ニュース
【ホビーショー】デザインコンテストでミニ四駆に新しい風を! タミヤブースではこだわりのスケールモデルも多数展示
2018年9月28日 20:47
タミヤのミニ四駆に“新しい風”が呼び込まれる。タミヤブース、ミニ四駆コーナーの最大の目玉は、「ミニ四駆デザインコンテスト」の入賞作品の商品化である。優秀なデザインのボディを商品化する企画なのだ。
このコンテストは4月より7月末まで募集が行なわれ、今回会場にて発表された。当初は最優秀作のみ商品化の予定だったが、最優秀の「レイザーバック」に加え、優秀賞2作品、タミヤ賞2作品の5作品の商品化が決定した。
「レイザーバック」はホットロッドとイノシシがモチーフとのこと。近未来的なデザインと、後ろに大きなボリュームのあるバランスとぱっと見ただけで従来のミニ四駆と異なる雰囲気が面白い。会場では粘土による試作品もすでに作られていた。筆者のお気に入りはタミヤ賞の「ジオグライダー」優美な線を描く一見非常にシンプルなラインで構成されていて、AIが操縦する無人機のような雰囲気がある。他のデザインもとても面白い。
会場で開発スタッフの話を聞いてみたのだが、10年前にこのコンテストは行なわれ、最優秀賞のみ商品化されたが今回のように5作品をというのは初めてとのことだ。様々なボディをデザインするが、今回のようにアイディアを募るのはとても新鮮で、刺激を受けたとのことだ。この流れが今後ミニ四駆にどんな新しい変化をもたらすか、注目したい。
注目のスケールモデルの1つが「1/35 アメリカ空挺戦車M551 シェリダン」。ベトナム戦争での戦っている姿を再現したプラモデルだが、注目は前方に無造作に張ってある金網。これは対RPG装備だという。ベトナム戦争時のRPGは威力も強くなく、手前で爆発させれば戦車も耐えられた。この金網でRPGを防ぐ、いかにも「現地改修」らしいアイディアだ。さらに砲塔に予備弾薬をたくさん引っかけている。これはジャングルに潜むベトナム兵に対抗するため、機銃を多く消費するからだろうか。
本プラモデルはかなり選択の幅が広い。操縦席はシャッターが開けられ頭を出すことができるし、身を乗り出した兵、機銃を構える兵士なども飾ることができる。これは周りを警戒しながら進軍するイメージだろう。エッチングパーツ装着の作例ではハッチなどが全て閉じられ、戦車戦を行なっているイメージで飾られていた。比較をすると面白い。エッチングパーツは砲身、RPGよけの金網、後部の排気口などでリッチな雰囲気になる。戦車のプラモデルならではのドラマ性が楽しい商品だ。
もう1つが、「1/48 スーパーマリン スピットファイアMk.I(仮称)」だ。バトル・オブ・ブリテンで活躍した機体だ。タミヤは前に1/48のスピットファイアMk.Iの商品を出しているのだが、より最新の考証に沿った造形で、翼や機体の各種バランスを見直して完全新規造形での新商品として制作を行なっているという。
機体全体のバランス、各部ディテール、コクピット周りの表現などのこだわりはもちろんだが、ファンに向けて強くアピールしたいのがキャノピーだ。1/48だと相対的にどうしてもキャノピーが分厚く見えてしまう。閉じているキャンのピーはまだ良いが、パイロットが乗り込む際には前のキャノピーが相手、後ろと重なる、この“太さ”がどうしても違和感が出る。
そこでこの商品では、キャノピーのみならずコクピット周りのパーツを全て交換することで、納得できるフォルムを追求した。もちろん組み立て選択式になるが、ユーザーに納得してもらうフォルムを追求したとのことだ。
他にもシャーシまで復刻した「アバンテjr.30周年スペシャルキット」、「ワイルドウィリス」の要素を盛り込んだ「コミカルグラスホッパー」などユニークな新商品を多数展示されている。今回も様々なタミヤの“挑戦”を見ることができる。