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【UBIDAY2020】ヴァイキングが木製の盾を使う理由とは?「ヴィンランド・サガ」の作者幸村氏が「アサクリ ヴァルハラ」でみっちり語る「ゲームさんぽ」

【UBIDAY2020 ONLINE】

10月24日 開催

 11月10日(プレイステーション 5版は11月12日)発売予定のシリーズ最新作「アサシン クリード ヴァルハラ(以下、ヴァルハラ)」。UBIDAY2020 ONLINEでは漫画「ヴィンランド・サガ」を手掛ける幸村誠氏を招き、専門家とともにゲームの世界観をより掘り下げる動画シリーズ「ゲームさんぽ」とのスペシャルコラボが行なわれた。

ヴァイキングの衣装を纏って登壇した「ヴィンランド・サガ」の作者、幸村 誠氏(左)とユービーアイソフトのマーケティングディレクター 辻良尚氏(右)

 「ヴァルハラ」と「ヴィンランド・サガ」は共に「ヴァイキング」をテーマをとした作品同士で、既に「ヴィンランド・サガ」の作者である幸村氏が描き下ろした「ヴァルハラ」のショートストーリーがアフタヌーン12月号、及び特設ページに掲載されているなど、コラボレーション企画も進行している。

配信ではまだ正式公開前の、ユービーアイソフトのイラストチームが作った「ヴァルハラ」と「ヴィンランド・サガ」のコラボイラストもチラ見せされた

 幸村氏は「派手で、海洋冒険と金銀財宝の略奪など男の子の夢が詰まっている!」と語るヴァイキングファンであり、その愛情と熱量が「ヴィンランド・サガ」に注ぎ込まれている。一方の「ヴァルハラ」ではプレーヤーはノルウェーを発ったヴァイキングの戦士「エイヴォル」として、9世紀暗黒時代のイングランドで略奪に励むというタイトルだ。

 つまり今回の「ゲームさんぽ」はヴァイキングの専門家として幸村氏が「ヴァルハラ」をさんぽするというものだが、幸村氏は「ヴァルハラ」の緻密な背景描写や光の表現の美しさについて「うわーすごい!」など素朴な語り口で感動を表現しつつ、ゲーム内に何気なく登場する舞台やモチーフなどについてその豊富な知識を披露した。

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幸村氏が語り尽くすイングランド、そしてヴァイキング

 「ゲームさんぽ」はイングランドを一望できる高台からスタート。「アサシンクリード」ではお馴染みのイーグルダイブで着地し、馬に乗ってまずはヴァイキングの拠点へと向かっていった。

イングランドを一望できる高台からスタート
まずは馬で拠点へ
「げーむさんぽ」にてゲームの操作を担当したライブドアニュース編集部の増田 憲氏
MCを努めた同飯田直人氏

 幸村氏によれば、イングランドは「丘の連続で出来ているようなところ」であり、なだらかな丘陵が続いて岩が少なく、豊かな植生と緩やかに流れる川を持つ土地。移動の際に眼前に広がった光景は「イングランドと言う感じがすぐ伝わる」もので、加えて「おそらくマーシア王国と呼ばれていた地域だと思う」と僅かな情報で位置を特定して出演者を驚かせた。ちなみにヴァイキングの故郷ノルウェーは山がちで平地が少なく、農業にも不向きな土地であり、エイヴォルがイングランドに出てきたのは「平原が欲しいから」だと説明した。

イングランドのなだらかな丘陵、豊かな植生、そしてゆったりと流れる川

 道中では角笛を吹いて船を呼ぶシーンもあったが、ここでは作中の船の帆が”船体に対して並行”に収納されることに注目。狭いところを通り抜ける際、帆桁が”船体に対して垂直”についていると引っかかってしまうが、縦に畳むことで引っかからずに通過することができる。このタイプの船は実際に存在しており、幸村氏は「よく調べてあるなぁ!」と感嘆した。

狭いところを通り抜けられる、帆桁が船体と並行に畳まれるタイプの船

 また、広がった帆に描かれていたのは2匹のカラスの紋章だったが、ヴァイキングにとってカラスは知恵の象徴としてとても馴染み深い鳥で、紋章としてはメジャーなものなのだという。これはヴァイキングの土地に伝わる北欧神話の主神であり、知恵の神でもあるオーディンに「フギン」と「ムニン」という2羽のカラスが付き従っているのが由来となっているのだという。

船の帆には2匹のカラス。モチーフとしてはメジャーなもので、北欧神話の主人オーディンに従う2匹のカラス「フギン」と「ムニン」が由来

 拠点に到着すると、幸村氏は「ヴァイキングがどうとかいうより木の表現とかグラフィックスがすごい!」など映像表現について再びコメントしつつ、イングランドではニシンやタラなどの魚が非常にメジャーで食生活を支える存在であることや、当時の大工は船や家などなんでも手掛ける職人であったため、家は造船技術を流用して作られており、それ故に屋根の形が船をひっくりかえしたような構造になっていることなどを次々と解説していった。中でもヴァイキングの用いる盾の大部分が木製だった理由について、「これは相手の剣を食い込ませるためで、防御して食い込んだら相手の武器をこじって奪う。盾は壊れるのが前提」と、耐久性で金属に劣る木製盾が好まれた理由を説明した。

作中の描写の美しさ、細かさに感嘆しつつ、次々とヴァイキング知識が披露された
幸村氏はかつて現地を訪れたことがあり、その際の写真を持ち込んでいた

 続いてはゲームのキモ、襲撃シーンに移ったが、幸村氏は襲撃の目的地が見えたか見えないかというところから「教会かな?」と予測。なぜなら教会は「ろくな抵抗もなく宝物がいっぱいある場所」で、まさに「ヴァイキングの宝箱」であり、つまり「教会は襲われるもの」とヴァイキングが乗り移ったかのような倫理観でコメント。実際今回の目的地は教会であり、この読みは正解であった。

幸村氏はこの直後、建物が見えるか見えないかのところで襲撃地を言い当てた
「教会は襲われるもの」だそう

 また、戦闘では斧で敵を斬りつけ、首を跳ねる(※企画で使われたのは海外版)エイヴォルの姿を「うわー!ひどいなー!」とセリフとは裏腹に楽しそうに眺めつつ、「ヴァキングを象徴する武器はやはり斧だが、ヴァイキングは剣にも別格の思い入れがあった」と説明。なお、その理由は「カッコいいから」というシンプルなものではないかと推測した。

ヴァイキングと言えば斧のイメージが強いが、剣も大事にしていたのだという

 企画はここで終了となったが、幸村氏は「あと8時間くらいは喋れる」と名残惜しそうな様子を見せた。ただ、「ゲームさんぽ」の収録は追加で1時間ほど用意されており、追加収録分を含めた「完全版」が後日ライブドアニュースにて掲載予定とのことだ。最後に幸村氏は「速くプレイしたいし、仮に誰も聞いてなくてもひたすらプレイしながらずっと自分で解説していたい」と、すっかり「ヴァルハラ」ファンになった様子を見せた。

配信では「ヴァルハラ」のアートディレクター ラファエル・ラコステ氏によるQ&Aも公開された。事前にTwitterで募集された質問に答える形式で、アートの作成方法やその想いが語られた