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これは衝撃的に軽いぞ! コスパ抜群の有線ゲーミングヘッドセット「G335」インプレッション
2021年6月29日 16:01
- 【G335 有線ゲーミングヘッドセット】
- 7月29日発売予定
- 価格:8,690円(税込)
ロジクールは、ゲーミングブランド「ロジクールG」において、ゲーミングヘッドセットの最新モデル「G335」を7月29日に発売する。価格は8,690円(税込)で、カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ミントの3色展開。発表に合わせて実機を試すことができたのでインプレッションをお届けしよう。
ゲーミングギアのトップブランドである「ロジクールG」は、シーズンごとにわかりやすいテーマを掲げ、一点突破でマーケットに新たな潮流を生み出すことを得意としている。マウスでいえば、わずか63gのゲーミングマウス「PRO X SUPERLIGHT」で見せつけた“軽さ”、キーボードはワイヤレス、フローティングキーと来て、2020年にたどり着いたのは低背キーを全面採用することで入力を速めるロープロファイルだった。技術の進化にいち早く対応していることはもちろんだが、わかりやすさが幅広いゲームファンに支持されている要因だと思う。
そして今回はゲーミングヘッドセットの番である。ゲーミングヘッドセットは、PC/コンソールゲーマーにとって長らく“オプション”の存在だった。PCにおけるマウス/キーボードや、コンソールにおけるゲームパッドのように必須の存在ではなく、あればより快適、より有利というアイテムで、誰もが買い求めるものではなかったように思う。
ところが、ここ数年で状況は激変しつつある。1つは配信カルチャーの隆盛、もう1つはテレワークによるゲーミング環境の変化だ。これにより多くのゲーマーが、よりよいサウンド環境と、マイク環境を求めてゲーミングヘッドセットを求めるようになっている。実は、ロジクールG自身、現在もっともラインナップの充実に力を注いでいるのがゲーミングヘッドセットなのだ。
今回発表された「G335」は、型番だけ見ると、4月に突如登場し、即完売となったゲーミングイヤホン「G333」の本格参入モデルかと思ってしまうところだが、全然違う。ラインとしては、同社が昨年からはじめている豊富なカラバリが特徴のカラーコレクションシリーズ「G733」のバリエーションだ。
「G733」は、2020年8月にリリースされた初のカラーコレクションシリーズだ。それまで最上位モデルだった「G933」をより進化させた、スタイリッシュな新デザインを採用しつつ、定番のブラックに加えて、ブルー、ホワイト、ライラックの4色展開を実現。本体スペックも充実しており、40mmの「Pro-G」オーディオドライバーをしながら、完全ワイヤレスを実現し、見られることを意識した前面LEDの採用、それでいて278gという軽さを実現するなど、まさに新時代のハイエンドゲーミングヘッドセットだ。
「G335」は、その「G733」とほぼ同じ筐体を採用した弟分だ。“ほぼ同じ”と書いたのは、詳しくは後述するが、実は違うからだ。わずかに小さく、さらに軽い。
機能的には、3.5mmジャックによる有線接続のみに変更し、オーディオケーブルやマイクは着脱不可の“本体固定”。さらにUSB接続に伴うドライバ周りの機能や、LEDライトやボタンなどの機能をばっさりカットしたことで、一気に1万円以上値を下げている。カラーには性別を問わず好まれる新色ミントを新たに加え、「G733はさすがにちょっと高いなぁ」というライトゲーマー層を狙い撃ちにするゲーミングヘッドセットだ。
USBアダプタを採用したワイヤレスゲーミングヘッドセットは、無線機能の実装に伴い、価格が高くなることに加え、デバイスとの互換性が常に問題になる。PCゲーマーならドンとこいだし、PS4やPS5ならサクッと繋がったりするが、Xboxではダメだったり、対応していないゲームコンソールのユーザーは、ちょっと損をした気になるものだ。その点3.5mmジャックは今も昔も、最も汎用性のあるインターフェイスで、PCやスマートデバイスはもちろんのこと、PS5の標準コントローラーであるDualSenseにも、Xbox Series X|SのXbox ワイヤレスコントローラーにも完備されている。この圧倒的な接続性はゲーマーにとって安心できる要素だ。
さて、それではこの「G335」は、「G733」から機能をそぎ落としただけの廉価モデルなのかというと、それは違う。「G335」最大の武器は、ロジクール史上最高クラスの軽さとコンパクトさだ。「G733」は“超軽量”を売り文句に、わずか278gという重量が魅力のモデルだったが、弟分の「G335」はさらにそれを凌ぎ、公称スペックで240g(ケーブル込み)、手元の計量器でヘッドセットのみの重量を量ったところ、わずか220gしかない。手で持つとすぐにわかるが、ガツンと軽い。
また、サイズについては、ぱっと見「G733」と同じに見えるが、実は新規の金型で、わずかに小さい。スペックは、「G733」が194×190×83mm(高さ×横幅×奥行き)に対して、189×180×79mm(高さ×横幅×奥行き)と実にミリ単位でコンパクトになっている。G733と比べてみたところ、確かに横に並べるとわずかにG335のほうが小さく、同じ最新世代のデザインを踏襲しながらも、異なる金型で作られた別製品であることがわかる。念のため現行の有線モデルであるG633やG433とも比較してみたが、一回り以上コンパクトで圧倒的に軽い。これは「G335」だけの強みだ。
そうした情報を踏まえた上でその上で、実際にPS5やXbox Series X、PCに接続してゲームを楽しんでみたが、性能的にはまさに必要十分なサウンドを提供してくれる。現在の3Dゲームに必要不可欠な3Dサラウンドの定位性、銃撃バトルには欠かせない重低音、それからひとつひとつの音の切れ、繊細さ、広がりも十分で、これが実売で7000円ぐらいで買えるのはかなりお得感が高い。
強いてウィークポイントを上げるなら、全体的にわずかに音が軽めなところと、アンプ機能は最低限しか盛り込まれていないため、ボリュームが物足りないところぐらい。そして当然のことながら無線接続はできないが、ケーブルにも一工夫あり、かなり細身でよれにくい素材が使われており、ヘッドセット本体と同カラーなのも好印象だ。
そしてなんといっても素晴らしいなと感じたのはとにかく軽いことだ。筆者が日頃利用しているゲーミングヘッドセットは、いずれも370g前後の重量があり、ゲームのみならず、テレワーク時の編集部のコミュニケーション、あるいはメーカーとの打ち合わせや会議等にも使用しているが、1~2時間も付けるとずっしりとした重量感を覚える。
そこで、最近お気に入りなのがG733だ。当初、ロジクールGの現行ハイエンドモデルであるPRO X WIRELESS LIGHTSPEEDや、姉妹ブランドであるASTROのパワフルなアンプが特徴のA40をリプレイスするような存在ではないと思っていたが、試しに使っているうちにとにかく軽さが気に入って、いつの間にかお気に入りになっている。軽さは絶対的な正義だ。これは単に筆者が年を取って、経年劣化で重い物が耐えられなくなってるだけかとも思ったが、ロジクールの担当者も「実は私もそうなんです」といっていたので、結構真理だと思う。
で、G733を散々持ち上げておいてなんだが、G335はそれよりさらに60gも軽いのである。この衝撃は、2020年のベストセラーモデルであるゲーミングマウス「PRO X SUPERLIGHT」に近いところがあり、「え、中身入ってるの?」とモックを疑ってしまうような軽さだ。
上述したように、機能はG733より絞られているものの、肝心要の音については十分な性能を保持しており、複数カラー展開も相まって、ロジクールGのゲーミングヘッドセットとしては文句なしにおすすめできるプロダクトとなっている。「色んな用途に使える手頃なヘッドセット探しているんだよね」というゲームファンは、ぜひ検討してみては如何だろうか?