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カルフォルニアビーチでもプレイ! 「NBA 2K21」メディアセッションレポート
ゲームエンジンを改良、NBA選手になるストーリーもドラマ性豊かに
2020年8月28日 18:09
- 8月27日開催
2Kは、プレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/PC用スポーツゲーム「NBA 2K21」のメディアセッション、「NBA 2K21 Virtual Developer Media Q&A Session」をリモートにて開催した。
今年は新型コロナウイルス感染症などの影響により、NBAシーズンのスケジュールが大きくずれ込んだ中で発売となる「NBA 2K」シリーズの最新作となるが、3人のカバー選手の起用や、次世代プラットフォームでの発売など、話題性に事欠かない内容となっている。
当セッションではシリーズの開発を手がけるVisual Conceptsの開発陣が本作の内容を解説し、メディアの質問に回答した。その様子をレポートしていきたい。
よりパワフルに、ストーリー性が豊かになる「NBA 2K21」
まずは本作のゲームプレイ・ディレクターのマイク・ワン氏が、本作の操作性について解説した。右のスティックを使ってシュートやパスを行なう「プロコントロール」は大幅な進化を遂げ、照準を合わせることに対する精度を向上。さらにこれまで以上にたくさんのコンビネーションムーブなども可能となった。操作性が向上したことで、いかに上手く操作をするかでゲームプレイが大きく変わってくるという。
またプレーヤーに関するフレキシビリティの向上として、ポイントガードの身長を203cmという高身長にまで設定できるようになり、スキルやバッジなども多彩になった。新たなシグネチャームーブとしてディフェンススタイルに様々な動きが追加され、その幅が大きく広がっている。
ゲームエンジンにさらなる改良を加えたことで、操作性やゲーム中の動きなどもよりスピーディとなり、ゲームプレイの内容がさらに充実し、よりリアルにパワフルにゲームを楽しめるようになっているという。
続いて「マイチーム」モードは、1年を通して楽しめる様々な施策が用意されるとのこと。1年の間にはいくつかのシーズンが設けられ、毎回新しいコンテンツが提供される。また週末の金~日曜日には「マイチーム・リミテッド」なるオンラインイベントが実施され、「チャンピオンシップリング」をかけた試合が展開。シーズン終了時に獲得したチャンピオンシップリングの数に応じて賞品が獲得できる仕組みだ。
なおこの「マイチーム」に関して、PS4とXbox Oneでは、コレクションや進行状況をそれぞれ次世代のプラットフォームへ引き継げることを強調した。
続いてはストーリーモードの「マイキャリア」について。サブタイトルに「The Long Shadow “その道の先に待つもの”」と銘打たれたこのモードは今回、実在する10の大学(ミシガン州立大学、コネチカット大学、フロリダ大学、ゴンザガ大学、シラキュース大学、テキサス工科大学、オクラホマ大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ビラノバ大学、ウエストバージニア大学)のプログラムを正式なライセンスを受け、ハイスクールからいずれかの大学に所属し、そこからNBAのスタープレーヤーを目指す課程を楽しめるようになっている。
もちろんストーリーは書き下ろしで、NBA入りを果たせなかった父親の背中を追い、自らの手で進むべき道を切り開いていく。本作にはジェシー・ウィリアムズ氏、マイケル・ケネス・ウィリアムズ氏、ミレイユ・イーノス氏などの俳優陣、そしてカバー選手であるデイミアン・リラード選手とザイオン・ウィリアムソン選手もそれぞれ登場し、物語を盛り上げてくれる。
続いては本作のオンラインモード「ネイバーフッド」について。ここは「マイキャリア」で作ったオリジナルキャラクターが日常生活を送れる空間で、本作では新たに作られたビーチが舞台で、Visual Conceptsの地元であるカリフォルニア州南部のビーチをモデルにしているという。彩り豊かな「2Kビーチ」で、屋外で太陽の光を浴びながら、オンラインのプレーヤーとバスケットボールを楽しめるというものだ。
その他にも「マイジム」や「マイリーグ」などのモードもあり、その全てにおいてタイトルを獲得していく過程を重視していると、エグゼクティブ・プロデューサーのエリック・ベニッシュ氏は語る。過去のシリーズに対する要望などもしっかりとくみ取り反映させているとのこと。また、このコロナ禍でスケジュールが変更となったNBAのシーズンに合わせて、ゲーム内のカレンダーなどもアップデートしていくことを約束した。
新型コロナによる大幅な環境の変化で進められた開発
ここからはセッションに参加したメディアの質問に開発陣が回答した。
――本作の「マイキャリア」モードについて、特に注力したポイントについて教えていただけますでしょうか。
ビショップ氏:今回はやはり公認10大学の復活が推しとなるポイントだと思っています。オンコートとオフコートどちらにしても、大学リーグはプロリーグとは特性が異なるもので、それを経て将来的にNBAのスタープレーヤーになるという展開が、高揚感を持って楽しんでいただけるのではないかと感じています。
――今年1月に亡くなったコービー・ブライアント選手がカバー選手になった「“マンバ フォーエバー”エディション」は、日本でも話題となったのですが、ユーザーの反響はいかがですか?
ベニッシュ氏:はい、発売前から大変な反響をいただいています。開発者の私たちにとってもファンにとっても、彼がバスケットボールにかけた情熱をレガシーとしてひとつの形で残せますので、この取り組みができたことについて私たちも誇らしく思っています。
――本作でプロコントロールの大幅な変更を行なった理由と、実装するにあたりこだわったことを教えてください。
ワン氏:一言でいうと「バランス」ですね。操作の上手いプレーヤーがプロコントロールを使いこなすことでメリットが得られるようにしたんです。その一方、カジュアルなプレーヤーでも楽しめるようにバランスを両立させることが今回のプロコントロールのあり方で、そこに対してはかなり試行錯誤しましたね。
――「NBA 2K」シリーズとしては、今回プレーオフの真っ最中でのリリースとなりましたが、そこについてどんな気持ちを持っていますか?
ベニッシュ氏:その点については、我々にとってはメリットになったと思います。普段ですと開発は6月以降のオフシーズンとなりますが、今年はプレーオフの期間中ということもあって、誰もがNBAに対する意識が高い状態を維持しているところでのリリースで、それはプラスに働いたと感じています。
――コロナ禍という今年の特殊な状況において、どんな開発の苦労がありましたか?
ベニッシュ氏:開発におけるコロナの影響は大きく、何より開発者は会って会議をすることができませんでした。家からのコミュニケーションでは会議のやり方、進め方も違いますので、開発は従来よりも苦難は多かったです。そんな状況の中でもチームは上手く適応して、非常に素晴らしいものが完成したことを誇らしく思っています。
――「NBA 2K」シリーズには選手のレーティングが存在しますが、今回のイレギュラーなシーズンの中で、それをどのように反映させたのか教えてください。
ベニッシュ氏:イレギュラーなシーズンではありますが、我々のチームはNBAの選手に対して幅広い知識を持っています。ですからシーズン中の選手の能力については、これまでの開発の経験を持ってすれば十分に補足ができる範囲だと自負しているので、イレギュラーなシーズンという点に関しては開発の障壁にはなりませんでした。
――毎シリーズ新しい選手が出てきていて、動きなどの再現性の難しい選手などがいると思うのですが、そういったところはどのようにフォローしているのでしょうか。
ワン氏:この「NBA 2K」シリーズにおいては、モーションキャプチャーの技術を採用しています。今年はマスクを着用してキャプチャー作業を行いましたが、キャプチャーしたデータを採用しつつ、選手の個性を再現しつつ、リアル性を高めています。
――現在のNBAは無観客で試合を行なっていますが、それらもゲームの中に反映されているのでしょうか。
ベニッシュ氏:そこは開発時に健闘したところなんですが、この「NBA 2K21」に関しては、客席に観客がいる空気感や高揚感を再現することがゲームのプラスになると判断し、観客がいる仕様になっています。
――過去シリーズと比較して、本作のビジュアル面で特に優れているところはどこでしょうか?
ベニッシュ氏:1つは「ネイバーフッド」の「2Kビーチ」ですね。完全新規のネイバーフッドで、開発としては実存するビーチの雰囲気をゲームの中でしっかり作りあげました。もうひとつは、次世代プラットフォームでのリリースですね。発売は秋になりますが、こちらもビジュアル面で非常に魅力のあるものをお届けする予定ですので、楽しみにお待ちください。
――シリーズを初めてプレイするプレーヤーには、どのモードがオススメでしょうか。
ワン氏:実際の動きを体験したり、どういった動きができるのかを知ったりするためには、チュートリアルである「2KU」モードを最初に触っていただくのがいいと思います。ゲームにはトレーニングのために詳細をポップアップする機能も備わっているので、そちらでも知識を得ることができます。
――日本のファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
ベニッシュ氏:今年は残念ながら日本に行くことができなかったのですが、来年はそれが叶うことを願っています。我々は日本と世界のファンの皆様に支えられてゲーム開発を続けています。皆様の支援には心から感謝の気持ちで一杯です。
――ありがとうございました。