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【特別企画】「トゥームレイダー」シリーズ、ストーリーとアクションをピックアップ
ララはこうして冒険者として目覚めた
2018年8月23日 13:00
スクウェア・エニックスが、9月14日に発売するプレイステーション 4/Xbox One/PC(Steam)用アクションアドベンチャー「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」。弊誌でも先日、ファーストインプレッションを掲載したが、発売を前に様々な情報が出てきている。
「トゥームレイダー」というと、2001年に制作されたアンジェリーナ・ジョリーの映画を思い出す人も多いのではないだろうか? 「トゥームレイダー」は元々は1996年に登場したアクションゲームで、女冒険家が大活躍するアクションゲームとして人気を集め、特にアメリカ・ヨーロッパでの人気は非常に高く、「ゲームでの代表的なヒロイン」として、その後様々なシリーズを展開していった。映画もその人気を受けて制作されたものだ。
一方、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」は2013年に発売された“リブート作品”の直接の続編となる。2013年の「トゥームレイダー」では新たにララが冒険を経て、タフな冒険者へ生まれ変わる姿が描かれ、2015年発売の「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」で彼女の敵であるトリニティの存在がはっきりと提示された。「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」では「リブート3部作」として、ララの冒険家として物語は、一応の完結を見るという。
3部作となる「リブート・トゥームレイダー」シリーズ。1作目の「トゥームレイダー」は主人公ララ・クロフトの冒険家としての“覚醒”、そして2作目である「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」は、ララの父の秘密、そして歴史の裏で暗躍してきた秘密組織「トリニティ」との対決が描かれる。これらの物語が、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」へと繋がっていくのだ。そこで前2作のストーリーを振り返ってみたい。
「トゥームレイダー」シリーズはアクションゲームだ。ララの優れた身体能力を活かし、道なき道を見つけ出し、難関を突破していくのは楽しい。そしてその先には未知なる神秘を秘めた遺跡へと続いているのだ。人を拒み、侵入を防いでいた遺跡の秘密を解き明かしていく楽しさこそ「トゥームレイダー(墓暴き)」であり、「トレジャーハンター(宝探し)」の醍醐味である。
前編である今回は、「トゥームレイダー」、「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」の“ストーリー”と、“アクション要素”をピックアップしたい。これらの要素は「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」に繋がり、そしてパワーアップする。
今回、前2作が気になったプレーヤーに朗報がある。本日8月23日から29日までの7日間、プレイステーション 4向けダウンロード版のセールが実施されるのだ。第1作目にDLC要素を加えた「トゥームレイダー ディフィニティブエディション」が39%オフの2,999円(税込)、2作目はDLCにPS VRコンテンツもプラスした「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」が68%オフの1,999 円(税込)で発売される。この機会にシリーズ全てを揃えるのもありだろう。
ララはいかにして冒険者の魂を覚醒させたか! 3部作へ繋がるストーリー
1作目の「トゥームレイダー」は、“冒険家ララ・クロフト”誕生の物語である。ララの親友サムが語った「邪馬台国の伝説」に惹かれたララは、サムの親族や高名な東アジア歴史研究者ホイットマン教授の資金提供を受け、ララの古くからの知り合いであるロス船長と調査チームを結成、謎とされている邪馬台国を探すための航海に出る。目指すは日本の南にある「ドラゴントライアングル」だ。
しかし、ドラゴントライアングルは魔の海域だった。ロスの船エンジュランス号は激しい嵐で船体が裂け、ララは海に投げ出されてしまう。そして漂着したのは謎の島だ。ララは仲間達もこの島にたどり着いたのを確認するが、次の瞬間何者かに気絶させられ、自分が“生け贄”にされていることを知る。この島では漂着者達が狂信的な集団を形成しており、恐怖と暴力で支配し、漂着者達を捕らえ、一部の人を生け贄に捧げてきたのだ……。
何とか脱出したララは孤立無援の中、生き残るための戦いをしていく。食料を得るために鹿を殺し、木々を集めてたき火を作り、襲いかかってくる狼の群れを撃退し、何とか連絡を取れたロスの元に向かうが……彼はオオカミとの戦いで重傷を負ってしまっていた。外部に救助を呼ぶには狂信者達の目をすり抜け、島にある通信塔にたどり着くしかない。ララは皆で生き残るために、通信塔に向かうことを決意する。
「トゥームレイダー」では冒頭、ララは普通の女性として弱いところを持つ面が強調されている。怪我をして痛みにうめき、寒さに震え、自分の身に起きた恐ろしい状況に怯えながら、必死ですがるものを探していく。しかし、続く困難と、島に秘められた“卑弥呼の謎”が、ララの中に眠る冒険者としての資質を覚醒させていく。
プレーヤーはどんどん才能に目覚め、成長していくララと共に、彼女の大冒険にのめり込んでいくことになる。オオカミや狂信者を打ち倒し、断崖絶壁を駆け抜け、隠された遺跡を暴き出し、島の秘密に迫っていくのだ。プレーヤーはララと冒険を共にしながら、自身の「冒険者の魂」が覚醒していくのを感じるだろう。
特に「トゥームレイダー」は“日本”を舞台にしているのが楽しい。日本人から見ると、卑弥呼の伝説が浮世絵で描かれていたり、卑弥呼を守る謎の戦士「嵐の防人」が武者人形のような鎧甲冑をまとっていたり、色々ツッコミどころも満載だが、そういった荒唐無稽なところも本シリーズの味である。
「この島は戦前の基地としても利用されていた」など、日本の秘められた歴史、伝奇小説風のロマンも感じられるところが楽しい。なにより、危険きわまりない状況の中でも、お宝を見つけると喜々として宝の分析を始めてしまうララの考古学者としての一面も良いのだ。「トゥームレイダー」はシリーズのリブートを宣言し、多くのプレーヤーを獲得した名作である。「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」で大活躍するララはどのように生まれたか、ぜひ本作をプレイしてその誕生を確認して欲しい。
第2作目である「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」では、ララは父親の名誉を回復させるため、父が追い求めていた伝説「神秘の源」を探す冒険へと挑む。父は追放された“不死の預言者”の足取りが「神秘の源」へと続いているという主張をしていた。。
この荒唐無稽な主張は考古学者である父を孤立させ、汚名を着せられる原因となった。彼の研究はただのおとぎ話だと笑われ、全ての研究者が父を否定した。……ララも信じなかった。誰も味方がないまま、父は失意のうちに死んだ。それはララの消すことができない傷となっていた。しかし、ララは卑弥呼を巡る冒険で、伝説の中に真実が潜んでいることを知った。神秘の源、そして預言者の伝説にも真実があるのではないか、彼女の直感が、父の研究を引き継ぐエネルギーとなった。
そしてララはシリアへと飛んだ。ララはシリアで預言者の足がかり、そして父を追いかけていた“敵”と直面することとなる。その名はトリニティ。歴史の陰で暗躍し、伝説の中に眠る秘密を探し出し、独占してきた組織だ。ララもまたトリニティに監視されていた。ララがシリアに手を伸ばすのとほぼ同時に彼らは遺跡を占拠しに来たのだ。トリニティの実働部隊のリーダーはコンスタンティン。彼は神の名の下に人の命を平気で奪う冷酷な狂信者だ。シリアの遺跡でララとコンスタンティンは初めて顔を合わせる。
シリアの遺跡はシベリアへの道を指し示していた。氷雪に覆われた山の向こうに神秘の源への手がかりがある。トリニティは大規模な軍隊を投入し、力で神秘の源を探ろうとする。ララは、その地で神秘の源の秘密を守り続ける人々と出会い、トリニティを撃退するため奮戦することとなる。
「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」では、父の敵であり、歴史の影で伝説や神話の秘密を奪い秘匿していた秘密組織トリニティの存在が明らかになる。3作目である「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」でもララはトリニティと戦う。ララとトリニティとの関わりを知っておけば、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」への思い入れは一層深くなるだろう。
「トゥームレイダー」は謎に覆われた島が舞台だったが、本作では砂漠地帯のシリアと、雪原のシベリアという2つが舞台となる。シリアはチュートリアル要素の強い“序章”という扱いだが、シベリアとは大きく雰囲気が異なり、世界観の幅を大きく広げている。
「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」は前作に比べ、システムが洗練された上に、謎解き要素がさらに濃くなり、ゲームとしての楽しさが向上している。「トゥームレイダー」も多くの人に評価されたアクションゲームだが、その楽しさをさらに増し、思う存分冒険を楽しめる作品となっている。
そして、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」はさらにシステムが洗練されている。「トゥームレイダー」から提示された冒険の楽しさがさらにパワーアップしているのだ。「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」を気に入った人には前2作は間違いなく楽しいし、前シリーズのファンにはさらなる冒険が待ち受けている。「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」で本シリーズを初めて知った、という人にも、前2作は要チェックの作品である。
アクションこそ「トゥームレイダー」の楽しさ! 危険をくぐり抜け、秘宝へ向かえ!
「トゥームレイダー」シリーズはエキサイティングなアクションゲームであり、“遺跡探索”という歴史ロマンに満ちている。とても常人がたどり着けないような秘境へ、わずかな足場を探し、絶壁を登り、遺跡の罠をくぐり抜け、謎を解き明かして進む高揚感……本シリーズは冒険心をたっぷりと満たしてくれる。
本作のアクションの楽しさを紹介する映像として、「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」の中盤のアクションシーンを見てもらいたい。ララはジェイコブという協力者の要請で、村周辺に危機を知らせるため、塔の上の薪に火をつけに行く。塔そのものは古くなって内部から登れないようで、ララは外から上っていくのだが、その超人的なアクションを見て欲しい。
通れる場所は壁が崩れてピッケルが突き刺せる柔らかな岩盤が露出していたり、手がかけられそうな木の板はハイライトされていたり、シリーズにはプレーヤーの目印となるヒントが隠されている。ゲーム中盤まで進めたプレーヤーにとって、それらの目印はすぐに目につき、ララの身体能力を活かし、とても人が上れそうにない難所をぐんぐんと進んでいく。初めて観る人にとってはララの驚異的な能力が印象に残るだろうし、様々なアクションを使いこなすプレーヤー自身が腕の上達を実感をでき、「俺ってすげえ」と満足感を味わえる。
ムービーでのアクションは一見かなり難しそうだが、慣れてきたプレーヤーならばすいすいと進める。「トゥームレイダー」では1つずつララは能力を獲得していく。ジャンプで垂直の壁を駆け上がったり、ピッケルで岩盤を上れるようになったり、矢のついたロープを撃ち込むことでロープ移動ができるようになったり、1つ1つやれることが増えていく。続編である「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」でもチュートリアルは用意されており、プレーヤーはララの多彩な能力を自由に使いこなしていくことができるのである。
もう1つのムービーは、「トゥームレイダー」の「飛行機墜落」のシーンだ。救助を呼んだララだが、それに応えて現われた飛行機は謎の落雷を受け目の前で墜落、バラバラになった飛行機がララに襲いかかってくるという背筋が凍るようなシーンである。向かってくる巨大な飛行機の部品が怖い。
それだけでなく斜面を滑っていく中でモノに引っかかってしまうとララは即死してしまう。さらに飛行機の衝撃で不安定な建物が次々と崩れてくる。危機また危機、絶体絶命の状況を、プレーヤーは瞬時に状況を判断しながら進めていく。プレイしていく中で何度もララの死亡シーンを見ながら、その困難を超えていくのだ。
こういった“強制スクロール”を思わせるゲームシーンは「トゥームレイダー」はもちろん、その後の作品でも取り入れられており、「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」では雪崩がララを襲う。そして最新作「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」はメキシコの街に大量の水が流れ込み、ララを濁流が飲み込むのだ。このシーンはこれまでの作品の集大成と言える圧倒的な演出を見ることができる。
そして「トゥームレイダー」シリーズは戦闘もエキサイティングだ。狙撃にも使え暗殺にも役に立つ「弓」以外にも、ハンドガン、アサルトライフル、ショットガンとララは様々な武器を使いこなす。そしてスキルを取得することでさらなる攻撃力を獲得していくのだ。
冒険、探検がメインというイメージが強い「トゥームレイダー」シリーズだが、戦闘にも力が入っている。ステルスコンバットが可能な場合はプレーヤーのこだわりを充分活かすことができる。トラップを活用したり、地形をどう利用するかなど、様々な選択肢が用意されている。時には多数の敵が侵攻してくる中、必死で防戦しなくてはいけないようなシチュエーションもある。特に弓でのヘッドショットは決まるととても爽快だ。
「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」はシリーズ3部作の最終作だけに最初からできることが多い。壁登りや、ロープアロー、さらに壁にピッケルを突き刺してロープでぶら下がる新アクション「ラペリング」もあり、初心者はその多彩なアクションに目移りするかもしれない。しかし、ゆっくり取り組むことで、ララを思う様に操れる楽しさに、ゲームにのめり込んでいくだろう。
そして、ララを操る楽しさを知ったからこそ「トゥームレイダー」、「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」がオススメだ。ストーリー的には前になるが、さらなる冒険、さらなるアクションが楽しめるのだ。シリーズのどこから入っても良い、ララのアクションを充分に楽しんで欲しい。
今回シリーズの「ストーリー」と、「アクション」を紹介した。「トゥームレイダー」シリーズはそれだけではない。来週掲載の後編では、遺跡発掘の楽しさを最大限に活かした「シークレットトゥーム」、そして本シリーズを愛してるからこそツッコまずにはおられない「『トゥームレイダー』のツッコミどころ」を語っていきたいと思う。お楽しみに!
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