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IEM Sydney 2019、一昨年の覇者MIBRと、名門チームfnaticが準決勝にコマを進める
NiP! NiP! 4時間半の歴史的な大熱戦を制したのはfnatic!
2019年5月3日 23:30
- 5月3日~5日開催
- 会場:Qudos Bank Arena
IEM Sydney 2019のプレイオフラウンドが5月3日、オーストラリアシドニーで開幕した。プレイオフラウンド初日はMIBR(ブラジル)対mousesports(ヨーロッパ)、fnatic対NiPの準々決勝2試合が行なわれ、MIBR(2:0)とfnatic(2:1)がそれぞれ明日の準決勝にコマを進めた。明日はグループ予選を1位で突破し、プレイオフラウンドを準決勝からスタートするLiquid対MIBR、同じくグループ予選を1位で突破したNRG対fnaticの2試合が予定されている。
IEM Sydney 2019は、準々決勝から屈指の好カードが連続した。第1試合のMIBR対mousesportsは、どちらもIEM Sydneyに深く関連したチームばかりだ。MIBRはIEM Sydney 2017の覇者(当時SK Gaming)であり、mousesportsは、IEM Sydney 2018の覇者であるFaZeで当時IGN(In Game Leader)を務めていたkarrigan選手が率いるチームだ。2年前といえば、MIBRのFalleN選手の全盛期であり、karrigan選手は、eスポーツのホストシティとしてのシドニーが大好きであることを公言しており、IEM Sydneyとしてはこれ以上ない好カードといっていい。
選手入場で「CS」界のレジェンドであるFalleN選手が笑顔でハイタッチに応じれば、karrigan選手がマシンセッティングで退屈な時間を盛り上げるために観客に拍手を要求。両チームともオーストラリアチームではないにも関わらず、オーストラリアならではのかけ声、「オジオジオジ! オイオイオイ!」が発生し、まるで決勝戦が始まるかのような盛り上がりとなる。
肝心の試合はやや一方的な展開となり、第1ゲームこそ、karrigan選手が見せ場を作っていたが、MIBRの若きエースcoldzera選手がK66/D43/ADR92.4という圧倒的なスコアで無双し、2:0で勝利。順当に準決勝にコマを進めた。それにしてもFalleN選手のパフォーマンスの低さ(K39/D46/ADR65.3)は目を覆うばかりで、彼の偉大なキャリアの終わりは近いと感じた。
第2試合はfnatic対NiPは、世界ランクが8位と10位と近い相手だけに接戦が予想されたものの、19時からスタートして、終わったのは23時半という、史上稀に見る大接戦となった。
1ゲーム目は、fnaticがcacheを一時は10:2まで大差を付け、最終的に16:9で取り、fnaticやや有利かと思われたが、NiPは2ゲーム目Overpassを15:15の延長戦に持ち込み、延長ラウンドを三度繰り返した後23:25で取り返し、ゲームを振り出しに戻した。この時点で22時を過ぎており、試合開始から3時間が経過。オーストラリアのeスポーツファンはNiP贔屓が多いのか、NiPコールが止まらない。
運命の第3ゲームも、fnaticが見事なセットプレイでラウンドを取れば、すかさずNiPが取り返すという互いに譲らぬ展開で、再び15:15で延長戦にもつれ込んだ。2度続いた延長ラウンドは最終的にfnaticが22:20でNiPを突き放し、fnaticの勝利となった。IEM Sydneyに新たな名勝負が刻まれた瞬間だった。
明日5月4日は、予選リーグを1位で突破したLiquidとNRGが、MIBRとfnaticを迎え撃つ。引き続き熱戦を期待したいところだ。