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【特別企画】最新のゲーミングPCでPC版「Minecraft」を遊び倒す!
GALLERIA DJ Minecraft Editionが実現する極上の「Minecraft」ワールド。VRの快適さもチェック!!
2018年12月3日 07:00
突然だがアナタは「Minecraft」というゲームを遊んだことはあるだろうか?
この記事に興味を持って読んでくれている時点でほとんどの読者は遊んだことがあるのだろうと思う。かくいう私もそうである。何を隠そうゆうに7年半もの付き合いである。夫婦ならば銅婚式であり、産まれた子供は小学校に通い始める時分だ。
筆者 今井三太郎は、「Minecraft」イベントへの出演、書籍の出版にはじまり、現在ではMicrosoft公認のもとMarketplaceへ作品の出展を行なっている。平たく言うならばプロゲーマー、「Minecraft」的に言えばプロマインクラフターというやつである。
私は立場上多くの国内「Minecraft」イベントに顔を出している。そこで来場者、といってもそのほとんどが小学生以下の子供たちであるのだが、彼らに「『Minecraft』を遊んだことがある?」という問いかけをする機会がある。
「Minecraft」のイベントに顔を出すほどだ。当然ほとんどの子供は、「ある!」と答える。しかし「PCで『Minecraft』を遊んだことがある?」という問いかけに対しては、「ある」と答える子供は全体の1割にも満たない。
俗に“統合版”と呼ばれる、現行のBedrock版のメリットは、PCに限らずあらゆるゲームプラットフォームで遊べる点なのだが、私はPC版の少なさについて常々寂しくも感じている。より快適でより素晴らしいPC版「Minecraft」の世界を広めることがプロとしての役割であるように思う。
そこで今回は統合版「Minecraft」をPCで徹底的に遊び尽くし、その魅力をゲームファンにお伝えしようではないか! というのが本企画の趣旨である。
そのために今回はサードウェーブが発売した「Minecraft」同梱のゲーミングPC「GALLERIA DJ Minecraft Edition」と、240Hz表示に対応したBenQのゲーミングディスプレイ「XL2546」、そしてAcerのVRヘッドセット「Windows Mixed Realityヘッドセット」まで用意した。どうせ遊び尽くすのであれば徹底的に本格的に、そして一切の容赦なく本気で遊んでやろうというわけだ。
競馬にF-1カーで挑むようなもので、なんともオーバーキル気味であるのは否めないが、この重装備ならば「Minecraft」の最も深いところまで遊び尽くせようという魂胆である。
そもそも「PC版」、「統合版」ってなぁに?
「Minecraft」には2つのバージョンがある。1つは開発当初から慣れ親しまれているJava Edition。もうひとつがマルチプラットフォーム展開を見越して3年前に開発されたBedrock Edition、通称統合版である。
統合版はその名の通り、あらゆるプラットフォームで同じ動作をすることを目的に開発されている。2017年の9月に行なわれた大型アップデートにおいて、ついに全プラットフォームにおけるクロスプレイを実現した。スマホでもNintendo Swichでも、そしてPCでも同じ「Minecraft」が遊べるようになったのだ。これは画期的な出来事であった。
私のような“全世界に自分の作品を見せつけてやりたい”という自己顕示欲の権化にとっては、夢のようなアップデートである。全世界における「Minecraft」のアクティブユーザー数をご存じだろうか。その数なんと9,000万人である。世界人口の100人に1人は今日も「Minecraft」を遊んでいるのである。
己が作品ひとつを以て、世界の行く先々で子供たちから「すげー!」と言われたい。そんな野望を実現することも、けして夢物語な数字ではないのだ。
そこで気になってくるのが、プラットフォームによる性能差だろう。元来、統合版としてどのプラットフォームでも同じ動作をするように作られた「Minecraft」でも、ハードウェアの性能が異なるため、プラットフォームによってできることの幅が変わってくるのだ。
「え? 同じ『Minecraft』なのに何が違うの?」と思うかもしれない。その疑問はもっともだ。
なればこそ、私は今回PCで「Minecraft」を徹底的に遊び尽くし、PCで体験する意味、そしてその魅力を最大限引き出さねばらならい。そう意気込み、どうせやるならと最高の環境を整えてはみたものの、実際のところPCでやることでどのようなメリットがあるのか、私にはまるでわかっていなかった。
というのも本来はマルチプラットフォーム化に伴い、あらゆる媒体で同じように動くというのが統合版最大のメリットであり根本的な設計思想である。かつてはJava版で数々の名城を手掛けた私はあらゆるバージョンを触ってきた。それにMarketplaceで作品を提供している都合上、個人所有の古いゲーミングPCを用いて統合版を散々いじくり回してきた。
それでも現在のフラット化されたバージョンにおいてPCでしかできないこと、というのはボンヤリしかわかっていないのが実情だ。だが、マシンパワーに差がある以上、スマホとゲーミングPCが全く同じではないということは、読者の皆様にもご理解いただけるであろう。
そこで今回の検証では「Minecraft」をPCで遊ぶメリット。そしてPCでこそ体験できる「Minecraft」の魅力を、ゲーミングPC「GALLERIA DJ Minecraft Edition」のスペックでもってお伝えしようと思う。そうでなければわざわざこれだけの機材を揃えた甲斐がないというものである。なにはともあれ触ってみないことには始まらない。いざ早速プレイしてみようではないか。
ゲーミングPCの限界に挑む!そのスペックやいかに!
先にも述べたが、今回は検証機材としてゲーミングPC「GALLERIA DJ Minecraft Edition」、そしてゲーミングモニター「XL2546」を用意した。
「GALLERIA DJ Minecraft Edition」についてはCPUにIntel Corei5-8500、GPUにNVIDIA GeForce GTX 1060/3Gを搭載しており、動作の軽い統合版(Intel Core i3-3210、GeForce 400シリーズ)はもちろんのこと、JavaEditionの推奨スペック(Intel Core i3、GeForce GTX 700シリーズ)をも大きく上回っている。
それに加えて今回用意したBenQのゲーミングディスプレイXL2546はリフレッシュレート240Hzまで対応しているハイエンドモデルだ。普段筆者は安物のPCで遊んでいるため30Hzの世界に慣れ親しんだ私にとって240Hzというのはもはや別世界である。240Hzと言ったらもはや第一線で活躍するプロゲーマーが愛用するレベルだ。
そこにあってマインクラフターの世界では建築センスがほぼ全てモノを言うためfpsについてはそこまで重視しない。
だが最低限、気にならない程度にはfpsを維持したいというのがゲーマーの本音である。そこで「Minecraft」を遊ぶ上で特に処理落ちの原因となりやすい「表示距離」と「MOB」の2方面から「GALLERIA DJ Minecraft Edition」のパフォーマンスを検証していこうと思う。
【GALLERIA DJ Minecraft Edition】
CPU:Core i5-8500 (3.00GHz-4.10GHz/6コア/6スレッド)
チップセット:Intel H310
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1060 3GB
メインメモリ:8GB DDR4 SDRAM(PC4-21300/4GBx2/2チャネル)
ストレージ:1TB HDD
光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL 対応)
電源:DELTA 500W 静音電源 (80PLUS BRONZE / GPS-500EB D)
OS:Windows 10 Home 64ビット
価格:99,980 円(税別)
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=&mc=8369&sn=2883
【「Minecraft for Windows 10」のライセンスについて】
GALLERIA DJ Minecraft EditionにはMinecraft for Windows 10のライセンスが付属しています。・Microsoftアカウントの準備
インターネットに接続した状態でWindows 10にMicrosoftアカウントでログインして下さい
・Minecraft for Windows 10をプレイしていただくために
下記手順に従い、ソフトウェアの入手とライセンスの有効化が必要となります。
1.デスクトップ画面下部のタスクバーもしくはスタートメニューから「Microsoftストア」を起動
2.ストア画面の右上にある「・・・」をクリック
3.「マイライブラリ」をクリック
4.リストにある*Minecraft for Windows 10の横にある「入手」をクリックするとダウンロードとインストールが開始されます
5.完了後、Minecraft for Windows 10をお楽しみ下さい
*手順4で対象ソフトがリスト無い場合は、ストア画面左側にある「OEMの製品やサービス」を選択しリストをご確認下さい。
・注意
"PC本体のWindows 10ライセンス有効化"から180日以内に有効化が必要です。
期限を超えた場合、自動的に失効となり再発行はいたしかねますのでご注意下さい。
さて、PC版「Minecraft」最大のアドバンテージはなんといっても表示距離だろう。私のように映像作品を手掛けるのみならず、本記事で使用しているようなスクリーンショットの撮影においても遠景のあるなしでは見栄えが大きく変わってくる。
これについては実際に見ていただいたほうが早い。こちらは先日リリースされたプロマインクラフターチーム「Team-京」が手掛ける「暁城」である。
しかし画面設定を操作し、この表示距離を半分まで落としてみるとこのようになる。
これは城が表示限界距離よりも遠くにあるためだ。広範囲にわたって開拓・建築を行なうマインクラフターにとって、画面内に自分が作ったものの全容を収めたいというのは共通の願望である。
だが遠くを見渡すためには当然のことながら高いマシンスペックが要求される。全てのマインクラフターは有史以来このジレンマと戦ってきた。「Minecraft」を少しでも遊んだことがある読者の方はよくご存じであろう。そう、表示距離を伸ばしすぎると「Minecraft」はその分重くなるのだ。
そのため表示距離の限界は、例えばスマホはスペックにもよるが、筆者が使っているiPhone 6の場合、16チャンク(1チャンク=16ブロック四方、16チャンクは距離にして256ブロック分)に設定されている。
体験談を元に語るならば、私が「Minecraft」と出会った頃、当時私が所有していた年代物のPCではJava版で12チャンク以上遠くまで表示すると画面がカクカクしすぎてまともに動けなくなるほどだった。“巨大な城”という作っているものが作っているものだっただけに、巨大な城郭全域を映すには出力が足りず何度も歯がゆい思いをしたものだ。
さて今回用意した「GALLERIA DJ Minecraft Edition」だが、現在の統合版「Minecraft」の最大表示範囲はスペックによって自動的に決定される。なんと「GALLERIA DJ Minecraft Edition」のデフォルト最大表示距離は48チャンク(768ブロック)である。
しかも、今回の記事では基本的にその最大描画距離でずっと検証と収録を行なっているのだが、こと表示距離に関してはfpsの低下が気になる場面はなかった。外部ツールを起動してfpsを常に監視していたのだが、fpsは最大の240付近で推移し、驚くべきことにfps200を割り込むような場面はなかったのだ。うおお、「GALLERIA DJ Minecraft Edition」半端ねえ……私の個人PCに欲しい。
という話が出たのでここらへんで今回の相棒のスペックについても述べておこうと思う。
「GALLERIA DJ Minecraft Edition」はCore i5-8500とGeForce GTX 1060/3G、メモリは8GB搭載している。最大値の48チャンクでもfpsを落とすことなく余裕で動いている様子を見る限りでは、恐らく60チャンクぐらいまでは問題なく動くのではなかろうか。
……と思ったので実際に試すことにした。本来アドオンを用いない状態では最大表示距離以上に設定することはできないのだが、設定ファイルを直接いじることで表示距離は実質無限大に延伸することが可能である。
optionsファイルに「gfx_viewdistance:768」とあるが、これが最大表示距離である。本来であればこの数値の上限は「Minecraft」をインストールした時点で自動設定されるのだが、この数値を直接書き換えてやることで表示距離をどこまでも伸ばすことが可能だ。
試しにこの数値を960(60チャンク)まで伸ばしてみよう。
想定通りややfpsはやや落ちたものの120~150fpsあたりで推移している。一般的なモニターだと60fpsが上限で、実際にプレイしていてカク付いてきたかなというレベルが30fpsぐらいで、それと比較すればまだまだ快適なことがわかる。「GALLERIA DJ Minecraft Edition」では、表示距離を60チャンクに伸ばしても何の問題もなくプレイできるということが言えると思う。
1チャンク伸ばすということは、四方に表示距離が延伸されるため、表示距離は実に4倍に膨れ上がるという。それにも関わらず良好なパフォーマンスを発揮する「GALLERIA DJ Minecraft Edition」はタフなマシンだと言える。
ではどの程度までなら「GALLERIA DJ Minecraft Edition」で問題なく表示距離を伸ばすことができるのだろうか。今度は数値を1,600(100チャンク)にしてみよう。
ご覧の通り、地平の彼方まで見渡せるようになった。なんとこの状況でもfpsは40~50の間を推移している。このぐらい出ていれば、まだまだプレイに支障はない。ここまで表示距離が長くなるともはや現在Marketplaceで公開されている日本人プロマインクラフター作品の中で最大のサイズを誇る「睦月城」ですら全景を収めて余りあるほどだ。それにあってプレイに支障をきたさないというのだから、これはもうパワフルという他ない!
その後も細かく刻みつつ検証を重ねたが、1,960ブロック(120チャンク)を超えたところで処理がしきれなくなりfpsが20を割り込んだ。このあたりがプレイを前提とした場合の限界と言えそうだ。
ちなみに、プレイを前提とする表示のみということであれば2,400ブロック(150チャンク)でも読み込み可能だったので、スクリーンショットを撮る際などには有効に活用できるだろう。
さてこうなってくると気になるのは「MOB」だ。「Minecraft」の動作を重くする2大巨頭、それが表示距離とMOBである。
そして先に検証したGPUが表示距離を処理するならば、「MOB」を処理するのはPCの頭脳、つまりCPUとメモリである。
MOBは個体ごとに移動や敵の検知といった処理を行なうため、同時に大量に生み出すとCPUに多大なる負荷がかかるのだ。
というわけで用意したのがこのニワトリのスポーンエッグである。これによってMOBを同時に、大量に発生させることでCPUの処理能力の限界に挑む。私の連打力と「Core i5-8500」の力比べ、もとい“チキン”レースをしようというわけだ。
かくしてプロマインクラフター今井三太郎と「GALLERIA DJ Minecraft Edition」の一騎討ちが幕を開けたのである。実況は今井三太郎、解説も今井三太郎である。プロを名乗る以上、醜態は許されないので気を引き締めていきたい。
連打すること数十秒。はやくもおよそ100匹ほどのニワトリを召喚するも「GALLERIA DJ Minecraft Edition」はまだ余裕である。むしろこの程度は耐えてもらわねば困る。
200匹、300匹と数を増やすも「GALLERIA DJ Minecraft Edition」は余裕の表情を崩さずfpsも240張り付きのまま安定している。対する私はもうそろそろ指が限界である。
更に数分、およそ500匹のニワトリを召喚したあたりで今井の指が先に音を上げた。対する「GALLERIA DJ Minecraft Edition」はfpsが若干(10ぐらい)落ちたものの操作にはほとんど影響がない。中指故障による選手ギブアップのため、この勝負は「GALLERIA DJ Minecraft Edition」の勝利といって良いだろう。
どうしても負けを認めたくなかったので、私はサモンコマンドでニワトリを大量に呼び出すことにした。たとえどんな汚い手を使ってでもマシンの限界に挑まねばならない。検証のためには仕方ないのである。
サモンコマンドとは、コマンドブロックの設定を反復にし、無限にニワトリを生み出すコマンドである。本当に際限なく出続けるので、良い子は絶対にマネしないように。
それでは「/summon chickin ~10 ~10 ~10」を起動する!
何も起こらないではないか!
それもそのはずニワトリは「chickin」ではなく「chicken」である。さっそく出鼻をくじかれたが気を取りなおし、「/summon chicken ~10 ~10 ~10」を入力した。
ちなみに座標を少しずらしてあるのは、サモンを同一座標で行なうと後々コマンドブロックを破壊できなくなるからだ。良い子は注意してマネするように。
連打でこの速度は出せないだろう。このコマンドならば召喚されるニワトリは一瞬で500匹を超える。さっきまでの私の努力はいったいなんだったのか。
やはり500匹を超えたあたりでfpsが少しずつ下がってきた。それから数十秒、ニワトリがおよそ1,000匹を超えたあたりで動作が怪しくなり、その後急激にfpsが20前後まで低下した。この状態でも動いたりチャットコマンドを打ち込んだりということはできるのだが、さすがに快適なプレイの維持を考えると500匹あたりが限度らしい。まあ1,000匹ものニワトリを同時に処理する機会など鹿児島の養鶏場を再現する場合などに限られるだろうが。
とりあえずMOB検証においては私の勝利と言ってもいいのではなかろうか。ダメかい? ダメならせめて引き分けにしてくださいお願いします。
ちなみにこの状態で一晩置いておいたのがこちらの画像である。
もはやfpsは1桁まで低下していたがPC自体は問題なく動いている。killコマンドで溢れ出たニワトリを一斉に処理すると、その後は問題なく「Minecraft」を再開することができた。うーん、やっぱりこれは今井選手の完全敗北なのでは。
ちなみに、他のプラットフォームでも検証するために私の個人所有のスマホでも試してみたが、200匹前後から少しずつ挙動が怪しくなり、その後fpsが急激に低下していき、ものの30秒で動くことすらままならなくなってしまった。当然発生源であるコマンドブロックを破壊することも、MOBを一掃するkillコマンドの入力もままならなくなってしまったのでいわゆる詰みである。お気に入りのワールドデータが使えなくなるのでマジで注意されたし!
世界が変わった! VRで「Minecraft」
PC版「Minecraft」でしかできない機能として、VRがある。
何を隠そう、今回の検証で私が1番楽しみにしていたのがVRである。なにせ現在の私の個人所有PCではVRの要求スペックをギリギリ満たせていなかったのだ。これまでもVR体験会などには積極的に参加してきたが、じっくりVRで遊ぶ機会となると私自身、今回が初めてだ。
遊び尽くすとなればサバイバルモードはもちろん、自分たちが手掛けた作品の中を実際に歩いて回ってみたいというものだ。いつもの見慣れたディスプレイ越しの風景とはまた違った趣があるのだろう。
ただ、問題は動くか否かだ。これはもう「Minecraft」ではなく、純粋にVRヘッドセットが求める要求スペックになってくるのだが、今回用意したWindows MRの場合、CPUはIntel Core i5-7200U以上、NVIDIA GeForce GTX 1050以上が求められる。「GALLERIA DJ Minecraft Edition」ならこれらの要求を充分に満たしているのでVRヘッドセット自体は問題なく動くのだ。ついに念願のVRである。
「Minecraft」のVR世界に入ってまず最初に驚いたのは距離感だ。今まで画面の中で行なわれていたブロックを集める、積むという何百万回と繰り返した操作が、自分の手の届く範囲で行なわれるというのは、うーむ、不思議な感覚である。
というか木を集めるという単純な動作一つにしたって、ディスプレイでやるのとVRでやるのでは大きく違う点がある。おわかりだろうか。
今私は上を向いているのだ。VRヘッドセットを外すと天井を見つめていることになる。基本的に見ている場所が画面の中心となるのが「Minecraft」の仕様であることは読者諸君もよくご存じであろう。
当然、VRモードで上にあるものに触れたいのならば、基本的に首は上を向くことになる。この姿勢を長時間維持するのはツ、ツラい……。
長年の「Minecraft」経験からイヤな予感がするのでできれば避けたいと思っていたのだが遊び尽くすと言った以上は腹をくくらねばならない。私は洞窟に挑戦することにした。見てほしい。足の下の暗い穴を。距離感については前述したが、モニターと違って高さがリアルなのだ。
知っての通り「Minecraft」では3ブロック程度であれば足をくじくことはないわけだが、現実で3メートル飛び降りるといえば2階の窓程度の高さである。そこにあってこの深さを飛び降りるのはさすがに躊躇われるというものだ。
ヒェッ! ジェットコースターに乗ったときのような、股がグッとなる感じ、と言えば伝わるだろうか。これを繰り返すのはあまり体によろしくないのだが、どんどん降りていかねばならないのが洞窟である。
降りてまた降りた先で早速出くわしてしまった。ヤツと。
はっきり言おう、敵MOBは心臓に悪い。ただでさえ普通にプレイしていても恐ろしいのにVRで対峙すると、デカいのだ。クモとか近くで見ると大型犬を彷彿させるデカさだ。これも没入感の為せるわざなのだろうか、命の危険を感じる。2度と洞窟になんか行くものかと心に誓った。
さてさて、ここからがVR体験の本番だ。ずばり城郭の探訪である。手前味噌ながら私がこれまで手掛けた城郭の数々は実在する構造を取り入れるのみならず、当時の兵器工学の進歩による変遷まで加味した代物だ。
そして何よりこれらの建築はほぼ実寸で作られている。「Minecraft」の建築はよくドット絵に例えられるが、その仕様上現実のサイズよりも大きく作れば作るほど精度は上がるのだ。しかし「Minecraft」内で時代劇を撮影するという試みをしていた都合上、基本的に私の作るワールドは縮尺が現実に則するように設計されている。これはもう癖のようなものなのだが、いざVRとなると更なる没入感を生むのは言うまでもない! 今回はその集大成ともいうべき1番槍謹製の「睦月城」を用意した。いざ参らん!
これはまるで実際の城跡巡りをしているような。否、実際に戦国時代にタイムスリップしたような感覚とでも言おうか。
自分自身が大河ドラマや時代劇の世界にいるのだ。今にして思えば私の城郭に対する過剰なまでのこだわりはこの瞬間のためにあった。遠景まで美しく描画されたこの風景を見よ。
ちなみにVRでのデフォルト最大表示距離は576ブロック(36チャンク)だ。これもoptionsファイルから個別に設定することができる。ちなみに倍の1,152(72チャンク)でも最低fps70前後で支障を感じることなくプレイすることができた。
こちらはTeam-京の「暁城」だ。あの山上の城が見えているか見えていないかで随分と印象が変わるだろう。さすがGeForce GTX 1060/3Gだ、VRでもなんともないぜ。
VR観光に際し、友人からVRで絶対に試したほうがいいよとオススメされたことがある。それがこのロケット花火飛行である。知っての通りエリトラとロケット花火を装備することで「Minecraft」の世界を自由に飛び回ることができる。なるほどこれは確かにVRと相性がいいかもしれない。
高所恐怖症ではない私でもまるで現実のようなVRの世界でこの高さを見せつけられると足が竦み全身の毛が逆立つ。高さでいえば130ブロックほど、決死の覚悟を意味する慣用句で有名な清水の舞台が13メートルなので、そのおよそ10倍だ。羽をつけているとは言えここから飛び出すのはなかなかに勇気がいる。しかしこれも検証のため、いざゆかん!
専用コントローラであるからして、慣れるまで操作の混乱は致し方ないものとしよう。特に真っ逆さまに落ちている最中は冷静に操作を思い出すなどできようものかと。なるほど世界から航空機事故がなくならないわけだ。気を取り直していざ!
人類初の有人動力飛行に成功したライト兄弟はこんな景色を見ていたのかもしれない。空を飛べるVRゲームは多数あるらしいが、自分たちが作った世界をこのように飛び回れるとは。
見たまえ眼下に広がる大城郭を。あれを自分たちが一から手塩に掛けて作り上げたのだと思うと実に感慨深い。
この検証で私が驚いたのは「GALLERIA DJ Minecraft Edition」の処理能力だ。VRを利用するには実のところ先に述べたように相応のスペックを要する。それに加えてこのロケット飛行は「Minecraft」内でも随一の移動速度を誇る。
つまり高速で飛行している最中は、次々と新しいマップの描画をしていかなければならないのだ。そんな中で特にストレスを感じることなく、fpsも維持しつつここまでのVR体験ができたというのは驚愕だ。さすがは「GALLERIA DJ Minecraft Edition」そしてGeForce GTX 1060/3Gである。
最後にひとつ、3D酔いには気を付けてほしい。
「Minecraft」をやるならゲーミングPCだ!
ここまでの検証を重ね、ゲーミングPCでの「Minecraft」体験の素晴らしさが存分に伝わったと思う。
前提として述べたように統合版「Minecraft」は原則として全てのプラットフォームにおいて同じ動作をするように開発されている。しかし今回の検証において、マシンパワー次第で描画処理や快適性に大きな差が生じることがわかった。
長年「Minecraft」と共に歩み続け、現在プロとして活動している身としては誰よりも「Minecraft」に精通しているつもりでいた。しかしゲーミングPCが他のプラットフォームに対しここまでのアドバンテージを有しているとは衝撃である。検証と称しながらついその性能に夢中になる場面もあった。せっかく「Miencraft」をプレイするのであれば、PC版での体験を強く推奨していきたい。
ゲームとは元来楽しいものだが、今回の検証でPCのパワーひとつでその楽しさの先を見せつけられた、という点において私は驚きを隠せないでいる。表示距離限界の検証からもわかる通り、まさに圧倒的なパワーで映像の世界を御している。VR体験においても他プラットフォームを圧倒する長距離の映像出力を行ないながら高いfpsを維持していたさまは、まさに圧巻である。「GALLERIA DJ Minecraft Edition」は総合的に見ても「Minecraft」をプレイする上ではもはやエンドスペックだ。
今回の検証結果を見てわかる通り、「GALLERIA DJ Minecraft Edition」のスペックならば「Minecraft」を最高水準の快適性で遊び尽くすことができる。ということが証明できただろう。
度重なるアップデートに加え、MarketplaceにVR、教育部門への進出など、「Minecraft」がまだまだ進化し続けるように、我々マインクラフターも日々進化しなければならない。だからこそ、今本気で「Minecraft」をプレイするのならば、私はゲーミングPC「GALLERIA DJ Minecraft Edition」を強くオススメしたい。