ニュース
あのFakerとBangが登場！「RAGE League of Legends SUMMONER's FEVER」開催
Faker選手のペンタが味方に阻止される爆笑の一幕も！
2018年11月24日 21:04
- 11月23日 開催
CyberZとエイベックス・エンタテインメントは、11月23日に幕張メッセで開催したeスポーツイベント「RAGE 2018 Winter」内にて、「League of Legends（以下、LoL）」のオフラインイベント「RAGE League of Legends SUMMONER's FEVER」を開催した。
本イベントは「RAGE」初の「LoL」イベント。特設ステージにはプロ選手や有名ストリーマーが登場し、エキシビションマッチなどを行なった。今回の目玉となるのは有名韓国人プロ選手「Feker選手（SKT T1所属）」と「Bang選手（100 Thieves所属）」のゲスト出演。2人とも世界大会で優勝を果たしたことがあり、イベント開始前から注目が集まっていた。実際、会場には多くの「LoL」ファンが訪れ、会場は満席。好プレイがでたときなどは歓声が沸いていた。
イベントでは国内リーグ（LJL）の試合とはまた一味違った、オフラインイベントならではの面白さや盛り上がりを感じることができた。その様子をレポートしていく。
1対1のガチバトルにBang選手も登場！
まず行なわれた最初の企画はプロ選手と有名ストリーマーの1vs1マッチ。有名ストリーマーがチャレンジャーとなり、LJLプロ選手3名を相手に1vs1に挑戦し、3人抜きを目指した。また、このイベントにはBang選手もチャレンジャーとして参加した。
今回行なわれたのは、オールスターイベントなどで行なわれる1vs1とはルールが異なる特殊なもの。特殊マップであるハウリングアビスで行なわれる点は同じだが、通常は存在しないBan/Pickがあり、1キルまでではなくネクサス破壊までを1試合とし、レベル3スタート。しかもリコールができないため装備を買うためにはデスする必要があるなどの違いがあった。このルールでは、1デスが勝敗を決めかねない、慎重に立ち回る必要のあるルールに思えたが、実際に参加した選手たちはかなり大胆なプレイを見せてくれた。
1試合目に登場したのは、今年世界大会にも出場したDetonatioN FocusMe（以下、DFM）所属のEvi選手とストリーマーのかべおさん。かべおさんは1vs1が得意とのことで、このルールでかなりの強さを誇る「スカーナー」をピック。Evi選手の得意チャンピオン「ナー」と一進一退の攻防を繰り広げたが惜しくも敗れてしまった。
続く2試合目は「Pentagram（以下、PGM）」所属のPaz選手と、ストリーマーのらいじんさん。それぞれ「フィオラ」と「イレリア」というテクニカルかつブリンク（移動スキル）持ちのチャンピオンをピックし、お互いのスキルを避けあうハイスピードバトルを繰り広げた。試合はフィオラのアルティメットスキル「グランドチャレンジ」を捌ききったらいじんさんがそのまま試合を決め勝利。
らいじんさんは続いてUnsold Stuff Gaming（以下、USG）のapaMEN選手と対戦。らいじんさんはフィオラをピックしたが、これに対しapaMEN選手は現環境でTopレーンで猛威を振るっているチャンピオン「ビクター」をピック。実はフィオラとビクターは相性でいうとビクターが有利。試合開始時からapaMEN選手がリードをとり、完封に近い形でらいじんさんに勝利した。
続いて登場したのは本イベントのゲストであるBang選手。世界トップクラスのプレーヤーというだけあって、会場からの声援も一層大きいものとなった。果たしてどのようなプレイを見せてくれるのか、日本のプロがBang選手相手にどこまで戦えるのかを楽しみにしていたファンも多かったことだろう。
Bang選手最初の相手はapamen選手。Bang選手は「アーゴット」、apaMEN選手は「ライズ」をそれぞれピックした。序盤、アーゴットがEスキルを発動させ、そのままフラッシュを使用するも、それを読んでいたapaMEN選手はほぼ同時にフラッシュアウト。直後に反転してコンボを決め、ファーストブラッドをapaMEN選手が獲得した。しかし、apaMEN選手の動きの癖を読んだBang選手は以降スキルを当て続けて有利を拡げていく。1キルを返した後は防具を積んでいき、ライズのダメージをカットすると形勢は完全に逆転。防具により固くなったアーゴットをキルできないままネクサスを破壊され、Bang選手が勝利。
Bang選手は続くPaz選手との戦いで自身の得意チャンピオンであるルシアンをピック。的確なスキルショットと回避でPaz選手の「エイトロックス」を追い詰めていき勝利した。
最終戦の相手はEvi選手。Bang選手のイレリアに対し、Evi選手は「タム・ケンチ」をピック。試合開始直前から殴り合いが起きる激しい展開だったが、Evi選手はタム・ケンチのQを的確に当てていきBang選手をキル。そこで得た有利を生かし立て続けにイレリアをキルし続けていき、最後にはBang選手が防戦一方に。試合はEvi選手が大金星を挙げて国内プロの意地を見せてくれるという結果に終わった。
来場者参加型のイベント「ケイン・コスギのパーフェクトマッチ」Faker選手も登場で大盛り上がり
続いて行なわれた「ケイン・コスギのパーフェクトマッチ」では、俳優でプライベートでも「LoL」をプレイしているケイン・コスギさん率いるストリーマーチームと、プロプレーヤーと会場から抽選で選ばれたプレーヤーのMIXチームの対戦会が行なわれた。
ストリーマーチームには、スタンミさん、象先輩さん、JACKPOT TEEMOさんに加え、韓国最強のMidと呼び声の高く、「LoL」界で最も有名なプレーヤーであるFaker選手が参加。一方のMIXチームは国内プロからDFMのCeros選手と「Crest Gaming Act」所属のhachamecha選手を筆頭に、そこに会場から抽選で選ばれた幸運な3名を加えたチームとなった。Faker選手のプレイはもちろん、国内最強のMidレーナ―Ceros選手がFaker選手相手にどう戦うのかにも注目が集まった。
まずはBan/Pick。注目のFaker選手の使用するチャンピオンは得意の「ルブラン」。対するCeros選手も世界大会で活躍を見せた「ジグス」をピックした。また、OTP（ワントリックポニー、1体のチャンピオン専門）プレーヤーが2人参加しているストリーマーチームは、単体をキルするのが得意な構成に。一方のMIXチームは即席チームなのにもかかわらず大会でも見かけるような強力な構成となった。
試合はケインさんがこの試合最初のキルを獲得したと思えば、今度はMidでCeros選手のジグスがFaker選手のルブランをキルし、会場は大盛り上がり。その後はMIXチームのジャングラー、hachamecha選手の使うグラガスが育ち、マップの様々な場所でキルを取っていく一方で、ストリーマーチームもスタンミさんの使う「ノクターン」と、象先輩さんのつかう「カーサス」の強力なアルティメットスキル、Faker選手の使うルブランの瞬間火力を生かしてキルを量産。結果、キルが連発する激しい試合となった。
試合はシーソーゲームではあったがFaker選手の強気なプレイを軸としてストリーマーチームがMIXチームを追い詰めていき、最後はルブランのバーストダメージでMIXチームを崩してネクサスを破壊。ストリーマーチームが勝利した。
最近のメタでは中々見られない50分の長時間ゲームとなったが、見どころが多く最後までどちらが勝つか分からない好ゲームだった。特に即席チームであるにもかかわらずMIXチームの素晴らしい連携に対しては賞賛の声が上がった。試合終了後、ケインさんは「皆さんとゲームがプレイできて夢のような、楽しい時間でした」と試合を振り返り、Faker選手は「（Ceros選手に）ソロキルされたので負けたような気分です」と悔しそうに語った。
メインイベントでガチ対戦！ リーグ顔負けの名勝負に
最後に行なわれたのが本イベントのメインとなる「スペシャルエキシビションマッチ」。「LoL」ファンの人気投票の上位プレーヤー8名をFaker選手、Bang選手が率いる「チームFaker」と「チームBang」に振り分け、試合を行なった。
「チームFaker」にはらいじんさん、hachamecha選手、Faker選手、DFMのYutapon選手、同じくDFMでコーチを務めるKazu選手が参加（Top、Jungle、MID ADC、Supportの順で表記）。「チームBang」はEvi選手、ストリーマーのしゃるるさん、Ceros選手、Bang選手、USGのEnty選手が参加した。
形式はリーグ戦と同じトーナメントドラフトでBO3（2本先取）。どのプレーヤーも凄腕揃いで、しかもイベントだからと言ってエンジョイプレイをするわけでもはなく、本気のプレイを見せてくれた。
1試合目はADCを務めるBang選手がまさかのカーサスをピック。どうやら最近かなりカーサスを練習しているようで、この一見奇抜なピックがどう刺さるのかが注目だ。
試合の序盤ではhacahmecha選手とFaker選手の連携が光り、開始直後から立て続けにチームFakerがキルを獲得する。一方のチームBangはカーサスのカウンターである「ヴァルス」をYutapon選手にピックされ苦戦するも、TopレーンではEvi選手が有利を作っていた。その後、試合は集団戦を交えた激しい展開になっていくが、常に育ったFaker選手が好プレイを見せて試合を有利に進めていく。最後はチームFakerがバロンを獲得するとそのままの勢いでネクサスを破壊した。始めてチームを組むメンバーがいるのにも関わらず、どちらのチームもきちんと連携が取れており、さすがは1流プレーヤーだと感心させられた。
続く2試合目は暴れていたFaker選手のルブランをBan。これに対しFaker選手は「ゾーイ」をピックした。この日初めてFaker選手がルブラン以外をプレイすることにより、試合の展開が変わることが予想された。
試合は先ほどとは変わってチームBangが動かしていく。まずはしゃるる選手が序盤からEタワーダイブのガンクを決めてTopで1キル。その後すぐにTopでhachamecha選手とFaker選手がEvi選手にガンクを決めるが、これにCeros選手も対応しておりキルを回収。さらにBotでもBang選手がキルをとり、チームBangが大幅な有利を手に入れた。
しかし、チームFakerも負けてはいない。Faker選手がBotレーンに寄ってくるCeros選手の動きを僅かな視界の情報を頼りに予測しカウンターの位置を取り、攻めてきたところで反撃。これにらいじんさんもテレポートで合わせて2キルを獲得。見事な頭脳プレイで反撃の糸口を掴む。その後も不利な集団戦でも的確なスキルショットで被害を最小限に抑えるなどFaker選手のゾーイは活躍を見せる。
そして試合が30分に差し掛かろうとしたとき、集団戦がスタート。激しい行動妨害スキルの打ち合いでどちらが勝つかわからない激しい戦いとなったが、Faker選手とYutapon選手は的確なスキルショットで相手のライフを削っていき、チームFakerが勝利。この集団戦ではFaker選手がクアドラキルを獲得し、ペンタキルのチャンスだったものの、hachamecha選手がまさかのキルスティール。苦笑いを浮かべるFaker選手だったが、会場は爆笑に包まれた。
さて、これをきっかけに試合は一気に集団戦の流れとなり、すぐさま次の集団戦をチームBangがしかけ勝利した。これによりチームBangはタワーを獲得するもその間にチームFakerはバロンをゲット。そしてすぐさま集団戦を開始。この集団戦はFaker選手のスキル精度が輝き一瞬でチームBangが不利となり、そのままFaker選手がクアドラキルを獲得し勝利した。
このバロンの獲得と集団戦の勝利によりチームFakerは資金差を逆転。このまま一気に試合を決めにタワーを折る動きを見せる。が、一瞬のスキを突きBangチームが反撃。しゃるる選手がFaker選手を一瞬でキルするとそのまま押し切り3キルを獲得。そのままネクサスタワー、ネクサスまで破壊しきり激しい試合をチームBangが制した。
2試合連続で激しい試合が続いただけあって、最終戦も集団戦がメインになることが予測された。試合は序盤、1試合目でも見られたFaker選手とhachamecha選手の連係プレイでしゃるる選手をキルすると、TopでらいじんさんのエイトロックスがEvi選手のナーををソロキル。序盤でチームFakerが有利に進めると思われた。
しかし、ここでCeros選手の得意チャンピオン「ハイマーディンガー」が活躍。自身へのガンクに対し的確な判断でFaker選手とキルを交換した後、すぐにFaker選手のイレリアをソロキル。その後Midで起きた小規模戦でも勝利し、チームBangがキル差を埋める。
その後試合はシーソーゲームに突入。タワーの差でチームFakerが僅かに有利だが、集団戦の結果ではどちらが勝ってもおかしくない状況だった。
試合は後半、チームBang選手のカイ＝サのステルスを生かしたトラップからチームBangは2キルを獲得。しかし、対するチームFakerもYutapon選手の「ヴァルス」がダメージを出し3キルを返す。その後の集団戦でもチームBangが仕掛けるも今度はFaker選手のイレリアがダメージを出し決着はつかず、決定的な有利を築けなかった。
そして試合も終盤。Enty選手のスレシュが完璧なフックを決めてキルを取りタワーを攻める。チームFakerはこれを守ろうとするが、そこにしゃるる選手の使うタリヤの「サイズミックシャーブ」がらいじんさんを捕らえ、ライフの有利を得るとすぐさまバロンを獲得。一気に有利な状況になったチームBangはその後の集団戦でもEnty選手をおとりの様に使う動きから、Bang選手が見事なプレイを魅せ集団戦に勝利。粘りに粘ったチームBangが勝利を果たし、このBO3にも勝利した。
最後にBang選手はBO3について「コミュニケーションがスムーズにできた。コールも正確で、スクリムをやっているようでした」イベント全体に関しては「ファンの応援や、イベントの設備のよさに驚きました。僕が今まで出たイベントの中で、1番ゲームがやりやすい環境でした。皆さんとゲームができてとても楽しかったです」と語ってくれた。一方Faker選手は「LjLの選手とプレイができいい経験になりました。ファンの方々もたくさん来てくれてありがとうございます。この後はおいしい寿司を食べに行きたいです」と笑顔を見せた。
さて、本イベントではAbameTVとOPENREC.tvでの韓国リーグ（LCK）の公式放送が決定したことが発表された。こちらは待望の日本語実況解説がつくとのことで今から楽しみだ。トップレベルのリーグの試合を観戦することも、今後の「LoL」プレーヤーの上達や定着に一役買ってくれることだろう。
本イベントは、RAGE初の「LoL」イベントでありながら大いに盛り上がり、「LoL」やeスポーツの定着を感じることができた。また、日本プロも韓国1流のプレーヤーに見劣りしない程に成長していることを感じさせる一幕もあり、国内「LoL」シーンの今後を期待させてくれるものだった。1プレーヤーとしても非常に面白いイベントだったので、今後もこうしたエンターテインメント性溢れるイベントの開催を願う限りだ。
