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ゴーグルいらず! 3Dホログラムを再生できる新型ディスプレイ「Looking Glass」

クラウドファンディングサイト「Makuake」に登場!

2月26日 発表

 ホログラム専門家、光学技術者、機械工学者、電気技師、Unity開発者、3Dグラフィックアーティストのメンバーによって設立された、アメリカの新進気鋭のメーカー・Looking Glass Factoryが開発したデスクトップ型ホログラムディスプレイ「Looking Glass」のプロジェクトが、2月26日よりMakuakeで開始された。GAME Watchでは同社のCEOであるShawn Frayne氏と同社Business DevelopmentのNitin Bhargava氏に話を聞くことができたので、「Looking Glass」とともに紹介していこう。

Looking Glass FactoryのShawn Frayne氏(左)とNitin Bhargava氏(右)

ゴーグルなし。ディスプレイだけで3D映像を再生可能

 「Looking Glass」は、アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で1億円程度を集めた製品なのだが、そのうちの3割は日本人が占めていたという。このため本格的な日本での展開を考え、新たにプロジェクトを開始したのだという。

 「Looking Glass」の特徴は何と言っても、VRで利用するゴーグルやヘッドセットなどがなくても、ディスプレイだけで3D映像を楽しめることだ。このため複数の人で3D映像を見ることができる。その構造の概略を述べると、背面には合計45のビューが同時に展開され、それをディスプレイに写すことで立体視を実現しているとのこと。フレームレートは60fpsとなっている。

左が「Large」、右が「Standard」

 手前に存在する分厚い高屈折率材料がとても特徴的だが、これを通して3D映像を見ると、奥側ではなくて前側に再生されているのがわかる。奥行きを持たせて本体の後ろ側に投影するようにしていないのは、向こう側にコンテンツがあると、自分と同じ世界に再現されているように見えなくなるため。視聴者側にあることで、飛び出して見えてリアルな世界に存在すると認識できるようになっているわけだ。

「Looking Glass」の内部構造

 本体だが、A4サイズ程度のディスプレイサイズを持つ「Looking Glass Large」(以下、Large)と、その半分程度のディスプレイサイズとなる「Looking Glass Standard」(以下、Standard)の2種類が用意される。

 LargeにはHDMIポート×1とDisplay Port×1とUSB TypeCポート×1が、StandardにはHDMIポート×1とUSB TypeCポート×1が背面に用意されている。本体の電源はUSB TypeCポートで供給される。モーションセンサー「Leap Motion Controller」や、Nintendo SwitchのJoy-Con、Kinect、Xbox Game ControllerをPC経由で取り付けて、「Looking Glass」に表示される3D映像に対して、ゲームのようにアクションを取ることができる。

「Large」の背面。右側にポート類がある
「Standard」の背面に用意されているポート類

【Looking Glassの仕様】

StandardLarge
サイズ9.2×15.4×20.0cm(横×高さ×奥行)17.5×24.4×36.8cm(横×高さ×奥行)
重量2.2kg6.4kg
接続USB TypeC、HDMIUSB TypeC、HDMI、Display Port
OSWindows 10 64ビット
推奨CPUCore i5以上
推奨ビデオカードGeForce GTX 1060以上
推奨メモリ4GB以上
推奨ストレージ128GB以上
プロジェクト支援価格64,000円~303,000円~

うねうねと3D映像にアクセスが可能

 実際にモーションコントローラー経由で、「Looking Glass」で表示されている3D映像に触ってみたりしたのだが、リアルタイムに反応が返ってくる様はとても面白かった。中でも人体の頭の映像では、奥を触ろうとするとその中身が見えるようになったりと、エンターテイメントコンテンツだけでなく、医療分野などでも活躍できそうな予感がする。しかもこれらは米国で発売されてから2カ月程度で作られているというから驚きだ。

【ホログラム技術で3Dで見えるディスプレイ?「Looking Glass」プレイ風景 その1】
【ホログラム技術で3Dで見えるディスプレイ?「Looking Glass」プレイ風景 その2】

 アメリカではすでに発売されている「Looking Glass」だが、ユーザーがさまざまなコンテンツをWebサイトにアップしており、使い方が広がっている。モデルはUnityのほかZBrushといったツールに対応しているが、ユーザーからもこれ以外のツールに対応してほしいという要望が上がっており、対応を検討しているという。

 コンテンツの中には上記のビデオのほかゲームもあるそうなのだが、参考に見せていただいたときには残念ながら動作しなかったのでテストできなかった。ただし立体視の奥行きのあるゲーム画面が展開されており、ゲーム用途としても面白い使い方ができるように感じた。

 企業としてのLooking Glass Factoryは、設立して5年の会社。その短期間でここまでの製品を作り上げている。今後もさまざまなプロジェクトが用意されているとのことなので、今後の展開についても期待したい。