スパイク、「HOMEFRONT」マルチプレイモード先行体験レポート
ダイナミックに移り変わる戦場、「バトルポイント」の戦略に醍醐味あり!


4月14日 発売予定

価格:7,770円

CEROレーティング:D(17歳以上対象)


 株式会社スパイクは、3月29日、都内にて「HOMEFRONT」のメディア向けマルチプレイ先行体験会を開催した。「HOMEFRONT」は4月14日にプレイステーション 3/Xbox 360で発売予定のFPSで、北朝鮮を母体とする「大朝鮮連邦」がアメリカ全土を占領したという近未来の世界を描く作品であることから、発売前から何かと話題に上ってきたタイトルだ。

 本作のシングルプレイモードでは、占領下のアメリカでレジスタンスとなった主人公が祖国解放を目指して戦うというストーリーが描かれる。一方、本作では32人対戦が可能なオンラインマルチプレイモードも搭載しており、本作ならではの独特のゲームルールを採用。今回の体験会ではそのゲーム内容をじっくりと確かめることができた。


■ 「HOMEFRONT」のマルチプレイはユニークな要素が盛りだくさん!

本作のローカライズプロデューサー赤石沢賢氏
マルチプレイのワンシーン

 体験会の冒頭で本作について紹介を行なったのは、スパイクで本作のローカライズプロデューサーを務める赤石沢賢氏。赤石沢氏は本作のマルチプレイモードの特徴を、カスタマイズ要素とゲームルールの2つに分けて紹介した。

 まずカスタマイズ要素。本作は2027年の近未来を舞台とするゲームということで、現代兵器の延長線上にある様々な武器・兵器類が登場する。遠隔操縦できる各種の「ドローン」がその最たるものだが、その他にも各種のライフル銃を始めとする多種多様な武装を、プレーヤーの好みで選べることが特徴となっている。

 プレーヤーが1度に装備できるのは1つのメイン武器、1つのアタッチメント、補助武器、2つの特殊兵装だ。これを「武器庫」画面で自由に組み合わせたものを「装備セット」として保存しておくことが可能。装備セットには標準で「ASSAULT」、「CQB」、「HEAVY」といったプレーヤークラス風の名前がついているが、この名前を変えて完全オリジナルの装備セットを作ることも可能と、非常に柔軟性の高いシステムになっている。

 また、プレーヤーはマルチプレイゲームを続けていくことで「経験値」を獲得し、プレーヤーレベルを上げていくことで新しい武器やアタッチメント、特殊兵装などをアンロックしていくことができる。さらに、レベルアップの各段階で獲得できるスキルポイントを使って、「歩兵スキル」という特殊能力を設定することも可能だ。

 「歩兵スキル」は各プレーヤーの戦闘スタイルを強化するために使える。例えば銃器のリロードを高速化するスキル、射撃を正確にするスキル。これらを併用すればアサルトライフル中心で戦う際の効率を大いに高めてくれるというわけだ。もちろん、この他にも様々なプレイスタイルに適した多用なスキルが存在する。

 ここでキモとなるのが、各スキルには1~3の所要スキルポイントがあり、同時に使えるのは最大で2つか3つに限られるということだ。「歩兵スキル」のメリットを最大限に活かすため、プレイスタイルを自問しつつ、最適なスキルの組み合わせを見つけるのはなかなか面白い作業になりそうだ。


多数の兵器が登場する規模感のあるマルチプレイモード。最大32人での対戦が可能だ

「バトルグラウンド」ではマップ中の3拠点を巡って2チームが対決する
連続キルを達成して「脅威レベル」がアップ。レベルに応じた人数の敵に付け狙われることに!

 そしてゲームルール。本作のマルチプレイモードでは、オーソドックスな「チームデスマッチ」、占領戦タイプの「グラウンドコントロール」という2系統のルールが実装されている。このうち、「グラウンドコントロール」には説明が必要だろう。

 「グラウンドコントロール」の特徴は、プレイの進行に応じて戦場がダイナミックに移り変わっていくことだ。このルールでは2チームがマップ中に3つ存在する拠点の占領を巡って対決。占領した拠点を維持し続けることでチームポイントが加算されていき、一定のポイントに達するとその「戦線」が放棄され、同じマップ内の次の「戦線」に戦場が移行するという仕組みだ。

 このルールにより、「グラウンドコントロール」では多くのプレーヤーが一定の領域内で局地戦を戦う一方、比較的短時間のうちに異なる地形での戦いに遷移していくというわけで、独特のゲームの流れが生み出されているのが面白い。これにより本作ならではの規模感ある戦場が実現されているというのもポイントだ。

 さらに、「チームデスマッチ」、「グラウンドコントロール」に任意に付加することのできる独特の追加ルールとして「バトルコマンダー」システムが存在する。このシステムを有効にしたセッションでは、連続キルを達成したプレーヤーが敵チームにとっての「優先脅威」となり、対する敵チームのメンバーに位置が表示されて「この敵を倒せ」というミッションが戦闘中にリアルタイムで発生するのだ。

 「優先脅威」となったプレーヤーは、ミッションを受けた敵プレーヤーに位置がバレてしまう代わりに、脅威レベルが上がる毎に防御力向上、攻撃力向上、レーダー回避といったパワーアップが1つずつ与えられる。さらに敵を倒し続ければさらに脅威レベルが上がってパワーアップを獲得し、さらに多くの敵に付け狙われることになる。これをどう利用するかは、自分とチーム次第だ。


「チームデスマッチ」、「グラウンドコントロール」という基本ルールに、「バトルコマンダー」という追加システムを付加することでさらに深みを増したゲーム性を提供する



■ マルチプレイモードを体験。ダイナミックな展開を演出する「バトルポイント」戦略に醍醐味!

会場の様子
敵を倒してBPを獲得
「グラウンドコントロール」で争奪の対象となる3つの拠点

 今回の体験会では、16台のプレイ環境が用意され、8対8の16人でマルチプレイを試すことができた。その中で感じたのは、「チームデスマッチ」、「グラウンドコントロール」双方で面白さのカギとなっている「バトルポイント(BP)」システムの存在だ。

 BPは、敵を倒したり拠点を占領するなどで得られる個人スコア的なポイントだ。敵を倒せば基本100ポイント、アシストで50ポイント、占領で200ポイントという按配。プレーヤーはこれを消費して補助武器をその場で入手したり、支援攻撃を呼び出すことができる。戦車、ヘリといった各種兵器もこのポイントで「購入」することになる。

 個々のプレーヤーにとって、このBPをどう使うかにプレイスタイルの幅が出てくる。BPで使えるものには、200ポイント程度で使えるロケットランチャー等の補助武器から、500ポイント程度で使える各種ドローン、1,000ポイント以上を消費する強力な支援攻撃といった幅広い選択肢があるのだ。

 筆者は特殊兵装のひとつに「白リン弾」を選んだ。これは広範囲の歩兵を一網打尽にできるという強力な航空支援攻撃だ。必要BPは1,300ポイント。ライフルで敵を倒し、拠点を占領して、ひたすらポイントを貯め続ける。そしてBPが1,300を超えたときに、ご褒美とばかりに「白リン弾」を発動。3~4人の敵を1度に倒してご満悦。建物の屋上に隠れるスナイパーも関係なしだ。一気にカタルシスが得られるえもいわれぬ気持よさがある。

 大型兵器が登場するマップではさらに、BPを「どこまで溜めるか、いつ使うか」という判断が面白いものになる。強力な重戦車や攻撃ヘリを使うためには膨大なBPが必要なのだが、真っ先に戦場に投入することができれば、準備のできていない敵を相手に圧倒的な破壊力を発揮できる。しかし必要なBPが溜まる前に、相手が各種の特殊兵装などを小出しに使ってきたらどうだろうか? 長い時間、苦戦を強いられるのは間違いない。

 こういった要素を常に考慮しつつ、本作のマルチプレイゲームは次第に規模感を増して行く形で進行していく。基本的に、上手なプレーヤーほどBPが溜まるのが速いので、より強力になっていくペースも速い。一方、あまり上手でないプレーヤーは、BPの貯まりが遅いため、もともと不利な状況が一層不利になっていくという一面もある。

 そこで狙いたいのが、「優先脅威」となった敵プレーヤーを倒すことだ。敵を倒した際の獲得BPは、条件に応じて様々なボーナスが付加される。仮に、最大レベルの優先脅威となった敵を倒すことができれば、一気に1,000ポイント以上稼ぐことも可能なのだ。これで1発逆転を狙うというのも、弱者の戦法として面白いものになっているわけだ。

 活躍して自分が優先脅威になった場合は、実際に多くの敵に付け狙われることになるので、非常に緊張感のあるプレイが楽しめる。レベルが上がるたびに狙われる人数が増えていくのでいつかは必ず倒されてしまうのだが、できるだけ長く生き残ることで敵チームが拠点を占領しようとする動きを牽制することにつながる。上手なプレーヤーはマップを研究して、敵をうまく迎撃できる場所をいくつか見つけておくことが必要になるかもしれない。

 そういうわけで、本作のマルチプレイモードは非常に変化に富み、戦略の幅が広い。純粋に対戦型のゲームとして面白いものになっていると感じられる出来なので、FPSファンの皆さんは、是非発売を楽しみにしていてほしい。


【スクリーンショット】




(c) 2011 THQ Inc. Developed by Kaos Studios.? THQ, Kaos Studios, Homefront and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All rights reserved. All other trademarks, copyrights and logos are property of their respective owners. Marketed and distributed in Japan by Spike.

(2011年 4月 1日)

[Reported by 佐藤カフジ]