インタビュー

「リトルナイトメア」より怖く、暗く。「REANIMAL」開発インタビュー&完成披露会レポート

“恐怖”を誰かと共有しながら遊ぶホラー・アドベンチャー

【REANIMAL】
2月13日発売
通常版:5,720円
デジタルデラックスエディション:8,470円

 Tarsier StudiosとTHQ Nordicは、2月12日にNintendo Switch 2/プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用協力型ホラーアドベンチャー「REANIMAL」の完成披露会を東京・恵比寿ガーデンルームにて実施した。本作は「リトルナイトメア」シリーズ(1作目、2作目)の開発で知られるTarsier Studiosの最新作となる。

 完成披露会にはTarsier Studiosからナラティヴ・ディレクターを務めるデイヴ・マービック氏をプレゼンターに迎え、ゲストにはお笑いコンビのアインシュタイン(稲田直樹さん/河井ゆずるさん)、タレントのゆうちゃみさんらが登壇。本稿では完成披露会とメディア向けに実施された開発インタビューの様子ををお届けしていく。

ナラティヴ・ディレクター デイヴ・マービック氏

「REANIMAL」のテーマは「暴力」。本来安全であるはずの場所に隠された危険性をじっくり味わうホラーゲーム

 インタビューでは、マービック氏とTarsier Studios共同創設者で本作プロデューサーのアンドレアス・ジョンソン氏に話を聞くことができた。

Tarsier Studiosからナラティヴ・ディレクターを務めるデイヴ・マービック氏(左)、Tarsier Studios共同創設者で本作プロデューサーのアンドレアス・ジョンソン氏(右)

――本日はよろしくお願いします。今回の「REANIMAL」ですが、作品を通してテーマのようなものがあれば教えてください。

マービック氏:一番お伝えしたいテーマは「暴力」です。暴力の源がどこにあるのか、暴力がもたらす反響や影響は何か、そしてそれが子どもたちや、彼らが育った世界にどんな影響を与えるのか――そうした点を描きたいと考えていました。

――「リトルナイトメア」では孤独な主人公が印象的でしたが、今回は姉弟の2人行動で、仲間に友達も出てきます。複数のキャラクターを登場させた意図を教えてください。

マービック氏:最初は次のゲームに向けた打ち合わせがきっかけでした。いろいろなアイデアを出す中で「数人の孤児が広い場所から脱出しようとする」という案があり、その核の部分が私たちに強く響いたんです。

 コンセプトは時間をかけて変化していきましたが、核として残ったのは「孤児になり、自身のルーツから切り離された子どもたちが、お互いを見つけて新しい家族になる」という点です。そこは新しく探究できる題材だとも感じました。

 また、今回複数のキャラクターを登場させたのは、私たちスタジオとしても「進化していきたい」と感じているからです。それがデザインであれ、アートであれ、ストーリーであれ、常に新しいものにチャレンジしていき、楽しさを創出したいと考えています。

――Tarsier Studiosといえば「リトルナイトメア」シリーズで知られていますが、本作でホラーを表現するにあたって意識したポイントはありますか。

ジョンソン氏:企画の初期に話していたのは、「リトルナイトメア」よりもう少し荒々しくて暗いものを作りたい、ということでした。同時に「孤児」というアイデアもあり、そこが合致していたと思います。

 実は「リトルナイトメア」の頃から協力プレイにも興味はありましたが、当時は「怖さ」が薄れるのではないか、という懸念があったのです。しかし、あえて協力プレイを取り入れることで、怖さを増強できるようなゲーム作りを目指すことにしました。また、「リトルナイトメア」のプレーヤーは、パートナーやお子さんなどと一緒に遊ばれるケースが多いとも聞いています。だからこそ、2人プレイでホラーを楽しめる方向性に設計しています。


――ビジュアル面について伺います。背景は暗く怖い雰囲気で、廃工場や廃墟など旧共産圏を想起させます。現実のモチーフやモデルはありますか。また、主人公を含む全体のビジュアル意図も教えてください。

マービック氏:私たちは、できるだけ全部の要素を結びつけたいと思っています。背景やクリーチャーなど、分かりやすい要素の結びつきもあれば、分かりにくい要素の結びつきもあるかもしれません。その辺りはぜひゲーム内で捜し当ててみて下さい。

 背景についてですが、特定の現実の場所をモデルにしたということはありません。どちらかと言えば、テーマを決めてロケーションを作っています。最初の頃にアーティストが提案してくれたのは木造のビルが建っているようなコンセプトでした。やがてそこから「産業」をテーマにしたロケーションに変化していき、畑が広がるエリアとビルが建ち並んでいたエリアのギャップを演出する地形になりました。また、作中には「孤児院」も登場しますが、本来安全なはずの孤児院に対して、隠された暴力や不安を感じるデザインにしています。

 また、マスクについても理由があります。まずマスクによって顔を隠すことそれ自体に面白さがあると思うのです。顔を隠すと不気味さが出ますし、顔が隠れているほうが「なぜ、うさぎのマスクなのか」「なぜロープが巻かれているのか」といった“なぜ?”が生まれますよね。

――先行プレイさせていただき、先日Steam版をクリアしました。そのプレイの中でクラッシュしてしまうことが多いと感じたのですが、発売後に最適化されるなどのアップデートはあるのでしょうか。

ジョンソン氏:最適化に関してはこれからも調整を進めていく必要があると思います。特にネットワーク周りやバグ修正など最適化は今後も行うつもりです。Steamでのクラッシュは少ないと認識していましたが、体験中にクラッシュしてしまったことは申し訳ありません。これからも、最適化を続けていきます。

――壁を登る、扉を移動するなどの場面で、2人が呼びかけ合って手を伸ばすアクションが印象的でした。協力アクションを作る際に大切にしたゲームデザインについて教えてください。

マービック氏:本作は1つの画面でゲーム進行していきますが、その過程でカメラが切り替わります。ただ、その1画面の同じエリア内で、プレーヤー2人が協力し合うという演出は実に現実的な描写であり、我々としても非常に気に入っているところなんです。

 協力プレイの実現にあたってさまざまなアイディアが出ましたが、早い段階で「It Takes Two」のような画面分割にはしないことだけは決めていました。雰囲気を楽しむ、協力の仕掛けが多いというよりも、「一緒にいること」「互いを必要とすること」といった方向に寄せました。そのための仕組みが、本作においてはもっとも大切にしているデザインだと思います。

――プレイヤーへ最後に一言、メッセージがあればお願いします。

マービック氏:もちろん遊び方の好みは人それぞれですが、我々としては誰かと一緒にプレイすることをオススメしています。一緒に見たり一緒に遊ぶというのは、使うエネルギーも全然違うと思います。映画館でホラー映画を観て、みんなで叫ぶような体験に近いかもしれません。また、悲惨なところも多々あるゲームではありますが、そんなところを含めて皆さんぜひ一緒に協力プレイを楽しんでいただければ幸いです。

――ありがとうございました。

お笑いコンビ・アインシュタイン×ゆうちゃみさんがステージで協力プレイ!

 完成披露会では、ゲストとして登壇したお笑いコンビのアインシュタインとゆうちゃみさんが、「REANIMAL」に登場するキャラクターの名前を考える企画から、1度見たキャラクターを記憶を頼りにして描く企画、ゲーム中で起こる展開予想や、ステージ上で実際に協力プレイを行うなど、さまざまなミニ企画を通して発売を控えたゲームの魅力を紹介した。

 実機によるライブデモプレイでは、ゆうちゃみさんとアインシュタインの稲田さんがそれぞれ、キャラクターを操作してゲームの冒頭部分を体験。稲田さんの相方・河井さんは、実況・解説として進行することになった。トロッコを動かすために車輪を探すことになった2人は、恐る恐る部屋を探索しながら、不気味な世界観に夢中になっていく。

ミニ企画で盛り上がる3人
実機プレイの様子

 ようやく見つけたトロッコの車輪を持ち帰ろうとするものの、四方から突然這い出てきた異形の怪物にゆうちゃみさんは絶叫。2人で逃走を図ろうとするも、稲田さんのキャラクターが逃げ遅れ、怪物に捕われる形でゲームオーバーを迎える。しかし、2度目の挑戦では実況役の河井さんが考案した「走って逃げる」というだけの作戦(?)と、逃走ルートの指示出しが功を成して無事にクリアすることができた。

 協力プレイの感想を問われると、ゆうちゃみさんは「発売したら妹と遊びたいなと思いました!」と、その体験に太鼓判を押した。稲田さんはホラーゲームという視点から“吊り橋効果”を引き合いに出して、「ゆうちゃみさんの僕を見る目が変わってきて気まずいです」と話すが、その後「すみませんがタイプじゃないです」と、一方的にゆうちゃみさんを一刀両断。そして今回ゲームをプレイできなかった河井さんは、司会から“一番端っこ”呼ばわりされてしまい、「なんやねん、一番端っこって!」と司会を問い詰める一幕が会場の笑いを誘っていた。

恐怖のシーンに驚愕するゆうちゃみさんと稲田さん
「なんやねん、一番端っこって!」と司会を問い詰める河井さん