのは、Crytekが開発している「Ryse」。昨年のE3で「Codename Kingdoms」として発表されたタイトルだ。古代ローマの世界を舞台に、プレーヤーはウォーリアとなって様々な戦いに従事していく。Kinectによる直感的な操作で剣や盾を操る。
3タイトル目は「Halo: Combat Evolved Anniversary」。「Halo」10周年を記念して「Halo: Combat Evolved」をリマスターし、当時人気の高かったマルチプレイマップをXbox LIVE向けにリメイクする。単なるリマスターではなく、新たにXbox LIVEを介したCO-OPモードや新たなチャレンジ、新たな物語などが追加されるという。
4タイトル目はレースゲームファン待望の「Forza Motorsport 4」。Turn 10 StudiosクリエイティブディレクターのDan Greenawalt氏が登場し、「我々はホリデーシーズンに、レーシングゲームジャンルを変革する」と恒例の刺激的なメッセージを繰り出しながら最新トレーラーを披露。トレーラーは「Forza 4」のイメージカーにもなっているフェラーリ 458 イタリアのディテールを眺め回すシーンから始まり、実際のレーシングシーンを交えながら、ゲームの特徴を記したテキストメッセージをカットインするという手法のもの。
「Forza 4」の特徴は昨年のE3での公約通り、Kinectによる操作(ジェスチャーによるドライビング操作/音声認識/ヘッドトラッキングによるドライバー視点の変更など)を全面的に採用しているほか、カークラブやライバルモードといったコミュニティ機能も充実、さらに80種類の車メーカーや、毎月のアップデート計画、ワールドツアーモードなどの存在も明らかにされた。具体的な収録コースや車種等については不明だが、会期中に取材して詳しくレポートしたい。
5タイトル目は、Lionhead Studiosの「Fable The Journey」。お馴染みのピーター・モリニュー氏が登場し、Kinectを使った新しいビジョンとして同作を提示。Kinectを使って「Fable」の世界をよりディープに体験できるアクションRPGで、ナンバリングでは無いところを見ると「Fable 4」ではないようだが、馬車を操るシーンから始まるというモリニュー氏ならではのこだわりが感じられ、ジェスチャーを使ったスペルキャスト「Black & White」を彷彿とさせる。
□Electronic Entertainment Expo(E3)のホームページ(英語)
http://www.e3expo.com/
□Microsoftのホームページ(英語)
http://www.xbox.com/
□日本マイクロソフトのE3特設サイト(日本語)
http://www.xbox.com/ja-JP/event/e32011/home
(2011年 6月 7日)