キュー、WIN/PS3「エンジェル戦記」アップデート「龍王の秘宝」実施
新エリア「冥府」や500人同士のPvP「クリオス戦場」実装


10月14日 アップデート実施予定


「龍王の秘宝」のイメージビジュアル

 キューエンタテインメント株式会社は、Windows/プレイステーション 3用MMORPG「エンジェル戦記」において、大規模アップデート「龍王の秘宝」を10月14日に実施する。

 正式サービス開始後初となる大規模アップデート「龍王の秘宝」では、新エリア「冥府」の実装に伴い、新たなマップ20種類と100種類以上のモンスターが追加され、総勢11名のイラストレーターによって描かれた日本オリジナルイラストが導入される。これに合わせて、レベルキャップも70から80に引き上げられる。さらに、最大500人対500人の大規模なPvPシステム「クリオス戦場」が追加される。




■ マップ20種類とモンスター100種類以上が追加されるエリア「冥府」

エリア「冥府」の全体マップ

 ある時、多数の神々が集って宴を開いていたところ、その隙を突いた冥府の主「ハデス」により、灼熱の神殿の奥に封印されていた巨大な魔龍が解き放たれてしまう。これによりガイアに異変が起こり、7つの月は光を失い、地の底より屍鬼が這い出し、人間達を襲い始める。

 時を同じくして春の女神「ペルセフォネ」は、地の底から出現した巨大な手によって闇の底へと引きずりこまれてしまう。これを知った「ペルセフォネ」の母である豊穣の神「デメテル」は嘆き悲しみ、大地は実りを失ってしまう。そこで「ゼウス」は荒廃した大地を元に戻すため、ガイアの勇敢なる者達に「ペルセフォネ」の救出を呼びかける。

 その「ペルセフォネ」救出の舞台となるのが新たなエリア「冥府」となっている。「冥府」には既存マップの「ムーンロード」から移動できる。「冥府」はその名の通り死後の世界をイメージしたエリアとなっており、冒険の起点となる街マップは全体的に薄暗く、無数の骸骨が積み上げられていたり、多数の炎と蝋燭が置かれていたりと、暗い雰囲気が漂っている。

 マップの造形だけでなく演出にも手が加えられており、街マップ内を歩いていると、突如プレーヤーキャラクターの後方に首吊り状態の骸骨が出現した。骸骨は攻撃を仕掛けてくるモンスターではなく、ただプレーヤーを驚かせるための仕掛けとなっている。こういった演出は他にも用意されているそうなので、お化け屋敷に来た気分でプレイしていただきたい。

 「冥府」の街マップには、ストーリー上の敵であるはずの「ハデス」がなぜか突っ立っていて、クリックすると戦闘が開始されるわけでもなく、会話が始まった。しかし、「邪魔をするな!」と言わるだけでその後は何も起らず。これがストーリーとどういう関係があるのか、気になるところだ。


【冥府の街マップ】
無数の骸骨の山や、炎や蝋燭などのオブジェクトにより、ダークな雰囲気が演出されている


 「冥府」は街マップ「冥府」に加え、推奨レベル61から70の「ペット訓練所1」、推奨レベル69から78の「ペット訓練所2」、そして17種類のフィールドマップによって構成されている。「冥府」は高レベル帯のプレーヤーの狩り場という位置づけにはなっているが、フィールドマップの中にはレベル39以上推奨のものもあり、中級レベルから高レベルまでのプレーヤーが楽しめるエリアとなっている。


【冥府のフィールドマップ】
ウォーブル(レベル39~45)デッドランド(レベル44~50)ヘルビレッジ(レベル49~55)
リグルロード(レベル54~60)アビス(レベル59~65)ステュクス河(レベル61~64)
クラティス河(レベル63~66)ネッサダク(レベル65~68)ダスクモール(レベル67~70)
ロストルイン(レベル69~72)エンダロンド(レベル69~72)ダンプケイブ(レベル71~74)
カオスランド(レベル73~76)フレアロード(レベル75~78)デッドケイブ(レベル77~80)
ダークロード1(レベル61~70)ダークロード2(レベル69~78)

【冥府フィールドマップ内の一部】
「冥府」内のフィールドは全体的に薄暗い。既存マップはフィールド風だったが、ダンジョンのような構成になっている


死後の世界や、地獄といった言葉がよく似合う姿をしたモンスター達

 「冥府」エリアには、新たに100体以上のモンスターが追加される。眼が1つしかないコウモリ型のモンスターや、角が生えた悪魔のようなモンスターなど、見るからに強そうな姿をしており、実際に戦っても非常に強力だ。中でも強かった「ダークロード」内にいる龍人というモンスターは、狼のようなモンスターを多数従えており、レベル80のファイターで2、3分ほど戦っても決着がつかなかった。この強さでもボスモンスターではない。高レベルのフィールドマップでは、インスタントダンジョンのようにパーティプレイが重要なようだ。


【追加されるモンスターの一部】
龍人骸骨騎士暗黒精霊
ドラゴン

 各職業にはレベル70用と75用のスキルが追加される。今回体験した「ファイター」では、レベル70用のスキルとして、周囲の敵に連続攻撃を繰り出す物理攻撃「ヘルブレイダー」、レベル75用のスキルには、自らのHPと防御力を減少させて戦闘力を高める「フューリー」が追加されていた。試しにスキルレベル1の「フューリー」を使用してみたところ、最大HPの15%を失い、防御力が200減少したが、その代わりに攻撃力、命中、必殺が100ずつ上昇していた。「ファイター」はさらに攻撃特化型になった印象だ。

 「ハンター」のレベル70用スキルは、対象とその周囲のモンスターにダメージを与える物理攻撃「ダガーレイン」。レベル75用スキルは、武器に毒を塗って攻撃することで対象に時間と共にダメージを与える「フェイタルベノム」の2種類が追加される。

 「ウィザード」は、範囲攻撃における属性のバリエーションが広がっている。レベル70用スキルは、闇属性の範囲攻撃「マジックバースト」、レベル75用スキルは、雷属性の範囲攻撃「ディストーション」となっている。

 「プリースト」は、これまでよりも強力な攻撃魔法と回復魔法の2種類で、レベル70用スキルは無属性の単体攻撃「エンジェルボイス」、レベル75用スキルは対象の治癒速度を高める「グレーターヒール」となっている。


【ファイターの新スキル】
「ヘルブレイダー」「ヒューリー」
【ハンターの新スキル】
「ダガーレイン」「フェイタルベノム」
【ウィザードの新スキル】
「マジックバースト」「ディストーション」
【プリーストの新スキル】
「エンジェルボイス」「グレーターヒール」



■ レベル65から80の装備や日本オリジナルイラスト

レベル65から80までの新たな武器

 装備品はレベル65から80までのものが追加される。既存のものよりも強力に見えるように意識してデザインされたそうで、ドクロのようなものが装飾されていたり、尖った角のついた武器だったりと、いずれの装備も「冥府」のイメージが活かされている。


【新装備】
ファイター用
ハンター用
ウィザード/プリースト用


 また台湾版の「エンジェル戦記」のイラストと合わせて、日本オリジナルイラストが追加される。実際にゲーム内に追加されるイラストは、「冥府」に登場するNPCとなっている。他にも、公式サイトのTIPSなどで表示される予定の職業毎のキャラクターイラストが公開された。これらのオリジナルイラストは、「エンジェル戦記」の世界観に合わせ、総勢11名のイラストレーターによって描かれている。


【NPCのオリジナルイラスト】
「ハデス」
作画: IronPot氏
「テミス」
作画: 霜月えいと氏
「デメテル」
作画: 倉田綾子氏
「ペルセフォネ」
作画: 信澤収氏

【職業毎のオリジナルイラスト】
ファイター(男)
作画: 神志那弘志氏
ファイター(女)
作画: 種田和弘氏
ハンター(男)
作画: 竹浪秀行氏
ハンター(女)
作画: 大島美和氏
ウィザード(男)
作画: 池田柚規氏
ウィザード(女)
作画: 霜月えいと氏
プリースト(男)
作画: Chiyoko氏
プリースト(女)
作画: 鷲尾直広氏



■ 最大500人対500人の大規模PvPシステム「クリオス戦場」

「クリオス戦場」のフィールド
「クリオス戦場」の全体マップ。北西と南東に勢力ごとの陣地が構築される

 PvPシステムとして、最大500対500人で争う「クリオス戦場」が実装される。参加者は2つの勢力に分かれ、相手陣地にある「ディザスター」と呼ばれるクリスタルを奪い合う。

 「クリオス戦場」は、毎週木曜と日曜の21時から1時間開催される。参加受付は開催15分前の20時45分から21時まで。参加にはレベルの制限はなく、500GP(500円相当)の課金アイテム「希望の印」を購入し、専用のNPCに渡せば誰でも参加できる。

 「希望の印」は消費アイテムとなっており、次回参加する際には再度購入する必要がある。つまり1回500円、1カ月フルに参加すれば最大5,000円となるわけで、かなり強気な価格設定といえる。この点については、同社が運営中のMMORPG「AngelLoveOnline」でもPvPシステム「聖域戦場」で同額の設定となっており、その実績を踏まえたものとなっている。なお「クリオス戦場」の実装時には初回キャンペーンとして、「希望の印」の無料配布が予定されている。

 「クリオス戦場」のバックストーリーには、「エンジェル戦記」のメインストーリーに登場する「パンドラの箱」と、そこから解き放たれた混沌の原因である多数のクリスタル「ディザスター」が関わっている。一部の権力者はその混沌の力に酔い、さらなる騒乱を起こそうとして、権力者の間で「ディザスター」収集による争いが行なわれていた。

 そこで神「エピメテウス」とその弟の「プロメテウス」は「ディザスター」を回収して封印しようと考える。その方法として考え出されたのは、権力者になりすまし、冒険者を2つの勢力にスパイとして潜入させ、代わりに「ディザスター」を回収してもらおうという計画だ。その際に「ディザスター」の災いの気により冒険者の回収が阻まれないように、「パンドラの箱」の底に残された希望から「希望の印」が作られた……というのが「クリオス戦場」のバックストーリーだ。


「戦闘準備区」の全体マップ

 「クリオス戦場」に移動するには、まず各街エリアに居るNPC「テミス」に話しかけて「戦闘準備区」に移動し、次に受付時間内に「希望の印」を「テミス」に渡す。するとプレーヤーはランダムに2つの勢力のどちらかに配属され、自動的に「クリオス戦場」に転送される。戦場転送時にパーティを組んでいると一旦解散され、プレーヤーはランダムに勢力が決定される。ギルドメンバーも同様で、誰であっても敵対勢力として戦うことがある。

 勝利条件は、先に相手の「ディザスター」を20個回収すること。1時間が経過し時間切れとなった場合は、「ディザスター」を多く回収した方が勝利となる。戦場には自陣と敵陣それぞれに1つずつ「ディザスター」が置かれており、敵陣の「ディザスター」を奪って自陣に持ち帰るのが目的となる。「ディザスター」の回収に成功すると、新たな「ディザスター」が10秒後に敵陣に出現する。

 敵の「ディザスター」を取得するには、近づいてクリックするだけでいい。「ディザスター」保持状態では、乗り物や装備アイテムのステータスが反映されない上、物理防御と魔法防御が20%減少してしまう。また、「ディザスター」保持者は参加者全員のマップ上に表示されるため、1人で運ぶのは容易ではなく、味方の協力も必要となる。

 「ディザスター」を保持した状態で倒されると、その場に「ディザスター」を落とす。その後30秒以内であれば味方が再度取得できるが、30秒が経過すると「ディザスター」は自動的に元の場所に戻ってしまう。逆に自軍の「ディザスター」を取り戻す場合は、まず敵の保持者を倒し、その場に「ディザスター」を落とさせる。自軍の「ディザスター」は取得できないため、30秒間敵対勢力に触らせないように守ればいい。なお、倒された場合もペナルティはなく、自陣周辺の復活エリアですぐに復活できる。

 戦場には城門が設置されており、これが戦略要素の1つとなっている。城門は各勢力に6つずつあり、城門前にいるNPCを倒せば門が開く。開かれた城門は再建が可能で、フィールドにあるミスリルの塊を採掘して集め、NPC「工匠」に渡して「建築資材」を入手し、さらに城門再建に必要な数の「建築資材」を「工匠」に渡すことで城門が再建される。


【戦場内のオブジェクト】
「ディザスター」を自陣まで持ち帰ることが「クリオス戦場」の目的だ両陣営に6つずつ存在する城門。NPCを倒すと通行できる城門を再建するためのNPC「工匠」


 さらに、戦場には3種類の機甲のうち1機がランダムに出現する。機甲の出現ポイントもランダムで、複数ある出現ポイントの内の1カ所となっている。機甲には、自軍、敵軍を問わず搭乗可能で、一定時間が経過するか、攻撃を受けて耐久度がなくなると消滅してしまう。その後、ある程度の時間が経つと機甲は再び出現する。

 3種類の機甲はそれぞれ特性が異なる。「犬型機甲」は、物理攻撃と魔法攻撃が50%上昇し、物理防衛と魔法防衛が10%減少する。「猫型機甲」は、移動速度が2倍になる。「アヒル型機甲」はHP上限の2%のHPが2秒毎に回復する。このうち「猫型機甲」は「ディザスター」を保持している場合には効果が適用されないが、デメリットもないので、相手に奪われないためにも、見つけたらすぐに搭乗したほうがよさそうだ。


【戦場に出現する機甲】
「犬型機甲」「猫型機甲」「アヒル型機甲」


 「クリオス戦場」が終了すると、経験値と戦績が得られる。戦績は、戦場での行動により取得できるポイントで、個人成績として記録される。戦績の取得方法は、「敵を倒す」、「城門の破壊」、「城門の再建」のほか、「『ディザスター』の回収」、「回収に成功した際に途中の移送で保持していたことがある場合」、「保持者を倒して『ディザスター』が自陣に戻った場合」となっている。獲得できる戦績は行動によって異なり、敵を倒した場合は最大でも2ポイントしかもらえないが、「ディザスター」を回収した場合は300ポイント獲得できる。

 獲得経験値は、勢力の勝敗結果と、キャラクターのレベルなどにより変動するが、フィールドマップで1時間狩りをして入手できる経験値よりもかなり多めに設定されている。ただし勝利勢力に属していた場合でも、戦績が0ポイントだった場合は敗退勢力と同等になる。逆に1点以上の戦績を得れば、戦績に応じて取得経験値が増加する。


レベル基本報酬(経験値)戦績ボーナス
敗退勢力(勝利勢力戦績0点)勝利勢力(戦績1点以上)最大取得経験値戦績上限戦績1点あたりの取得経験値
1~920,00040,00020,00050300
10~1930,00060,00030,000100300
20~2970,000140,00070,000200350
30~39140,000280,000140,000300465
40~49260,000520,000260,000400650
50~59440,000880,000440,000500880
60~69450,000900,000450,000500900
70~79460,000920,000460,000500920


 戦績はランキングも用意されており、「戦闘準備区」に設置されたランキングボードに、参加者全員の戦績が表示される。ちなみに、ランキングボードのキャラクター名はデフォルトで非表示となっており、システム設定からチェックをはずさなければ自分のキャラクター名が表示されない。

 ランキングボードの戦績ランキング上位3名には、7日間有効な特別なアクセサリが報酬として付与される。1位は最大HPが1,600上昇する「カフカースコンクエストリング」、2位は最大HPが1,100上昇する「カフカースチャレンジリング」、3位は最大HPが700上昇する「カフカースエフォートリング」となっている。これらのアクセサリの効果は、効果時間15秒間、再使用間隔3分となっている。


【ランキングボード】
ランキングボードは「戦闘準備区」に入場して確認できるランキングには前回の「クリオス戦場」の戦績が表示されるシステム設定からキャラクター名非表示のチェックがはずせる

キャラクターの頭上に表示されているのが「大元帥」の勲章

 「クリオス戦場」にはもう1つ、「勲功」というものがある。これは敵を倒したり、建築資材を取得した際に貰えるもの。1戦ごとにリセットされず、何度も参加して貯められる。

 貯まった勲功によってキャラクターの階級が上昇していく。階級は「兵士」から「大元帥」までの15段階あり、1度階級が上がれば下がることはない。また、勲功を消費することで、攻撃力と魔法攻撃力が上昇する「勲章」という装備アイテムと交換できる。勲章は階級によって性能が異なるため、勲章を入手してキャラクターの性能を上げるか、先に階級を上げるかという選択も必要となる。


階級レベル階級名必要累積勲功値勲章交換勲功値勲章の性能
1兵士0500攻撃力+10/魔法攻撃力+10
2上級兵士1,000700攻撃力+20/魔法攻撃力+20
3兵士長3,100980攻撃力+30/魔法攻撃力+30
4十人隊長7,3001,370攻撃力+40/魔法攻撃力+40
5百人隊長15,0001,920攻撃力+50/魔法攻撃力+50
6千人隊長30,0002,690攻撃力+60/魔法攻撃力+60
7従騎士54,0003,770攻撃力+70/魔法攻撃力+70
8騎士93,0005,270攻撃力+80/魔法攻撃力+80
9上級騎士152,0007,380攻撃力+90/魔法攻撃力+90
10聖騎士234,00010,400攻撃力+100/魔法攻撃力+100
11騎士団長340,00014,500攻撃力+110/魔法攻撃力+110
12将軍470,00020,250攻撃力+120/魔法攻撃力+120
13副元帥610,00028,350攻撃力+130/魔法攻撃力+130
14元帥820,00039,700攻撃力+140/魔法攻撃力+140
15大元帥1,240,00055,600攻撃力+150/魔法攻撃力+150


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(C)2009 Q Entertainment Inc.

(2009年 10月 7日)

[Reported by 日高文典]