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美しさはそのままに、遊びごたえはマシマシに!モバイル版「Re:Tree of Savior」プレイレポート
2021年5月21日 16:30
- 【CBT】
- 6月4日12時~6月17日11時59分 実施予定
- プレイ料金:無料(アイテム課金制)
黎明期の、特にPCのMMORPGといえば、他のプレーヤーとのパーティプレイ、PvP、大人数でのレイド……といったコンテンツが中心で、これらがMMORPGの遊びの花形とされていた。だが、本当にそうだろうか? 最近のMMORPGは、”ぼっちプレイ”で十分以上に面白い。今回、クローズドβテストの実施が発表されたAndroid/iOS用ファンタジーオンラインRPG「Re:Tree of Savior」も、「Tree of Savior」を踏襲したスタンドアロンゲームなのかと疑うほどに、ソロプレイが可能な豊富なやり込み要素が用意されている。
本作は、Steamにてサービス中(ネクソンによるサービスは2019年11月に終了)のWindows用MMORPG「Tree of Savior(以下、ToS)」の世界観を踏襲しつつ、Android/iOS向けに開発された新作だ。緻密に描き込まれた幻想的で美しいグラフィックスと、ドライブ感のあるドラマティックなBGM、神々しいキャラクターグラフィックスという「ToS」の良さはモバイルでもそのまま。スマートフォンに最適化されたお手軽プレイと、新たな成長要素が付加され、Windows版では日本でのサービス開始時に批判の声もあったゲームプレイ部分は大きく改善されている。弊誌では先行して「Re:Tree of Savior」をプレイする機会を得たので、世界観と序盤の展開、やり込み要素の多いシステムについて紹介したい。
女神ライマに導かれ、世界を救済するための啓示を探す
「Re:Tree of Savior」をスタートすると、ダウンロードの開始と共にオープニングと呼ぶべきイベントが始まる。クポルという小さな天使を操作して向かった先には、世界樹にとらわれた女神ライマがいる。
ライマは、ルタというクポルに、ここが世界を救済する啓示者(プレーヤー)の夢の中であることを付ける。この世界は崩壊に向かいつつあり、ライマは世界を救済する役割を負う啓示者を導くために、ルタを生み出したのだと語って聞かせる。
本作ではライマをはじめとした重要人物の立ち絵は、Spineでアニメーションするようになっているほか、オープニングでのセリフはフルボイスとかなり力が入っている。
5つのクラスと各3つの上位職
「Re:Tree of Savior」では、キャラクターの名前を決めるより先に、まずは「チーム」の名前を決定する。このチームは、自分のキャラクターを登録しておくためのもので、チームの中に作ったキャラクターは「バラック」というハウジング要素や、仲間NPCを共有することができる。
チームに1人でも育ったキャラクターがいれば、次に育てるキャラクターはレベル1でも、強いキャラが育てた強いNPCを同伴させたり、装備を使うことができるため手早く育てることができる。ハウジング要素のバラックは序盤のメインストーリーで開放される。
初期に選ぶことができるクラスは「ソードマン」、「ウィザード」、「アーチャー」、「クレリック」、「スカウト」の5系統。そこからそれぞれ3つの派生職が用意されている。序盤で発生するクラスクエストを全てクリアすると最初の転職に必要なアイテムが手に入る。
「Re:Tree of Savior」は転職することで、より多くのスキルを覚えていく。UIにはまだ新しいクラスが追加されそうな余地があるため、テストではマスクされたさらに上位の転職が今後姿を現わすのかもしれない。
また、スキルの中には修得した後、それに紐づいた「特性」を成長させることでより強力になっていくものがある。特性の修得や成長には「特性の石」というアイテムが必要になる。ダンジョン報酬やデイリークエストの報酬として手に入るが、ある程度成長してくるとすべてのスキルを上げていくには全く足りなくなる。そのため、どの技能を覚えるか、強化するかというビルド部分で頭を悩ませるのも、育成の楽しさのひとつと言えるだろう。
オート移動とオートバトルで簡単ハクスラ
モバイル向けのMMORPGでは必須システムと言えるオート移動とオート戦闘はもちろん搭載されている。画面左側に表示されるクエストリストをタップすると、そのクエストポイントへオート移動する。また、2キャラ目以降を育てる時にクエスト消化が煩わしく感じるようであれば、序盤のクエストを飛ばせるようワープボタンも付いている。これを使えば、どうしても飛ばせない重要なクエスト以外をすっ飛ばして次の場所へワープしてくれる。さらに、拡大マップから任意の場所を選んでそこに移動したり、ワールドマップから有料のファストトラベルを利用することもできる。使用期限はあるが、ファストトラベルが無料で利用できる「トークン」というアイテムも存在する。
通常の移動は画面タップと、左下のバーチャルスティックの両方で行なえる。ちょっとした移動の時にはタップ、ボス戦など、シビアに攻撃を回避しなければ即死してしまうこともある戦闘ではバーチャルスティックと、使いどころを分けたプレイができた。操作方法は、設定でどちらかだけに固定することもできる。
スキルやアイテムは右側に集まっている。中央の大き目のアイコンが基本攻撃ボタンで、その周辺に5つのスキルボタンが並ぶ。右下にあるボタンはジャンプボタンに割り振られている。
スキルの左側には2つのアイテムスロットがあり、左側にはHPの回復ポーション、右側はスキルを使用するたびに消費するSPの回復ポーションをセットできる。このスロットはショップを兼ねており、場所を選ばず薬を補給できるので、例えばボス戦の最中にも購入することができる。もちろんそんなことをしているとやられてしまうので、実際にはやっている暇はないのだが。
効果の違う数種類のポーションを持っている時には、タップでリストが出てくるので、そこから切り替えて使うこともできる。使用もワンタップで、数秒のクールダウン後にすぐ再使用ができる。頼りにはなるが、ガブ飲みができるほどではない。大量の敵からの攻撃や、大技を連続してくらうと回復が追いつかなくなるようなバランスなので、緊張感をもって戦うことができる。
オートバトルでは、近くにいる敵の場所に移動して勝手に攻撃を仕掛けてくれるが、ボス戦ではオートバトルだけに頼るとピンチに陥りやすい。オートバトル設定を付けたままボス戦に臨むと、勝手にボスとの間合いを詰めようとして、範囲攻撃に引っかかってしまうことがあった。重要なボス戦ではオート設定はオフにしておいたほうがよさそうだ。
装備は「研磨」で強くなる
本作にはたくさんのボスが登場する。中には非常に強いボスもいて、負けると、装備強化箇所のサジェストウインドウが出る。「Re:Tree of Savior」では装備の製作が可能だが、製作した装備には「研磨」というコンテンツで様々な強化を行なえる。とくに序盤で重要なのが、レベルアップ、強化、超越と言う3つの成長要素。
装備のレベルは、ドロップした使わない装備や専用のアイテムを消費することで上げることができる。オートバトルでレベリングしていると、いつの間にかバッグに入っている使わない装備をリサイクルできるので、装備の成長要素としてはもっともお手軽だ。レベルを上げることができるのは、下半身、上半身、靴、手袋、補助装備、武器の6カ所となる。
レベルには上限があり、最大レベルの装備は同じレベルの同じ装備を素材にして超越することができる(素材にする装備のレベルは不問)。また、装備の製作に必要な材料やレシピは敵からドロップする。
「強化」は、レベルアップとは別の成長要素だ。強化には、シルバーというゲーム内通貨と「金床」というアイテムを消費する。強化には段階があり、最初の数回は成功確率が100%だが、その後はだんだんと確率が低下していく。失敗すると段階とステータスが下がってしまう。
例えば7段階目になると、成功率が60%になるが、そこで失敗すると6段階目に戻ってしまう。そこでやり直してまた失敗すると、今度は5段階目に戻ってしまうなど、段階を進めるほどに難しくなっていくうえ、必要な費用も高くなる。
ボスカードを集めて装備にセット
プレーヤーの装備には、上に書いたステータスを反映させるための装備とは別に、見た目を反映させるおしゃれ装備がある。おしゃれ装備のうち、服には3つのスロットがあり、ここにはボスからドロップするカードをセットすることができる。カードはつけはずしできるので、好きな見た目の装備に気軽に着替えることができる。
さらに、カードは武器と同じように、他のカードを消費して強化することができる。ただしこちらは最初のレベルから成功率が低く、カードもボスを倒さなければ手に入らないので、成長させるのは簡単ではなさそうだ。
プレーヤーを様々に補助するフェロー、クポル、コンパニオン
キャラクター自身の強化以外にも、強くなれる要素がある。まずは最初からプレーヤーを導いてくれるクポル ルタをはじめとしたクポルたち。ルタ以外のクポルはガチャで入手できる。クポルはこの世界では女神が作った眷属を意味する。当然天使ばかりと思いきや、むしろ天使以外が圧倒的に多く、中には、魔族も混じっている。
クポルには、同行すると効力を発揮する「同行効果」と、保有していることで発揮する「保有効果」がある。さらにレア度の高いクポルは固有のスキルで戦闘中にプレーヤーをサポートしてくれる。
クポルの能力はプレゼントで好感度を上げることで成長させることができる。プレゼントは多種多様あり、クポルによって好きなプレゼントが違う。また「女神の恩恵」というアイテムでランクを上げることで、能力の底上げが可能だ。
共に戦ってくれる相棒「フェロー」
フェローは、プレーヤーと共に戦ってくれるNPCキャラクター。最初のフェローはメインクエストの中に登場し、そのままプレーヤーに同行してくれる。その後のフェローはフェローガチャで手にいれることができる。
それぞれが固有のクラス、スキルを持っており、ソロプレイで足りないところを補ってくれる重要な存在だ。しかし、同行させていると、じわじわとスタミナが減っていき、一定時間経つと消えてしまう。ただスタミナを回復するアイテムがあるので、今は帰って欲しくない! という時にはスタミナを回復させて残業時間に突入することもできる。
そんな便利なフェローだが、こちらから立ち位置を指定したり、戦い方に関する指示を与えることはできないので、特にボス戦ではうかつにボスの範囲攻撃に巻き込まれることが多い。逃げ回っているうちに、床に倒れているフェローとすれ違ったことも多々あった。フェローに対して回復ポーションを使うこともできないので最初は焦ったが、しばらくすると少しだけHPが回復した状態で復活してまた元気に戦っていた。
フェローにもクポルと同様にレベルとランクがあり、それぞれアイテムを使うことで成長させることができる。レベルはプレーヤーキャラクターのうち、もっともレベルが高いキャラクターのレベルが上限になり、それ以上は経験値を取得することができないので、成長は常にプレーヤーと同じ階段を踏むことになる。
戦闘に出していないフェローには、バラックから用事を頼むことができる。バラックは、ログインしたときに毎回キャラクターがいるチームの拠点だが、他にも多くのことができる。その中の1つがフェローへの任務依頼だ。任務に出すフェローを選び、バラックで生産できる野菜などを消費して任務を開始する。完了するには数時間~1日が必要で、手に入りにくい貴重品が報酬として入手できる。
連れて行くことでパッシブなバフがつくコンパニオン
コンパニオンは同行させているだけでステータスが上がるNPC。餌をやることで成長させることができるが、入手はこのテストでは課金アイテムとして販売されていた。手に入れた「シマエナガ」は、「ToS」ではマウントとしてプレーヤーが乗ることができたが、本作では騎乗はできなかった。
デイリーで遊べる様々なコンテンツ
キャラクターのレベルが20前後まで上がると、メインストーリーの中で、その後デイリーなコンテンツとして遊ぶ冒険要素が開放されていく。ダンジョンやボス戦、パーティレイドなど主なコンテンツは6種類。それ以外に、期間限定のイベントやデイリークエストがある。
修道女院
成長に必要な「特性の石」が手に入る「修道女院」は、曜日によって登場する敵が変化する。基本的には、修道院の中央にある女神像を、周辺から襲ってくる敵から護るという防衛戦。レベルによって強さが3段階あり、強いほどもらえる報酬も多くなる。
大地の塔
120階まである塔を順番に攻略していくチャレンジコンテンツ。階ごとに報酬がもらえる。段階などはないが、その時に入ったレベルに応じた強さの敵が登場する。敵を殲滅したり、アイテムを破壊したりと、クリア方法も様々。途中で負けた場合は、次回はその階から再挑戦できる。
始まりの場所であり、プレーヤーの我が家バラック
最後にバラックを紹介したい。フェローの章で少しだけ紹介したが、バラックはプレーヤーが作ったチームのキャラクターが集う場所だ。キャラクターを作ると、全てバラックで待機するようになる。ログイン後には、そこからその日使用するキャラクターを選んでゲームを始めることになる。また、バラックにはクポル1体と3人のフェローも表示することができる。彼らがうろうろしていると一気ににぎやかさが増す。
バラックには家具も飾ることができる。通常のベッドやソファ、鉢植えと言った家具の他に、生産用の窯や、BGMを聞くプレーヤー、装備を飾れる展示台などがある。これらは、バラック専用のショップで購入することができる。
生産用の窯では、一定時間ステータスを底上げしてくれる料理を作ることができる。そのための材料はバラックの農場で育てられる。麦や野菜の苗を購入して畑に植えておくと、定期的に作物を収穫できるようになる。
多種多様な成長の芽を育てていく楽しさ
実はまだまだ本作の全要素を紹介できたわけではない。今回は序盤をちょこっとソロプレイできただけなので、むしろ、まだまだほんの一端に触れた程度と言えるだろう。
本作はエンドコンテンツ以外を完全にソロで遊べるような設計になっているので、レベリング中のプレイはスタンドアロンゲームに限りなく近しい。ビルドを考えながら、あちこちに散りばめられた成長要素を少しずつ拾うことで、自分だけのキャラクターを育てていく。その時のレベルや装備で倒せない敵に遭遇したら、一度諦めて、キャラを育ててから再戦する。そういうRPGらしい楽しみ方をしつつ、飽きずにプレイすることができた。
筆者は「ToS」に期待しつつ遊び始め、結局は離れてしまった人間だ。そんな筆者にとって「Re:Tree of Savior」は懐かしさと新鮮さが入り混じるゲームだった。だが、少なくとも、Windows版で感じていた不満点をモバイル版には感じなかった。今回のテストでは、まだ翻訳が十分にできていない部分や安定しない部分もあり、今後更なるクオリティアップが図られると思われる。この独特な世界観を愛して止まない人たちが、今度こそ大満足できるようなゲームを作り上げて欲しいと期待している。
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