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ただの復刻ではなく、フルリメイクされた「ラングリッサーI&II」! PS4、Nintendo Switchで2019年2月に発売
作曲者の岩垂氏と、うるし原智志氏もゲストで登場
2018年8月30日 11:49
キャラアニは8月29日、フルリメイク版となる「ラングリッサーI&II」の製作発表会を開催した。ゲストとして、エルウィン役の酒井広大さんと新ヒロイン・ベティ役の東城日沙子さん、楽曲製作の岩垂徳行氏が登壇したほか、シークレットゲストとしてうるし原智志氏が駆けつけた。その模様をお伝えする。
ただの復刻ではなく、フルリメイクされた「ラングリッサーI&II」
発表会はキャラアニの代表取締役社長・藤本裕子氏の挨拶から始まった。「現在鋭意開発中だが、全身全霊をもって引き続きの開発にあたります」とのコメント後、キャラアニ営業部の青野氏がバトンを引き継ぎ「ラングリッサーI&II」について改めての紹介を行った。
「ラングリッサー」シリーズとは、正統派戦術型シミュレーションRPG。シリーズ累計で100万本を誇り、ナンバリングタイトル5作品の他、外伝作品なども発売されている。その1作目と2作目をフルリメイクし、1本のソフトとして仕上げたのが「ラングリッサーI&II」だ。
リメイクされたポイントの1つ目が、リファインされたビジュアル。キャラクターデザインを担当したのは、「怒首領蜂最大往生」や「アルトネリコ」シリーズのキャラクターデザインなどを手がけた凪良氏だ。もちろん、ゲーム中に使用される戦闘カットインや、追加された新規イベントも、すべて凪良氏のキャラクターでリファインされている。
2つ目は、新規キャストによるフルボイス化。声優陣も一新され、「ラングリッサーI」の主人公役には逢坂良太さん、ヒロインのクリス役に佐倉綾音さん、「ラングリッサーII」の主人公役は酒井広大さん、ヒロインのリアナ役には大西沙織さんといった、人気実力を兼ね備えた声優が担当している。ここで、特別ゲストとしてエルウィン役の酒井広大さんがステージに招かれた。
エルウィン役に選ばれたことについては「凄く興奮したし嬉しかった!」とのことで、オリジナル版のファンの方に受け入れてもらえるかなと言うプレッシャーと戦いつつ、一生懸命熱く演じたそうだ。ファンの方へのメッセージとして「皆さんの選択によって、多岐に渡るストーリーを体験できる素晴らしいゲームになっています。皆さんの思う覇道を進み、戦乱の世を平定していただきたいと思います。オリジナル版の良さを残しつつ、遊びやすくパワーアップし、さらに新要素もあります。オリジナルをプレイしている方だけでなく、初めて遊ぶ人にも楽しめる作品になっていますので、発売まで楽しみにしていてください」とコメントした。
ここからは、システム面についてのリニューアルポイント解説となった。
「ラングリッサー」シリーズと言えば高い戦略性などが挙げられるが、戦術のカギとなるユニットの相性、指揮官を中心とした戦闘、地形といった3要素はそのままに、より遊びやすくプレイできるよう最新のプラットフォームにあわせ、ユーザインタフェイスを一新しているという。また、クラスチェンジシステムのリニューアルやスキルの追加も行なっているので、シリーズの醍醐味である戦略性が広がっている。
その他にも、これまでシリーズにはなかったスキップ機能やオート戦闘機能、早送り機能、バックログ機能、中断セーブ機能なども実装を考慮中とのことで、「ラングリッサー」シリーズファンだけでなく、シミュレーションRPGファンも遊びやすい内容へとリメイクを進めているということで、ファン以外も楽しめる作品になるのは間違いなさそうだ。
さらなるトピックとして、追加シナリオ&追加ヒロインが挙げられた。「ラングリッサーII」から追加されたルート分岐システムを「ラングリッサーI」にも導入し、ルート分岐に付随して新規ヒロインとなるベティも追加。彼女とは、元々あったルート以外で進むと出会うことができるということで、ベティを演じる東城日沙子さんが壇上へと招かれ、話を聞くこととなった。
新規ヒロイン役に決まったことについて東城さんは「新しいキャラクターとの出会いが嬉しかったですが、その反面、長きに渡り愛されている作品の追加ヒロインということで、プレッシャーを感じるところもありました」と、その感想を述べた。ここで、東城さんが「ラングリッサーI&II」のオフィシャル宣伝大使に任命されたこともあわせて発表され、それを受け「まだ何をしたら良いのか知らされていませんが、その任をしっかり果たしていきたいと思います!」と元気いっぱいに回答。
最後に、来場の方々へのコメントを求められた東城さんは「宣伝大使として『ラングリッサーI&II』やベティの情報をしっかり伝えていきたいと思います。今までシリーズを楽しんできた人にも、これから遊ぶという人へも、愛されるように宣伝も頑張ります」とコメントし、ステージを後にした。
「ラングリッサーI&II」最後のポイントとして、ゲーム全体を盛りあげるアレンジBGMが挙げられた。「ラングリッサー」シリーズといえば、音楽も人気の1つ。今作を製作するにあたり、岩垂氏本人によるセルフアレンジ楽曲を多数収録! あの頃の思い出が蘇るだけでなく、新しい「ラングリッサー」が感じられるサウンド演出になっているそうだ。ここで3人目のゲストとして、岩垂徳行氏が登壇した。
今回アレンジした楽曲数について、岩垂氏は「だいたい50曲くらいありますが、その約半分を僕が担当」とコメントし、実際に原曲とアレンジ曲を聞き比べることになった。流されたのは、「ラングリッサーII」の“味方1”。原曲に続き鳴らされたアレンジ曲は、今風になっていると解説。もちろん、全体的に原曲を重視し、当時のイメージを崩さないように作っているとも付け加えた。言うならば、曲を豪華にゴージャスに、でも厚く、ロック長にまとめているそうだ。
また、アレンジだけでなく新曲も用意されている。新曲は「『ラングリッサーI&II』のイメージに沿った形で作曲しましたが、“今だからこそ作りたい僕の中のラングリッサー”という気持ちを詰め込んだ曲にしています」とコメント。最後に、会場の皆様へメッセージをお願いしますと言われた岩垂氏は「音楽も新たに作っていますし、とにかくパワーアップして頑張っていますので、ぜひ皆さんに遊んでいただければと思います」と語り、ステージを後にした。
「ラングリッサー」シリーズのこれまでとこれから、が語られたプレゼンテーションも
「ラングリッサーI&II」のプレゼンテーション終了後、エクストリームの代表取締役社長CEO・佐藤昌平氏が登壇し、なぜエクストリームがメサイヤそして「ラングリッサー」の版権を所持しているのかが説明された。
佐藤氏は元・日本コンピュータシステムの社員であり、メサイヤ事業部の最後の事業部長だったそうだ。当時「ラングリッサー」シリーズををはじめとして「超兄貴」、「重装機兵ヴァルケン」、「重装機兵レイノス」などの作品に携わっていたが、会社としてゲーム事業部を縮小したいという意向があり、自ら会社を立ち上げメサイヤ事業部を預かったとのこと。
メサイヤブランドの中でも、特に「ラングリッサー」シリーズはセールス的にも大成功を収めたそうだ。今回の「ラングリッサーI&II」は、1年ほど前にキャラアニから申し出を受けたが、ただリメイクするだけでは今のファンに納得してもらえないと思い、今回のようなフルリメイク案へと舵を切ったとのこと。
また、3年ほど前に中国の会社から「ラングリッサー」について熱く語ってもらう機会があり、中国モバイル市場で「ラングリッサー」を展開したいという話をされたそうだ。その熱い思いが結実されたタイトルが、今月中国でサービスインされ「大ヒットとなっている」ということで、中国でアプリをリリースした天津紫龍奇点互動娯楽有限公司のCEO、王一氏が壇上へ招かれた。
王氏は、「『ラングリッサー』は私が学生時代に夢中になって遊んだタイトルであり、とても思い出深いゲームです。私たちは3年前からエクストリームと協力を開始し、何度もやり直したり修正し、ついに完成させました」と、感慨深く述べた。また「本作には各『ラングリッサー』のシナリオを網羅しているだけでなく、オリジナルシナリオも収録しています。BGMも歴代のものだけでなく、岩垂氏の新しいテーマソングを採用し、豪華声優陣も起用しました」ともコメント。
天津紫龍奇点互動娯楽有限公司のスマートフォン版「ラングリッサーモバイル(仮)」は、日本でも2019年のサービス開始を目指して現在開発が進行中だという。
ここで佐藤氏より「元々『ラングリッサー』は日本で生まれ、それが今回中国で大輪の花を咲かせたので、日本も『ラングリッサーI&II』そしてスマートフォン版『ラングリッサー』で大輪の花を咲かせ、2019年は『ラングリッサー』の年にしましょう」と力強い宣言が飛び出した。
シークレットゲストとして、あのうるし原氏が登場!
製作発表会はここで終了かと思われたが、青野氏より“サプライズ”と称して2つの発表が行われた。1つは、限定版はうるし原氏描き下ろしのパッケージイラストを採用した、特装ボックス仕様となっていること。限定版には同梱特典として、設定資料集とオリジナルサウンドトラックCDが付属する。
そしてもう1つ、ゲーム内のビジュアルを、かつての「ラングリッサー」に変更可能な“クラシックモード”を実装していることがアナウンスされた。マップ画面やBGMなども、昔の「ラングリッサー」に変更可能。新ヒロインのベティも、もちろんうるし原氏の描き下ろしとなっている。DLCとして配信される予定だが、後日配信は未定。通常版・限定版の初回特典として無料で同梱されるので、確実に入手したい人は予約をして欲しいとアピールした。
なお、新ヒロインのベティは元々「ラングリッサー」にいないキャラクターなので、キャラクター原案自体をうるし原氏にお願いしているそうだ。
ここでシークレットゲストとして、なんとうるし原智志氏が招かれた。イベントなどに登場することは稀なので、非常に貴重な出演となったのは間違いないだろう。
まず聞かれたのは、自身が担当した「ラングリッサー」がリメイクされた心境。これに対してうるし原氏は「元々クセが強くて選り好みがある絵しか描けない人間なんですが、そういった意味ではよくここまで続いてくれた、というのが正直なところです。今回の新しいキャラクターデザインのほうが僕なんかよりも良い絵だったので、こちらの方が売れるのでは(笑)。そんななかで、クラシックモードと言う形で入れてもらうのは恥ずかしいのですが、昔のファンの人に楽しんでもらえるのは良いと思います」と、心中を語った。
「ラングリッサー」についての思い出話を尋ねられると「当時、シミュレーションRPGは少なかったと思います。手探りでやってた感じが強かったですが、自分の持ち味としてセル画を使っていて色々賛否両論あったようですけれど、一部の方には凄く喜んでもらえたので自分で納得しながら続けることができました」と答えてくれた。
イラストを描く際に意識していることを聞かれ「そのときの気分で描いたものがユーザーさんから驚かれることが多かったので、そういうものかなと思いました。特に何も考えず描いたシェリー(「ラングリッサーII」に登場するキャラクター)の後ろ姿が、当時ハイレグTバックでお尻が見えているというのが話題になりまして。自分としてはまったく自覚がなかったので、逆にユーザーさんに刺激をもらうというか、教えてもらうことが多かったです」とコメント。
最後に「今回の新しい『ラングリッサー』は今の時代に合った、より面白い物になっていると思いますので、発売を楽しみにしてもらえればと思います」とまとめ、発表会は終了となった。
©extreme / ©Chara-ani Corporation