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実力は完全に拮抗!「錬スト」の第1回オフライン大会、最終ラウンドまでもつれ込んだ試合を制したのはしゃる選手!

1月19日 開催

 最後の最後までもつれ込む試合展開、運と実力と読み合いが熱い試合展開で観客は食い入るように画面を見ていた。

 エヌ・シー・ジャパンは1月19日、同社より配信中のAndroid/iOS用対戦型デッキバトル「錬神のアストラル(錬スト)」において、Razerとソフトバンクの協賛のもとオフライン大会「第1回錬神武闘会 CHAMPION SHIP」を開催した。

 「錬スト」は「術師」、「ユニット」、「装備」などを組み合わせたデッキを事前に作成し対戦するストラテジーゲームだ。対戦の際は盤面にユニットを召喚して戦わせるのだが、同じ色のユニットを縦か横に繋げると大きくなっていく(「錬神」と呼ぶ)という特徴を持っている。

 「錬神」が落ちものパズルのようなランダム性を生み出し、事前にデッキを作る部分はカードゲームのような理詰めの一面もある。また術師は大きく「東京」、「ロンドン」、「パリ」という3つのタイプ(シリーズ)に分かれており、それぞれでバトルスタイルが異なる上に、同じシリーズでも術師によって使用できるアビリティが異なっていて別の戦い方になり、もちろん相性もあるという、運と実力と読み合いが絡み合いが本作の魅力だ。

 今回の大会は事前に行なわれた予選を勝ち抜いた上位4人のプレーヤーが日本最強を決めるべくトーナメント方式でぶつかりあった。日本のトップクラスのプレーヤー同士の戦いということで、試合展開がまったく読めない、理詰めを重ねた上で、最後の運が勝利を引き寄せる試合など、観戦側としても本当に緊張感の高い試合展開だった。

 本稿では会場で発表された今後のアップデート情報と共に、試合の様子をお届けする。

「錬スト」のゲーム画面

準決勝からもつれにもつれる熱い試合!

 準決勝のルールはBO3(最大3ラウンド実施し、先に2勝した方が勝利)、準決勝第1試合は「かを瑠」選手vs「天堂幹人」選手。見所は第2ラウンドだった。1ラウンド目を自分のコントロール通りに展開し勝利したかを瑠選手と追い込まれた天堂幹人選手という展開。

 試合序盤でイニシアティブを取ったのは天堂幹人選手。2ターン目に縦八陣を錬神し、その高い攻撃力でかを瑠選手のユニットをゴリゴリと攻撃していく。さらに攻勢に出て術師の「ロクサンヌ」のスキルで自陣のユニットの色を変えてさらなる錬神を狙う……というところでまさかのタイムアップによるターン終了。一気にかを瑠選手優勢の展開になった。

 だがドロー運は天堂幹人選手に吹いていた。次のターンのドローに恵まれたのと、前ターンで意図しないタイムアウトによりスキルが温存されていたため、その組み合わせで十六陣のユニットが完成。かを瑠選手は対抗する術がなく、天堂幹人選手の勝利。試合の行方は次のラウンドへと持ち越された。

 3ラウンド目の試合も拮抗しており、最後の最後までどちらが勝利するか全く読めない展開。結果的に勝利したのはかを瑠選手だったが、もう1ターン残っていれば天堂幹人選手の勝ち筋も見える展開で、観客も実況解説陣もハラハラする目が離せない展開だった。

リラックスして試合に挑んでいた印象のかを瑠選手
追い込まれた天堂幹人選手は思わず頭を抱えるシーンも
2ラウンド目のタイムアウトからの逆転劇は鮮やかだった。ユニットのカラーを変更できるというアビリティがキレイに刺さった展開だった

 準決勝第2試合も3ラウンド目までもつれ込む展開になった。

 試合を見るすべての観客に衝撃を与えたのは3ラウンド目、しゃる選手は最初手で縦弐陣を置いた。tuttu選手の電光石火が2回発動すれば(ほぼ)負けが確定するというリスクの高い1手だった。だがtuttu選手はこれを返せなかった。

 その後盤面を広げていったしゃる選手のスキルでファントムホースが召喚されていく。召喚場所はランダムなのだが、そのランダム性の女神がしゃる選手に微笑んだ。諦めずに耐えようとするtuttu選手だが、あえなく敗退となり、しゃる選手が決勝戦へと駒を進めた。

緊張感が高まるtuttu選手
しゃる選手もピリピリとした雰囲気
実力が拮抗した試合で運を掴んで勝利したのはしゃる選手

実力は拮抗、読み合いが熱い。ドラマに燃えた決勝戦!

 決勝戦はBO5(最大5ラウンド実施し、先に3勝した方が勝利)ということで、準決勝以上にお互いのデッキの読み合いが効いてきた印象だ。

 決勝戦も燃える展開だった。1ラウンド目はかを瑠選手がロンドンの「メアリー・ノートン」、しゃる選手が東京の「南雲士郎」を使ったデッキをで挑む。かを瑠選手が相手の攻撃をあえて受けることで錬神するテクニックを使って立ち回るがドローに恵まれない。

 しゃる選手が攻撃力の高い縦八陣を錬神、かを瑠選手は盾の横八陣を錬神し、後ろから攻撃していく。お互い決定打にかける展開で最後は残ったユニット同士の殴り合いになった。最初のラウンドを制したのはしゃる選手。

 続く2ラウンド目もデッキの組み合わせは同じ。だが試合後半のユニットが少なくなってきたところで、かを瑠選手の「メアリー・ノートン」のスキルで盤面いっぱいにユニットを並べてフィニッシュ。ここでお互い1ラウンドずつ取り合うヒリヒリとした展開になる。

 3ラウンド目はお互いにデッキを変更。今度はしゃる選手が「メアリー・ノートン」を選んだところ、それを読み切っていたかのようにかを瑠選手はメタとなる「石神由紀依」をピック。かを瑠選手のデッキ読みが完全に刺さったラウンドとなった。

 4ラウンド目もデッキを変更。追い込まれたしゃる選手は余裕がなさそうな様子が伺える。しゃる選手はロンドン以外にメタを貼れる「ジャクリーン・モリアーティ」のデッキをピック。だがかを瑠選手が選んだのはロンドンの「サヴェッジ社警備員」。しゃる選手の読みが中々うまくいかず、当初はしゃる選手が不利かと思われたが、諦めずに細かな情報戦を勝ち抜いたしゃる選手がラウンドを制した。

 2:2でもつれ込んだ最終ラウンド。お互いに疲労の表情が見える。完全に実力は拮抗しており、お互いがどんなデッキをピックするか、幸運の女神がどちらに微笑むか。まさに極限の試合となった。ここでお互いにピックしたのが1,2ラウンド目で使った「メアリー・ノートン」と「南雲士郎」を使ったデッキだ。最後は自分の信じたデッキで戦う、という意思の表れのようなピックだった。

 試合展開は序盤から八陣が見えるかを瑠選手が優勢に見えた。だが縦八陣を出したしゃる選手がアストラルエンドでかを瑠選手の盤面を一掃。最後の最後までもつれ込んだ決勝ラウンドを制し、初の日本1に輝いたのはしゃる選手だった。

 実況、解説、観客、全員が息を飲む展開ばかりで濃厚な時間が流れた試合だった。ぜひ第2回、第3回が開催されて、しゃる選手を打ち破るような熱い試合が見られたらと思う。

優勝をかけた最終ラウンド。さすがに両選手にも疲れと焦りの顔が見える
最終ラウンドでアストラルエンドが炸裂したのも印象的だった。またお互いの信じた術師同士がぶつかりあうという熱いドラマにも燃えた

新シリーズ「京都」が発表! さらに新モード「ユニットピックバトル」も実装予定

 大会の会場ではアップデート情報も発表された。まずは「ユニットピックバトル」モード。要するにドラフトモードのようなイメージだという。本モード限定のユニットなども現在検討中で、通常の対人戦とは異なるゲームプレイが楽しめそうだ。

 続いて新シリーズ「京都」が発表された。鬼にまつわる信仰/ストーリーとのことだが、今流行の漫画に影響されたわけではなく、かなり前から開発は進行していたとのこと。シナリオを担当しているのは里見直氏、音楽は「OCTOPATH TRAVELER」などの楽曲も手掛けた西木康智氏だ。テクノ+和サウンドの組み合わせは本作のスタイリッシュな雰囲気に非常にマッチしており、テンションが上がる楽曲だった。

 これらはいずれも開発中とのことで、具体的な内容が発表できるタイミングが来たら別途発表される予定だ。

新モード「ユニットピックバトル」。いわゆるドラフトモード的なイメージだ
新シリーズ京都。舞台やキャラクターも注目ポイントだが、個人的にはBGMを推したい